第四十七話 特産品作り②
翌日から。
木漏れ日温泉郷では特産品作りが始まった。
中心となるのはミリナと白樺の湯の料理長。
つまりコトネの旦那だった。
「まずは蜂蜜飴ですね!」
桶さんから聞いた作り方を。
ミリナが料理長へ伝える。
「なるほど」
「面白い発想ですね」
料理長は興味深そうに頷いた。
一方。
試食担当は。
シャルネ。
コトネ。
リリィ。
三人である。
そして。
「できました」
最初に完成したのは蜂蜜飴だった。
「綺麗……!」
リリィが目を輝かせる。
琥珀色に透き通った飴。
見た目だけでも十分商品になりそうだった。
口に入れる。
「甘いです!」
「蜂蜜の香りが残りますね」
「これは良いな」
全員一致で合格だった。
さらに。
小さな瓶へ詰めてみる。
「おぉ……」
「お土産っぽいですね」
ミリナも嬉しそうだ。
最初の商品は無事完成した。
続いて。
焼き菓子作り。
だが。
こちらは簡単ではなかった。
「少し硬いですね」
「今度は甘すぎます」
「蜂蜜の香りが弱いかも」
試食会が何度も行われる。
途中から。
柏の湯の一家も協力してくれることになった。
「美味しい!」
「でももう少し甘い方が好き!」
「こっちの方が好きかなー!」
子供達の意見は意外と参考になる。
大人では気付かない部分を素直に言ってくれるからだ。
何度も試作を繰り返し。
ようやく。
「これですね」
全員が頷く焼き菓子が完成した。
続いてクッキー。
こちらも試行錯誤はあったが。
焼き菓子ほど苦戦はしなかった。
サクサクした食感。
優しい甘さ。
ほんのり残る蜂蜜の香り。
「美味しいです!」
リリィが満面の笑みを浮かべる。
「これは売れますね」
コトネも嬉しそうだった。
こうして。
蜂蜜飴。
蜂蜜焼き菓子。
蜂蜜クッキー。
三つの特産品が完成する。
試作品を並べてみると。
それだけで立派なお土産屋のようだった。
「なんだか本当に特産品になりましたね」
ミリナがしみじみ呟く。
すると。
(まだ終わりじゃないぞ)
桶さんの声が頭に響く。
「ですよね」
ミリナは苦笑した。
まだ残っている。
蜂蜜石鹸。
蜂蜜クリーム。
温泉郷の女性達が喜びそうな商品だ。
そして。
こちらこそ。
本当の意味で木漏れ日温泉郷らしい特産品になるかもしれなかった。
ミリナは気合いを入れ直す。
「よし」
「次も頑張りましょう!」
こうして。
特産品作りは次の段階へ進むのだった。




