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僕は魔法少女に変身する  作者: マナマナ


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久し振りだね。ブーア

 数日が過ぎる。

 あれから学校でのオバケ騒動はピタリと止んでいた。

 しかし

 ぬいぐるみに関しては学校と所有していた生徒との間で近所のお寺に預かってもらう方針になった。


「ねえ。聞いてよ。綾ったら『気に入っているからいい』なんて言ってぬいぐるみを渡してくれないのよ」

 そのことについては僕も同意見なのだ。なんたってシェの本体がある。目の届くところに置いておきたい。

 だがそのことは状況の混乱を招くので

「本人がその気になるまでいいんじゃないかな」

「え?あなたも綾と同じなの?気持ち悪いって思わないの?」

「だっていたずらだったんだ。勝手にオカルトにしたのは学校の方だ」

「まあ・・・確かに、そうなんだけど・・・じゃああの映像はトリックってことよね」

 妻は余程霊的なモノに警戒心と恐怖心を持っている。ということを今回のことで初めて知った。

「トリックだよ。人間の仕業だったんだ。だから持っていても問題はない」


 今回の真相を把握しているのは僕だけ。

 あの時。ぬいぐるみと一緒に手紙を置いたのも僕だ。匿名で担任の沢渡先生宛で書いた。


「もう終わったんだ。普通の日常に戻る。何も心配はいらない。僕が保障する」

「・・・まあ。そういうなら。それで?今日はどうするの?」

「昨夜も言ったようにみんなで外食しよう」

「いいのねそれで。綾もいいって」

「久し振りだしなにより楽しみだ。何がいいかな」

「そうね・・・焼肉とかどう?近所に新しいのができて評判いいみたいなの」

「そうか。いいんじゃないか。特に綾は育ち盛りだからな」


 ん?スマホ?

「悪い。ちょっと電話だ」

「また?このタイミングで?」

「まあ、大したことないだろう」

「ならいいけど」


 部屋に戻って確認してみると

「くまさんだ。折り返してみるか」


 RRR・・・

 三回目のコールでくまさんが出る。

「神谷です。お久しぶりです」

「悪いの。急に」

「いえ。そのためのスマホです。どうしたんですか?」

 しばらく沈黙。くまさんにしては珍しく迷っている。そんな印象を受ける。

「・・・仁さん。こっちに来れんかの」

「今からですか?」

「今からでもいいが・・・夜にはいて欲しいの」

「くまさんの手を煩わすほどのドリーチェですか」

「ああ。今回のはちと・・・おれには」

「応援要請ならもちろん駆けつけます」

「詳しくは会ってからでええかの」

「ええ。構いませんが・・・それで具体的には?」

「おれの手が空くのが午後三時じゃ。できればその時間に来てもらえるとええんじゃが」

「午後三時・・・」

 頭の中でいろいろ考える。

 それだと家族との約束が果たせない。また家族に不満を与えてしまう。せっかく関係が良くなってきたというのに・・・

 しかし。ドリーチェのことなら仕方ない。僕は腹を括る。


「分かりました。できるだけ調整をします。夜までには必ず行きます」

「頼む」


 通話は終了。


 さて。困ったな。妻の予想の的中率はなかなかだ。なんて感心している場合じゃない。

 けれど仕方ないこと。くまさんは困っている。ブーアでは解決できないドリーチェ。どんな相手なのだろう。まさかクーイグがシェのように・・・

 詳細を聞かないとならない。面倒なことになっていることは確かなんだ。

 とにかく今は妻には納得してもらうしかない。

 妻の元まで戻ると僕の顔ですぐに判断ができたらしい。


「もしかして・・・」

「あ、ああ・・・君の予想は的中した」

「なんでこうなの?仕事のこと?それともジーアなの?」

 ここでジーア。いい加減素直に白状した方がいいのだろうか。

「正直に言おう。嘘は言わない。今夜僕はジーア絡みの用事ができた」

 妻の鼻息。

「ジーアってあなたのことを動かす。あなたはそれに従っている」

 どうする?今ならステッキで目の前で変身だってできる。

「あなたの言葉は信じている。疚しいことはないんでしょ」

「ああ。僕はいつでも潔白だ」

「これからも続くの?そういうの」

「ずっとではない。一年。それが過ぎたらジーアとの関係は終わる」

「ならその時まとめて話すって約束して」

 意外な返答に僕の方が困惑している。本当にそんなことでいいのか?

「僕の話が全て真実だって信じてくれるなら話す」

 妻の申し出は正直有り難い。

 そう答えるのは余程の覚悟だろうな。余計なことは必要以上に聞かない。

 だから僕も妻の質問には誠実に答える。

「ありがとう。僕はとても幸せ者だ。君と結婚して本当に良かったって心から思うよ」

「それで?今日はもう一緒にご飯は行けないの?」

「夕飯ならすまない。ランチはどうだろう。その時間なら確保できる」

 提案にしばし考える。

「いいわね。ランチでも一緒っていうのは変わらないから。ちょっと綾に確認してくるね」


 階段を上げってゆく妻の後ろ姿にとても頭が上がらない。僕は静かに頭を下げる。

 本当にこんな感じでいいのだろうか?

 もっと言いたいことがあるのに我慢している可能性の方が大きいだろう。

 でも

 どうして急に協力的になったのか分からない、


「綾もその方がいいって」

 戻ってきた妻の言葉。なら。早速行動あるのみ

「分かった。支度しよう」

 ちょっとお昼には早い時間だが僕達家族は久し振りに一緒に食事をすることができた。


☆☆★☆☆☆


 ジーアに変身して与那国島目指して南へ飛んでいる。

 まだまだ日も高い。正直誰かに見られる可能性の方が今は心配の種なのだが・・・

 しかし。

 事前にジーアに相談して知ったことがある。もっと早く聞いておけばよかった。

「今の私は誰にも認識できないんだよね」

 ジーア達魔法少女には人間には認識できないステルス的魔法が存在していた。

「なんで初めから教えてくれないかな。っていうか誰も知らなかったよね」

 光学迷彩みたいなモノで便利なのだが結構魔法力を使うのが玉にキズだった。


 午後四時。

 ジーアは与那国島に到着。ティーナくらいの速度があればもっと短縮できるのに。

 そんなことを思いながらくまさんに電話を入れる。

「もしもし。ジーアです。今到着したよ」

「よう来てくれた。悪いの。おれも変身する。電話を切るぞ」

 スマホをしまうと同時にブーアの声が聞こえる。


『悪いな。急に』

『いいよ。今は空にいる』

『分かった。あたいも空に』


 与那国島。


 初めて来た。そんなに大きくない島は簡単に全体を見渡すことができる。

 島を囲っている海の色のきれいなこと。

 伊豆の海もきれいだったがまるでレベルが違う。


「おおい。ジーア。どこだ?」


 ブーアが飛んで来る姿はジーアにはバッチリ見えている。

 ブーアはキョロキョロ周りを見回して

「ここだよ」

「え?どこだ?」

 (クスクス)

「どこでしょう」

「変だな。すぐ近くから声が聞こえるのに」

「ごめんごめん。ここだよ」

 ジーアは姿を現す。

「うわ。びっくりした?何をした?新しい魔法か?」

「知らなかったでしょ。こういう魔法もあるんだ。これなら人に見られることもない」

「それってあたいもできるのか?」

「もちろん。あとでやり方教えるね」

「いや。今教えてくれ」

 ブーアの勢いに押されるジーア。

「そうだね。夜にはまだ時間あるし」

「こっちは夜になっても暗くなるのは遅いんだ」

「そうなんだ。ブーアならすぐにマスターできるよ」


 ジーアの言葉通りブーアはあっという間に魔法を習得した。

「こりゃ便利だ。自主練するたって暗くなるまで待ってたからな」

「ホントだね。私なんてバッチリ写真撮られちゃったし」

「災難だったな。チャットで知って驚いたぞ。おまけに全国ニュースにもなってた」

「ね。そのことはミアンに会った時になんとかしてもらう予定」

「確かにミアンの魔法なら可能だろうな」

「そうだ。遅れちゃったけど。久し振りだね。ブーア」

「ホントだ。ジーアも久し振り。会った時から言いたかった。良い顔してる」

「ホント?でもさ、いろいろあったよ。毎日ドリーチェ出たし」

「そりゃ大変だったな。こっちは二日前に初めて現れた。こんなところじゃなんだ。あたいの部屋に行こう。お茶出すよ」

「ありがとう。ずっと飛んでいたから喉がカラカラ。何か飲みたいって思ってた」

「じゃあ・・・と、その前に気になってること聞いてもいいか?」

「ん?なに?」

「その腰にぶら下げているぬいぐるみが気になってな」

「ああ。これ?これのことも話すね。でもその前にお茶飲みたい」


 二人は姿を消したまま地上に戻ってから元の姿に戻った。


「こっちは暑いですね」

「じゃろ。おれも日焼けで大変よ」

「ホント。焼けてますね」

 くまさんは僕の顔をじっと見つめて

「ジーアの時も言ったが仁さん自身も良い顔になった」

「そうですか?でも・・・そうかもしれません。ほんといろいろあったんです」

「それを乗る越えたから今がある」

「そうですね。自分自身、それとジーアとしての自信がついたからでしょうね」

「積もる話もあるじゃろ。家はこっちじゃ」 


 くまさんの家までの道のりはのどかで街の喧噪なんてどこ吹く風。

 むしろ波の音や風の音。そんな自然の音で満ちている。

「あんなところに馬が・・・」

「ここじゃ普通の光景じゃ」

 あれは放牧と言ってもいいのだろうか。

 馬は人に慣れているのか僕達の姿を見ていも逃げ出す様子はない。きっと馬達にとって僕達は大した脅威ではないのだろう。

 時間の流れがゆったりとしている。それは急いで行動している存在がいないからだろうな。

「のどかですね」

 つい言葉が漏れる。

「のんびり過ぎてついつい寝ていることも増えた」

「なんとなく分かります。僕も今ここで横になったら眠ってしまいそうです」

「ここじゃ。着いたぞ」


 くまさんの住まいは沖縄特有の平屋建て。こじんまりした家でシーサーもあった。

「とてもいい感じの家ですね」

「さ、中に入ってくれ」

 家の中は風の通りがいいのかとても涼しい。

「お邪魔します」

「そっちが居間じゃ。座って待っててくれ」

 案内された部屋にはちゃぶ台がある。『くま屋』のことを思い出した。

「座っていればよかったのに」

 お盆を持って戻ってきたくまさんに声を掛けられて

「ええ。ついくま屋のこと思い出していました」

「まだ三週間じゃ。まあこれでも飲んで一休みしてくれ」

 勧められたお茶。色は薄く独特の匂いがする。けれど嫌な匂いではない。

「これはなんて言うんですか?」

「ここでは一般的な長命草茶じゃ」

「長命草・・・初めて聞きます。いただきます」

「口に合うかの?」

「うん。おいしい。僕は好きですよ」

「それは良かった。ここの人達が古くからあるゆかりのある植物なんじゃよ」

「へぇ〜そうなんですか。お土産に買って帰ろうかな」

「買わんでもたくさんあるから分けてやるよ」

「ホントですか?ありがとうございます」


 お茶を飲みながら僕はこれまでのことを話した。


「なかなか大変じゃったな。それを乗り越えたからか。良い顔って言ったのは良い男になったとういうことじゃなくて良い面構えになったということ。そうかそうか。納得じゃ」

「それと海の時にくまさんに言われた通り妻にちゃんと話したら分ってもらえたような気がします」

「でも自分がジーアとまでは言っとらんのじゃろ」

「ええ。言ってもいいんですけど。そっちの方が理解してもらえないような気がして」

「確かにの。でも奥さんが協力的になったのは仁さんが嘘を言わずちゃんと本当のことを話したからじゃ。女の感というのは本当に鋭い。嘘はすぐにバレる」

「そうですね。妻に対してはずいぶん嘘を付いていたと思います。それに気が付かずにさらに嘘を重ねていた」

「それで?話すのか?」

「話そうとしたら逆に断られました。全てが終わったらちゃんと話すってことで今は落ち着いています」

「良い奥さんじゃ」

「はぁ・・・そうですね。自分でいうのも恥ずかしいんですけどホント良くできた妻だと思います。でも僕はその妻に甘えている」

「それでいい。甘えてもいいと言っている」

「まあ。今はそうさせてもらっています。じゃないと今日だってここに来れなかったかもしれません」

「かかか。こういうと気分を害するかもしれんが、女の尻に敷かれている方が夫婦円満だと思っている」

「それはくまさんの教訓ですか?」

「そうじゃな。おれんとこもおれが先導しとった。じいさんは無口な男じゃった。でも嘘は言ったことはなかった。馬鹿が付くほど真っ直ぐで真面目な男じゃった」

「僕も妻と嘘のない関係を続けていけたら幸せだとあらためて気付かされましたよ」 


 柱時計が音を出す。


「もうこんな時間か。さて仁さん、これからドリーチェが出てくる。その前に飯にしよう」

「わかりました」


 くまさんはたくさんの沖縄料理を振る舞ってくれた。中でも美味しかったのはカジキの刺身。なんでも与那国島ではカジキ漁が一大産業だとのこと。ついご飯のお代わりをしてしまうほどだった。


「さて」

 お腹を満たした僕達は魔法少女に変身して

「いよいよご対面の時間だね」

「なあ。ジーア」

「ん?なにブーア」

「ドリーチェって絶対に倒さないとならないんだよな」

「そうだと思うから戦っているんだけど」

「まあ、そうだな」

 ジーア達は空を目指す。

「うわ〜・・・なにこれ。星がすごい」

「だろ。天の川だってこんなにはっきり見えるんだ」

「ほんとすご過ぎてずっと見ていられる」

 ジーアが呑気に星空を見つめていた時

「うわ・・・ドリーチェ」

「ああ。現れた。行こう」

 ブーアはそのまま目的地に向かう。慌ててジーアも付いてゆく。

「どこ行くの?島から離れているけど」

「沖縄本島に向かう」

「本島?ここじゃないんだ」

「ああ。本島で待ち合わせの方がジーアには近かった。悪いな余計に飛ばせて」

「別にいいけど。どれくらいかかるの?」

「距離にして500kmくらい。一時間はかからない」

「500?そんなにあるんだ。それでも身体は反応した。余程強いのかな」

「強いとかそういう問題じゃない。数はたくさんだがな。できれば今夜で終わらせたい」

「そのために来ているんだよ。頑張ろうね」

「ああ。そうだな」

 どうも詳しく聞くにはブーアの反応が悪い。理由はジーアにはさっぱり分からなかった。


 沖縄本島。


 与那国島と比べるとずいぶん都会の風景が広がっている。街の明りだって強いし那覇空港には飛行機が絶えず離着陸を繰り出していた。

「着いたね」

「ああ。もう少しだ。行こう」

 ブーアの後に付いてゆく。街の中心を離れた街灯りに少ないエリアに入る。

「なんか静かだね」

「ああ。この辺りは観光客向けじゃないからな」

「そうなんだ」

「ジーアは歴史とか詳しいか?」

「歴史?まあそれなりには」

「だったらここが昔どんな場所だったか分かるだろ」

 那覇より東側。ここはかつて激しい戦闘があった場所。

 たくさんの人が亡くなった場所。

 戦争の色が強く残っている場所。

「・・・そうだ。ブーアって」

「ああ。言ったよな。あたいは・・・くまは『ひめゆり』に配属されていた」


『ひめゆり学徒隊』

 ひめゆりという名前の学校は存在しない。

『沖縄師範学校女子部』と『沖縄県立第一高等女学校』の総称で負傷兵の看護と遺体の埋葬が主な任務として従事させられていた。

 私は・・・いや僕は教科書の言葉以上のことは知らない。

 ただ過酷だった。そんな印象しか持っていない。それにずっと昔のことだと思っていたが実際に従事していた人物が目の前にいると思うと急に言葉を失くしてしまう。


「あの頃のことは経験していない今を生きる人達にとっては遠い過去。悲惨な歴史の一つに過ぎないだろうな」

「・・・ごめん。私も詳しいこと何一つ知らないんだ。教科書に載っていた言葉しか・・・」

「ジーアが謝ることじゃない」

「でも知らないって・・・同じ日本人なのに」

「今さら詳しくどうこう話すつもりはないんだ。ただ願いは一つ。もう二度と血で血を洗うような世界にしてはいけないってことだけだ」

「うん。そうだよね」

「絶対に。そんな世界は・・・おれたちの犠牲は意味のあることだと思って欲しい」


 歴史・・・そのほとんどは戦いの歴史。それが人間の歴史なのだろうか。


「ここだ」

「・・・いるね。ここって」

「ここはたくさんの命が散った場所」

 ジーアは覗き込む地下壕は暗く湿気っている。

「うわ・・・たくさんいる」

「ああ」

 ドリーチェ達はジーアの姿を見るといつもと同じ金切り声をあげる。けれどもこちらに向かってくる様子はない。

「私達のことを見つけても向かってこない?」

 ドリーチェ達はジーアのことは認識したのにその場に留まって何か叫んでいるように見える。

 声は小さく儚い。

 確かにブーアの言う通り倒す必要があるのか、と同じことを思ってしまう。


「頼むジーア」

 ブーアは頭を下げる。

「え?どういうこと?」

「すまん。あたいには無理なんだ。ドリーチェの顔がかつての仲間達に見えて・・・」

「そっか・・・分かったよ」

「頼む」

 もう一度同じことを言うブーアの顔には悲しみと苦しみが溢れている。こんな顔を初めて見たジーアはこれ以上何かを言うべき言葉はなかった。


 ドリーチェ達は人のような影をもって壕の外に向かって唸っている。

 ジーアの感じた印象。

 破壊的行為とは無縁のように見える。ただ状況に嘆いている。


「どうしたら・・・」

 ホントならまとめてオリハルコンで一掃すればいいこと。なのに躊躇している。

「ねえブーア」

 ブーアは事態を見ることを拒絶するかのように後ろ姿のまま終息がくるのを待っている。

「分かるよ。ブーアの今の気持ち。同じじゃないかもしれないけど同じだと思いたい」

「・・・なあジーア。人間って愚かだよな」

「そういう面もあるのが人間だと思う」

「あたいは生き残ったこと、ずっとすまないって思っていた」

「駄目だよ」

 ブーアの後ろ姿にジーアはそっと寄り添って

「生き残って良かった。ほんとはそう思って欲しいって亡くなった人は思っているんじゃないかな。私の言葉はとても不謹慎かもしれない。でも私はそう思う」

「今、あの時の光景があたいのこと苦しめている」

「だったらドリーチェ達も苦しんでいる。苦しくて助けを求めている。私達魔法少女に助けを求めている」

「そうだとしてもあたいに彼らのマルヴを破壊することはできない」

「だから私に助けを求めたんでしょ」

「そうだな。あたいはジーアに助けを求めた」

「わかった。私の迷いはなくなった。ブーアの気持ちちゃんと受け取ったから」


 ジーアはゆっくりブーアから離れると

「見てて。私の新しい魔法。みんなを絶対に助けるから」

 壕の真上に立つ。

「ねえブーア。いつも私のこと。私達のこと助けてくれてありがとう。だから頼られること。今はすごく嬉しい。だからブーアも負けないで自分に」

 ジーアはステッキを両手に持ってゆっくりと壕の中に入っていった。

いやはや雨と湿気は体力を削るよね。

読んでいただきありがとうございます。

今回はもしかしたら不快に思われている方もいるかと思います。

こういったテーマは非常にデリケートだと分かっています。

けれど実際に沖縄に行った時いつまでも忘れてはならない事実だと痛感した私です。

ブーアは設定段階からこういう話を組み込むつもりでした。

かなり重苦しいかもですが読んでもらえたら感謝です。

次回・・・幸せになれる展開にできたらいいな。

ではまた来週にお会いしましょう。

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