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スルースキルが最強で。  作者: ふぁくとりー
1 巻き込まれたので。
24/43

22 一目惚れのようです。

スルースキル出したいお…

「Wait…落ち着こう」

変なしゃべりになってしまったのは放置だ放置。


「ということは、お祖父様が勇者を召喚させたと」

「まぁ、具体的に言うなら、勇者になってしまった色(しき)を手元に置くための超法規的措置、といったところか」


つまり、今回の異世界転移は。


「僕を巻き込んだのは、意図的ですか」

「いいや、それは否だ。お前に関しては、儂は何にもしておらん」

…どういうことだ?


ちょっと飲み込めていない僕に噛み砕く様に説明を始める。



神龍、とはいってももとはただの青蛇だが、農村に大量発生したネズミを食いまくったのが始まりだった。村人は蛇を神の使いだと崇めるようになる。


生き物が崇められ始め、力を手に入れる。今やもう形骸化しているとはいえ、澄んだ川に「ゴミを捨ててはいけない」などという思いは川を神域と見なしている行為と換算される様で、神力は有り余るらしい。


そして蛇は何時の間にか巨大になった。そして泉の水を飲んでいたところをある村人が見つけてぽつりと呟いた。


「龍神様じゃあ、水の化身じゃ」


そう、神というのは人の望みが形となったもの。人が白と言えば神は白になる。神は神罰を人に与え、ある程度思考を誘導させる。互いが互いを監視しあっていることで成り立つ。


だから、碧は龍神になれた。


生贄の娘は彼に心を開き、朧という子をなした。


朧は恋に落ち、結婚して二人の子をなした。

色と、透。そして溶け込めないまでも、そこそこやっていけるようになった矢先ーー色が消えた。


透が異世界に行く二週間前。碧はすぐに他の神に聞きまくったらしい。消えた孫を取り戻そうと必死になって、こちらの世界の神となっている者に話をつけに行った。


異世界召喚の神。それに会って、彼はその下卑た心に失望した。


こちらの世界のはみ出し物と人気者を一斉に向こうに送っては、追い出されたり殺される様を見て楽しむ。

英雄が力ゆえに追い落とされ、魔王側に反旗を翻したのを見て、英雄の召喚を告げ、殺させる。


クズの極みだ。

そしてそんな神を追い落とす方法が存在した。『代替わりの儀』、そう言えば聞こえはいいが、実際やるのは生死をかけた決闘。


相手は、火の神カグツチ。相性は良かったが、いかんせん神としての歴史や信仰度が凄まじい。辛くも勝利し、そして碧は異世界召喚の神になった。


ここまでは昔の話だ。といっても、僕が転移する数日前のこと。

そして、僕は異世界召喚ではない(・・・・)方法でこちらに来ているらしい。


「ではない?どういうことです」

「召喚でないーーすなわち別の方法で来たということだ。儂もなったばかりで分からないが、儂が送った者を送り返すことはできる」


言外に僕を送り返すことはできないとほのめかす。

だが、ここにいれば、家族には会える。


家は神界であるため、そもそも召喚云々は関係ないそうだ。これで納得いった。


「あれ?ドラグニア神国は?」

「ふ、気づいたか。ここと地球では流れる速さが違う。すなわち儂が建国したのは百年前だ」


おっふ。


「人間の国はごっちゃごちゃと破壊を繰り返しては国境線を変えていたからの」

「っていうか建国は片手間か」

「神がたった十年消えたところでどうにかなるような国でもないわ。神国と言えど、事実上は儂が君臨しているわけではない」


なるほど。

つまり僕が異世界ですべきことは、その転移させた神と接触することか。

だけど、ぶっちゃけもう帰らなくてもいい気がする。


友達?いるわけない。声かけようとしたらスルーが基本だ。

知識?本でも読めばわかる。

家族には会えるし、帰る理由が見当たらない。


などと益体もないことを考えていると、唐突にその思考は中断された。


「神龍様、書類をお持ちしまし……」


ガラリと開いた扉から入って来たのは、ドラグニル。そこそこ綺麗な髪色だが、うちの一族には及ばない。


「誰です!?この美女!神龍様、どういうことです!?」

「儂の孫だ。可愛かろう?」


その言葉に僕の手を取り跪いて、めちゃくちゃ笑顔ですぱっと切り出した。


「一目惚れしました。結婚しましょう」

「~~っ!?」


レイが椅子をガタンと蹴倒した。

「冗談じゃねぇ、今すぐその手をのけろ!」

「…おや犬が紛れておりますよ?」

「誰が犬だ。死にてぇのか?」


おっと、なんかばちばち言ってる。これはどうしよう。助けてルリエモン。

あれ?どうして目を逸らすの?


「おめぇに透は相応しくねぇよ!」

「そうですか、透様と言うのですね。申し遅れましたが私リンシェンと申します」


「透、朧もいる。今日は家でゆっくりしなさい」

「そうします。ところでどうしましょうアレ」


ぎゃんぎゃん言い合う二人。まぁ放置が得策だろう、と祖父は呟いた。

透「作者は浪人ですか」

ほっとけ、ぐすっ。

レイ「まぁ、自業自得だな」

ルリエ「そうね」

透「ネットのない世界に一年…自宅より都会なのにw」

うおおおおおおWeb漫画があああああ!!

…アニメ、録画…Wi-Fi…味方…。


透「次回は勇者の影をチラつかせたり」

ムチゃぶりだっ!!

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