46 最終試練③
「…涼…」
「どうしたエスリル。そんな泣きそうな顔して。」
はぁ… 散々だったわマジで。
…しかもまだ戦闘終わってないんだぜ?
ほんっとうに【処女王】のおかげで生きているからな…
…もう使えないわけだが。
「…生キテタ…」
「まぁ、実際は1回死んだがな。」
「……エ?」
あーそっか。こいつには1回も説明してなかったな。
「かくかくじかじかでっ!?」
ゴォォォッ!
「ドラゴォン!?」
あれぇ!? 居たっけぇ!?
…もしかして大和に引きこもってたのかこいつ!?
…冗談のつもりなんだが実際にありそうなんだよな…
「…あれ!? 消えたぁ!?」
「…ステルスドラゴンヨ」
何だその迷惑な能力つきドラゴンは!
「ちなみに、あれはもう使えないからそこだけは分かっておけ!」
「ワカッタワ。」
依存するとすぐ死んでしまうからな。
大和からの攻撃が一番危ない。次は予告すらない可能性があるからな。
痛い目見るどころか三途の川わたりかけたんだ。これで学習しないなら馬鹿や阿呆じゃすまないだろ。愚の骨頂だ。
…まぁ、【老婦人】のおかげで腕一本ぐらいならポーションでなんとかなりそうだけどな。…今魔力少ないんだった…
一髪千鈞であることには間違いないのか…
「エスリル、長門形態だ。」
「ッ! ワカッタワ。」
なんか、少し嬉しそうな声色なのは気の所為なのか…?
まぁいいや。俺が復活してる間守ってくれていたんだろうし、深く詮索するものじゃない。
あれだけのダメージを蓄積してればわかるっての。
後で労ってやるとするか。
「それじゃあいっちょやりますか! モードチェンジ! 注目強化!」
そろそろ解禁するときだろうと思ってな!
[既に同接が1,000人を突破しています スキル【ハウリング】の解禁を実行します]
[既に同接が5,000人を突破…
…………
……………
…[既に同説が100,000人を突破しています スキル【低遅延】の解禁を実行します]
「…なんじゃそりゃ。」
【低遅延】っていかにもしょぼそうなスキル名してんな。
「…まぁいい。【バッファリング】【ブロックノイズ】……一応、【低遅延】」
これでドラゴンを…
「ワンッ!」
「ッチ!」
犬ぅ!?
ズバッ!
「キュゥウン……」
[ブラックドッグを討伐しました]
[最終試練大和攻略率23/31]
弱っ!? 奇襲するなら声出すなよ!
…ん? なんか違和感が…
ズゴンッ!
「っとぉ!」
ゴーレムか! 王道モンスターじゃねぇか!
「ロドニー!」
「ハイ。」
「やっぱ岩には――――」
大きく跳躍し、振りかぶって…
「―――ハンマーだr…」
ドォン!!
「―――っはぁ!?」
ガキンッ!
『ッチ、防がれましたか…』
「とんでもねぇことしてんじゃねぇよ!?」
まっさきにあいつ破壊したほうが良いんじゃないんかな…?
というか、普段だったら防げなかったんじゃないか?
なんだ今の反射神経?
「それより続きだ!」
落下中の体を捻り、ゴーレムに向き直る。
「砕けろぉ!」
バゴォン!!
ガラガラ……
やっぱロドニーは爽快だな!
[ゴーレムを討伐しました!]
[最終試練 大和 攻略率23/31]
…やっぱりおかしい…
ダッ
何かが後ろから地面を蹴った音が聞こえた瞬間、そっちに大槌を振る。
ドゴンッ!
「キャイン!」
ガスッ!
地面に黒い犬が激突し、霧散する。
…え?
[ブラックドッグを討伐しました!]
[最終試練 大和 攻略率24/31]
…まぁじかぁ…
偽装してたん…? キッショ…
バサッ バサッ
「今度はなんだ…?」
「キィェエエ!!」
うわぁ… 燃えてる…
不死鳥ってやつか?
「めんどくせっ! エスリル、ネルソンだ。」
「ン。」
省略されてる… まぁいい。
どうせ復活みたいなスキルとか持ってるんだろうし、奪ってから殺さなきゃな。
「ガアァァ!!」
「ここでドラゴンかよ!」
まぁ、モザイクかかってるから常にどこにいるかわかるんだがな。
お前はもうちょっとあとだ!
ヌル……
…うわ、クラーケンだ。
「…涼、先ニアイツ倒スコトッテ、出来ル?」
「気持ち悪いのはわかるが、後にしてくれ。」
流石に面倒なフェニックスから殺らせてくれ。
「キィェェ!」
急降下してくるフェニックス。
流石の慢心だな! 参考にさせてもらうぜ!
なけなしの魔力を使って攻撃する。
「オラッ!」
「キエッ!?」
「【不死鳥】ヨ。」
「一発成功! 石像化と交換だ!」
まだストックされていた石像化と交換する。
…なかなかにチートだな、強欲。
バサァ……
[フェニックスを討伐しました!]
[最終試練 大和 攻略率25/31]
「弱っ!?」
えぇ… 不死鳥を失った瞬間に死ぬじゃん…
前の俺だったらどうやって討伐してたんだろ…
ドォン!
ガキンッ!
「なっと!」
『ケッ…』
「流石にその反応はおかしくない!?」
…あれか? 【低遅延】のお陰で反射神経がバグってるのか…?
ほぼ無遅延なんだが… やっぱこれもなかなかにぶっ壊れスキルだったか…
「とりあえず、エスリル、コラルドだ。」
「ン」
雑ぅ… まぁいいや。
ギギギ…
今回は一本だ。これ以上は流石に魔力切れでぶっ倒れる。
ドォン!
ズドッ!
「ギャアアアア!!」
「命中っと!」
ズシィン…
撃ち落とされたドラゴンは、傷を癒そうと地面にうずくまっている。
よっしゃ魔力回復した!
ナイスドラゴン! なかなかに戦犯だぞ!
この後もヨルムンガンドの後継者になって貰う予定だからな。しっかり傷を癒しとけよ!
「ってことで、そこのクラーケン、お前は蜂の巣だ。エスリル、メリーランド。」
「ハイ。」
双銃を持ちクラーケンに構える。
ドドンッ ドドンッ ドドンッ ドドンッ ドドンッ!
計十発。各ゲソに一発ずつだ。これ以上は次のコラルドの矢が作れない。
「…流石にまだ死なねぇよな。コラルド」
「ン。」
守るゲソを全て破壊した今、弱点を守る部分はない。
ギギギ…
今回も一本だ。
「爺ちゃんが言ってたぜ… イカを〆るなら眉間の頭だってなぁ!」
ドンッ!
ズドッ!
一気に白くなったイカは、霧散した。
[クラーケンを討伐しました!]
[最終試練 大和 攻略率26/31]
「次はそこの彷徨ってるデュラハン。変に防ぐんじゃねぇぞ?」
ギギギ…
矢を二本生成し、デュラハンを向く。
…こいつ目見えてねぇんじゃね?
ドンッ!
ガキンッ! ズドッ!
「っし!」
「…ッ! ウシロ!」
エスリルが咄嗟にウェストバージニアになり、それを構える。
ガキンッ!
「っとぉ… へ…?」
………え?
……なんで俺がもう一体いるんだ…?
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