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クラフトアルケミスト"第三部"海底底中のヴォイド・レイヤー ~重力は買収されました。至高の青春は、逆流の中にしかないのです~  作者: モカルドルラテ(ねこちぁん)
【兎姫の章】重力がまいご!三層都市

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Osb.13:ベクトルの迷子なのです!――逆流する飛沫、消失する重心

【場所】クライン・ヴォイド・サンクチュアリ・中央連絡路

視覚優位係数αが臨界点にある通路。足裏に感じる硬い感触と、視界を支配する「垂直の壁」が脳内で激突している。


新平

「(激しい呼吸)……はぁ、はぁ……。壁を走っているのか、床を這っているのか、もう分からない。ただ、汗が『上』に向かって流れて目に入る。……痛い。どうして、液体の流れる方向すら僕を裏切るんだ……!」


アリシア

「慣れてください。あなたの三半規管が、私の定義したベクトルと喧嘩をしているだけです。その乖離が、時給以上の価値を生みます」


咲姫

「サクッ!見てください、新平。逆流する滝の飛沫が、あなたの頬で『虹色の層』を作っている。物理を裏切り、重力を置き去りにしたその絶望顔。……至高なのです!」


【逆流のパニック:うさちぁんの終焉】


うさちぁん

「ひぃぃ……!お酒が……!樽の底にあるはずのお酒が、空に向かって盛り上がってるよぉぉ!飲めない!追いかけても、お酒が逃げていくんだよぉぉ!!」


果林

「うふふ。うさちぁん。この区画では、欲望の向きが重力を上書きするんです。もっと強く願えば、お酒の方からあなたの口に『落下』してくるかもしれませんよ?」


うさちぁん

「もうやだぁぁ!物理が意地悪だよぉぉ!!」



【放送席(垂直移動中):未生の執着と猫二の悟り】


未生

「(カメラを喉元に固定し、壁と並行に浮かびながら)先輩……!逆さまの先輩が、私のレンズに吸い込まれてくる……。上下が消失したこの世界で、先輩の『存在』だけが私の唯一の重力ですぅぅ!!」


猫二

「にゃ……。……あ、今、僕の尻尾が『上』に向かって落ちたにゃ。……だめだ、考えるのをやめたにゃ。僕は今、無重力のプリンの中に浮いている種にゃ……(意識消失)」


琴子

「……聞こえる。重力が捻じ切れる時の、金属疲労のような音。……『ファ』のシャープ。……不快だけど、この不協和音がこの街の『心音』なのね。」


咲姫がレンズを向ける先では、重力を失った水滴が空中で結晶化し、新平の悲鳴と共に「クラインの壺」のような歪んだ軌跡を描いていた。


出口のない、あるいは入り口しかない通路。逆流する滝の向こう側に、咲姫は「誰も見たことのない青春」の断片を捉える。


咲姫

「サクッ!全員、ベクトルの迷子を『楽しむ』のです!!」


(Osb.14へ続くのです!)

咲姫はどのような状況であっても楽しむ天才です。

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