23 だぁ〜れがキチガイだ
「今日はこれで配信終わろうかな…」
一日で5階層分を攻略した。
まぁ、やる気がある今のうちに終わらせないとそのうち飽きる気がするが…
流石に、次の敵の予想がつかずに戦うのはなぁ…
「うーん… 腹減った...」
アドガキ使えば多分きっとなんとかなるかもしれないがな。
若干腹が減ってきてるし、おやつとか持ってくればよかったかなって後悔はしてる。
あとでアイテムドロワーにストックしとこ。
アイテムドロワーで思い出したが、ポーションはあの戦闘のあとすぐ飲んだ。
腕にまだ少し鈍い痛みが残ってたからな。
今となっちゃあ体の調子は全快だ。…空腹以外は
「配信強化が勿体ないけどなぁ… …まぁいいか NO」
一日一回の制限付きだからなぁ… アドガキはないくせに。
…まぁ、ノーリスクならそんなもんか。
[現在の戦闘結果を保存し、次回からは第六階層守護者からスタートします]
[一日に五階層分の試練の突破を確認]
[戦闘時間を確認… 合計1時間21分の超短時間による突破を確認]
[想定時間5時間を大きく下回る突破を確認]
[ソロ・レベル63での突破を確認]
[4人以上・推奨レベル150を大きく下回る突破を確認]
[次回から HARD…]
ジッジジッ
……??? 何が起こっているんだ…?
『貴方にはこの程度ではぬるいなんてものではないでしょう。是非に私を持ちうる器になってくださいね。』
ジッジジッ
[……次回からは LUNATICモード でお待ちしております]
[お疲れ様でした]
スッ
…おい、とりあえず一言言わせろ。
「――――余計なことしてんじゃねぇぇぇぇ!!!!!!!」
「スゥゥゥ… ハァァァァァァァァァ………」
「お兄ちゃん、吸った量と吐いた量があってないわよ」
「ちょっと酸欠…」
「馬鹿じゃないの?」
そんなの今更だろうが…
…何が今更だ!
今は帰ってきて、妹に呼ばれて妹の部屋にいる。
「ってかHARDで止まっておけばよかったってのに。なぁ〜にがLUNATICだ。」
「お兄ちゃんにぴったりじゃないの」
「だれがキチガイだ!」
精神異常者とか狂人とか言う意味だぞ。
…ドパガキは精神異常者…? …だとしたら人数多すぎるだろ。
…ほぼキチガイではあるか。
「あれだけの高速戦闘を楽しそうにやってのけるお兄ちゃんがキチガイじゃないのなら、この世にキチガイは存在しないよ」
「それじゃ俺は最上位のキチガイって言うことになるだろうが。」
「その通りよ。」
「………」
…ぐぅの音も出ねぇ。
ちょっと仕返ししてやりたい。
「ていっ」
「あだっ!」
本気で痛そうにおでこを抱える。
だいぶ手加減したってのに。貧弱だな。
ダンジョン行って鍛えればどうだ?
…そうだった。こいつ年齢的にまだ行けないんだ。
「痛いわよ!」
「弱いなぁ…」
「自分のステータス確認しなさいよ!」
「あ」
そうだった。
普段の感覚でやってたが、三倍ぐらいになってるんだった。
「あ、そうそう、ステータスで思い出した。スキル確認しとかなきゃ。」
「未だにやってなかったのね… というか露骨に話をそらさないでよ!」
うるっさいなぁ…
イライラしてるとそのうちハゲるぞ。
「まぁいいや。ステータスオーペン」
「なんでオーペンなのよ」
そこは俺のこだわりポイントだからだよ。
―ステータス―
名前:クロセ リョウ
Lv.63
体力:282
魔力:107
SP:0
【スキル】
・ドパガキ・改
・配信・改
…改って… 無駄に仰々しいなこの野郎。
ドパガキにそんな仰々しい名前いらねぇだろ。シュールなんだよ!
まぁいい。要は内容次第なんだから。
―ドパガキ・改―
lv.2
・スワイプ
・アイテムドロワー
モードチェンジ:アドガキ
そろそろレベルが上っても良いと思うんだけどなぁ…
結構シビアなんだな。
もっとドーパミンを感じれば良いのか…?
次の能力が欲しいよ。ほんとに。
楽しみに待っておくとするか。
―モード:アドガキ―
使用中はテンションが上がりやすくなる。
テンションが上がるほど、アドレナリンが分泌され体の動きに補正がかかる。
極限までテンションが上がると、極限状態に入り世界がスローに見えることがある。
極限状態では、テンションが下がりやすくなる。
…これか。あの時の感覚は。
極限状態…ねぇ…
ふざけた名前にしてはしっかりと強いじゃねぇか。
…だれだよ作ったやつ。1回表出ろ。
あの声の主かもなぁ…
ユニークスキルは一つのダンジョンから一つしか出ないからな。
まぁ、必ずと言っていいほどあるんだがな。
まだユニークスキルが見つかっていないダンジョンは数多とあるが、難易度が高いだけだと言われている。
…そんな貴重なものにふざけた名前つけんなよ。
しかもしっかり強いのが更に腹立たしいんだよなぁ…!
しかもこのアドガキ、使用回数制限がないんだよな。
ゾーンの後は気絶するけど。
やっぱり脳みそへの負荷とかきつそうだもんな。
「ってかスキルのくせにドーパミンとかアドレナリンを把握してるのかよ…」
はぁ… 一層ダンジョンの謎が深まったんだが。
…あーやめだやめ。考えるのはよそう。
そんなの考えても3歩歩けば忘れるんだから。
…誰が鳥頭だ。
「独り言はやめてよね。ってか妹ぐらいにはステータス見せなさいよ。」
「えー …まぁいいか。」
書き写すのめんどくさいなぁ…
写真撮れればいいのに。スマホに映らねぇんだよなぁ…
カリカリ…
「字が汚くて読めないわよ。」
「頑張って解読しやがれ。」
「もうそれ暗号って認めてない?」
「自分が読めればいいっていう点ではそうかもな。」
「これ私に読ませるつもりで書いたんじゃないの…?」
心底呆れた声で妹はそんなことをいう。
贅沢言うなよ。せっかく書いてやったんだぞ。
「なんだ? 全国偏差値70超えの大天才様はこの程度の下民の文字も読めないというのか?」
「全国偏差値45以下の大凡才様はヒエログリフを読めるとでもいうの?」
…なんでこう言い返せるかな?
昔のお兄ちゃん大好き! っていう感情は銀河の隅っこででも火刑に処したの?
跡形もなく敬意というものが抹消されてる気がする。
「まぁいい。PC貸せ。打ち込むから。」
「スマホじゃダメなの?」
「PCのほうがタイピング速いんだよ。」
「両手フリックすればいいじゃん。」
「途中で指がもつれるから嫌なんだよ。」
「私はタイピングのほうが慣れなくて嫌いだなぁ…」
一応クラス一のタイピング速度を自称している。
だって、競ったこと無いもん。
…光のほうが早かったりする可能性もある。ってかそう。
だから俺は戦わない! ダサいことを言っている自覚はある!
カタカタカタ…
「ほれ。これでどうだ?」
「スマホでショートばっかり見ている割にこういうのは速いのね…」
「小学校の頃極めていたからな!」
小3ぐらいの頃に結構流行ったんだよ。タイピング。
正確性とかガン無視でやっていたからめっちゃくちゃタイプミスとかあったけど。
速ければかっこいい! っていうのが男子の思考なんだから。
…考えてみれば今も変わってないな。速さ=ロマンみたいな思考回路は。
脳みそのシナプスがそれで固定されてるのかもしれん。
頭カッチカチの老害じゃん。
…誰が老害だっ!
「ふーん、強いじゃない。」
「なんで偉そうなんだよ。」
「え?」
不思議そうにするな! 一応兄だぞ!
……一応!
「…とりま今日は絶対にダンジョンにいかない。」
「なんでよ?」
「LUNATICモードなんて誰がやるか!」
「でもどうせ明日やるんでしょ?」
「………やらない!」
「何よその間?」
まあ、俺の気分次第だし。
そこら辺を束縛してきたら俺は配信を一生しない。
…それが俺の唯一のアドバンテージだからだ!
唯一なんだよ! なんでだよ!
ピロンッ
「ん?」
光からだ。なんのようだ?
『なぁ暇なら手伝ってくれ』
えぇ〜 めんどくさっ
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