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怪奇討伐部Ⅵ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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裏道があるということはサボっていたということ

第三十五話 いざ城内




「次はあの木のところ」


 体に付いた土をパンパンと払い、綺麗になった手で示す。

 まだまだ未熟なオレとライルだったが、力は本物。死神の永遠の魔力と魔王の娘の魔力が合わさり、木はすくすくと天に向かって育っていったのだった。


「ムジナとライルが育てた木だな」

「ライルって魔王の娘よね?ムジナ、仲良いんだ?」

「うん!昔は魔王城にいたんだよ」

「ムジナが?意外ね……」


 ふーん……と口元に手を当てる桜花。まず、その言い方だとライルのお父さん……つまり前魔王が生きていた頃の話をしているようだ。ということは、本当に桜花はそんな時代から魔界に来ていたのだろう。……まぁよくよく考えてみるとリストや月光さん、ろくろ首も同じなのだが。江戸の人って凄すぎない……?


「あは、みんなに言われるよ。えっと、この木に特定の魔力を加えると……」


 ササッと木に近付き、手に触れる。そして魔力を流し込んだ。一瞬木がザワつき、音も無く、城の壁がまるで元から無かったように魔法の穴が開く。これは死神の穴の応用で、そうなるように木に設定を仕掛けておいたのだ。……ま、これもライルと二人でサボったとき、バレないように帰るための仕掛けなんだけど。


「わ、城の中が見えるわ!」

「空間を繋げたんだ。入るよ」

「シーッ、静かに!」

「いや、大丈夫だ、ヘラ。一階には誰もいない。いるのは上の階だ。そう聞いているからな」

「そうなのか……?ムジナ、魂を調べてくれ」


 サメさんの指摘にヘラから声がかかる。試しに魂を調べてみた。


「………………うん、大丈夫そう。サメさんの言う通りみたい」

「そうか。疑って悪かったな、サメ」

「いいんだ」

「でもということはヌタスはそれほど腕に自信があるってことでしょ?光線銃でもキツそうね……」


メリアが肩をすくめる。マリフの光線銃でもかなり痛かったのに、それでも効かないってことなのか?


「そう、そこなんだよなぁ……。いつもみたいにムジナが魔法で相手を抑えて、そこを俺とレインが仕留める……って感じにしたいんだけど、大地の神は今回はいないからあまり期待はできないんだ」

「あー、ということはオレのこと信用してないでしょー!」

「お前を失ったら俺も死ぬから守らないといけねーんだよ。いつも言ってるだろ?」


 ヘラはやれやれという目で見る。

 守ってもらえるのは嬉しいけど、オレだってやれることを知ってほしい!


「うぅ……」

「まぁまぁ。切り札として居てもらおう?ね?」

「必殺技みたいでかっこいいな。そう思うだろ?ムジナ」

「うー……キリルさんといるー!」


 ぎゅっとキリルさんの腕を掴む。少しビックリしていた。


「あら、拗ねちゃったわよ、ヘラ」

「俺のせいかよっ!?」

「百パーお前が悪い」

「レインにだけは言われたくないぜ……」


 そうやってワイワイと城内を歩いていく。みんな、こんな減らず口を叩きながら動いているが嫌いというわけではない。みんな頼もしい味方で、お友達だ。


「……!皆さんっ!」


 二階に着くと、廊下にはスグリさんがいた。キョロキョロと見回して誰もいないことを確認すると、走ってこっちまで来た。


「……」

「桜花。この人は大丈夫。むしろ味方だ」

「そう……なの?」


 驚いて武装を解除する。

 それを見たスグリさんはホッとした顔をした。


「ご理解感謝します」

「スグリ、状況は?」

「はい。現在、カリビアさんは以前と変わらない方法で閉じ込められています。食事も口になさらないご様子でした」

「そんな……」


 以前と変わらない。目隠しをされ、窓一つない部屋でずっと椅子に座って閉じ込められている。オレだったらすぐにギブアップしてしまうだろう。なのに……カリビアさん……。


「それと……サメさん、無事合流なさったのですね」

「あぁ。悟られないように情報をくれて助かったよ。ありがとう」

「当然のことです」

「でも普通に襲ってきたんだけど!?」

「バレないようにするためです」

「あー……そう」


 そういえばリーバトラーは脳筋種族だったなーと空を仰ぐレイン。肉体言語で何とかなるとか言われたのだろうと苦笑いした。


「スグリ、本題に入ろう。今、ヌタスはどこにいる?」 

「謁見の間です。謁見の間を通らないように行けばバレずに助け出すことができるでしょう」

「よし、ならそうしよう!」

「……スグリ……」

「わかっています。鍵ですね?そろそろだと思って用意しておきました」

「さすがだ!」


 探し回ったあの鍵はスグリさんが探し出してくれていた。これでだいぶ楽になっただろう。


「……前は彼に追い出されたのですよね?大丈夫なのですか?」


 歩いていると、スグリさんが心配そうに聞いてきた。オレだって心配だ。ヘラに一部始終聞いたんだけど……もしまたやめてくれって言われたら、今度こそヘラの心が折れてしまうかもしれない。


「……正直不安だ。でもやってみなくちゃわからないだろ。今回はいけるかもしれない。そう思わないと前へは進めない」

「……。あなたがそう仰るのでしたら何も言いません。ですが……」

「わかってる。サメも投入してきたんだ、今回が最終決戦なんだろうな」

「……健闘を祈っています」

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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