表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪奇討伐部Ⅵ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
39/47

バラバラパーティ

第三十九話 崩れゆく友情




「確かに!いない!」


 まだ少し痛むお腹を押さえ、立ち上がる。それを見た桜花が驚いてオレに駆け寄った。


「ちょ、ちょっと!服赤くなってるじゃないの!もしかして血でも出たわけ?」

「え?……あ、あー……ううん。これだよ」


 ペラ、と服をめくる。その瞬間、桜花は呆れて頭を抱えた。


「……ムジナらしいわね……」

「えっ?なになに?……わっ、まだ入れてたんだ」


 オレの懐にはプチトマト(破裂)が入った袋がある。攻撃により割れてしまい、トマトの汁が血に見えていたということだ。ヌタスの攻撃で出た血ではないし、ヌタスの攻撃くらいで血は出ないと物語っているようなものだった。


「やっぱ死神には俺の攻撃は効かないよな」


 ハンッ、と吐き捨てるヌタス。でも……ヘラのほうが強くなくてはならない。そうでないとお互いの協力関係が無いものとされるからだ。こうやって旅をする意味も失ってしまう。


「……とにかくキリルは魔王ライルの元へヌタスさんを連れて行ってくれないかな?」

「わかりました。無事に送り届けます」

「ありがとう。……ムジナくんたちの面倒も見てくれてありがとう」

「!……はいっ!……行くぞ、ヌタス」

「フン……」

「……」


 キリルさんがヌタスお兄ちゃんを連れて行っている間も月光さんにおんぶされた元の色に戻ったヘラがジーッと見てくる。どうしたのだろうか。


「ヘラ?」

「洗濯……しないとな。服」

「……うん……」

「………………」

「………………」


 重い空気がオレとヘラを包む。板挟みになった月光さんはうわマジかという顔をしている。


「え……えっと、勝てたんだからいいじゃない、ねっ?喜びましょ?」

「そうよ、二人ともっ!」

「さっき行ったとおり、レインとスグリを捜そうぜ?なっ?」


 察したメリアさんと桜花さんとサメさんがわたわたと慌てた。


「……して……」

「?」

「どうして、ヘラはいいのにオレはダメなのっ?!オレだって戦って、みんなの役に立ちたい!だから出られる時には絶対に前に出てるのに!」

「そ、それは……」


 ヘラが顔を背けて狼狽する。


「頑張ることはダメなことなのっ?」

「……そんなに頑張りたいなら、お前一人で頑張れよ。」

「……っ!」


 ヘラの暗い声が響く。その言葉に全員が息を呑んだ。一番言わせたくなかった言葉。オレのために頑張っているヘラを一番侮辱する意味の言葉だ。


「月光。もういい。降りる」

「……良いのか?」

「降りる」

「……」

「止めはしないんだな」

「止めてほしいのか?」

「馬鹿言うな」


 フラつきながらも月光さんの背中から降りた。


「……俺がいなくてもノートを倒せることを証明してみろ」

「待って!」

「……『テレポート』」


 桜花さんの制止も聞かず、ヘラはどこかにテレポートしてしまった。こうなってはどこに行ったのかを探すのはほぼ不可能だ。


「ヘラ……。ねぇ、ヘラは戻ってくるよね?」

「……仕方のない状況ならな」

「仕方のないって……」

「ムジナが死にかけたら、嫌でも戻って来るだろう」

「それって!」

「ムジナを攻撃する気かよっ、オッサン!」

「オッサンじゃない、おじさんだ」

「どっちも一緒だ!俺はそんなやり方は反対だね!ノートってのはムジナを狙ってるんだろ?そのムジナを傷つけたら、そいつの思う壺だ!きっとヘラはノートから何らかの影響を受けているはず……!それ以外ありえねぇ!ヘラがあんなこと言うわけがない!」


 サメさんが必死に月光さんを止める。

 みんな、ヘラの力が必要なんだ。ヘラがいなければ、このメンバーの戦力は半減したのも同然。だからこんなに必死なんだ。……じゃあオレは?オレは、ヘラを繋ぎ止めるためだけの鎖なの?


「……まずはムジナの意見を聞きたい。おい、ムジナ!……ムジナ?」

「……帰る……」

「えっ?」

「カリビアさん、助けたんだから……もういいでしょ?オレなんかいてもいなくても同じ……本当はヘラくらい強い人がいれば、どうだっていいんでしょ?」

「そんなこと____」

「ある!あるん……だもん……っ」


 窓を開け、勢いよく飛び出す。月光さんが止めようとしたが、届かなかった。オレは翼を広げ、クノリティアの方向へと向かった。

 恐らくヘラは家に帰っているのだろう。廻貌だってヘラの家の真下あたりなんだから、再召喚するにもそこに行かないといけない。


 __________


「……くそっ」


 俺は壁に拳を叩きつけた。


「サメクン。ムジナくんのこと……やっぱり商人ちゃんに頼まれたの?」

「……そうだ。アイツ……ナイアーラトテップとか言うんだっけ?商人ちゃんとしてではなく、アイツ自身がムジナを任せたってな。これじゃアイツに合わせる顔がない……」

「ナイアーラトテップ……ノートとは違う神か」

「神だろうが何だろうが、アイツは俺のダチだ。ノートと一緒にしてもらっちゃあ困る」

「それは失言だったな。謝ろう」

「ねえ……どっち追いかけるの?」

「窓から飛び出してったのとテレポートしたのをどうやって追いかけるんだよ!?」

「それもそうだけど……」

「……。ヘラの家に行ってくる」


 凛とした声で話したのはカリビアだった。一体何をするつもりなのだろうか?


「カリビアさんが?」

「元々ヨジャメーヌを直す仕事が残ってるし、家にいたら帰ってくるだろうと思うからね。ヘラの家には器具が揃っているから待っていようと思う」

「それなら問題なさそうだな。……とりあえず俺はレインを捜す。みんなは?」


 ……聞いたところ、俺……サメと、メリアの宇宙組はレインの方へ。月光と桜花の日本組はヘラの方のようだ。


「おけ。結界の謎についてのこともあるだろうし、多分魔王城の中だと思う。城の中を捜してみようぜ」

「どっちが先に見つけるか競争ね!」

「ムジナは?」

「ヘラから聞いたんだけど……ムジナにはお兄さんや執事さんがいるって聞いたわ。それに帰るって言ってたから大丈夫でしょ」

「なら良いんだけど……。悪魔には私達がわからないことがたくさんあるのね……」


 桜花が少し困ったような顔をした。


「桜花ちゃんはお友達はいなかったの?」

「家が厳しかったからいなくて、喧嘩なんかしなかったから……」

「でも今は私達が友達よ!」

「……!うんっ」

「死神王と仲がいい黒池に電話をしてムジナが帰っているか聞いてみる」

「うっし、頼んだぞ」

「任せとけって!」


 俺の言葉にキリルは胸を叩く。今はこの選択があっていることを祈るしかないだろう……。

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ