↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/58

8 馬鹿ばっかりの集団

「これこれー このガチャ。このアクスタがほしいんだー」

「一回300円だけど、金足りるのか?」

「ちゃんと2000円持ってきたよー」


 6回しか引けねぇし、その後欲しいものとか買えなくなるだろそれ。

 しかもこいつ俺と同じく運悪いし。


……

………


「なん…で、一個もでないの…?」

「……どんまい。蓮奈」

「蓮奈。元気出して。」

「ほれみたことか。最初に言っただろ。」

「ほんとにでてこないとは思わないじゃーん!」


 6回引いて全部別のやつを出したぞ。こいつ。

 昔っからガチャ弱いくせに引きやがるし。


 はぁ、しょうがねぇな。


「ほれ。百円やるからあと一回引いとけ。」

「えっ! いいの!?」

「ダンジョンで稼いだ金が余ってんだよ。」

「えー、私もダンジョン行こうかなー?」

「やめとけ、あんま稼げないぞ。」

「えー? 私に渡せるぐらいの金を持っているのに?」

「100円ぐらい誤差だろ。誤差。」

「ふーん?」



 まぁこれで残りのこいつの200円も消失して、JKっぽいことがこのあとできなくなるわけだが。

 タピオカ飲んだりできなくなったな。

 …今もタピオカは飲むだろ。流行に乗り遅れてるとか言うな。


 あと、俺はドパガキがあるから、稼げてるだけでそういうのがなかったらほぼ無理だからな。


「光ー 代わりに引いてやれ。」

「えっ? なんでよ?」

「なんで俺なの?」

「お前のほうがガチャ運良いだろ。分かってないふりするな。」


 こいつの運はマジで限界突破してんのかって言える。

 ソシャゲのガチャ代わりに引いてもらえば、確定で最新武器が出てくる。

 マジでなんなの。いかさましてるとしか思えない運。


「ほれ、蓮奈ちょっと代わってやれ。お前にも得だろうが。」

「ぶぅ… はい。」


 不服そうだな。でも納得しているのはやっぱり付き合いが長いからだ。


「ほんとに良いの?」

「出なかったらお前に300円払ってもらうからな。」

「ねぇ君よく理不尽って言われない?」

「お前にはよく言われるな。」


 どーせお前なら出すんだから。とっとと引けよ。


ガチャガチャ カランッ パカッ


「これでいい?」

「あー! これだ! ありがとー! 光ー!」

「はは、どうってことはないよ。」

「……涼、どんまい。」

「お前に同情される筋合いはねぇよ!」


 なんだかなぁ。光に引かせたのも俺だし、足りない100円出したのも俺なんだよ。

 運がいいってだけでここまで感謝されるこいつって…こう…さぁ…

 なんかもやもやするじゃん。


「だーもう、タピオカでも飲みに行こうぜ。光、お前はタピオカでズゴォッ!!ってなっとけ。」

「それはおかしくない!?」

「私お金使い切っちゃったよー…」


 蓮奈が(;;)←こんな表情をしている。

 自業自得っていうんだよ。―――いつもの俺じゃねぇか。


「ん。蓮奈、シェアして飲も。」

「いいのー!? 明日香大っすき!」

「ふふ。」


 百合か? 百合なのか?

 爆散…、させたいけど、男女のイチャつきよりはマシか。


「まあ、いつものとこ行くぞ。」


 そういっていつものタピオカ屋に行く。

 今日はちょっと高いの頼んでやる。いっつも一番安いタピオカ飲んでたからな。

 黒糖入りにトッピングマシマシでやってやる!


 …マシマシだと甘すぎるか…?


「なぁ涼、正直お前ダンジョンでいくら稼いでんだ?」

「言うわけねーだろ。お前どうせ強請るつもりだろ。」

「そんなわけねーだろ。単純に気になっただけだ。もしかしたら将来探索者なる選択肢もあるんだし。」

「お前そんな恵まれててあの命の危険のある探索者やるってんなら許さねぇぞ?」

「でも、ちゃんと気をつけてれば命の危険はないんでしょ?」

「…うっ。」


 くそ、痛いところを突かれた。いや! だが!


「実際俺は死にかけたぞ?」

「どうせ調子に乗って深いところまで行こうとしたんでしょ」

「……」

「…え? ほんとにしたの?」


 クソっなんでバレた! どこから情報が漏れたんだ!


「え、涼君そんな事してたのー!?」

「ん、涼ならやりかねない。」


 くっそ、信用ねぇ…

 ちゃんと心配してくれたのこれまでで今回が初めてだろ。

 …俺の人望どうなってんだよ。仕事しろよ。


「ってかこっちの会話聞いてたのかよ。そっちでわきゃわきゃ喋ってたのに。」

「ふっふっふっ。女子の耳を舐めないでもらいたいね。」

「…その言い方は犯罪臭がするな。」

「えー? そんな妄想したの? へんたーい!」

「してねぇしからかうな!」


 なんだこいつら。よってたかって俺を蔑んで。

 俺をいじめて楽しいか!

 …話題を切り替えるか。


「ちなみに俺は勇猛果敢に深く潜ったおかげで、いまじゃ午前中に5000円以上をらくらくと稼げるようになったぞ!」

「勇猛果敢…プッ」

「おう光、喧嘩なら買うぜ?」

「レジ袋はご入用ですか?」

「あ、エコバッグあるので大丈夫です。」

「…クスッ 息ぴったり。」

「ねー。まるでネタ合わせしてたみたい。」


 んなわけあるか。全部アドリブだわボケ。


「まぁとりあえず、タピオカ飲んで忘れろ。」

「無理矢理だなぁ」


 うっせ。お前らがからかうのが悪いんだろうが。




 俺らは、タピオカを飲んでいる。女子2人はシェアしながら飲んでいる。

 ざ、JKみたいな行動だな。DKは関節キスだー わー とか言うけど。

 ……DKはおかしいな。ゴリラじゃん。


「涼の一口くれよ」

「やだよ。せっかく贅沢してるんだから。」


 そう、俺は宣言通り、一番高い美味しそうなものをピックアップしたんだ。

 少しでも減らされてたまるか!


「涼。ケチ」

「明日香、お前は関係ないだろ。」

「私は蓮奈とシェアしてる」


 うっ。


「はぁ。ほれ、飲めよ。親のスネかじり。」

「それは涼もでしょ… 未成年に言うことじゃ無いよ… いただくけど。」


 へっ、俺は自分で稼いでるんだよ!

 こいつは月ごとに万単位の小遣いもらってるって噂があるんだ。

 本人曰く月に3万もらってる。


 俺なんか2000円だぞ!

 いや、十分もらってるんだけど、こいつと比べるとさぁ。

 10分の1ですら無いぞ。


 それぐらいあるんだったら普通に買えばいいのにな。

 俺からもらうこともないってのに。


 けっ どうせならいたずらしてやる。

 今飲んでいるタピオカの下の方をギュッってすると。


ズゴォッ!!


「ゲホッゲホッ! ちょっ、涼!何するんだよ!」

「いや、なんとなく。面白かったから。」

「そのうち友達いなくなるよ…」

「お前らがいるから十分だっての。」


 小学生から友達だしな。高校にもしっかり友達いるが、正直、大学行けば蒸発するだろう。

 シュレディンガーのクラスメイトだ。

 今この瞬間蒸発してないとは観測しない限りわからない。


「っ…!」

「…ん。涼、ツンデレ。」

「んだと? 何いってんだよ。男のツンデレとか需要ねぇだろ。」


 俺も見たくねぇよ。男のツンデレなんて。

 想像してみろ。親友が、お前のためにやったんじゃないんだからね!とか言ったらどう思う?

 まずネタだと思うだろ? 次に正気を疑うだろ? そして忘れるんだよ。


 忘れられるようなことは需要がないと言っても過言じゃないだろ。


「まぁいいか。次どうする?」

「うーん、書店に行きたいかな。」

「お? かしこぶってんのか?」

「涼、お前はまずかしこぶるところからはじめようか。」

「だってよ、蓮奈」

「喧嘩を転売するのやめてくれないかなぁ!?」


 なんだよ。買ったものを転売するのはそいつの自由だろうが。

 多分蓮奈にとって転売ヤーは地雷なんだろうな。

 あーでも、明日香もそうか。ぬいぐるみの転売ヤーとか居そうだし。


「なんで私を標的にするのよー。」

「お前には〝専業主婦の貯金の仕方〟みたいな本がおすすめだな。」

「ねぇそろそろ本気で怒るよ?」

「おっと。はやく本屋へ向かうとしようか!」


 女の怒りほど怖いものはないからな。

 …主に母さんの。




 書店についた俺達は、それぞれ別行動した。


「お、これなんか良さそうだな。」


 〝今さら聞けないダンジョンの常識〟確かに、ここ最近妹にそんなことも知らないのってよく言われるからな。

 買ってくか。金の心配はしなくて良いし。


 レジに持っていき、購入する。

 光にちょっかい出しに行くか。


「光ー、なんかめぼしいものあったか?」

「いや、特になかった。大抵うちにあるものに似たようなものばっかりだったよ。」

「ケッ、金持ちが。」

「あまり本人で堂々と悪口言うなよ…」

「いつものことだろうが。」


 喧嘩するほど仲が良いって言うだろ。

 俺達ほどとなるとそれだけ憎まれ口の量も増えるってわけだ。


「女子たちはどこにいる?」

「なんか飽きたから服屋行くって。」

「自由奔放だなあいつら。雲丹黒?それともJU?」

「雲丹黒。ついでにお前も新しい服買えば?」

「一着ぐらい高いの買っとくか。」

「そうしな。」


 クローゼットスッカスカだもんな。

 存在意義を持たないハンガーがたくさんある。





「なぁ蓮奈、お前金持ってないのに服屋来て虚しくないのか?」

「ねぇ悲しくなること言わないでよー。」

「自業自得のくせに何を言っているんだよ。」

「(;;)」

「どう発声してるんだよ!」


 はぁ。馬鹿だろこいつホントに。


「なんか適当に服見繕ってくれないか。」

「いいよー。100円奢ってくれたし。」

「…涼、センス無いから任せるのは得策。」

「お前ぇ…」

「それも親に買ってもらったやつでしょ?」

「くっ…」


 まぁでも、蓮奈のファッションセンスは良いからな。

 今日の服もおしゃれだし。


 こいつ曰く、推しに貢ぐためのお金のために最低限のお金で最高のファッションをするらしい。

 なんとも、急に推しと出会ったときにも大丈夫なためらしい。

 …こいつは少数派(マイノリティー)であってほしい。




「おお、似合うじゃーん!どっちも買っとけばー?」

「そうだな。ちょうど足りるぐらいの金額だし。」


 こいつ将来コーディネータとして食っていけばいいのに。

 …一つの職業じゃすぐ金が足りなくなりそうだな。

 最終的には推しに貢がれるんだし。


 とりあえず俺はレジに行って買って、スマホを確認する。


「もうこんな時間か。そろそろ帰るか?」

「今何時なのー?」

「5時20分」

「そうだねー。そろそろ帰ろう」

「2人は?」

「どっか行っちゃった。」


 なんか俺が買い物していると必ず誰かいなくなるよな。

 何この現象。名前とかついてないかな。


「うーん、正直一緒に帰るかって言ってもなぁ。」

「帰らないの?」

「いや、普通に走って帰ったほうが早いからさ。」

「じゃあ4人で歩いて帰ろー。」

「そうするか。」


 俺はとりあえず光にスタ連するか。

気に入っていただけましたら、ブックマークや評価での応援をぜひよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。