27 死に挑むラプソディ【呉】②
ビュルルルル!!!
「…っぶねぇ?!」
いつもの見た目が水色っぽい透明なのから赤黒くなったと思えば、密度、速度、威力が桁違いに上がっている!
レベルは13ダウン程度だと高をくくっていたが、言ってしまえばこれまでの強化値39%がなくなるっていうことだから、思ったように速度が出ない。
魔力は初期値の100になっているし、体力もいつもより低い。
「…っ!」
息をつく暇もねぇ!
長門の速度強化、防御力上昇が禁止されてたら一発目から即死だったぞ!
ドンッ! ズドドドド! ビュルルル!! ドォン!!
絶え間がなさすぎるだろ!
アドガキ使わなきゃいけねぇか?
…試練中に10回までしか長門で攻撃できない。
他は素手のみ。 素手のみ…?
……いや、あるじゃねぇか! スワイプっていうやつがよ!
…今は避けるので精一杯だがな…! っと!
「スバシッコイ。」
「…っは! そりゃぁ…ぶな! 話してる…、途中にっ…、攻撃するな…!」
っくそ! やっぱ俺は結構長門に依存してたってのか…!?
いつもみてぇな安心感がねぇ…!
「3度も…! 戦ってりゃ…! 対応もできるってもんだろ…!!」
「…ソレハ、ワタシモ」
ズズズズ…っ
へ…?
ズドドドドドドドドドドォン!
「うおわぁあああぁぁあ!?」
海から触手が生えてきたと思えば一斉に攻撃してきやがった!
クラーケンってか!? 見た目は赤黒いスライムなんだがなぁ!
もっと攻撃が激化してきていやがる! 集中が途切れたら死ぬ!
「ウミモ、エキタイ」
「やけに…っ 塩分濃度の高そうな…! スライムだなっ!」
っくそ! こんなこと言っている暇も無くなってきた!
そろそろ疲れが出てきてしまう…!
スライムに疲れっていう概念がない限り俺はこのままジリ貧で死ぬぞ!
ゾワッ…!
んだっこれ!? 悪寒がヤバい…!
ダンッ!
「――――ットォ!?」
っはあ!?!! お前がなんで今参戦してくるんだよ!
「あの殺人ウサギ!?」
お前戦闘中に突っ込んでくるんじゃねぇよ!
オイ聞いてねぇぞ! …十隻ってそういうことか?!
5階層ごとに分けられていやがるのかよ!? じゃあ次はあの鹿でてくるってこと!?
嫌だ! それだけは絶対に嫌だ! あいつの強化体とか死んでも相手したくない!
…っぶねぇ!?
もうやだ! おうちかえりたい!
「ハレス! ワタシノ、ショクシュヲキラナイデ!」
ダンッ!
…っと!? ……? こいつらもしかして意思疎通取れてないのか…?
確かに、あのウサギに切り取られたと思われる触手が落ちている。
…消えろよ! 触手! 足場阻害すんな!
……まぁ、意思疎通が取れてないなら、同士討ちも狙えるか…?
ズドドドドドドドドドドォン!!!
「うおぁぁえわああ!?」
…そんなの考える前に死んじまうじゃねぇか!
もしあったら良いなぐらいに思っておくしかねぇか!
…本当に勝ち目が見つからねぇ!
あわよくば上手くいかねぇかなぁって思ってたよ!
限界を突破するってなんだよ! 悟り開けってか!?
あの説明が現実になっちまうじゃねぇか!
だが俺はまだ絶望してねぇ! 死にそうだが死んでねぇ!
ってか予想だが、出てくるのは最後に第5階層守護者…
最後に戦ったあいつか…
…耐え凌げば活路が見える可能性が出てきた…なっ!?
ドゴンッ!
「グベラッ!?!」
ガンッ!
甲板の柵に脇腹があたり、悶絶しそうになる。
っちぃ! 考え事をしすぎて気を抜いてた!
…回復できねぇってのが痛い。
「ヤット、アタッタ。ソレデイキテルナンテ、ガンジョウネ」
「お褒めにいただけ光栄だな…っ!」
すこしだけ、視界がふらふらする。
そんな体に鞭打って体を動かし、ギリギリで避ける。
あぁ… もう。 なにか考えてる暇もねぇ。
頭を真っ白にして戦わせてもらうとしようか!
ドパガキの本領である脳死だ。 存分に使わせてもらおう!
…ダンジョン関係ないけどな!
◆ ◆ ◆
『お、配信してる』
『なんでこんな禍々しいの…?』
『どもー』
『また配信してるw』
『うおっ …殺死阿武? なにその夜露死苦。』
『なんかいつもと雰囲気違うな。』
『うわ、なんか怖い顔してる。』
『配信だぁぁ…!』
『なんか怖い…』
『殺る気に満ちてる?』
『なんか殺気立ってるなぁ』
『配信だぁ』
『チャンネル登録しました』
『初見です』
『Yesの威勢が今日もいいなw』
『あれじゃね? 昨日言ってたルナティックとやらじゃね?』
『鬼難易度なんかなぁ』
『Yes!!!www』
『ルール?』
『ふぁ!?』
『は!?』
『キッショwww』
『レベル50にしてくるの!?』
『ってか素のレベルしらないんだが』
『ポーション禁止キツww』
『なんか知らん声があったよな』
『攻撃十回制限!?』
『試練…?』
『戦艦www』
『なんかまじでよくわからん』
『ソロ固定www』
『秘密が多すぎるぞこの配信者』
『ふぁっ?!』
『海じゃんww』
『甲板って…w』
『頭がおかしい』
『えぇ… えぇ…?』
『生き残れるかはあなた次第… 怖っ…』
『ガチ戦艦じゃん』
『あれ? いつものコロシアムは?』
『足場不安定なったりするんかな』
1000¥
『こんにちは〜』
『ここで戦えと?』
『うわっ、10隻あるじゃん。これ全部攻略するのかw』
『曇天だなぁ…』
『ココドコ』
『え、また出てきたじゃん』
『準レギュラー説』
『エスリルさぁん!』
『また見れる日が来るとは…』
『場所と服装がマッチしている!』
3000¥
『最高』
『出会い頭の戦闘じゃないのか』
『温情あるな』
『冥土の土産のはずなのに、配信で全世界に広まってるの草w』
『気づけばって…』
『意味深だなぁ…』
『おい、もっと興味持てよ。』
『結構重要なこと言ってるよな』
2000¥
『考察が捗るぜぇ!』
『うわぁ…』
『赤黒くなった!?』
『前の青白いのを返してくれぇ!』
『…画面越しで怖いんだが』
『速ぁっ!?』
『なんで避けれるんだよw』
『危ないで避けれるのがおかしいんだよなぁ…』
『うわぁ… 当たり前のように同時攻撃…』
『前より強化されてない?』
『なんかドッジボールみたいに避けてるけど…』
『速ぁ…?』
『本当にレベル下げられてるんだよね…?』
『うわ… 見入っちゃうわ。』
50000¥
『生きて!』
『うはっw タマヒュンっ』
『勝てねぇよ…』
『死ぬてこれ』
『なんで反応できてるの?』
『動画なのになんか残像見えるし…』
『速すぎぃ!』
『容赦がねぇ…ww』
『うえぇえ!?』
『はぁっ!?』
『えぐw』
『何あのタコ足百連発みたいなやつw』
『バケモン…w』
『なんで一撃も当たってないの!?』
『避けきれてるのやべえ…w』
『木っ端微塵なるてあんなの。』
『だいぶきつそうだな…』
『行けるのか? 打つ手なさそうな感じしてるけど』
『起死回生の一手とかなぁ…』
『攻撃温存しすぎて死んだら本末転倒だぞ?』
『あ、ウサギ。』
『ウサギ!?』
『うわっ… 体毛が赤黒い…』
『あんまりもふもふしてなさそう』
『はぁぁあ!?!』
『避けたぁぁあ!?!!?!』
『なにあれ…? 本能…?』
『野生児じゃん…』
『!?!!?!?』
『キッショ。なんで避けれるんだよ。』
『あれ? でもあいつ触手切ってね?』
『偶然か?』
『敵対してる説』
『あれ、…?』
『エルメスも反撃しないんだ』
『意思疎通が取れてないだけか』
『ほえぇ〜』
『フレンドリーファイヤあんのか』
『ってかなんであの時のウサギいるんだよ…w』
『え? 乱入エグww』
『こんなん勝ち目無いですやん』
『え? もしかしてあの鹿も…?』
『リタイア不可なのに…w』
『どんまい』
『えぇえ… 可哀想に』
『流石に可哀想に見えてきた』
50000¥
『生き残れたときのために』
『えっ』
『あっ』
『ちょっ!?』
『やばくね…? 大丈夫か…?』
『あ、なんとか大丈夫そう』
『よかった…』
『ガチで心配するって』
『死んだら本当に俺等が暇になる』
『…なんか活路見出してそうだな…?』
『うわっ?』
『…絶対に褒めてねぇよな…?』
『なんか急に動き良くなった?』
『なんか喋らなくなった。』
『脊髄で動いてるみたいな動きしてるんだけど』
『えぇ? やば…』
『ふぁっ!? 鹿!』
『鹿ぁwww』
『デッカwww』
『海からぬぞぞぞ、みたいな感じで出てくるじゃんw』
『うわ… なんか触手と役割被っちゃってるじゃん』
『ウサギより鹿のほうがちょっと知能良さそう』
『また避けてる…』
『…なんで今の避けれるの?』
『なんか半目でおもろいw』
『こんだけ高速挙動してて完全再現されているアバターは何者なんだよ』
『なにこれ? 録画を配信してるん?』
『なんかアニメっぽい』
『速すぎる…』
『人間の域を超越してるだろこれ』
『本当にレベル50なの?』
『あ、かすった』
『致命傷に至らないのが意味わからん』
『…疲れてきたら死じゃん結局。』
『本当にどうするつもりなんだ?』
10000¥
『頑張れ! 負けるな!』
『さっきから喋らなくなったな。』
『うわ… もう猿でてきたじゃん…』
『早くね?』
『なにこの怪獣大戦争』
『本当に生き残れるの? ってかクリアできるん?』
『…大丈夫かなぁ…』
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