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怪奇討伐部Ⅵ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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隠密行動!

第三十四話 決壊




 __________


「っと!」

「着いたな」


 少し遠くから戦闘音が聞こえる。向こうで戦ってくれているのだろう。今のうちに結界に触れよう。


 ここは結界より二十メートルほど離れたところ。……と言えど、城が大きいので距離感がわからない。前には誰もいない。さっさと解除してしまおう。


「今だ、ムジナ!」

「隠密っ!行動っ!しゅたたたっ」


 ぴょーんぴょーんと跳ねるように移動する。すると、衝撃波に煽られて飛んでいきそうになった。


「は!?」

「わー、すごーい」

「ムジナ、手を離すなよ!」


 二人で手を繋ぎ、衝撃波に耐える。一体どこからの衝撃波なんだ。


「この方向は、レインの方だよ」

「レイン……」

「レインなら大丈夫だよ!だってレインだよ?レインは強いもん」

「あ、あぁ……」

「お友だちは信じなきゃ。特に、こういう戦場では……って、いつもヘラが言ってるじゃん」

「……そうだな」


 そうだ……信じないと。信じないと、本気で前に出られない。ストッパーになってくれる人がいないと。


「……いくよ?触るよ?」

「あぁ。俺は少し離れとく。怖いからな」

「あはは、ヘラにも怖いもの、あるんだ」

「当たり前だ。俺が怖いのは、ムジナが傷つくことと死ぬことだけだ」

「ヘラらしいや」


 そう言って手を伸ばしながら一歩進む。手が結界に触れ、ギィイイインと嫌な音がした。二人はうわっという顔をして耳を塞ぐ。変な音は結界のところどころから発生されていき、一瞬、視界が真っ白になった!二人はお互いに抱き合い、無事を祈る。


「ヘラぁ~っ!」

「大丈夫だ、ムジナ……レインなら『だあーいじょーぶだって!これは結界が解除される音!結界がデカいからこんな音がするだけだ!』って言うだろうな」

「な、なるほど……?」


 微妙に理解できないという顔をする。


 レイン……レイン。無事でいてほしい……。


「……!見ろ、ムジナ!」

「え?……わあっ!」


 結界が消えていく。二人で見上げ、ホッ、と息をついた。作戦は成功。あとは城に忍び込み、カリビアさんを助けるだけ。しかしこの騒ぎでヌタスにバレ、戦いは避けられなくなってしまっただろう。むしろエセ呪術師がいる時点で襲撃はバレているのも同然だが。


「おーーーいっ、ヘラー!ムジナー!」

「レインだ!おーい!」

「……あれっ?人増えてない?」


 よくよく見ると、確かに人影が増えている。


「置いてくわよ、メリア」

「わっ、ちょ、待って!重いのっ、これぇ!」


 相変わらずの重装備がガシャンガシャンと大きな音を立てて走ってくる。あれを見ると旅をしていた時のスクーレを思い出す。同じピンクの髪だし。まぁあっちはロングなのだが。


「やめとけって言ったのに……宇宙と地球は違うんだから……」

「だってぇ!」

「持ち上げてやろうか?お姫様?」

「いらないわ」


 レインと一緒にいたのはサメさんだった。……サメさんは宇宙で見たあの痛そうなトゲトゲの武器を手につけている。


「よう、ムジナ、ヘラ」

「サメさん!」

「その……敵に回っててすまんな……。でも安心しろ。これからは手伝う」

「うん、今は味方なんでしょ?」

「当然だ」


 サメさんは目を閉じて頷いた。

 隣ではレインが城の上の方を見上げて驚いていた。


「しっかし、本当に結界を消せるなんて……」

「あー、信じてなかったでしょー?」

「信じてたよ!」

「いいからいいから。結界が張り直される前に中に入ろう」

「はーい」


 全員揃ったところで裏口へと入っていく。ここはオレにとって庭も同然。門番の二人に見つからずに入るところは知り尽くしている。


「ねぇ、ムジナ……本当に大丈夫なの?ここ」

「うん。第二の家って言ってもいいよ」

「ムジナ……どんだけ家あるの?」

「うーん……四つ!」


 木造建築、今の屋敷、ヘラの家、魔王城の四つだ。


「だがな、メリア……魔王城は改装したりしている。昔のままじゃないかもしれない」

「そうそう、問題はそこなんだよね……」


 ぞろぞろと一列で四足歩行で進んでいく。

 現在地はどこかって?決まってるじゃないか!昔掘った穴だよ!!


「それよりどうにかならないわけ?こんな薄暗い穴……息が詰まるわ」

「地下なんて薄暗い穴の代名詞に住んでいたお前に言われたくねーよ!?」

「このっ……言ったわね!?」


 桜花の愚痴にツッコむヘラ。確かに女の子が通る道には到底見えない。だが、遊び盛りな子供の頃のオレとライルが仕事をサボって外に遊びに行くための道としては大切なものとしか見えていなかった。


「やめなよ、二人とも……ムジナがかわいそうだろ」


 レインがフォローしてくれた。レインにしては殊勝なことじゃんと振り向いたその時、レインはマフラーを膝で踏み、巻き込んで首を絞めてしまった。カエルが潰れたような声が出たが、これでこそレインだなと少し笑ってしまった。


「わっ、笑うな!」

「騒ぐな騒ぐな。今解いてやるから」


 さらに後ろのサメさんがレインのマフラーを緩めようと身を前にした。

 現在、先頭からオレ、ヘラ、メリア、桜花、月光、キリル、レイン、サメだ。


 道案内をするオレ、オレを守るヘラ、女子を後ろにするわけにいかないとメリアと桜花をセットに、お年寄りも前にしちゃえと月光、前の人たちをまとめて警備するキリル、元気なレインとサメ……という理由だ。


「優しくお願いな……」

「もちろん。……ん、できた」

「サンキュー!」


 元気になったレインは再びモソモソと前に進み出した。


「あっ、ここ!入口だよー!」


 もうしばらく進むと、木の扉があった。そこには「いりぐち!かんけいしゃいがいたちいりきんし」と書かれた木の板が打ち付けてある。あとから考えてわかったのだが、こんなところ誰も通らないのでこの看板は不要だろう。


「やっとか……」

「腰が痛いな……」

「それはいつものことでしょ!」


 後ろの人たちを置いておいて、扉をスライドすると、そこは魔王城の裏庭だった。遠くの方に昔植えた木が見える。あそこが次の目的地だ。

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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