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櫻の樹の下で  作者: 赤司 恭
櫻の樹の下で、君と出会った。
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ピクニック。



翌日は朝早くから、レンタカーでバースに向かい公衆浴場発祥の地を見て回り、帰りにチェダーチーズの工房で手作りチーズを作成して、留守番組へのお土産としたら凄く喜ばれ、ローズもまんざらではない顔をして食べていた。


「あらあら、王子はお疲れねぇ。」


3時のお茶時間、テーブルに就いて静かにお茶を飲んでいたのをさっき見たのにと、六花とキャロラインが思わず頬をゆるめる。王子―――悠人は、コックリコックリと船を漕いで居眠りだ。


「昨日SPRに行ったから、何かしらやって疲れたんでしょうね」


ブランケットを掛けて、焼き立てのクッキーを一枚ほおばる。


「色んな物を、持ち上げる実験とかしているらしいわ。それを科学的に解明するのが、SPRだけど…あぁ解明できなければ超常現象って意味らしいけど。この子、大変な”特技”持っちゃって。蒼太も一度双子だからって、実験に任意で行ったのだけど二度と行きたくないって騒いでいたもの。」




体力を消耗するらしいから、それが心配なの―――そう不安がるキャロラインに、六花も改めて頷いた。




パチりと、まぶしくて目を開ければ夕方に近い。

お茶を飲んでいたはず…と漏らし、悠人は起き上がると部屋は無人でブランケットのみが掛けられていた。



大きなテラス窓に近寄ると、庭からはしゃぐ声が聞こえギィと窓を開けて覗けば…、厩舎から持ってきた馬にブラシを皆で掛けているのだ。こちらに来ないと乗らないけど、面白そうだと口角を上げて悠人は庭へと歩き始めた。



「ヴィ起きた?」



ブラシ片手のレオンが、悠人を見つけ手をブンブン振る。

西日に眉をひそめ、レオンが手入れしていた馬を見ると蒼太の馬。


「起きた。 蒼太の?遠乗りしてたとか?」


「そうなの、さっきまで皆で走ってたの」


キャロラインに車で伴走してもらったらしく、興奮覚め止まぬ六花はアーネストも乗馬出来るんだと大興奮。


「六花は?乗せてもらったの?」


「ううん、スカートだし…見てるだけでOKだもん」


運動神経ないからーと笑う、悠人は馬をポンと叩く。


「装備一式搭載済み…鞍(くら)だけ締めてと。」


悠人が馬の腹部分のベルト2本を、ぎゅーっと締めて何か確認。

六花がボンヤリ見ている間に、悠人が馬に乗ってレオンから手綱を抜き取る。


「ちょっとそこまで、アイス買いに行ってくる」


「「アイス?」」


レオンと六花が聞きかえす前に、悠人はたばこ程の小ささまで遠く走り去ってしまった…。


「マージ? 蒼太のだけどアレ。まぁいいか♪手入れは悠人がすればいいんだし」


ジャンケンで負けて手入れをしていたレオンは、楽が出来たと喜び。六花は現状に脳みそが追い付かず、ポカンとするばかりだ。


「近くのお店ってあるの?」


「んー、5キロ先にあったかな?」


今日の夕飯なにかなーと、ゾロゾロ皆で家に入るが颯爽と乗馬する悠人が、ちょっと羨ましい六花であった。






「悠人様~、お夕食なのにお見かけしなくて探しましたぞ!」


悠人がアイスの入った袋と共に帰ってくれば、執事頭が玄関前で手をこまねいて待っていた。


「あぁ悪い、馬があったからアイス買いに行ってた。」


「車がありますのに…。店の人間も驚いていたでしょう?」


手入れはしておきますと、執事の言葉に甘えると執事頭が苦笑しつつも食堂まで同行。


「そう!売店のオバチャンが『あんれまー、侯爵様今日は珍しい乗りもので来られましたね』って」


「もう明日には、周辺で噂になるやも知れません。」


「城で仕事ばっかりしてると、ニートと勘違いされるから丁度いいんじゃないか?」


クスクス笑い、アイスを手渡すと引き換えに食堂のドアが開いた。


「あ・暴れん坊将軍が帰還だ。」


「拍手で出迎えたまえ。」と、双子のちゃらけた会話もなんのそのダウェル家の面々は、マイペースに夕食タイム。


「面白かった?」


キラキラと目を輝かせて、六花は悠人を出迎える。ポンポンと頭を叩けば、馬の事出かけた先の事矢継ぎばやに聞いてくる。それを答える悠人を、周りは温い目で見守っていた。


「んじゃ、明日六花ちゃん乗って散歩行けばいいじゃん!」


「え?でも…私乗馬できないもん。」


悠人が買ってきたアイスが、アツアツのワッフルと一緒に出てきて女性陣は大喜び。悶絶して喜ぶ美桜は、安易に乗ればと提案。


「大丈夫よぉ、お兄ちゃんいるんだもん。ね?」


「ねって、君ね…。まぁいいけど、明日出かけようか?行く人ー?」


予想通り、若者が全員挙手したのは言うまでもない。


馬の発進時に、手綱でパチンしたり「はッ」とか実際にはいませぬ。


「はーっ!はーっ!」って叫びながら走っている人(主にオヤジ)、マジうぜぇっとなるのよ。だって、その声に自分の馬が反応するから(笑)


止まる時に、ちょっと「ドゥドゥ」とか「ホーホー」(←低音ならなんでもあり)言うくらいでしょうかね?


んじゃ、どうやって走らすかと言いますと足です。膝から下の部分を馬のボディに圧迫させるのです。発進の際はカカトで蹴ります、言う事聞かない時も、蹴りですわ。

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