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怪奇討伐部Ⅵ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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厄介な武器

第四十三話 減衰のエクリプス




 少しだけフラフラとした足取りで槍を構えて突っ込んでくる巫女。レインはヒラリとかわし、スグリさんは避けるのと同時に一発グーパンをお見舞いした。


「チッ……」


 やっぱり怖い目をする。というか今舌打ちした?したよね!?


「レイン、結界で動きを止めろ!殺すなよ!」

「難しいことを、ご所望でッ……!」


 レインが紫色の結界を展開する。だが、それを見て巫女はニヤ、と笑った。


「貰った……!!」


 エクリプスの周りに紫色の気が渦を巻いて集まる。なんだ、これは……まさか!?


「わっ、結界が薄まっていく!?」

「物理なら!」


 スグリさんがもう一撃喰らわそうと手を振り上げる。だが、巫女は紫色の気をスグリさんに向けた。


「無駄」

「ぐううっ!」


 紫色の気は魔力となり、ビームのように発射された。それはスグリさんに直撃してしまった。


「スグリさんっ!!」

「余所見してる暇があるのね」

「ああっ!?」


 まだ残っていた魔力で俺を攻撃する。槍の先は見事に俺の手に当たり、剣が弾き飛ばされる。その後、間髪入れずに槍の攻撃が俺を襲った。一撃、二撃と左右に攻撃が入る。俺は避け続けたが、剣の場所とはかなり離れてしまった。


「速い……!」

「別名『減衰のエクリプス』……魔法が使える悪魔は私に相性が悪いですよ?ふふふ……!」

「くそ、面倒なやつを持ってきやがって……ん?」


 見たことのあるものが槍に巻きつけられている。あれは……。


「あのリバーシブルアイテムか!」


 桜花の部下、イカヅチも持っていた御札だ。吸い取った魔力を自分のものへと置き換える、いわばチートアイテム。そんな掟破りのものがなぜここに?


「まさかイカヅチはノートと繋がりがあるのか……?」

「よく見つけましたね。ですがイカヅチとは関係ない……むしろ全然違うところからの支援ですから」

「それならそれで……よかった、な!」


 今回は魔力を込めずに殴りかかる。しかし当然のようにヒラリとかわされてしまった。このリバーシブルアイテムが発動してから運動神経が良くなっている気がする。


「くそっ!気味悪いぜ」

「今のうちに引き返したほうがいいですよ。悪魔は神には勝てません。今なら追撃せずに帰しましょう」


 悔しいが、確かにそうだ。このままでは勝てない。突破口になるかと思っていたスグリさんも封じられてしまった。ここは……逃げるしかないのか?


「オレは……逃げない!」

「レイン……」

「何しみったれた顔してんだよ、ヘラ!そんなことじゃノートに勝てねーぞ!」

「……お前も冷静になれ」

「嫌だと言ったら?」

「お前を置いて逃げる」

「言ってくれるじゃねぇか……オレ一人でもやってやる!!」


 完全に頭の血が沸騰したレインが突っ込んでいく。巫女はため息をつき、レインの攻撃を受け流した。


「くそっ……くそ!!」

「逃げる?無駄な殺生はしたくないの。それに、あなたのような呪術師が死んだら天気が厄介なことになってしまうから」

「うるさい!うるさいうるさいうるさいっ!!オレはやると決めたらやるんだ!」


 叫び、突っ込む。だが、何度やっても同じ。切り払い、避け、弾き返された。見てられない有様だ。


「うぐぐ……」

「こうなったら……!」


 ガシッ!とレインの手を掴む。


「テレポート!!!」


 嫌がるレインを強制的にテレポートさせた。もちろんスグリさんも一緒にだ。


 ポツンと残された巫女。彼女は無言のまま槍を戻し、門の前へと戻っていった……。


 __________


 一方。宇宙組は、分かれたあと足が止まっていた。ちなみに日本組は魔王城の外に行くと言っていた。


「レインはスグリの姉ちゃんといる。だから多分謁見の間にいると思う」

「なんだ、行き先わかってるじゃないの」

「いや、だってムジナやヘラがここの魔王と仲が良いってことは、絶対と言っていいくらい頼るだろ」

「そりゃそうね。……で、どうする?サメクン。今からでも勇者パーティーでも組む?」

「どこからそんな言葉覚えてきたんだよ、全く……。魔王は倒すんじゃなくて手を借りに行くんだろ?」

「わかってるわよ。そんな怒らないのっ」

「本当かよ……。まぁいい、謁見の間に行くぞ」

「場所わかってるの?」


 再び歩き出した俺の背中に声をかける。

 俺はニヤ、と笑い、振り返った。


「当然だろ。俺は地下組が行ってたとき、嫌っていうほどここに来させられていたからな!」

「………………。サメクン、今ドヤるところじゃないよ?」


 ……微妙な空気が流れた。


「わ、わかってるわ!とっとと行くぞ。早く行かないと向こうも出発してるかもしれん」

「はいはい」


 一直線に謁見の間に向かう。

 赤の壁に白のペンキ。そしてその上を塗り潰すかのように赤いペンキが塗ってある……。一体何がしたいのかがわからないが、苦労したんだなということだけはわかる。


「変な壁だな……」

「それも聞いてみる?」

「時間ないからパス。今度にしよう」


 しばらく歩き、到着した。

 大きな大きな扉。さすが魔王の部屋、物々しい雰囲気を醸し出している。いつ見ても「こ、これ入っていいんだよな?」という気持ちになる。まぁ中にいるのは可愛い女の子なわけで。いろんな意味で入っていいのか不安になる。


「大きいわね」

「大きいだろ?」

「重そうね……サメクン、開いてよ」

「しょうがないな……」


 ギイイと開く。

 静まり返った謁見の間の玉座にちょこんと座っていたのは、茶髪をポニーテールにまとめ、同じ色のワンピースと室内なのに黄色いマフラーを着けている少女……ライルがいた。


「あら、遅かったじゃない」


 彼女は口元に手を当ててニヤニヤと笑った。


「レインたちはここに来ていたか?」

「さっきテレポートして出ていったところよ」

「クソ、ニアミスか」

「本当に。悪魔にならわかるでしょうけど……まだそこに魔力の残滓が残ってるわ」


 ライルが虚空を指す。キラキラとも重力の一つも変化がない空間の変化は、ライルの言うとおり俺にはわからなかった。


「ヘラとレインとスグリはエメスの塔に向かったわ。勝てるといいんだけど……」

「エメスの塔か。ありがとう」

「まさか行くつもりなの?」

「行かせようと思ったから教えたんだろ」

「ふふふ……どうかしら」

「……行こうぜ」

「え、ええ……わかったわ」

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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