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47 最終試練④

「涼ガ二人…?」


 あー駄目だ駄目だ。俺なんかが二人いたら世界が滅亡するわ!

 …ってそんな事言ってる場合じゃないか。


ガキンッ!


「魔力も無駄にはできないんだよ。【解放】!」


ドンッ!


「…っ!」


 やっぱ簡単に距離を稼げるから便利だなこいつ。


 …もう一人の俺は、長門を持っている。

 …じゃあ、対抗してやろうじゃねぇか。


「長門を頼む」

「ハイ。」


 長門対決だ。俺のコピーなんだし、それ相応の実力を持ってるんだよな? 楽しませてもらおうじゃねぇか!

 まずは小手調べで一撃っ


ズバッ


「……へ?」

「………バッファリングネ。」


 ……あ、そうじゃん。俺の行動…0.1秒ズレて見えてるんだった…


バタンっ


[ドッペルゲンガーを討伐しました!]

[最終試練 大和 攻略率27/31]


「なんかすまん…」


ドンッ


「ッチ!」


ガキンッ!


『……』

「ほんとに容赦ねぇな、お前。」

『…ご注文は弾幕でよろしいですか?』

「あやっぱキャンセルで。」

『かしこまりました。では、温存して待っておきますね。』


 これでも余裕ってか。

 …はぁ、この後こいつと戦わなきゃいけないんだよな…

 荷が重すぎるわボケ。


「ッ涼!」

「ん? っ!?」


ガキィン!


 さっきコラルドで撃ち殺したつもりだったデュラハンと、鍔迫り合いになる。

 ちゃんとぶち抜いたはずだぞ! もう復帰していやがるのか!?


 あの一撃で葬った気になっていたが、まぁメッセージも出ていなかったからな!


「フンっ!」


ギャリンッ!


 一旦距離を取る。

 …こいつの再生能力は侮れないかも知れないな…

 アンデッドだし、そういった能力を持っててもおかしくはないが…


「昼間に出てきてんじゃねぇよ!」

「…問題ソコ?」

「アンデッドなんだから土にでも潜っとけや!」

「……」


 まぁいい。流石にヒュドラと同じ目に合うのは嫌だからな…

 【無限合せ鏡】…は、魔力の消費がキツイ…


 いや、出し惜しみしてるとどんな目に合うかわからない。

 やっちまうか。回復はあの撃ち落とされたドラゴンを使えばいい。


「【無限合せ鏡】!【41cmほ……」


 ―――俺は失念していた。 まだ、見たことがない敵が一体、隠れていることに。


スッ…

ザシュッ!


「がはっ!?」

「ナッ…!?」


 一撃――じゃない。

 二撃、三撃……いや、数えられない。


「痛ぇっ!?」


 っクソ! ポーション! 早く! 魔力が切れる前に!

 【無限合せ鏡】を解除し、アイテムドロワーから1万円のポーションを取り出す。


「…ゴクゴクっ……ぷはぁ…!」


 ッチ! まだ傷が治りきらねぇ! 痛い…!

 残りの5000円のポーションを2つとも飲み干し、やっと傷が完全に治った。


「ッチ…このスキル(無限合せ鏡)俺にも効果あるのかよ…」


 最悪のデメリットじゃねぇか…!


「【老婦人(オールド・レディ)】に救われたな…」


 かなりの生命線になるみたいだな。


ガキンッ!


 …まずデュラハンを何とかするか…?


「なぁ、エスリル。なんか心当たりあるか?」

「アレハ確カ虚ノ人(ヴォイド)ネ。」

「虚ノ人(ヴォイド)? なんかいかにも中二病な名前してるな…」


 …俺なんか【ドパガキ】だからな…?


「能力はわかるか?」

「…知ラナイ。アイツハ、基本的ニ顔ヲ出スコトガ無カッタカラ。」

「ふーん。」


 自分の階層にでも引きこもってたのか?

 もしかしたらいたけど気づかれないというクッソ不憫な事になってた可能性はあるけど…


「………とりあえず、魔力回復のためにひとまずステルスドラゴンの方を倒すか…」


ダッ!


 1回デュラハンから距離を取るために遠くに行く。

 …少し、虚ノ人(ヴォイド)の脅威があるから怖いがな。


「コラルド」

「ン。」


ギギギ…


 …一本生成するので魔力が限界だな…


ドンッ!

ズドンッ!


「ギァアアアアア!!!」

「もういっちょ。」


ギギギ…


 今度は二本。


ドンッ

ズドドッ


「ギ…ァアアア……」


バタンッ


[ステルスドラゴンを討伐しました!]

[最終試練 大和 攻略率28/31]


「っし! っとぉ!」


ガキンッ!


「デュラハン、もう少し待っとけよ…!」


 今コラルドでガードしてるせいでやりにくい!

 弾くにも弾けねぇし、押してくるんじゃねぇよ…!


「っほい!」


ガンッ


 半歩引いて受け流すと、勢い余ったデュラハンの剣が地面に直撃する。


「ロドニーだ!」

「ン!」


 大槌を構え、姿勢を崩しているデュラハンを叩き潰そうとすると…


スッ…


 さっきの音…!

 音のする方に俺は体を捻り、ロドニーを振る。


ガキンッ!


「くっ… せめて、【ブロックノイズ】だけでも…!」


フッ……


「…なっ!?」

「エ…?」


 モザイクが…つかない…?

 ……一瞬モザイク自体はついた。だが、即座に消えて、無くなった。


「いや、今はこいつだ!」


 もうすぐ立て直しそうなデュラハンを優先的に叩き潰す!


「オラッ!」


 魔力のブーストを付けつつ、ロドニーを振り下ろす。


ガキンッ…


 剣の腹で受けられるがそのまま力を込めて…


バキッ!

ゴシャッ!


[デュラハンを討伐しました!]

[最終試練 大和 29/31]


 …叩き潰せばちゃんと死ぬのか。

 再生能力はそこまで強くないんだな。


「残りは虚ノ人(ヴォイド)と、大和だけだが…」


 大和はともかく、虚ノ人(ヴォイド)はどこに居るのかわからないんだよなぁ…

 やっぱカウンターで決めるしか無いのか…?


『………』


スッ…


 出てきた!

 俺は大槌を振り上げる―――


ドォン!


 唐突に大和から音が聞こえたと思うと…


ズドンッ!


 すぐそこにあった、虚ノ人(ヴォイド)だと思われるモザイクが吹き飛んでいた。


[虚ノ人(ヴォイド)を討伐しました!]

[最終試練 大和 攻略率30/31]


「……は?」

『少し、時間がかかりすぎです。私は貴方と戦いたくて仕方ないんですよ。』


 ………何言ってるんだこいつ。


「ナンデ、イチイチソンナ事ヲ? 貴方ノ部下デショウ?」

『魔石はこちらにあるのでいくらでもコピーを作ることが出来るのですよ。戦いたければ、私と戦い、勝利したら、いくらでも戦わせてあげます。』


 …はぁ?


『ウズウズしてたまらないのですよ。久々に強敵と戦えるということに。』

「……もしかしたら、LUNATICってのはお前のことを指していたのかもな…!」


 強制的に戦闘を始めやがって…

 はぁ… 嫌な予感しかしねぇ…

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