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アゲダマ戦記:ゲームが現実に降臨して世界のルールが急変したお話。  作者: 忍絵 奉公


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第49話 霧島神社へ行こう!


世界が変化して、1カ月が経った。

アキラの家では、すっかり奇妙な日常が出来上がっていた。

朝食を食べ、魔物を狩り、畑を確認し、魔石を整理する。

そして、時々レットと遊ぶ。

もはや世界が変わる前の生活を思い出すほうが難しくなっていた。

そんなある日のことだった。

スマートフォンが鳴った。

画面を見ると、父親からのLINEだった。

『元気?』

アキラはすぐに返信する。

『おれは元気』

すると、すぐに次のメッセージが届いた。

『食料大丈夫か?』

『おれは問題ない』

少し間を置いて、父親からまた届く。

『今、大阪で新店舗オープンの準備してる。だから帰れない』

そして、その直後。

『そもそも帰れない。笑』

アキラは思わず笑った。

「親父らしいな」

さらにメッセージが届く。

『生きてる?』

アキラは少し考えてから返信した。

『こっちは生きてる。全く問題ない』

そして、ちょっとした悪戯心が湧いてくる。

『今レベル30だから!www』

送信。

数秒後。

父親から返信が来た。

『レベル30?ゲームしすぎだろ!』

アキラは吹き出した。

「やっぱりそうなるよな」

すぐに返信する。

『ゲームじゃなくて現実でさ』

送信。

既読。

そして――。

返信がなくなった。

「……」

アキラはスマートフォンを見つめる。

「親父?」

既読。

しかし返信なし。

「まあ、そうなるよな」

その場にいたユウが首を傾げた。

「お父さん、なんて?」

「レベル30って言ったら、ゲームしすぎだって」

「そりゃそうでしょ」

サトミも横からスマートフォンを覗き込む。

「でも、現実でレベル30って言ったら……」

「信じないだろうな」

アキラはスマートフォンをポケットにしまった。

「まあ、そのうち分かるだろ」

そう言って立ち上がる。

「よし、今日は少し遠出しようぜ」

ユウが顔を上げた。

「遠出?」

「あぁ」

アキラはニヤッと笑った。

「狩りついでに、霧島神社で参拝しにいこう!」

「おぉ!」

ユウの目が輝いた。

サトミも立ち上がる。

「神社!?」

「そう。たまには遠くまで行ってみよう」

瀬里奈も話を聞いていた。

「霧島神社かぁ……」

そう呟くと、すぐに自分の部屋へ向かった。

数分後。

「じゃーん!」

戻ってきた瀬里奈が着ていたのは、インディアンの姿が大きく描かれたスカジャンだった。

背中には、羽飾りをつけたインディアンの姿。

以前から持っていたお気に入りの1着だ。

アキラはそれを見て笑った。

「お前、それ着ていくの?」

「だって遠出でしょ? これお気に入りなんだよ」

「いいじゃん。似合ってる」

「でしょ?」

瀬里奈は満足そうに背中を見せる。

サトミが叫んだ。

「ギュン! イカオシャ!」

「出たな、イカオシャ」

「威嚇おしゃれ装備!」

「意味わかんないけど、気に入ってるから!」

瀬里奈は胸を張った。

その横でレットが、

「キュー!」

と鳴いた。

「レットも行きたいって」

ユウが笑う。

「もちろん連れていこうよ」

アキラは窓の外を見る。

家の周囲には、以前とは比べ物にならないほど高い壁。

庭には畑。

倉庫には大量の食料。

そして、家の中には十分な武器と魔石。

この1カ月で、世界は大きく変わった。

人間も変わった。

そして、自分たちも変わった。

だが、まだ知らない場所はたくさんある。

霧島の山々。

そこには、どんな魔物がいるのか。

どんな魔石があるのか。

そして――。

何が待っているのか。

アキラは笑った。

「よし、準備しろ!」

「おー!」

「ギュン!」

「キュー!」

「行こう!」

こうして、アキラたちは初めての遠征へ向かうことになった。



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