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転生したら桶でした  作者: 玉葱将軍


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閑話 お給料の使い道

湯けむり亭は。


 月に四回だけ定休日がある。


 とはいえ。


 普段は朝から晩まで働きっぱなし。


 露天風呂ができてからは忙しさもさらに増していた。


 その代わり。


 お給料はかなり良い。


 街の同年代と比べても。


 かなり高い方だった。


 そんなわけで。


 今日はみんなの休日のお話である。



「うーん……」


 ミリナは悩んでいた。


 街の雑貨屋。


 目の前には。


 ふわふわの新しいタオル。


「お客様用に良さそう……」


(また店のもん買おうとしてる)


 桶さんが呆れる。


「でも肌触り大事ですし……」


 結局。


 大量購入した。


 さらに。


「わぁ……!」


「この髪飾りかわいい……!」


 子供組へのお土産まで買う。


 なお。


 自分用は買わない。


(お前ほんと経営者向いてるな……)


 最近では。


 温泉や湯治関連の本を見つけると即購入するようになっていた。



「これ皆さんでどうぞ」


 エナは街のお菓子屋で焼き菓子を買っていた。


 派手に使うことは少ない。


 だが。


 気づくと皆へのお土産を買っている。


「エナちゃんまた買ってきたの!?」


「えへへ……」


 少し照れながら笑う。


 あと。


 休みの日は意外と一人でのんびりしていることが多い。


 本を読んだり。


 街をゆっくり歩いたり。


 新しくできたお店を見たり。


 かなり落ち着いた休日だ。


 ただ。


 甘いものを見ると弱い。


「この限定プリン……!」


 そこだけは目を輝かせていた。



「ふっふっふ……」


 ルーナは怪しい笑みを浮かべていた。


 目の前には。


 大量のタオル。


「次はどれ試しましょうかね……」


 完全にサウナにハマっていた。


「この生地……熱波向きですね……!」


 さらに。


 香り付きの薬草油を見つける。


「ロウリュに混ぜたら絶対良いです……!」


 店員がちょっと引いていた。


 あと。


 地味に美容にもお金を使っている。


 高い髪油とか。


 香りの良い石鹸とか。


 最近かなり女子力が高い。



「うーん……」


 ミアは服屋で悩んでいた。


「これ可愛い……」


 最近。


 おしゃれに目覚め始めている。


 服。


 靴。


 髪飾り。


 色々見るのが楽しいらしい。


 だが。


「それはちょっと派手じゃないですか?」


 ルーナに止められる。


「えぇー?」


 どうやら少しセンスが独特らしい。



「この帳簿の書き方いいですね……」


 ドロシィは本屋にいた。


 読むのは。


 物語ではない。


 商売本。


 帳簿本。


 経営本。


 である。


(小学生くらいの趣味じゃねぇだろ)


 桶さんがツッコむ。


 だが。


 そんなドロシィにも。


 年相応な部分はある。


「お肉定食特盛で!」


 めちゃくちゃ食べる。


 特に肉。


 焼肉。


 ステーキ。


 串肉。


 全部好き。


「幸せです……」


 肉を食べる時だけ。


 顔がふにゃふにゃになる。



 シャルネは。


 最初。


 ほとんどお金を使わなかった。


 元冒険者の癖だ。


「いつ何があるかわからないからね」


 と言って貯め込んでいた。


 だが。


 ある日。


「これ似合うかな?」


 子供組へ服を買っていた。


 しかも。


 結構良いやつ。


「シャルネさん優しいですね」


 ミリナが笑う。


「別に」


 そっぽ向くシャルネ。


 ただ耳は少し赤い。


 あと。


 武器屋だけテンションが違う。


「おぉ……」


「この短剣いいな……」


 目が完全に冒険者だった。



 バルミナは。


「酒だねぇ」


 昼から飲んでいた。


 だが。


 ただ飲んでいるだけではない。


「この土地安いねぇ……」


「ここ今後伸びるよ」


 不動産。


 投資。


 商人との付き合い。


 完全に経営者である。


 ただし。


 たまに。


「ほら」


 子供組へ高いお菓子を買ってくる。


 そして。


「別に余っただけさ」


 と言い訳する。


(ツンデレか)


 桶さんが思った。



 そして。


 桶さん。


 もちろん。


 自分では出かけられない。


 なので。


 誰かがお出かけする時は。


 大体連れていかれる。


「桶さんも行きます?」


「行く!」


 即答だった。


 街へ行けば。


「おぉー!」


「新しい温泉グッズ!」


「この桶ちょっと良くない!?」


 完全に温泉オタクである。


 最近では。


 街の風呂屋情報にも妙に詳しくなっていた。


「今度あそこの湯見に行きたいなぁ……」



 そんなこんなで。


 忙しいながらも。


 みんなそれぞれ。


 充実した休日を過ごしていた。

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