18話 買い物
ライラ先生と学園に入ると校門の近くに設置されている案内所に行く
「私だ。ただ今フランツ領から帰還した。例の少年も連れてきた。」
「ライラ先生お久しぶりです。係の者に伝えさせますので学園長室までお願いします」
「わかった。」
「それと、ソラ君でしたか?学生証の発行の手続きを行っておきますので住民カードの提出をお願いしてもいいですか?」
「はい。よろしくお願いします」
ふむ。衛兵?にも僕のことは伝えられているのか。スムーズで助かるなー。と、のんきに思っているとライラ先生に手を引かれる
「ホラ、早くしろ」
「はーい。僕の事って衛兵の人まで伝えられてるんですね」
「ん?あぁ、さっきの門番のことか。あれは一応教師だぞ。授業がなない教師や授業がない生徒が持ち回りで門番をしてるんだ。
何年かに一度はお前みたいな特待生が各地から入ってくるからその対応に慣れているのだろう。」
「学生が門番なんかやって大丈夫なんですか?」
「あぁ、きちんと仕事としてやってるからな。不祥事を起こせば退学もあり得るからサボったり悪いことをする奴はいないぞ。
この学園には同じような教師の手伝いの仕事が結構あるが、そのどれも報酬がいいので人気があるんだぞ。
お前もお金が欲しくなったら私の手伝いでもしに来い。
ソコソコの報酬で雇ってやる」
「あ、報酬はソコソコなんですね」
「不満か?」
「ソンナコトナイデス」
模擬戦では勝てるがこういう脅しみたいなは苦手だ。
「っと、ここだ。着いたぞ」
学園の敷地はかなり広く。街に入る前に見えた闘技場、校庭、3階建の校舎が5つ。学生寮が男子、女子、教師用と3棟。がある。
僕たちは教師用の校舎に入り3階まで階段で登り一番奥の扉までいく
なんかデジャヴ?
「ライラ先生、中に入ったらいきなり斬りかかられる…とかないですよね?」
「いや、そんな事ないだろう。仮にも相手は教師だぞ?」
「いや、貴方も教師なのですが…」
「そんなこともあったな」
「まぁ、ないならいいんですが」
「ホラ、中に入るぞ。ライラです。ただ今戻りました。」
「ふむ入りたまえ」
学園長室に入ると中はこれぞ校長室だという感じだった。
大きな机に、社長椅子。ふかふかそうなソファーに、壁には歴代の園長かな?の絵がかけられていた。
「私が王都第二学園、園長のダンテ・フォンタネージだ。フォンとでも読んでくれ。まぁ、学園長でもいいけどな。
ほら、立ってないて座ってくれ。そこじゃ話ができないだろう?」
白髪で黒スーツを着た。初老の男性から声をかけられた。
「失礼します」
「うむ」
なんだろ、学園の教師は皆スーツなのだろうか?
そういえば校門の門番もスーツだった気がする。
「まぁ、早速質問をさせてもらおうかな。すでにライラ先生とフランツ領の先生方からの手紙を受け取っているので大体のことはわかっているが一応確認をさせてもらう」
「はい。ホレ、ライラ先生、お茶を持ってこんかい。」
「あぁ。そうですね。準備します」
そう言ってライラ先生は学園長室の端に備え付けられた道具でお湯を沸かし始める。見た目ケ◯ルだ。
流石に王都まで来ると勇者の発明?したものがいくつもある。
「じゃぁ、そうじゃなー。お主が格納石を使ったのは本当か?」
「はい。母さんと共同で作成しました。」
「これは便利だな。きちんとした形で売り出せばもっと儲けられると思うのだが、お主達は商人に任せっきりとの事だが良いのか?」
あ、そういう事を聞かれるのね
「正直僕や母さんは商売の心得が無くて、フランツさんに紹介してもらった商人に任せっきりにしてるんですよ。
むしろ、どうしたらもっと儲かるのが気になりますね」
「ほうほう。では次の質問だ。ゴブリンキングを討伐したのは本当か?」
「はい。6歳の時に討伐しました。」
「やはり事実だったのか。冒険者ギルドはなかなか口をわからなくてな。」
あれ、言っちゃダメだったかな?まぁ、いいか
「最後の質問だ。お前は勇者か?」
「はい?何言ってるんですか?ただの衛兵長の子供です。どうしてそう思ったんですか?」
フォン学園長はニヤニヤしながら答える
「今までにない新たな魔道具を生み出し。6歳でB急の魔物を討伐する。やっていることは勇者となんら変わらないぞ。おまけにウチの学園の教師に戦闘で勝ったらしいじゃないか。いやはや、恐ろしいものだ。息子に倒されるかと思っていたが、君に先にやられそうだな」
「息子さんがいるんですか?しかも強い?」
「あぁ。エドモンド・フォンタネージ。この学園の序列2位だ。
次の武術トーナメントで優勝したら間違いなく私に挑むだろう。まぁ優勝できたらだけどな。今回はお前が優勝してくれると助かるから頼んだ」
「がんばります」
「さて、質問も、終わったのでそろそろライラに学園を案内してもらえ。明後日から武術トーナメントが始まるから明日から授業は全科目休みだ。ライラに後で授業等で必要な物のリストを渡すからそれを買いに行くのもよし、自室でゆっくりするもよし、教師棟以外は出入り自由だから自主練習をするもよし、好きにしてくれ」
「はい。わかりました。」
「あと、ライラははやくお茶を持ってこんかい。話が終わってしまったではないか!」
「は、はい!」
あ、ライラ先生遅いと思ったらお湯を沸かす魔道具の使い方がわからないみたいだ
「もう良い。案内してやれ」
「はい!」
ライラ先生って実はヘッポコ?見た目キリッとしてるからなー
その後ライラ先生と学園を見て回った。学生にたまにすれ違ったが何やら恨めしそうな目で見られた。なんとなく自慢したくなりライラ先生の手を繋ぐ
「え?」
ライラ先生は驚いているが気にしないでおく。
「ちょっと、そこのお前、なんでライラ先生の手を繋いでるんだ。」
あ、早速絡まれました。
「ライラ先生絡まれました。」
「この場合お前が悪いだろう。わざとだよな?」
「なんのことですか?」
「おい、無視すんじゃねーぞ」
あ、学生服をした男子学生がこっちに向かってくる
「ライラ先生どうしましょう。助けてください。出来心だったんです」
「出来心って、わざとじゃないか。
自分で解決しろ。見ててやるから」
そんな感じで王都1日目はあらぶってみた。
あ、案内の最後で学生寮についた時にライラ先生にキャラ変わってるぞって哀れるような目で見られたので、あまりふざけすぎるのは良くないと思った。
翌日。ライラ先生が必要な物が書かれた書類を持って僕の部屋までやってきた。一応男子寮なのだが、先生ってこともあって普通に中に入ってきた。
あ、寮生がざわざわしている。流石にそんな中でライラ先生を部屋に招き入れるのはまずいと思い、買い物に誘った。
「私でよければ手伝ってやるぞ」
「ありがとうございます。準備してくるので待っててください」
僕は一度扉を閉めて部屋着から学生服に着替える
いここに来るまではいきなり襲われたりするかもしれないから冒険者用の革鎧を着ていたのだが、流石に街の中ではおかしいだろう。
しかしなるべく荷物を減らすためには部屋着一着と革鎧の下に着るインナーしか持ってこなかった。
「あれだな。まずは私服を買いにいくか」
「そうですね。オススメの服屋を教えて下さい。あ、あとその服似合ってますね」
今日はオフなのかライラ先生はいつもの黒スーツではなく白いワンピースを着ていた。いつもの鬼家庭教師の外見からは想像できないくらい可愛い系だ。
ちょっと頬を染めている。いや、10歳児に言われて喜ぶなよ
「ほら、いくぞ!」
ライラ先生が僕の手を引く。
あ、これ帰ってきたらまた絡まれるわー
ほら、すでに周りがザワザワしてるし!
「まずは学生証を渡しておこう」
歩きながらライラ先生は僕に学生証を渡した。
表面には学校名と学年。名前が書いてある
裏面には名前とレベル。あとは黒く塗りつぶされている
名前[ソラ]
レベル[28]
王都第2学園1年生
序列[●●●]
使用可能残高[●●●ギル]
備考欄[●●●]
「魔力を、通してみろ」
言われた通り魔力を流してみると黒く塗りつぶされた所から文字がでてくる
名前[ソラ]
レベル[28]
王都第2学園1年生
序列[ランク外]
使用可能残高[85万ギル]
備考欄[特待生]
おう。[]内が表示された。
「あれ?85万ギル使える事になってる」
「お前が冒険者ギルドでカード渡したろう。その時に手持ちに15万ギル。残りをカードに移してくれてたみたいだぞ。学生証に中身を移し替えたから自動的に学生証で使えるようになったな。」
「おう。冒険者ギルドの受付嬢って気がきくんですね」
「それが仕事だからな。基本冒険者は脳筋が多いからその足りないところをサポートするのがあいつらの仕事だな」
「へー。大変そうですね」
「大変だと思うぞ。ただし国営の仕事だから絶対潰れないと思うし、給料も高いらしい。そして就職するにはエリートだけらしい。」
「エリート?」
「あぁ、例えば第1学園の上級学部に冒険者ギルド受付嬢科なんてあるくらいだ。そこで上位の成績を残した者が受付嬢になれるそうだ」
「大変だなー」
そんな感じで雑談をしながら街を歩く。
街はかなり広い為大通りを乗り合い馬車が行き来している
ライラさんのオススメ店はここから近いらしく歩いてむかった。
「ここなんてどうだ?」
ライラさんに案内されたお店は和服屋だった。
なぜに和服?浴衣とかも売ってるし。
「ほら、お前は刀を使うだろう。昔から刀を使う者は着物ってきまってるのだぞ」
そういえばフランツ婆さんも着物着てたっけ。そしてなぜがライラ先生が誇らしげに語っている。
「なんでも勇者が生み出した服らしく街でも人気だぞ?」
「はぁ、では中に入ってみましょうか」
まさか異世界に来て着物を着ることになるなんて…
結局ライラさんが似合うと言っていた黒っぽい服を一点勝ってつぎの店に向かう。着物高い…。浴衣買った。そのうちお金持ちになったらちゃんとしたのを買いに来よう。
「ここはどうだ?」
次に案内されたのが冒険者用の防具屋だった。
「へいらっしゃい!何をお探しですか?」
スキンヘッドのムキムキの店主が、声をかけて来た。
「あぁ、この子が明日、第2学園の武術トーナメントに出るんだが、いい感じの防具あるか?一応あるにはあるんだが、トーナメントだし予備の防具も必要だと思うしな」
「坊主。今はどんな防具を使ってるんだ?できれば武器も教えてくれると見繕いやすいな。あ、あと予算も教えてくれ」
「えっと、今は動きの邪魔にならない革鎧と一応胸当てで薄い鉄板を、使ってます。武器は刀です。予算はそうですね50万ギルくらいでお願いします。」
「あいよ。ちと待っててくれ」
そう言って店主が店の奥に入っていく。
「ここの防具屋の店主は元C級冒険者なんだ。ちょっと顔は怖いが仕事ないい仕事をしてくれる。私の生徒もよくここで防具を、見繕ってもらうんだ。」
「顔を怖いはひどいんじゃねーか?」
店主が戻ってきた。
「ホレ、ちとこっちきてみろ」
そう言って僕のサイズを確認する。
「今年入学だろ?ってことはこの先身長がどんどん伸びる。だから今回は関節部を守ってくれるサポーターと鎖帷子だけにしとけ。この鎖帷子は学生用のレンタルだからサイズが合わなくなったら持ってきたら次のサイズの物に変更してやる。」
ふむ、鎖帷子は重いイメージがあったけど、魔術の付与がしてあるのか思ったより重くなさそうだ
「はい。ではそれでお願いします。おいくらですか?」
「関節部サポーターが全部で5万ギル。鎖帷子のレンタルは3年でサイズ交換無料で5万ギルだ。」
「ではこれでお願いします」
今朝渡されたばかりの学生証をわたす
「あいよ。まいどあり」
お、学生証の裏面の備考欄に鎖帷子レンタル中って、書いてある
なるほどこれで逃げられないわけか。
「次は武器やに行こうと思うのだが、どうする?そろそろお昼にするか?」
「そうですね。お腹すいてきたのでどっかで食べたいです」
「ふむ。ではオススメの店に行こう。」
そう言って案内されたのが……
「はんばーかー」
「お?知っているのか?ここはなパンと野菜と肉を挟んで一緒に食べるんだぞ!」
はい。ハンバーガーですね。Mって看板立ててるし。大丈夫かな?
店の中に入るとカウンターがありそこで注文するようだ。
頼んだ物が食べやすいように紙に包まれてトレーに乗って出てくる。
2階か外のテラスで食べるようだ。
「私はチーズバーガーを頼む」
「はい。200ギルです。はい、ありがとうございましたー」
「ほら、ソラも早くせんか」
ライラ先生はやっ。
僕もカウンターに行き注文する。
あれ、メニューはドリンクとハンバーガー、チーズバーガーしかないのか。じゃ試しに…
「ハンバーガーとポテト下さい」
「ん?ぽてーと?」
あ、店員さんが驚いている。反応を見る限りわからないようだ
「いえ、すいません間違えました。ハンバーガー一つください」
「は、はい。150ギルです。はい、ありがとうございました」
ハンバーガーが乗ったトレーを持ってライラ先生が座る席に行く
「さっきのポテトってなんだ?」
「いや、なんでもありません。この店って勇者がつくったんですか?」
「そんなわけでないだろう。最近できた店ではあるな。第2学園にここの店の子供が通ってるぞ。詳しくはその子に聞いてみてはどうた?
私は美味しい者が食べられれば満足だから、なんでできたからは興味はないな」
ライラさんがチーズバーガーにかぶりつく
「その子の名前ってわかりますか?」
「むしゃ、むしゃ」
「食べ終わってからでいいですよ」
「むしゃ、むしゃ」
そのあと僕たちは武器屋に行ってみたがいい武器が見つからず、日が傾いてきたのでお開きにした。
いや、デートではないんだけど、女性と買い物に行ってハンバーガー食べて午後はずっと武器屋にいるってどうなのよ。




