13話 空中戦
おっす、おら、そら
なんやかんやありまして、10歳になりました。
そして年が明けて少したち4月。
この世界では桜は見た事ないがなぜかピンクの葉っぱの木がある
毎年4月にその木は葉っぱを、ピンクに染まるのだが、その木の並木道を僕らは歩いていた。
「ソラくん緊張してきたどうしよ?」
猫耳少女のココである。若干だから女の子から少女になり始めてきている気もする。
髪の毛を肩のあたりで切り揃えている、綺麗なピンクなら髪持ち主だ。
「普段やってる事をすれば問題ないよ。それにしても綺麗なピンクだね」
「はぅ。それができたら苦労しないよぉ。き、綺麗?」
「うん。この木なんて名前だっけ?サク、サクなんとか」
ココが顔を真っ赤にしてる
「木?き?ん?あ、ぁぁあり木ね。サクラポイって名前の木だよ。なんでも勇者が発明したみたいだよ。」
なんとそのままの名前。そして勇者さん桜が出来ないからって葉っぱをピンクに染まる木を作るとは。自重してください。
自重で言えば僕の生まれてからの10年。勇者は自分の国に引きこもって出てこないらしい。
その国は完全に鎖国しているらしく情報も入ってこない
んー。、大丈夫だろうか……
さて、僕達2人がなんでサクラポイの並木道を歩いているかと言うとこれから入学試験があるのだ。
入学試験と言っても義務教育なので別に落ちたら学園に入らないとかいうのではなく、各生徒の実力を見てクラスを決めたり、その子に、あった授業を提示するのだ。
試験は4つある
1,学科試験(基本的な算数などの試験。また、文字が読めるか等も試す)
2,武術試験(得意な武術の披露)
3,魔術試験(得意な魔法の披露)
4,礼儀試験(貴族等は必須。)
この4つの成績を鑑みて、クラス割を行う。より順位の高いものはAクラス。そこからB,C,D,Eと5つに分けられる。通常授業はクラスごとに受けて、専門的な授業に、関しては自分の好みの授業を受ける。希望者はさらに専門的な事を学べる学部に行って先行して勉強に励むのだ。
ただし、専門的な授業を選択するにも試験でいい成績を出さないと受けさせてくれない。試験は年2回あるらしく今回ダメでも半年後の試験で良い成績を出せばいいのだがその半年間は基本授業しか受けさせてもらえなくなってしまう。その為に今回の入学試験では良い成績を出したい。
「ソラくんと一緒に魔術学部にはいれるといいなー」
「ココなら入れるよ。この4年間僕と魔法の練習をしてきたじゃないか。」
「んー、それはそうなんだけど……キンチョーする」
「気楽にやれば大丈夫でしょ。」
僕はゴブリンキングを倒してからもちょくちょくフランスのところで剣術の稽古をメインに練習してきたが、空き時間を見つけてはココと魔法の練習をしてきた。
教えている自分で言うのもなんだがココは魔法の才能があると思う。
理解力が非常に高かく自分にでも抜かないで一生懸命に練習をする。
僕が教えた格納魔法をすぐに使いこなすことができたように、教えた魔法は次に会う時には出来るようになっている。
新しいことばかりでもなく、基本の魔力操作もきちんと練習している為、剣術も並行して練習している僕よりも魔法の制御能力が高いのだ。
この前なんか僕の射出した木剣をその軌道と使用魔力を読み切り風属性魔法の風圧だけで威力を相殺して手でキャッチしてみせた。
さらには最近はフランスさんの所に一緒に通うようになり、身体強化と思考加速、瞬動まで覚えて、現在杖を使った棒術を練習中なのだ。
一体どこに向かっているんだか……
まぁ、本人は僕と冒険者になる予定と言い続けているが…
僕の住むフランスと言う街は人口約5万人と非常に多く、この国の王都の半分くらいの人が住んでいるらしい。
(あれ?フランスさんマジで偉い人なんじゃね?)
その理由は簡単で、町の近くにダンジョンがあり、そこから得られる貴重な魔石や魔物の素材の各街への供給を行っているからだ。
ダンジョンに居る魔物やダンジョンから溢れた魔物を狩るために冒険者は必然的にこの街にくる。
人口が増えればその分商売が成り立つので商人が増える。
そして商人はこの街から出た魔石などの売買で王都や周辺の町を巡り、その帰りに一儲けするために今度は各地の特産品をこの街に持ってくる。
各地の物が溢れて非常に暮らしやすい街になったのだ。
そんな町の学園である非常に大きい。
サクラポイの並木道を抜けると大きな校門が見えてきた。
校門を抜けると仮説テーブルがあり、そこで受付をおこなった。
「おいおい見ろよあれ、猫耳だぞ。獣臭いから同じ教室はやめてくれないかなー」
「ほんとですね。あーあ、いつからこの街は首はなしでペットを連れ回してもいいルールになったんだ?」
む。
人口が増えれば色々な人がくる。
ココの家族も猫属の村からこの街に引っ越してのだ。
それをよく思わない人がいる事は知っていたがここまで酷い人だったとは…
しかも相手が平民ならまだしも立派な服を着ているから貴族の息子かな?
かなり人口が多い街なので学園も立派な為、近くの領地から貴族の息子が学びにくると聞いたことはあったけどほんとにいるんだな。
「ソラくん。無視していいよ。」
「うーん。でも…」
相手は偉そうだし、下手に言い返したら問題になりそうだ。
なんて言い返そうか考えていたら先はココに言われてしまった。
「ほら?いこ?」
ココは全く気にする素振りを見せずに僕の手を握り先に進む。
「ココはすごいね」
「え?何が?」
「何でもない」
校舎に入り目立つところにある掲示板に自分の名前がないか探す。
今年の受講者には全員国から案内が着ていて、その手紙に入っている紙に入学希望の学園を書いてその学園に送るのだ。
先ほどの地方貴族?のように中には自分の住んでいる街とは違う街の学園に行く場合があるからだ。
ちなみにだが、この世界では手紙がよく使われる。
異世界と聞くと情報の伝達の遅さをよく聞くがこの世界には魔鳩という魔物がいて、各都市を手紙を持って行き来してくれるのだ。
しかもこの魔鳩は人間に忠実で基本飼い主の言うことを絶対に聞く。
さらに魔物の一種だからなのだろうか非常に飛行速度が速く撃ち落とすことは困難なのだ。
その信頼性から手紙のやり取りを魔鳩に任せている。
まぁ、情報の伝達が早いのはあくまでも手紙でのやり取りで、印字する技術もまだなく本の複製もできないので記録としての情報は結構遅れてたり、最新の情報が、抜け落ちていたりするのだが…
掲示板で自分とココの名前を見つけると同じ教室だった。
その教室に向かう途中で何人かの子に声をかけられた。
んー。モテ期到来?
ココが速く行こうと引っ張るのでちゃんと挨拶もできずに教師についた。
席にはすでに名前が書いた紙が置いてあったのでその席につく。
一番前に席だった。教室の真ん中で教壇の目の前だ。
ココは周囲を探すと隣の席に座ってきた。
んー。さっき声をかけられた子を可愛かったけどやっぱりココは可愛いな。明るいピンクの髪がアニメみたいだ。
隣に座ったココと話していると段々と席が埋まっていく。
少し待っていると教員の方々はいってきた。
「えー。こほん。私は教師のドレイクだ。主に魔術を教えている。」
白髪であごひげを伸ばした、ザ・魔法使いと、言うような方だ。
灰色のローブを着ていてすごく似合っている。
「本日の試験の工程を説明する。まぁ、机の上に置いてある紙にも書いてあるから説明せんでもいいのじゃが、一応規則なのでな。」
この国は識字率はかなりいい。基本的に子供が10歳になるまで親が勉強を押しあるのだが、10歳になると学園に入る決まりなので親も自分の子供を良く見せようと必死に教えるのだ。
学園で良い成績を、出す事が出来ればその後の良い職に、着くことができる。
もちろん親の職を継ぐ者がほとんどなのだが、誰だって夢を見るのだろう。自分の子供が立派なって安定した職について欲しいと。
「えー、この後すぐに学力試験を行う。時間はこの砂時計が落ちきるまでじゃ。終わりと同時にチャイムがなるようになっておる。学力試験が終わったらこの教室にあるものは剣術、魔術の試験を行い、その後礼儀の試験をおこなう。良いな?
では今から答案用紙を配る……」
ドレイク先生が小さな杖を抜くいて軽く振ると手に持っていた答案用紙が各生徒の机まで自動的に飛んで行った。
あ、僕のところにもきた。
「おぉ」
「ん?ソラ君はわしの魔法の凄さがわかるのかな?」
「はい先生。無詠唱でしかも既存の魔法ではなく即興の魔法ですね」
「おお、そうじゃ。これは今年が楽しみじゃな」
本では無詠唱の魔術士はほとんどいないっていないって書いてあったがその魔術士に会うことができた。この街にいたんならもっと早く出会いたかった。
「では、ソロソロ試験を始めるぞ、今から問題用紙を配るから確実鉛筆を出すように。………」
今までは羽根ペンを使っていたが1年ほど前に王都から鉛筆と消しゴムが輸入されてきた。何でも今代の勇者が発明してそれを量産する技術が確立されたらしい。非常に便利なので嬉しいのだが、果たして大丈夫なのだろうか?勇者さん自重してる?まぁ、量産する技術が確立って言うくらいだから勇者なしでも作れるんだろうけど…
「では、始め!」
おっと考えごとをしている暇はないな……
学科試験に関しては特に言う事はない。
だって簡単なんだもん。小学生低学年の問題だとがほとんどだ。
まぁ、10歳の子のテストなんてこんなもんか…
さらっと終わってボーとしていると目の前から視線を感じた。
ん?あ、先生から睨まれてる。
なんだろう?試しに魔力を目に集めて睨み返してみる。
むー
お、先生がびっくりしている。
先生が今度は小さく砕けたチョークを握りゆっくりと魔法で持ち上げてからこちらに動かしてくる。
ならこっちは魔力を集めてこちらに向かってくるチョークの進行方向に空気の流れを作り先生の方に引き戻すようにする。
むむむー
チョークが風圧に抵抗できずに先生の方に押し流されていく
「ちょ、ちよこざいなー」
おいおい、先生テスト中にしゃべっちゃったよ。
先生は新品のチョークを砕き、宙に浮かしてこちらに飛ばしてくる
まじか!なら、……
消しカスをまとめて大きな玉を作る。その玉を回転させる。
消しカスボールのボール君に心の中で敬礼をして空中に飛ばす。
行って来い!
ボール君は一番近いチョークに近づき体当たりで迎撃する。チョークは消しカスの弾力性にはじかれて教室の床にたたきつけられる。
先生は複数のチョークを飛ばすため風魔法でこちらへ飛ばしてきた。
複数個のチョークをあやつるのは難易度が高く一つ一つが単調な動きだ。
それに対して僕は消しカス一つに小刻みに魔力をかけてチョークひとつひとつを迎撃させていく。
ひとつ、ふたつ、みっつ……次で最後、4つ目のチョークのかけらに突撃しようとした時にチョークが分裂した。
あらかじめヒビを入れていたのだろう。回転するボール君の風圧で分離したのではないだろうか。
分裂していたチョークが挟み込むように移動してくる。
くっ。ここまで計算して魔力を使っていたのか!
まぁ、たしかに4つくらいなら僕でももっと器用に動かせる。
おそらくこの分裂の動作を行う為に小細工していたのだろう。今はあやつるチョークが二つになったから小刻みに移動してボールくんの追撃をかわしていく。
だが、こちらにも奥の手はある。
ボール君の回転を早めながらチョークの間に飛翔していく。
回転数が上がることでまとまっていた消しカスが分裂し始める。
分裂したい消しカスが遠心力の力を借りて全方位に激しく飛んでいく。その消しカスにあたりチョークは横から追撃されて地面に転がる。
しかし、ボール君は回転により空中分解してしまった。
さようならボール君。君のことは忘れないよう。
きーこーんかーんこーん
あ、懐かしいチャイムだ。
「ソラ君は試験どうだった?」
「ん?問題なかったよ。」
「へー。ソラ君はすごいねー」
お、先生が、答案用紙を魔法で回収し終わった。
「お主なかなかやりおるな。これは楽しみじゃな」
「いえいえ、ドレイク先生もやりますね。」
「ホッホ。まだまだわかいもんには、まけられないからの」
「? ソラ君先生となにかあったの?」
「何でもないよ。」
テスト中に先生と魔法で砲撃戦をしていたなんて言えない……
今回やったことは実際に戦場で行うことができるものばかりだ。
特に最期のボール君の爆散は硬い石などで行うことでかなりの威力に、なるだろう。
まぁ、そんなことはしないけど…




