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7 親友と悪友は紙一重

 あのあと、愚妹に色々聞いた結果、


・動画を3本投稿

・登録者500人以上

・長尺動画合計3000時間達成(12ヶ月間)orショート300万再生達成(90日間)


 これらを達成すると、やっと投げ銭が解放されて、広告収入となるともっと必要らしい。

 …別に俺は収益いらないし、ほしいのなら動画とかショートは愚妹に編集させるか。


 あいつが言わなかったら別に俺配信者として活動する気もなかったし。

 上級探索者って基本的にパーティーメンバーと黙々とダンジョンを攻略するもんらしいよ?

 あんま知らんけど。


 なんだよ長尺3000時間って。馬鹿なの?

 10分の動画を180000回再生したら達成されるって。

 なんでそんなに難易度高いんだよ。


 今登録者が10人いるんだが、結構ありがたい。

 初配信で10人増えるってなかなかのもの好き達が集まったんだな。


 俺なんか見ててもただスライムプチプチしてるだけだぞ。

 そろそろドーパミンも足りないし、新しい狩りとかをしたいな。

 簡単にドーパミンを稼げるとこないかな。ショート動画もなんか飽きてきた。


「うーん」


 部屋で1人唸りながら、考えている。

 とりあえず、アーカイブは愚妹にぶん投げて、編集してもらっている。

 ASMR動画にするつもりらしい。


 …配信を切り抜いたASMRってなんだよ…?


 そんなことはどうでも良くて、このあとダンジョン行くかどうかなんだよな。

 課題とかやってもドーパミンが不足するだけだし。


 タンスの奥底にあったラムネを使うときか…?

 賞味期限が書いてないせいで、いつのやつか全くわからないんだよな。


 オリゴ糖でドーパミン作れねぇかなぁ。

 ドーパミンって刺激だから、ゲームでもするか?

 あーでも、正直そんな気分でもないんだよな。むしろゲーム気分でダンジョン行ってるし。

 スワイプで敵を倒そう!ってテロップがでてくるタイプのやつ。


 うーん、第二階層行くか?

 角ウサギだっけ。そこまで強くなさそうだし、角を壁にぶっ刺せば金属バットでも倒せそうだよな。

 …角を壁に刺させて、金属バットでタコ殴りとは非人道的だ。

 動物愛護団体が黙っちゃいないZE☆


 あ、そうそう、モンスターは動物とは別分類らしい。

 体温がないんだって。魔石で体を動かしているって言われている。

 うん、知らんけど!


 あーじゃあ、夏場モンスターに抱きついたらひんやりして気持ちいいってことか。

 多分殺されるけど。


 テイムスキルあったらなぁ。

 いや、魔物使いのドパガキ黒狐配信者黒瀬涼…想像するだけでキャラが濃いな。


 ちなみに、ドパガキってユニークスキルだけど、二重の意味でユニークだよねって妹が言ってたから、拘禁3年にしといた。

 しょーもないダジャレは罪だ。


 なんか、あのあと調べまくった妹によると、食べ物を食べて手に入れるスキルはイロモノスキルって言われてるらしくて、その国ごとのスラングがスキルになるらしい。

 …どういうこと?


 そりゃあ確かにドパガキは日本のスラングだけど。

 じゃあ、若者用語が常日頃から増産されている日本のイロモノスキルの数とかどうなってるんだ?


 どういう意図で作られたんだよ。マジで。

 暇なのか? ダンジョン制作者よ。


 海外なら【LOL】とかがスキルなったりするのか?

 …ちょっとスキルの内容気になるな…


 よくよく考えたら、ドパガキもなかなかに狂っていうるスキル内容だよな。

 スワイプで動かすもだけど、アイテムドロワーが狂ってる。

 一覧が見れるおかげで、何を収納しているかとかがすぐわかるし、何でも収納できる。

 …流石に生物は収納したくないかな。


 今は金属バットと、仮面、鞄を収納している。

 別に収納してても、バレないし怒られないからだ。

 …鞄のようなスキルの中に鞄を入れるのはどうかとは思うが。


 これって中では時間が経っているのかとか、そこら辺の検証もしたいよなぁ。

 魔力を消費している感じもないし、やっぱりドパガキってチートスキルだよな。


 ……これで名前が普通だったらよかったのに。


 だがイマイチスキルの効果の法則性がわからないんだよな。

 なんでスワイプのあとでアイテムドロワーが来たのか。


 まぁスワイプはデフォの効果として、アイテムドロワー。

 こいつは魔石の自動回収をしてくれるが、その他は自分から入れないと回収しない。

 設定とかあるのかもしれないが、あいにく今そういった機能は見つかってない。


 魔石の自動回収…ねぇ…

 ちょうど欲しいと思ってたんだよなぁ…

 あまりにも都合が良すぎる。世界がご都合主義なわけ無いだろ。

 ご都合主義ならもっと俺に基礎スペックを与えてくれよ。ソシャゲ運もくれよ。


 ――彼女をくれよ!!!!!!!!!(悲痛な叫び)


 なんてこの世界は無慈悲なんだ…


 たぶんきっとMaybe俺をいじめるために存在する世界なんだ!

 うん。そうだ、仕方がないんだ。彼女ができない運命なんだ!


 …とまぁ、少々取り乱してしまったが、結論から言えば、なにもわからん。

 偶然かもしれないし、何かしらのご都合主義パワー! が働いてるのかもしれない。


 いかんせんデータが足りなさすぎる。

 たった二人のクラスで偏差値を求めるようなものだ。…例えがわかりにくいな。


 まぁいい。次に進化したときに期待するとしよう。


 あー、またダンジョン行こうかなー。

 うん、ここにいても暇だし、ダンジョンにいこう!


 とりあえず今回は配信なしでいいか。

 一日に何度もするようなことでもないと思うし。


ピロンッ


 ん? 通知? あ、友達からだ。


『おー、涼、暇なら付き合いやがれください。』


 こいつ命令したいのかお願いしているのかわかんねぇな。


『無理ですお帰りやがれくださいませ』


 こっちもこっちで対抗してやる。


『いや、女子もいるぞ?』

『行く。』

『即レスすぎだろw』


 はっ! 女子がいるなら俺が行くしか無いな!

 今は金が余ってんだ! 成金ブルジョワジー!


『どこに行けば良い?』

『このショッピングモール。』

『おけ、ダッシュで行くわ。』

『お前そんな足に自信あったっけ?w』

『ダンジョンで鍛えた足を見せてやる』

『見せなくていいからとっとと来い。全員すでに集まってるぞ。』

『おまえ今さっき来てほしいと頼んだ相手にそれはないだろ。』

『はっ。せいぜい頑張りやがれください』

『クソがっ』


 あ、既読つかなくなった。許さねぇぞあいつ。

 ちなみにこいつは同じ高校の同級生、女 たらしだ。


 あ、間違えた。東谷 光だ。

 こいつは陽キャで彼女なんか何回も作ってる。チッ、七光り野郎が。

 そのうち浮気してバレて爆散しやがれクソ野郎。


 父親は資本家、母親は起業家。その間に生まれたパーフェクトクソ野郎だ。


 まぁ一番気を許せる相手でもあるがな。一応小学校からの幼馴染だし。

 なんであいつだったんだろう。ガチャミスったな。

 これだけ言えるのは、それだけあいつとの付き合いは長いってことだ。

 不思議とまぁ絶縁しようという気持ちにはならないんだよな。


 まぁ、とりあえず俺は今持てる最高の服装をして言われたところに向かう。

 はっはー、1.3倍となった俺の足の速さを見せてやる!

 持久力の1.3倍だし、普通に早いんよな。


 1.3倍って言うとしょぼいけど、30%upって言うと高く聞こえるのは詐欺られる予兆なのだろうか。


 それよりも待ってろよ! 女子共ー!


 ―――うおおぉぉぉぉおお!!



……

………



 クロセは激怒した。必ずかの邪智暴虐の悪友を除かねばならぬと決意した。

 あの野郎! 俺を置いて先にショッピングモール内に入っていきやがった!

 

『おい! お前今どこにいるんだ! ブチコロがすぞ!』

『なんで転がすなんだよ。この店にいるから早く来てくれ。〝リンク〟』


 なんで俺が暑い中1人で走ってきたのにあいつは涼しい顔して女子どもといちゃついてんだろうなぁ!?

 神様、一回ぶん殴らせろ(八つ当たり)


 はぁ、一周回って冷静になってきた。

 ヤッベ、また怒り込み上げてきた。オーバーフローしたのにまた元に戻ったぞこれ。

 メーターの上昇が速すぎる。


 とりあえず俺はエスカレーターに乗って、3階を目指す。

 示されたのはクレーンゲームのところだ。


 あいつもあいつでゲーム好きなんだよな。

 よく昔は毎日のように夜にFPSやってたっけ。

 あいつは親に何も言われないのに、俺がバレたら怒られるのは子どもながらに世界の不条理を感じたね。


「おー、やっと来たか、涼」

「あ、涼君だー!」

「よ。お久」


 あー、いつものメンツか。

 光、俺、あと女子2人でよく回ってる。

 大抵このメンツが集まって遊んでいる。

 今更他のやつを入れたくないらしい。


 でも、このなかで恋愛は発展しない。なぜかって?

 それぞれに悪いところを知っているからだ。

 幼馴染が負けヒロインになるのもこれが理由だな。


「よう。あと光、お前は後でしばかせてもらうわ。」

「えっ?」

「自覚ないなら適当に懺悔しとけ」

「懺悔って原因分かってないとできなくない!?」


 せいぜい自分の行いを振り返ってみてくれ。

 多分反省はしないだろうけど。


「ってかなんでまたクレーンゲームなんだよ。」

「ん。可愛いぬいぐるみ見つけた。」

「明日香、またお前か…」


 こいつは城崎 明日香。大のぬいぐるみ狂いだ。

 ベッドはもちろん、部屋、クローゼットはぬいぐるみでびっしりだ。

 最近はリビングにも侵食してきているらしい。

 この前明日香の家にお邪魔した時、こいつの部屋は足の踏み場がなかったな。


「いーじゃんそれぐらいー」

「お前もお前で推し活で年中金欠のくせに。」

「うっ。」


 こいつの名前は新井 蓮奈。推しがサイコー! って叫びながらお金を消失させるアホだ。

 まぁうん、人の趣味にとやかく言うつもりはないけどな。

 だが流石に同じ物を集めるのは馬鹿だと思う。


「涼、お前明日香にぬいぐるみ取ってやったら?」

「ん。ありがと。」

「いや俺まだやるって言ってないからな!?」

「涼が一番クレーンゲーム上手いんだから。」

「いやまぁ、そうだけどさぁ。」


 取れた時の刺激が嬉しくて、昔熱中してやってたんだよな。

 それでいつの間にかかなり上手くなってた。


「お金は私が出すから。おねがい。」

「棒読みだなぁ…」


 ちなみにこれもいつものことだ。

 毎回クレーンゲームを見つけると、俺がやってる。


「涼、コスパ良い。」

「お前俺をそんな目で見てたのかよ…」


 まぁクレーンゲームで遊べて、俺も嬉しいんだけどな。

 こいつはクレーンゲームがしたいんじゃなくて、ぬいぐるみが欲しいだけだからな。

 Win-Winってやつだ。


「これ、取ってほしい。」

「わかったよ。」


 指を指した先には、シャチのぬいぐるみがある。…かなりデカくないか?


「お前、今日これ抱えながら歩き回るつもりか?」

「ん。もふもふ」

「流石にそれはやめといたほうが良いだろ。」

「…帰りに全部取られてたら悲しい。」

「流石にそれはないだろ。まだかなり残ってるし。」

「…帰りに取ることにする。」

「そうするべきだな。」


 よかった。こいつ身長低いから抱えるのかなりしんどいだろうし。

 …どうせ最終的に俺が持つことになっただろうし。


「…お財布が重い。」

「お前もう両替したのかよ…」


 俺がすぐにやる前提で色々進めとくなよ。


「ねぇー、ガチャガチャ行きたいー」

「そうだね。いこうか。」

「ガチャなー、欲しいものあるかな?」

「私は推しのが欲しい!」

「どうせ出るまで引くくせに。」

「何も悪くないでしょ!」


 だから金欠なんだろ。少しは貯金したらどうだ?

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