20話 武術大会予選②
「ソラ君、ホビトさんはAコートへお願いします」
「「はい」」
昼休憩が終わるとすぐに出番が来た。
「特待生だがなんだか知らんが2年生の実力見せてやんよ」
「よろしくお願いします」
先ほどと同じ説明を受けてコートの両端に移動する
「【抜刀斬撃】」
「ぐぅえ!」
はい。2年の実力よく見させてもらいました。
いやー、相手が近接だと楽でいいや。だって向こうから近寄ってくるんだもん。抜刀の構えで待ち構えて、間合いに入ったら剣技発動して一撃です。
「いやー。ソラ君すごいね。相手二年生でしょ?」
午前と同じ席に戻りほかの試合を観戦していたらヴィクトルとジュストが合流してきた合流してきた。
「二年生ならまだいいだろ?俺なんか相手上級学園の一年生だったぞ。いやー。槍で突き刺すとか勘弁してほしいぜ。あー、まだ腹痛」
ジュストはお腹を抑えながら嘆いている。
んー。やっぱ軍用プロテクションは痛覚は消さないんだ。
痛そう。次から相手が弱そうなら手加減してあげよう
「ヴィクトルはどうだったの?」
「僕も2年生だったんだけど負けちゃったよ。相手が魔法使いでね。近寄らせてもらえなかった。」
「あれま、やっぱり2年生になると魔法が正確になったり。誘導してきたりするの?」
「そうだね。ぼくの対戦相手はちっちゃな炎を無数に出してきてそれを連射してきて、何もできずに蜂の巣にされちゃった。
今思えば馬鹿正直に近づきすぎたなって思う」
「次につなげる改善機会がみつかってよかったじゃないか。
どっかの大剣使いみたいに対戦相手のせいにするよりよっぽど良いとおもうよ」
「そうかなー?」
「おい、俺のことか?テメーらおぼえとけよ!」
そんな感じで2人と馬鹿話をしながら時間を潰した。
「あ、ソラ君そろそろ次じゃない?」
「あ、ほんとだ。じゃぁ、行ってくるね」
入場のゲートに向かう途中でトーナメント表を確認する
んー。予選という事で全校生徒が4グループに分かれてトーナメントを行う。今日は3回戦までを開催予定のようだ。ってことは僕はあと2回か。今のところ余裕かな…
「おい。お前が今年の特待生か。俺は上級学園1年のオリンピオだ。
なんでもライラ先生とデートに行ってるらしいじゃねーか。お前随分調子に乗ってるな。俺の剣術でその鼻へし折ってやるぜ」
おう。2回戦の対戦相手に絡まれた!
「こらこらオンリピオ君。下級生にそんな口をきいちゃうダメでしょ?」
「あ、はい。すいません」
金髪の美人の女性教師に怒られた。そしてシュンとなってる。
まぁ、上級学園1年生って言ったら13か14歳か、んー色恋に興味持っちゃうのかな?ライラ先生とのデートの件で怒ってたみたいだしなー
「オンリピオさん。模擬戦ですがご指導よろしくお願いします!」
「お、おう。」
これ以上絡まれると面倒なので仕立てにでといた。
うん。この後ボコボコにするんだけどね
「ではお二方はコートの両端に移動をお願いします」
「はい」
「おい、お前も剣士ならここからでもよくないか?」
「え?ルールでコートの反対側まで行かないとダメなんじゃないですか?」
今までの2回はそうしてきた。
「両者の合意があればコートないならどこからでもいいですよ。距離を詰めるのも試合なので基本は両端からですが、両者剣士で純粋に剣術のみで戦いたいのならここからでもいいですよ。」
先生が答える
「そうなんですね。では、僕はここからでもいいですよ。」
「じゃぁ決まりだな。俺の剣技で叩き斬ってやる。」
「では、両者準備をしてください。後、オリンピオさんはまた口調がよくないですよ」
「あ、はい。すいません」
僕は格納石でから幼刀【十祭】を取り出し腰に構える
オリンピオさんは背中に背負っている両手剣を体の中央で構えらる
んー。バスターソードってやつかな?これぞ異世界って剣士だ。
身体強化の魔法を使うのを前提に降るのだろうか、相手の背丈ほどの剣だ。
「では、………はじめ!」
「いくぜぇ。【身体強化】さらに、……【エアスラッシュ】!」
オリンピオは両手剣を頭上に構え勢いよく振り下ろす。
振られた剣から風魔法の刃が発生して僕を襲う。
うーん。これが武術かー。
旅の途中でライラ先生から聞いたけど剣術スキルとかのレベルアップの時に覚える剣技はランダムらしい。僕は【抜刀斬撃】を覚えたけどこの子はエラスラッシュを覚えたのか。
いやー。便利そうたなー。つか、近い位置から対戦させておいてしょっぱな範囲攻撃とかひどいな。許すまじ
僕は剣に魔力を集めて表面に防御障壁をはる。
どうせ相手には訓練用プロテクションが貼られているため切れ味は関係ない。なら武器が破壊されないようにした方が戦闘能力は上がる。
左腰な。甘えていた木刀。右上に振り上げるようにしてエアスラッシュによる風の刃をそらす。
うん。剣技はあくまでも魔法だ。その威力は術者の魔力の熟練度によってだいぶ変わる。今回は相手がまだ子供ってかたまあり、余裕で方向性をかえることができた。
「なっ!」
剣を今度は右側に構えながら距離を詰める。
相手は剣技をただの剣、しかも木刀で弾かれたことで動揺している
右側から相手の懐へ刺すような一撃。
「くぅっ!」
さすが上級生。ギリギリで立ち直り剣でそらす。
しかしすでに僕の間合い。剣を引いて体を回転させながら左手で相手の顔面にパンチする。まったく予想していなかったのか、オリンピオは驚きながら吹き飛ぶ。
んー。ガタイの違いからか思ったよりも威力は出な買ったようでプロテクションを剥がすまではいかなかった。しかし殴られた衝撃で気絶してしまっている。
審判の方を見ると
「トドメを刺すまでが試合です。」
おう。追撃推奨。
倒れこむオリンピオに向かって木刀を上から叩きつける。
うん。無抵抗の相手を殴るのは申し訳ない気がするけど仕方ない。
「ぐぅげぇ!」
殴られた衝撃で悲鳴を上げるがそこで訓練用プロテクションが剥がれて転移させられていく。
なーむー
「いやー。ソラ君は強いですね」
「まさか3回戦に進むとは俺の弟子にしてやってもいいぜ?」
観客席に戻ってくるとヴィクトルとジュストが待っててくれた。
「いやー。相手が弱かっただけですよ。あと、なんで1回戦で負けた人に弟子入りしなきゃいけないんですか?」
「そうですか?相手は上級学園の生徒だったんですよね?なら、そこそこ強いんじゃないですか?」
「そうなのかな?」
「あ、生徒証の序列確認してみではどうですか?」
そうか、すでに3人倒してるから序列も上がってるかな?
学生証に魔力を通す。
名前[ソラ]
レベル[28]
王都第2学園1年生
序列[98位]
使用可能残高[84万ギル]
備考欄[特待生]
おお。ランクが上がってる
「98位だった。まだまだだね?」
「「98位!? 」」
うわ、2人とも驚いてる。
「ソラ君はまだ学園で授業や、全校集会を受けたことないので知らなないのかもしれませんが、この学園は1学年300人近くいるんですよ。それが3学年あって、その上の上級学園にそれぞれ100名程度在籍しています。つまり1200位中98位ですよ。さっきの上級学園の生徒って少なくても98位前後だったってことですよね?ソラ君すごいです!」
うわ、ヴィクトルがマシンガントークで説明してくる。
んー。さっきの人は大したことないなかったけどなー。身体強化も使わないたま勝てたし……
「まぁ、次からは油断してないですがんばるね」
「今まで油断してたんかーい」
そのあとだんだんレベルが上がってくる模擬戦を観戦しながら自分の番をまつ。各入場ゲートや目立つところにトーナメント表が張り出されていて今の進行状況が魔法によって随時更新されていく。
お、そろそろかな?
「じゃぁ、いってくるわー」
「いってらっしゃーい。」
「俺の分までがんばれよ」
「おう。やっときたな」
「ライラ先生こんにちは」
今回の受付の先生はライラ先生みたいだ。
「順調に勝ち進んだらみたいじゃないか。この調子でがんばれよ」
「はい。」
待機用の席につく。
「おいおい、何親しげに喋ってんだよ。」
あ、絡まれました。(本日2回目)
「えっと、どなたさんでしたっけ?」
「俺のことを知らないのか?
「はい。すみませんが教えてもらってもいいですか? あ、名乗るときは自分からですよね。僕は今年の入学したソラです。」
「お、おう。仕方ねぇ、教えてやるよ。俺は3年生。序列151位、オリンピオ師匠の一番弟子のザイラだ。」
ザイラって次の対戦相手じゃん。ってかオリンピオって確か…ん?あ!
「……」
「フゥハハハ。俺様の序列を知って恐れ入ったか!」
僕がだまっていると勝手に勘違いしたようだ。まぁいいや。面白いからそのままにしておこう。
まさか先に師匠を倒してしまうとは…って、もしかしてコイツ師匠が2回戦で負けていること知らないのか?
聞いてみよう
「ところで、師匠さんは大会に参加していないんですか?」
「ん?あぁ、師匠は強いからな。順調に勝ち進んでいるだろうから心配いらないさ!」
いや、心配しろよ。ってかトーナメント通りなら3回戦で師匠と当たるはずだったじゃねぇーか
「ソラ君、ザイラさん、Aコートで3回戦を行います」
お、呼ばれてしまった。
「ではザイラさん。行きましょうか。よろしくお願いします!」
「お?あぁ、ソラってお前か!」
いや、さっき自己紹介したでしょ…コイツダメなやつだ。
「両者コートの端へ移動をお願いします」
「はい」
「できればこの位置からがいいのだが、ソラはどうだ?」
「ここからがいいなら別にいいですよ」
「では決まりだ、先生、合図をお願いします」
一応師匠と同じように開始位置は同じ場所からがいいのか。まさかこいつもオリンピアと同じような範囲攻撃の剣技を使うのだろうか
格納石から幼刀【十祭】を取り出し、同じように左腰に構える。
ザイラは師匠同様背中にかけた大剣を下して構える。ん~師匠よりもぎこちないな。
いくら身体強化が使えるからってその体格でその剣は厳しいだろう…
オリンピアは身長160センチくらいだったがザイラは僕と身長が同じくらいで140センチくらいしかない。それでオリンピアと同じ大きさの剣(160センチ近い)を構える。ってか、ここに来るまでに剣引きずってるし…
「では、3回戦、……はじめ!」
先生の掛け声と同時に開始される。
「「【身体強化】…からの【エアスラッシュ】」」
はい、真似してみました。一応説明しますと別に僕はエアスラッシュは使えません。その前に無詠唱で魔法が使えるので身体強化も口に出す必要はありません。特にエアスラッシュは完全ハッタリです
お、相手おどろしてる。
相手の剣から風属魔法の刃が形成されてこちらに飛んでくる
うん、なんでかわかんないけど師匠と同じ剣技が使えるらしい。ならこちらも……
イメージするのは空気を圧縮して空間に圧力を加える。魔力で囲みさらに圧縮。そして魔力を蓋をした壺状に変化させる。穴をエアスラッシュを放つザイラの方へ向けながら、穴の先に放出された空気を抑え込むように魔力でバレルを作成する。穴の先端に魔力を使い弾を作成する。うん、初めてにしてはいい感じにできた。
剣の突きのモーションを行いながらそれを行う。そして空気を圧縮していた壺の蓋を解放する。
周りから見たら突きのモーションで剣の先端から弾が射出するようにみえるかな?
剣先から魔力によって作成された弾がザイラのエアスラッシュに衝突する。
この世界の意志を読み取った魔力同士がぶつかると別のエネルギーに変換されて相殺されてしまう。なので僕は一度魔力によって物体を作成しそれを魔力で打ち出した。高速に回転しながら射出された弾はエアスラッシュの風の刃を崩壊させながらさらに直進する。
「え!?っきゃぁ!」
……ザイラのおなかに当たりそのまま吹き飛びながら転移する。
なんか女の子の声がした気が……
「勝者、ソラ君。女の子の下半身を狙うのはちょっとよくないとおもうよ。まぁ、模擬戦だからそんなこと言ってる余裕はないだろうけど、でも見てる感じ君って強いよね?もう少し相手をいたわる倒し方しようね?特に相手が自分よりも序列の低い女の子の場合は…」
あー、やっちまった…?
「気を付けます」
うん、まぁやっちゃったものはしゃぁない。そもそもいきなり近距離でエアスラッシュ使ってきた相手は悪いし……
「ソラ君すごいね!両手剣剣技のエアスラッシュまで使えるんだね!しかも刀で使うなんて!」
観客席に戻ってくるとヴィクトルが興奮した様子で話しかけてくる
「あー。まぁ、ちょっとね?」
「なんか歯切れ悪いなぁ。俺様に話してみろ。何があったんだ?」
「そうですよ。ソラ君、何かあったら友達の僕たちに話してください」
「ははは…」
あとあと探られるも嫌だから話しちゃおっかな…
って感じで、エアスラッシュに関してはハッタリで実は風属性魔法で攻撃したんだ。でも相手が女の子だったみたいでさ、おなかにクリーンヒットしちゃった…」
うん、無詠唱とかのことはごまかして説明した。
「なるほど…僕としては模擬戦だからしょうがないと思うけどね。その子がかわいそうだね」
「お、俺らはやられたからわかるけど、体へのダメージはないとは言いつつ痛覚はいきてるからかなり痛いぞ。お前その魔法格下にはやめとけ…」
うん。まぁ、痛いのは嫌だよね
「でもなー。剣で切っても痛いし、魔法でも痛いってどうやって勝てばいいんですか?」
「僕にはわかりません。」
「俺らは負けたからな。」
おいおい、なんなんだよ。
「ソラ君は明日から4回戦目ですよね?さすがに対戦相手も強くなってくると思いますので、その辺は心配しなくてもいいんじゃないですか?ってか、ソラ君は明日以降も勝ち進む前提で話をしてるんですね」
「あ、お前そうだよ。次からは上級生ばっかとの対戦になるぞ。頑張れよ」
「お、おう。」
「さて、ソラ君は今日はもう対戦ないですよね?」
「ないよ」
「じゃぁこれから3人でご飯食べに行きませんか?」
お、いいね。異世界に来て初めての男友達とのメシか。
その後3人でハンバーガーを食べに行くのであった。
「あれ?そこの君、昨日も来なかった?」
はい、二日連続です……
ザイラさんが両手剣の剣技【エアスラッシュ】を使えるのは、ソラ君が時間魔法を使えるのと同じ理由です。
つまりザイラさんとオリンピアさんは師弟の関係でもありますが、そういう関係でもあります




