11 準備のようです。
ノリノリで書いていたら、期せずしてグルメ回に…
スルースキル大活躍はこの次or次々回かもです。
アルフォックを出立する前に、ジルベルトの分の食料を買い込まなければならないだろう。
旅支度はしていても、亜空間収納を持っている僕らでは意味もない。
「ジルベルトさん、旅でしょうが…市場に行きましょう」
「あ、ああ」
市場には色々果物や野菜が並んでいる。一見すると、初夏くらいだと思われる。
「すいません。これ、一個銅貨2枚ですか?」
「おうよ兄ちゃん。まけられねぇぜ?」
ソフトボール大のイチゴのようなものを見ながら、首を捻る。
「20個買うので三個分おまけして下さい」
「だめだめ。まけられないよ」
「では銅貨5枚」
「うーん、3枚分だね」
「じゃあもう一個買うので5枚」
店主の苦り切った顔?周りの視線?そんなモノスルーである。
スルースキルというよりは図太いのだが。
「…分かったよ、持っていけどろぼー」
「ありがとうございます!」
僕が笑顔で(余所行きである)お礼を言うと、参ったなというように頭をぽりぽりかいて「また来いよ」と言ってもらえた。
「鉄、サラマンダーの魔石の欠片…そしてミスリル!ジーグさんとこから持ってきておいて正解でした」
ファンタジー金属、ミスリル。どちらかと言えば鉄よりもミスリルの方が高くはあるが、大差はない。
ミスリル鉱山は鉄と同じくらいあるが、精錬する人も多い。
そして強度もあるのだが、いかんせん鉄を扱う技術が勇者のおかげで発展したらしく、ミスリルのものと性能がほぼ変わらなくなっているらしい。
だが、誰も気づいていない。
「ミスリルは大量の魔力の保持が出来るんですよね。継ぎ足しをしても劣化が起きませんし」
ようするに、今回作るコンロ(仮)においては燃料というわけである。
僕は早速『ものづくり』を起動する。
材料を集めると、手のひらが光り出す。鉄がスライムのようにぞぞぞ、と蠢いて他の材料をグイグイ飲み込んで行く。
光が収束すると、見慣れた形状のコンロが置いてあった。
鑑定する。
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魔法コンロ☆1号 レア度★
魔法のコンロ。魔力10で30分加熱出来る。
火力も申し分なく、調節可能。
特殊性能 美味しくな~れ
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「最後のは意味分からないけど、成功っぽいですね」
僕は文化的な生活に一歩近づいたとホクホクであった。
さぁ、ここでイチゴもどき(正確に言えば、ベリルと言うそうだ)を味見しよう。
「イチゴとラズベリーとクランベリー混ぜたみたいな味…」
ならジャムにしていいだろう。包丁で切り分けていく。
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ベリル 果物
甘酸っぱい。果実酒は人気があり、生食も捨てがたい。
魔物も大好物である。
「えーっとぉ、石英の欠片、石灰石、重曹を取り出して」
ものづくり発動。
重曹は市販されていた。パンやら何やらあるから、勇者が作ったものでもあるんだろう。
重曹を熱して得られる炭酸ナトリウムはソーダ灰とも呼ばれ、ガラスの生成に不可欠で……
まぁ、そんな解説めいた思考をしている間に広口瓶五つ、試験管がいくつか出来たのだが。
「はい、じゃー早速くっきーんぐ」
切り分けたベリルを鍋に放り込み、シオドキの身を絞る。砂糖はあまり使いたくはないのだが、やむを得まい。砂糖をベリルの全量4分の1くらいで甘さ控えめにすると、水分が染み出してくるのを待つ。
灰汁をとりながら鼻歌を歌っていると、レイが飛び込んできた。
「透!すっげぇ良い匂いすんだけど!」
「ジャムを作ってるんですよ。作り終わったら味見しましょう」
尻尾がパタパタしている。モフりたい…。
「出来ましたー!はぁ…」
スプーンを取り出し、ペロリと一舐めする。
甘酸っぱい味わいと、鼻腔に抜ける匂い。
「あ、レイさんどうぞ」
「!!うまぁ…」
とろけた。
その後ルリエが帰って来て「香水…?」と呟いていたが、それを華麗にスルーして出発の準備を始めた。
透「ジャム、めちゃくちゃ美味しかったです」
保存性を無視してもOKな亜空間収納あるからね。
透「ええ。でも流石にあのモソモソしてる黒パンは美味しくないんですよね」
レイ「しゃーねーだろ。ってか、異世界の飯って本当美味いよな。お前ら毎日あんなの食ってんの?」
透「次回は街から出ます。何か起こす予定…プロット雑すぎじゃないですか?」
うぉ!?何時の間に!?




