40 死に挑むラプソディ【呉】⑭
「創造…ねぇ… リソースとかはどっから来てるんだろうな。」
「アナタシカ知ラナイワヨ。」
うーん… 小魔石かな?
あれだけ注ぎ込んだんだし、かなりのリソースになってるんじゃないか?
「どういう風にしていく…?」
「ソノ、長門ヲ改造スレバ良インジャナイノ?」
「それだ。そうしていくか。」
いい案出してくるじゃないか。
「どうしようかなぁ〜」
「私ニ、イイ考エガアル。」
「聞かせてもらおうじゃないか。」
「コレヲ、――――――………」
「…うん、良いな。そうしよう。修正しつつ、トライ・アンド・エラーだ。」
「ソウネ。」
漫才をするような雰囲気じゃないし、真面目に作っていくとするか。
発想力には自信があるんだ。好きなようにさせてもらうとしよう!
そして、ダンジョンマスターを後悔させてやるよ。
痛い目を見る準備をしておけよ?
……
………
――――フッ
「んぁ…」
視界が甲板の上に戻ってくる。…俺うつ伏せじゃん。
仮面で守られていない顎が痛いんだが…
起き上がると、目の前には見慣れたキューブが浮遊している。
…おう、キューブただいま。
あっちにはいなかったし、多分あっちでの出来事は配信されてないみたいだな。
―――そして、目の前には――――…
「よう。上手くいったみたいだな。」
「オカゲサマデネ。」
エスリルがいる。
だが、少しだけ違う。核がないのだ。
…コメ欄荒れてるだろうなぁ。
[パパーン! アノマラスウェポン【七罪大艦】を獲得しました!]
「ウルサッ!」
…ふっ、まだまだだな、エスリル。
俺はもう慣れたぞ。
…ちゃんとうるさいけど。
「アノマラスウェポンねぇ… 初めてみるわ。」
「私、武器判定ナノネ…」
何ショック受けてんだ。自我を持てたんだから十分だろうが。
あのまま俺に握りつぶされ続ける生活よりはマシだろ。
そもそも、アノマラスってどういう意味なんだ?
どこの言語だよ。
ミシックとかのほうがわかりやすいだろうが。
「まぁ、リーサルより上ってことはわかるな。」
「私モ知ラナイ。最低限ノ知識シカ与エラレテイナイカラ。」
「まぁ、お前が武器のランクとか気にする機会なさそうだったもんな。」
どこまで教えられてるんだろうか。
「…まぁ、今日からお前は俺の相棒なんだ。こっから覚えていけばいいさ。」
「ヨロシク、涼。」
「あぁ。よろしく。」
コツンッ
拳を突き合わせる。
……こういう事は知ってるんだな…
「存分にこき使ってやるから、覚悟しなよ。」
「望ムトコロヨ。」
今後別のダンジョンでLUNATICがあっても、こいつは連れてくることが出来るからな。
武器判定って便利だな。アイテムドロワーにも入るんじゃね?
…ちょっと躊躇されるが。
「じゃあ、実践で試してみるとするか。」
「ココデ試サナイノ?」
「んなもんしなくていいだろ。もう俺は戦いたくてウズウズしてんだよ。」
「……戦闘狂ネ。」
あぁ〜 会話できる相手がいるのっていいなぁ〜
一人じゃないっていう安心感というか。
…人じゃないけど。
「さっさと行くぞ。」
「ワカッタワ。」
じゃあ、行くとしようか! 第4戦艦へ!
ガチャ
ドアの方に行き、ドアを開く。
いつも通り中には魔法陣がある。
俺は何も躊躇せず、いつも通り魔法陣に足を踏み入れる。
…エスリルと手をつなぎながら。
スッ
[第四戦艦 摂津]
やっと普通の戦艦に戻った。
…巡洋戦艦でまだ筑波が残っているのは少し気がかり…
………やっぱ五十音順だろ! なぁ!
まぁいいや。
「今回のギミックはなんだろうか?」
ズシンっ!
「っ……!?」
「ッ……!?」
体が………重い…?
足が動かない…!
『攻めるだけでなく、防御ができなければ、足元をすくわれるのは明確です。』
「だから移動不可ってか……!」
…ろくに攻撃もできねぇな。カウンターしか方法がない。
受け流し、パリィ、受けの3つを使ってカウンターで倒す…か。
連撃できないから一撃一撃が重要になりそうだ。
…再生能力持ちとか出てきたらもうマジでクソゲーじゃん。
無理とは言わないが。
「次の敵はなんだろうか?」
「…ナゼ少シ楽シソウナノ?」
「そりゃあワクワクしてるからだな。」
「…ヘンネ。」
変だという自覚はあるが、ワクワクするのは紛れもない事実だからな。
…ちょっと腹立つが……!
ズドンッ!
悪魔の石像が急に現れた。羽の生えてるタイプのやつだな。
見覚えがある気がする…
「石像…?」
「ガーゴイルネ。」
あぁ、なんか聞いたことがある。ゲームの敵キャラに居たっけな。
見覚えの正体はこれか。
「…一応、長門形態で頼む。」
「ワカッタワ。」
スルッ
隣にいたエスリルが、見覚えしかない短刀と同じ形を取る。
見た目は、クリスタルでできたような、青白い半透明の結晶だが。
「コノ形態デイイノ?」
「うおっ、お前この状態で喋られるのかよ。」
びっくりするじゃねぇか。一瞬投げ捨てそうになったぞ。
…拾いに行けねぇから詰みじゃん。
「まぁ、使い慣れてるし、【傲慢】の検証にもちょうどいいと思ってな。」
「確カニ、ソウネ」
ガーゴイルは石像のまま未だに動かない。
まぁ、目視している間は動かないっていう設定なのかもな。
…めんどくせっ!
「何言ってるんだよ説明しやがれボケナス。って思ってる視聴者に説明すると、まぁ、この武器は全部で8つの形態があって、1つ目がさっきのエスリル形態。2つ目が、今の長門形態。他はビッグ7って調べて出てくる戦艦の形態だな。」
ビッグ7ってあんまり知らない人とか多そうだもんなぁ…
戦艦って興味あるなしで結構差が出るし。
…まぁ、男子はほとんど好きなんだろうけど。
……うちの視聴者層めっちゃ男性に偏ってそうだな…
「で、そのビッグ7にはそれぞれ七つの大罪が適用されてる。例えば、長門には【傲慢】とかな。」
「他ニモ、陸奥は【嫉妬】トカネ。」
俺は戦艦マニアじゃないから詳しいことは知らん。
だから、〇〇は〇〇であるべきだ! みたいなクレームは受け付けない。
そもそも、付け替えるのは無理なんだから。
「あとはまぁ、どんなふうになるかは楽しみに待っていてくれ。そろそろガーゴイルと戦わせてもらうとしよう。」
ちなみに、元々着いていた【長門】や、【41cm砲】は受け継がれている。
性能は変わっていないが、それでも十分だ。
「さぁ、性能チェックと洒落込もうじゃないか!」
そう言って俺はガーゴイルから目をそらす。
……締まらねぇな……
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