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裏通りの東大生  作者: Jzou
高負荷トレーニング

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第五章:(7)

沢山の作品の中からこの作品をご覧頂き、ありがとうございます。


この作品はロサンゼルスのギャングの世界の空気感を描くために、一部バイオレンスが描写が含まれておりますが、基本は主人公が偏差値30から東京大学へと進学していく過程ときっかけを描いたものとなりますので、楽しく読んで頂ければと思います。

翌朝高校の図書館に行くと、キング、ジャック、アーサー、マイキーが話していた。


「What’s up」とJは声をかけ、バックパックを下ろすと椅子に座った。


「ゴールドに狙われてるって?」

キングが口を開く。


情報源はマイキーだろう。この話しはキングには通しておくべき話しだったので、話す手間をマイキーが代わってくれたらしい。


「オレは金を貸して、そして金を回収しただけなんだけど、恨みはしっかりと買ったらしい」


「ウィルが馬鹿なら動くだろうし、馬鹿じゃなければ動かないのが身の為だけどな」

キングが言うと、


「ブルーもブラックもバックに付くんだろ?それでJを襲ったら余程の命知らずだな」

アーサーが続け、


「でも、それでも動くのが恨みって感情だよ。冷静に判断なんて出来なくなるし、そもそもするような連中でもないだろうしね」

ジャックが冷静に分析する。


「ビリーならわざわざ抗争に入るような真似はさせないと思うが、ウィルが勝手に動く危険性はあるから、Jは用心しておけよ」


キングはそう言いながら手で銃の形を作りJに見せる。

「ほら、だから銃だぜ」と、何も言わずともその得意気な笑顔が何よりも語っている。Jはそのキングの「銃」は無視しながら


「なんにせよ、オレから動くことは無いよ。ただ、逃げようにも高校の前まで来られたら逃げられないしな。なるようになるさ」と反応する。


ウィルにJの賭場の場所や家は知られていなくても、高校の場所は分かる以上、ウィルに見つかるのは時間の問題だった。


そんな話をしている時、珍しくミッシェルが図書館に現れた。


「ミッシェルどうしたの?珍しいね」

Jが立ち上がってミッシェルを迎える。


「ハロー」とミッシェルはJより先にキングやジャックに小さく手を振りながら笑顔で挨拶をする。キングやアーサーも手を振りながら顔が分かりやすく崩れている。


「ねえJ、今日の放課後空いてる?」


「あぁ、空いてるよ」


「じゃぁ、モールにあるピザ屋に行かない?前に一度連れて行ってくれたでしょ?」


ミッシェルは約束を取り付けるとサッと図書館を後にした。いつもの可愛い笑顔のミッシェルだったが、少し表情が硬めだったことに気が付いたのはJも含めて誰も居なかった。


「ミッシェルとデートか」


冷やかす口調でキングが言うが、同時に崩れ切っていたさっきまでの表情から一転して、何かを考えている表情であることはJも気付いていた。



待ち合わせ場所のモールのピザ屋まではJは一人で向かった。


それもミッシェルから言われていたことで、不思議に思いつつも、どんなピザを頼もうか考えながら向かっていた。


店に入り、馴染みの店員に軽く顎を上げて挨拶すると、店の奥を指差し、そちらに向かって歩き出した。店員も静かに頷き、相変わらず薄暗い店内の奥にJが向かうと、ミッシェルと共にケイトが一緒に居た。


「あれ?どうしたの?」


少し驚きつつもミッシェルとケイトの関係を考えれば不思議でもなく、2人が並ぶ席の前に座った。


深刻な顔をしてミッシェルが口を開く


「J、私もう無理。ケイトに黙ってたらケイトのこと騙しているみたいで。ねえ、私たちのことケイトに話していい?」


「(もうそれで十分に話してることになると思うけど)」


とJの心の声は突っ込みを入れていたが、ここは不用意に発言するべきではないと、ギャンブルの時以上に慎重に状況観察をすることにした。


「なんだ、呼び出されたと思ったらそういうことか」


ケイトが口を開き


「そんなことなら知っているよ。というか、ミッシェルの態度を見ていてJと関係が無いと思う方が鈍感過ぎるよ」笑いながら続けた。


「えっ?でも、今まで黙ってたよ」

ミッシェルが不思議そうにケイトを見る。


「Jに惚れてるのなんて口に出さなくても高校中の誰でも知ってる」

ケイトはいたって冷静だ。


「(誰でも知ってるんだ)」Jは心の声だけで会話に参加していた。


「でもな、ミッシェル」ケイトが続ける。

「私は友達としてミッシェルを見ていて、Jに惚れてるのは知ってたよ。で、ミッシェルの目には私はどう映った?」


「えっ?」


ミッシェルが言うのと同時にJも「(えっ?)」と心の声が聞き返した。


「私もJとキスくらいならしてるし、Jのことが好きだよ。ミッシェルは知ってた?」


ギャングの抗争よりも、警察に追われた時よりも、恐らくピンチな瞬間であることをJは感じていた。いつも暗い店内だが、いつも以上に暗く感じるのは、店員も気を利かせて近くに居ないからだろう。


3人の間、そして店内、完全に止まってしまった空気を一変させたのは意外な訪問者だった。


「よ~J、久しぶりだな」

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