閑話 とあるギルド嬢
ベルベルですよぉ〜。
「何で倒せないんだよォーーーー⁉︎」
ハロー皆さん、ここはロアス王国、ギルド本部。私は受付嬢のベルです。みんなからはベルベルなーんて可愛く呼ばれてるんですよっ。
それがどうして、
どうして……。
「テメェら殺る気ねーのかよォ!!!!!たかだかリッチー一匹殺せねぇたぁどういぅ了見だァ⁉︎⁉︎」
ふぅ、いけないいけない。みなさん驚いてしまってますね!ここは一発怒りを静めましょう。
「フー……フー……」
落ち着いてきましたね。うんうん、こわばった表情筋も、ほーら元どおり!これでいつもの可愛いベルベルに元どおr
「ほ、報告です!もう一組が例のリッチーに撃退されたと」
「だぁらっしゃああああああああああい!!!!!クソが!!!!!」
そこ!二重人格とか言わない!これは愛の鞭なのです。
だから「テメェらの血は何色だぁ?あ〝ぁ?」とか言っちゃうのですよっ。決してそう、切れてるわけじゃないです。切れてないですっ。
「そう、そうですか?ならもう放置しても良いんじゃないでしょうか……?」
報告によれば、パーティーメンバーで聖魔法を使える人も聖魔法が効かないらしく。リッチらしく、物理攻撃もスカされるらしいのですよ。
しかも、挑んだパーティー全てが実際に弄ばれ(お手玉にされたという報告もあります)、もはやこれは一ギルドの受付嬢で間に合うような件ではないでしょう。
とか思っていたのですが。
「何で私が討伐メンバーに入ってるんでしょう?」
「そう……それは……必然」
「聞いてますかギルマス。……聞いてないですよねー」
どうやら何がどうなったのか、私も討伐隊に向かえと。
何が悲しくて、元冒険者の頃の装備を整える必要が……ベルベルは悲しいです。ああ、受付嬢のヒラヒラの可愛いスカート、冒険者のあの言い寄りを素気無く断る快感。
ああ、どうして一ギルド受付嬢の私がこんなことを。
「おい見ろ……元Sランカーの『鎮魂のベルフェミア』だぞ」
「ミニスカ神官装備なのに何でモーニングスター持ってんだよ」
「しっかり見ろ。あのモーニングスター、トゲの部分全てに護符巻き付けられてんだよ」
「「「…………」」」
何でしょう?今の会話。
ベルベルはベルフェミアなんて名前じゃありませんよー。そんな怖い人ベルベルじゃありませんよ。濡れ衣です。ぷんぷん( *`ω´)
「あ!ベルベルさん!」
ほーら。
「何でモーニングスター持ってるんですか?それに神官装備で」
「いや神官装備がミニスカすぎるでしょ⁉︎」
「似合いませんか?」
「「に、似合ってるよっ!!!!!」」
と、全員が集まりました。全部で七人、私以外はみんな心強いメンバーです。本部ギルドマスターに支部ギルマス、六芒星といういずれもSランカーといった頭のおかしいとしか思えない強さの人たちです。
「何をやってるベルフェミア!行くぞ⁉︎」
「べ、ベルです!ベルって呼んでくださいね⁉︎」
「うっせぇキメェんだよ。ベルフェミアの分際で何がベルベルだ、130代」
「にぎゃああああああああ⁉︎」
この人たちは何をやってるんでしょーね。全く、ベルベルが動かないとダメなんでしょうか?
「てめーは良い加減に正気に戻れ。ぶっ殺すぞ」
「1ギルド嬢にそれはないと思うのですよ」
「行くぞバカ。次やったらテメェは今度からギルマス権限でアダ名はバカにすっからな」
「や、やめてください襟首掴まないでー⁉︎きゃ、神官服が破れますよぉ。り、りぴーとあふたーみー!ベルベル行ってらっしゃーい!」
「「ベルベル行ってらっしゃーい!」」
「鎮魂のベルってああだったっけ?」
「120代超えてからだな」
し、失礼ですよぉ、ぷんぷん( *`ω´)
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陽暦121年火の月21日
ギルドの総力を結集したエルダーリッチー討伐隊が組まれる。勇者の墓場において、その周囲の墓標から自然にアンデッドを生み出してしまうほどの猛威を振るうそれはリッチーからエルダーリッチーに進化。それを放置はできない。
メンバーは以下の通り。
沈黙のリリネット Sランカー
戦乙女のアウロラ Sランカー
ヒゲオヤジノーロン Sランカー
美姫のアウフローレン Sランカー
諸刃のビッテ Sランカー
迷走のクロムハーツ Sランカー
鎮魂のベル Sランカー
私は健闘を祈ります。
ベル「みんなひどいぞぉ?」
クロムハーツ「あーこの子ね。十年くらいでこうなったんだよ。その前は『鎮魂ダァヒィヤアアアアハアアアアアア!!!!!』とか言ってゾンビをモーニングsぶべらばぁ」
ベル「悪い子はお仕置きだぞっ★」
えっちょ、ベルさん何でモーニングスター持ってるんですか?振りかぶったそれをどうする気なnぶべらばぁ!!!!!
ちなみにこの十年くらいで冒険者になった人たちは騙されているらしい。
次話では本編だよ!




