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四姉妹〈フォーシスターズ〉起動!!

シーズン1は本編16話+閑話4話の構成です。

全話執筆済み・完結保証。


 朝の挨拶が飛び交う、まったりとした教室。

 そこへ、遥が勢いよく飛び込んできた。

 そのまま、いつもつるんでいる三人のところへと駆け寄る。

 ——というか、突進する。


 ドドドドドドッ!


 キュッ!


 三人の目の前で、ドリフト気味に急ブレーキした。

 画面いっぱいに身を乗り出す遥が、机をバンっ! しながら口を開く。


「ねぇ、ちょっと結女ゆめ、瑠衣るい、郁佳ふみか、聞いた? やばいよ! 来年このままじゃ私達バラバラになっちゃうかもしれない!!」


「えー? はるちゃん、それってどういうことー??」


「……なんだかよくわからないけどそれは困る」


 きょとんとして、軽い調子で首を傾げるのは結女。ゆるふわな雰囲気の美少女——というより、どこか美女寄りの顔立ちをしている。

 正統派ヒロインと言えば、なんとなく雰囲気は伝わりやすいのではないだろうか。長い髪を揺らしながらのキョトンはずるい。しかも、あざとさ全開なのにやらしさがないのだ。


 そして隣にいるのは、対照的に無表情のまま困り顔をするという難しい仕草を見せる瑠衣。小柄でどこか神秘的な雰囲気の美少女である。ショートボブがよく似合う、口数の少ない寡黙なキャラは狙ってなのか生来のものなのか、誰も知らない。

 そして、郁佳だけが、話の入口を知っている顔で言った。


「あー……今朝のニュースかぁ。結女と瑠衣は見てないの?」


 背も高く、スタイル抜群な郁佳は、男装の麗人と言った雰囲気の美人寄りの顔立ちであり、密かに女子達の間でファンクラブが結成されているとかいないとか。実は僕っ子でもある。

 そんな郁佳に二人が答える。


「ずっと朝からゲームしてたから知らなーい」


「瑠衣の家には授業専用のたぶれっと以外、ぱそこんもてれびもなんにもない……」


 完全無欠に見える二人だが、結女はゲーム廃人で、瑠衣の実家はありえないほどアナログだった。


「あー。由緒ある神社だもんね……」


「ぱぱの頭の中は江戸時代で止まってる……」


 苦笑いの郁佳に、不機嫌に答える瑠衣。不機嫌の向く先は父である。そして結女が話を転がす。


「でー、そのニュースって何なのー?」


「あっ! うん! なんか騎馬戦で学校の校区の奪い合いをするみたいなの!」


「……へ? 騎馬戦って……まさか騎馬戦ナイツゲームで学校の校区の……奪い合い??」


「そう! 陣取り合戦!! うちの学校が負けたら、校区が奪われて……来年、私達四人が別々の学校になっちゃうかもしれないんだよ!!」


「へー、なるほどー」


「それで、校区がゼロになった学校は廃校になるんだって!」


「うちの学校のナイツチーム弱いからなー……。ん~、でもま、いいんじゃない? 別に学校が終わってから遊べばいいんだし」


 遥と結女の会話に、現実を受け入れるように肩をすくめて見せる郁佳が自然に割り込み、結女も同意する。


「まあそうよねー、授業なんてどこの学校も教室で同じ動画を見て、先生が補足していくってスタイルだしー、進み具合とかも殆ど変わらないものねー」


 そこへ瑠衣が、いつもより低い声で切り込んだ。


「待って……それはだめ。瑠衣、他の学校で馴染なじむ自信ない。こみゅ力たったの5か、ゴミめ。なんて台詞せりふを自分に言うことになる。それはとても辛い」


 郁佳が即座にツッコミを入れる。


「瑠衣、鏡を見てみろ。その顔面偏差値でそのセリフはケンカを売ってるとみなすよ?」


「そんなことない……郁佳ちゃんの方が可愛い」


「……っんな!」


「うんうん。ふみちゃんも可愛いわよねー」


「ちょっと! 結女!?」


 相変わらず何を考えているのかわからない瑠衣と、あわあわする郁佳を笑顔で追撃して揶揄う結女。

 いつもふざけている。

 でも、この四人でいる時間が――遥は好きだった。


 だから遥は、笑いの残り香を噛み締め、揺蕩たゆたわせたまま、はっきりと言った。


「とにかく! 瑠衣もそう言ってるし、私は皆と一緒にこうやってグダるの好きだからさ、この場所を無くすのは嫌。だから私達は私達で出来ることをしようと思うの!」


 郁佳が、少しだけ真面目な目で返す。


「そりゃ良いけど、僕たちに出来ることって……いったい何をする気?」


 遥は答えを決めていた。

“強い人”に頼るんじゃない。

“場所”に乗り込むんだ。

 自分たちの居場所なんだから。

 守られているだけ、なんて性に合わない。

 自らの手で守らないのなら、文句を言う資格はないのだ。


 ——放課後———


 言葉少なに、廊下を歩く四人。

 どこかワクワクした雰囲気の結女と、いつも通りの低体温で何を考えているのかわからない瑠衣。

 平常通りの郁佳と決意に満ちた遥。


 辿り着いた先は――騎士クラブ部室。瀬戸際高校騎士部の本拠地だった。


 遥は引き戸に手をかけ、息を吸う。

 逡巡も迷いもある。けど――決めたなら、勢いでいくしかない。


 引き戸が勢いよく開いた。


「たのもー!!」


 それは後に、四姉妹フォーシスターズと呼ばれる彼女たちの、新しい伝説の幕開けと語られることになる……


 ――初めての宣戦布告、道場破りだった。

やっと遥以外も出せました!

彼女たちの活躍【だいたいひどい】は、もう少しだけ先です笑


次話、四姉妹が騎士部に殴り込みます。

看板、いただきます。ついでに部室もいただきます。


本作は、ボイスドラマチャンネル『四月の華企画』で公開中の作品を、小説としてリライトしたものです。

気に入っていただけたら、ブックマーク・評価・感想などいただけると嬉しいです!


ボイスドラマチャンネル

『四月の華企画』

https://youtu.be/SRKrhMDFER4?si=rWYictaalEiryLkN


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