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騎馬戦記⭐︎ガールズナイツ  作者: mutsu!(=むったん)


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本編再開18 もがれていく翼

 遥率いる『遥ちゃん部隊』(遥命名)。


 遥に憧れ、鍛錬を積んだ、身軽な女子五人で構成される精鋭部隊である。


 瀬戸際高校における空戦部隊。


 彼女たちは二人一組の二組と一人に分かれ、背水乃陣高校右翼へ一気に襲いかかった。


「行くよ!」


『はい!!』


 一組目。


 土台役が両手を前へ出す。


「来てっ!」


「せやっ!」


 アタッカーがその手へ足をかけた。


 そして。


 投げる。


「とりゃぁっ!!」


 身体が高く宙へ舞う。


「上!?」


 飛び上がったアタッカーは、両手に握った大太刀をそのまま振り下ろした。


 ズバンッ!!


 剣先が、背水乃陣高校騎士役の頸部――首の後ろに設定されたデスポイントを正確に捉える。


 一騎。


 だが、まだ終わらない。


 空中で身体を駒のように回転させ、着地とほぼ同時。


 勢いを殺さず、隣の二人騎馬。


 狙いは馬役。


 首から左肩口を切り落とすような角度で大太刀を振り抜いた。


 ズバンッ!!


「ぐっ!?」


 もちろんスポチャン剣である。


 怪我はしない。


 だが、衝撃まで消えるわけではない。


 馬役の身体が大きく傾き、騎馬全体のバランスが崩れる。


「今!」


「そこっ!」


 そこへ、先ほどまで土台役だったもう一人が飛び込んだ。


 手にした大太刀を、崩れた騎馬の騎士役、その背中側へ突き刺す。


 真剣であれば、肝臓から心臓まで一突き。


 そんな角度。


 ズバンッ!!


「っ!!」


 さらに一騎。


『背水乃陣高校、二騎リタイア!!』


 一瞬にして。


 二騎が落ちた。


「次!」


「やるぅー!」


 歓声を上げる遥はその間に一人で一騎、屠っている。


 さらにもう一騎が間もなく落ちそうであった。


 遥ちゃん部隊、二組目が遥の横を駆け抜けていった。


 そこには五人目の発射砲台が構えている。


 そして。


 その反対側。


 背水乃陣高校、もう一枚の翼では。


「…………」


 玉狩部隊が。


 静かに暴れていた。


 瑠衣に付き従う男嫌い五人衆。


 たぶん一人くらい百合もいる。


「散開」


 瑠衣の一言。


 六騎が迷いなく広がる。


 そのうち三人が前へ。


 残る三人が、その後ろを追う。


「来るぞ!」


「下を守れ!」


「絶対守れ!!」


 背水乃陣高校の馬役三人が、背中越しに迫る玉狩部隊を確認し、揃って青ざめた。


「く、来るな!」


「こっち見るな!」


「前向いてろ!」


 だが。


 両手は塞がっている。


 二人騎馬。


 騎士役を支えるための、その両手。


 自由にはならない。


「狩る」


 瑠衣が静かに右手を下ろした。


 合図。


 三人が同時に踏み込む。


「ひっ!?」


 スパンッ!!


 スパンッ!!


 スパンッ!!


 三発。


 三人。


 三ヶ所。


 もちろん。


 約束の場所。


「っ……!!」


「ぁ……」


「…………」


 玉が三対。


 落下。


 三人が三人とも白目を剥いた。


 慈悲も容赦も遠慮もない一撃死。


 馬が死ぬ。


「うわぁ……」


 遠くから見ていた遥が、ちょっと引いた。


「有意」


「何が!?」


 だが。


 玉狩部隊は止まらない。


 馬役三人が崩れれば、その上にいた騎士役も当然、体勢を崩す。


「今」


「はい!」


 後方に控えていた二人が、左右から一気に踏み込んだ。


 右。


 騎士役の首。


 スパンッ!!


 左。


 もう一人の首。


 スパンッ!!


「っ!」


「うわっ!」


 二人。


 落ちる。


 そして。


 残る真ん中。


「…………」


 瑠衣はいつの間にか双剣を構えていた。


「え?」


 縦と横に一閃ずつ。


 スパパンッ!!


 首。


 落ちた。


 もちろん。


 比喩ではある。


 ついでに玉も落ちた。


 もちろん比喩である。

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