↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アゲダマ戦記:ゲームが現実に降臨して世界のルールが急変したお話。  作者: 忍絵 奉公


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
51/60

第51話 霧島神社、大魔物討伐戦!


霧島神社へ続く道。

その参道は、もはや参道とは呼べない状態になっていた。

「来たぞ!」

瀬里奈が叫ぶ。

道路脇の木々から、次々と魔物が飛び出してくる。

「マンキー!」

猿のような姿をした魔猿。

しかも1匹ではない。

2匹、3匹、10匹。

次々と木の上から降りてくる。

「軍団じゃん!」

ユウが叫ぶ。

さらに、道の脇に立っていた杉の木が突然動いた。

ズズズ……。

「うわ!」

太い幹がねじれ、人間の腕のような枝が伸びてくる。

「トリッキーだ!」

アキラが叫ぶ。

杉の化け物。

植物系の魔物で、見た目からは想像できないほど素早い。

「ストツー、前方攻撃!」

アキラが魔力を流す。

車体に設置された魔石が次々と輝いた。

「水刃!」

シュパシュパシュパッ!

水の刃が飛び、マンキーたちを吹き飛ばす。

「ファイヤーボール!」

ドォン!

炎の球がトリッキーの幹に直撃する。

「やった!」

しかし、トリッキーは燃えながらも枝を振り回す。

バシン!

「うおっ!」

枝がストツーの車体に叩きつけられた。

「大丈夫!」

アキラが叫ぶ。

フルカーボンの車体はびくともしない。

「やっぱりストツー強ぇ!」

ユウが喜ぶ。

そのままストツーは参道を進んでいく。

「うおおおお!」

アキラがアクセルを踏む。

ガガガガッ!

ついに舗装された道が終わり、山道に入った。

その先にあったのは――。

長い石段だった。

「……」

4人が黙る。

「アキラ」

ユウが言った。

「何?」

「まさか……」

「行くぞ!」

「えええええ!」

ストツーが石段へ突っ込んだ。

ガタン!

ガタン!

ガタン!

ガタンガタンガタン!

車体を大きく揺らしながら、ストツーが階段を登っていく。

「登れるの!?」

瀬里奈が驚く。

「登れる!」

「これ参拝じゃないよ!」

「お参りどころじゃねぇな!」

アキラも叫んだ。

階段の上からマンキーが飛び降りてくる。

「来た!」

ユウが叫ぶ。

ドン!

マンキーがボンネットに着地する。

アキラがハンドルを切る。

マンキーが転がり落ちる。

「次!」

今度は空から何かが降ってきた。

バサバサバサッ!

「蝙蝠!」

瀬里奈が弓を構える。

「ビッグバッド!」

E級の蝙蝠型魔物が群れで襲ってくる。

「多すぎる!」

サトミが魔力を流す。

「ファイヤーボール!」

ドォン!

炎が蝙蝠の群れを吹き飛ばす。

だが、倒しても倒しても魔物が出てくる。

マンキー。

ビッグバッド。

トリッキー。

さらに見たことのない魔物まで混じっている。

「ちょっと待って!」

ユウが叫んだ。

「魔力が少ない!」

「私も!」

サトミが魔力残量を確認する。

瀬里奈も同じだった。

「私も結構減ってる!」

アキラが魔石の残量を確認する。

「……確かに、このまま撃ち続けるのはまずいな」

「どうする?」

ユウが聞く。

アキラはストツーを止めた。

「俺とユウが降りる」

「え?」

「接近戦に切り替える」

アキラがドアを開けた。

ユウも槍を持って降りる。

「サトミと瀬里奈は車から魔法と弓で支援!」

「了解!」

「任せて!」

2人が車内に残る。

ストツーは後方支援車両になった。

「そういえば」

瀬里奈が荷台を見る。

そこには大量の飲み物と薬が積まれている。

「これ、何?」

「ああ、それ」

アキラが答える。

「魔力回復用のマカドリンクと錠剤」

「マカ?」

「魔力を回復させる効果があるらしい」

この世界になってから、マカに魔力回復効果があることが発見された。

それ以来、アキラは常備するようになっていた。

ただし――。

「でも、アキラには禁止ね」

サトミが言った。

「なんでだよ!」

「だって、それ飲むと別のところまで元気になるんでしょ?」

「……」

アキラが黙る。

ユウも呆れた顔をする。

「だから女子組から禁止薬物扱いされてるんだよ」

「薬物って言うな!」

そんなやり取りをしている間にも、魔物が迫ってくる。

「来た!」

ユウが槍を構える。

C級マンキーが飛び込んできた。

「せいっ!」

ユウの槍がマンキーの腹を貫く。

アキラも同時に踏み込む。

「おらっ!」

ザシュッ!

剣がマンキーを斬り裂く。

「次!」

ビッグバッドが空から急降下してくる。

アキラが振り向いた。

「遅い!」

ザンッ!

蝙蝠を斬り落とす。

「上!」

ユウが叫ぶ。

アキラがしゃがむ。

頭上をマンキーが飛び越えていった。

その瞬間。

「ファイヤーボール!」

サトミの炎がマンキーに直撃する。

「ナイス!」

「任せて!」

瀬里奈も弓を引く。

「そこ!」

バシュッ!

矢がビッグバッドを撃ち抜いた。

だが、まだいる。

その中でもひときわ巨大な杉の化け物。

C級トリッキー。

太い枝を何本も振り回しながら、こちらへ近づいてくる。

「サトミ!」

「分かってる!」

ファイヤーボールが飛ぶ。

ドォン!

トリッキーの幹が燃え上がる。

「効いてる!」

しかし、トリッキーは燃えながらも枝を振り上げた。

「うわっ!」

ユウが避ける。

その瞬間だった。

アキラが霧島神社の境内を見た。

そこには、巨大な御神木が立っていた。

「……あれ、使えるんじゃね?」

「何が?」

「植物魔法だよ」

瀬里奈は緑の魔石へ魔力を流す。

御神木へ向かって、植物魔法が広がっていく。

ズズズズズ……。

御神木の枝が揺れた。

そして――。

ドォン!

巨大な枝が横薙ぎに振られた。

「え?」

ユウが目を丸くする。

バシィィン!

マンキーが吹き飛ぶ。

さらに別の枝が動く。

ブン!

ドガン!

トリッキーを叩き飛ばす。

「すげぇ!」

アキラが叫ぶ。

御神木の太い枝が次々と動き出す。

まるで巨大な生き物の腕だった。

マンキーを叩く。

ビッグバッドを払い落とす。

トリッキーを地面へ叩きつける。

「これ、反則じゃない?」

瀬里奈が車内から呟く。

「神社の御神木を味方にするなんて……」

サトミも驚いている。

アキラは剣を構え直した。

周囲には、まだ大量の魔物がいる。

「しかし……」

アキラが周囲を見渡す。

「こんなに魔物が集まってるなんて……」

そして、ぼそりと言った。

「中ボスでもいるんじゃねぇか!?」

ユウが即座に突っ込む。

「フラグ立てないで!」

「いや、だって!」

その瞬間。

ユウの目の前にマンキーが飛び込んできた。

「うるさい!」

ズブッ!

ユウの槍がマンキーを突き刺す。

「今それどころじゃない!」

「お、おう!」

アキラも笑いながら剣を構えた。

霧島神社。

その境内へ向かう道は、まだ終わっていない。

そして――。

御神木の向こう。

神社のさらに奥から。

ズン……。

地面を揺らすような音が響いた。

4人の動きが止まる。

レットがユウの頭の上で、

「グー……」

と低く唸った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。