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巨漢と牛人の酒場談義 〜同じ悩みを抱える男たちの乾杯〜

「サファイア・シティは寛容と多様性の精神で知られており、唯一というわけではないものの、間違いなくそれらの理念を実践している最高の実践例である。しかし、そんな街においてすら、ほぼ完全に忌み嫌われている存在の階級がある。アンデッドだ。孤立した未開の部族など一部の文化では、強力なアンデッドに供物を捧げたり崇拝したりすることもあるが、情に流されやすい者からは追い払われ、職務を全うできるだけの手練れがいる町であれば即座に狩り出され、打ち首に処される。サファイア・シティの名誉のために言っておけば、彼らの寛容の掟の底流にあるのは自由貿易であり、スケルトンやゾンビといったクリーチャーは貿易を行わない。マミーにはその能力があるものの、生者に対する彼らの憎悪はあまりに不安定で容認しがたい。ワイト、グール、スペクター、そしてほぼすべてのアンデッドは街への立ち入りを禁じられている。唯一の例外は、吸血行為や新たな吸血鬼の創造に関する規制を受けるヴァンパイアと、リッチだけである。ほぼすべてのリッチは人間が悪とみなす倫理観の極致で活動しているが、その悪が違法行為として表面化しない限り、リッチも市民権を得ることが認められている。その理由は、ヴァンパイアと同様に彼らも規制の対象となっているからだ。彼らは歴史、魔導技術、あるいは彼らの積み重ねた知識から恩恵を受ける可能性のあるその他の分野の研究者に対して、協力に応じるよう義務付けられている。こうした要請をあまりに多く拒否した者は、市民権の審問会にかけられることになる。サファイア・シティに存在するヴァンパイアの数は数十人程度と考えられている。リッチは人目を避けることについてさらに心を砕いているが、ドワーフのブランデーに耐性の低いお喋りな市職員の言によれば、彼らの数は片手で数えられるほどしか存在しないという」

――『タイコロスの年代記』


彼らは元々その夜は野営する予定だったが、濡れた服と戦闘のストレスを考慮し、わずかに遠回りをして宿を探すことに決定した。地図には彼らのルートから五マイルほど外れた場所に、大きな村か小さな町と思われる「バーレイトン」という場所が記されていた。


バーレイトンには確かに宿があったが、部屋数がほんのわずかだったため、相部屋にならざるを得なかった。ヘルギとアバナシーが一つの部屋を取り、ベイツとレザが別の部屋、クラリッサとルシンダが三つ目の部屋、そしてゴルトゥクが四つ目の部屋に入った。ミノタウロスは単に小さなベッドを壁に立てかけ、床をできる限り快適に整えた。彼はルシンダに部屋に来て手伝ってくれるよう頼んだ。食らったフレイルの一撃で軽い損傷を受けたかもしれないと感じていたが、彼の見立ては正しかった。打撲傷といくつかの固まった血があり、ルシンダはそれをきれいに拭き取った。


「見たところ大部分は鈍器による衝撃で、数日かそれ以上は痛みが続くでしょうね。でも、フレイルの突起のうち二箇所が皮膚を破っているから、この二つの小さな穴を清潔に保つことが重要よ。手当てをしないまま何時間も馬を走らせたから、感染症のリスクが本当にあるわ」彼女は言った。「今夜はこの湿布を貼っておいて。明日、甲冑の下でズレないでいてくれるかは分からないけれど、少なくとも今は助けになるはずよ」彼は頷き、彼女に感謝した。


アバナシーはクラリッサに短い散歩に付き合わないかと声をかけた。驚きながらも、彼女は彼の後に続いて外へ出た。


「ただ君の様子を確認したかったんだ」彼は言った。「あれが君にとって初めての本当の死闘だったのかは分からないが、実に苛烈だった」


「背中の具合はどうだ?」ルシンダが尋ねた。


「意識すればかすかな痛みが響く程度だ」彼は答えた。「ここへ降りてくる途中で宿屋の主人とすれ違ってね。長話で耳が痛くなるほどだったよ。ミノタウロスと会話したという自慢話を友達にしたいだけだったのだろう」彼はしばし言葉を切った。「まあ、その無駄話と喋り倒しの中から、一つだけ興味深い話が出てきた。ポロリア帝国で内戦のようなものが起きているらしい。政府がユーティ教徒を弾圧しており、それが暴力沙汰に発展しているのだそうだ。同胞のポロリア人に剣を向けるくらいならと、軍から脱走した者たちもいるという。アンドどうやら、その中にはろくでもないならず者の脱走兵も混ざっているようだ。宿屋の主人が言うには、もし見つかっても、軽い処罰で済むか、あるいは無罪放免を期待して、他の者たちと同じように良心的兵役拒否者だと主張するつもりだろうとのことだ。だが本題はここからだ。そうした脱走兵の一部が国境を越え、麦の王国で問題を起こしているらしい。襲撃の報告も上がっている。ポロリア軍の紋章を知っているか訊ねてみたが、見たことがないと言っていた」


「あり得ない話じゃない」レザが言った。「規律の行き届いた訓練された精鋭なら、そんな真似はしない。昨日俺たちが戦った雑魚どもは多少の腕っ節や小細工は知っていたが、まともな兵士じゃなかった。脱走した新兵の可能性は十分にある」


「内戦というのはコブラのようなものだ」アバナシーは言った。「どちらの陣営に身を置いていようと、遅かれ早かれ噛みつくことになる。ポロリアからは遠ざかっていたいものだな」


「俺たちの進路なら、国境から十マイル未満に近づくことはないはずだ。ノロヴィアに入るときに使おうとしているルートと同じ道を通って出られるだろう」レザが言った。


「よし。すでに五マイルも遠回りしていて本日の予定より遅れている。荷物をまとめて出発しよう」アバナシーが言った。


前日の雨のおかげで、気温は心地よい涼しさまで下がっていた。可能な限り彼らは幹線道路を進んだ。麦の王国が非常に良好な状態に整備している道だ。彼らは空の荷車や荷物を満載した荷車を引いて両方向へ行き交う農民や商人たちとすれ違った。途中で小規模な軍の巡回部隊とすれ違う場面もあった。先頭の兵士が速度を落とし、彼らを素早く品定めするように見つめると、すれ違いざまに丁寧な手振りで挨拶を送ってきた。


レザは昼食の休憩を取る前に、特定の交差点――かなりの大通りが交わる場所――に到達しておきたがっていた。指定の場所に到着すると、商魂たくましい誰かがまさにその場所に酒場を建てているのを見て、全員が嬉しい驚きを覚えた。看板には『ワゴン・ホイール亭』と掲げられており、外観は数多くの車輪のほか、さまざまな農具や作物の絵で飾られていた。


「昼食にはこれ以上の場所はないな」アバナシーが言った。他の者たちも同意した。表にはすでに何頭かの馬が繋がれている繋ぎ柱があったため、彼らも手綱を固定して店内に足を踏み入れた。建物の内部は外観とよく似ており、意図的に素朴な造りになっていて、麦の王国の農業的な風情を表現するように飾られていた。テーブル席に座る者もいれば、カウンター席に座る者もいた。


彼らは静かな角にある空きテーブルを見つけた。ゴルトゥクは側面に肘掛けがついた椅子を見つめ、それからスツールがずらりと並ぶカウンターへと視線の向きを変えた。


「俺はあまり腹が減っていないんだ」ミノタウロスは言った。「それに、この椅子にはどう立ち回っても納まりそうにない。カウンターに座ってエールでも少し飲むよ。スツールを二つ使えば俺の体を支えられるだろう」


「私も腹が減っていたから、道中で少し食べたんだ」ベイツが言った。「手早く済むものを頼んで、それから合流するよ」他の者たちはテーブルにつき、注文を取りに来てくれるのを待った。


彼らが食事をしていると、異様なほど肥満体の男が、五フィートに数インチ届かないほどの小柄な女性を連れて入ってきてカウンターに腰掛けた。一方で、一人で食事をしていた身なりの良い男が立ち上がって店を出て行った。それからしばらくして、誰かが扉から入ってくると、店内のざわめきが急速に静まり返った。


その男は人間のように見えたが、あまりにも巨大だった。ゴルトゥクと同じくらいの背丈があり、体格もほぼ同じくらい頑丈に見えた。彼の筋肉にさらに筋肉がついていると言っても、決して大袈裟ではなかった。一つひとつの筋肉が恐ろしいほど際立ち、発達していた。彼が着ているゆったりとしたタバードは、頭を通すための大きな穴を開けた折りたたみの布きれに過ぎず、穿いているドワーフの戦闘用スカートはドワーフ二人分が余裕で入るほどの大きさだった。髪は頭皮のすぐ近くまで短く切り揃えられており、同様に口髭と顎髭も極限まで短く刈り込まれていた。髪の色はソバ色の金髪で、陽気そうな目は鮮やかな緑色をしていた。武器は携行していなかったが、非常に小さく、極めてぶ厚い金属製の盾が両腰のループから吊り下げられていた。


何人もの客が開いた口が塞がらない様子で露骨に凝視していたが、ハッと自分を取り戻すと、急に床板や天井に深い関心を示し始めた。ピタリと止まっていた会話が再開されたものの、声量は落ち、どこか遠慮がちだった。男は気安くカウンターの方へ、ゴルトゥクのいる方向へと歩を進めた。レザは素早く唇を舐め、手をすぐに動かせるよう構えた。ベイツはさりげなく腰元に手を伸ばし、小さなポーチを取り出した。


男はゴルトゥクのすぐ隣にあるスツールを二つ引き寄せ、不器用に腰掛けた。木がギシッと大きな悲鳴を上げた。男が手のひらでバンとカウンターを叩くと、給仕の女がチュニックで落ち着かなげに手を拭きながら急いで駆け寄ってきた。


「やあ、お姉さん。俺に質の悪い悪酒のボトルを一本くれ。それと、ここにいる俺の兄弟分に好きなものを一杯奢ってやってくれ」彼はゴルトゥクに向き直った。「デカい男同士、助け合わなきゃな?」彼は微笑み、手入れの行き届いた異常なほど白い歯を覗かせた。


「ありがたい」ゴルトゥクはほんのわずかに躊躇しながら言った。彼は給仕の女に向き直った。「俺もその質の悪い悪酒を飲んでから久しい。懐かしい思い出が蘇るかもしれん。俺もそれを一本もらおう」


「かしこまりました。ですが、お客様方のお気に召すような上質な酒もご用意しておりますが」と彼女は言った。巨漢が首を振ると、彼女はボトルを取りに大急ぎで立ち去った。


「お前と戦ってみたいんだ」巨漢はさらりと言った。ゴルトゥクは驚きもせず、薄く微笑んだ。「どこへ行ってもそればかり言われる。お前も同じだろう。誰もがデカい奴を倒して名声を上げたがる。たとえ負けたとしても、生きてさえいれば自慢話にできるからな。それでも奴らはやってきて、開口一番『お前と戦いたい』だ。『やあ、はじめまして』なんて言葉は一度だって聞けない」


「俺もそういう目にばかり遭っている」ゴルトゥクは慎重に言った。「それと、単にミノタウロスが嫌いだからという理由で喧嘩を売ってくる連中もな」


「豚の金玉だ!奴らなんぞ!」巨漢は苦々しい顔で手を横に振り、吐き捨てた。「お前の標準語は俺のと変わらんくらい達者だぞ! 中には俺を人間として扱わない奴らすらいる。ただの背の低い巨人だの、異常に男前なハーフオウガだの、くだらん妄想ばかりだ。さもなければ、チュニックに詰め込まれたただの間抜けな筋肉の塊扱いだ。俺たちくらいデカい奴は全員バカに決まってる、とでも思ってやがるんだろ?」


今度のゴルトゥクの笑みは本物だった。「それは俺にとって都合がいい。見くびられている方がやりやすいとすら思う。俺をバカだと思い込んで利用しようとしてくるとき、俺は万全の準備で迎え撃てるからな」


給仕の女が二本のボトルを持って戻り、素早く栓を抜くと自分の仕事へと戻っていった。巨漢は彼女の背中に向けて礼を言った。彼はぐっと大きく一飲みし、ボトルをカウンターに戻した。レザは体の力を抜いたが、その二人から目を離さなかった。ベイツはポーチを仕舞い直した。


「両方正解ですよ」彼女は短く神経質な笑いを漏らして言った。「あんな経験をした後に、ただいつも通りの一日を続けられる人がいるなんて驚きです。正直に言うと、今は温かい毛布とワインのボトルを持って、小さくて暗い部屋で一人で過ごしたい気分です」


「消化するには多すぎる出来事だからな」彼は言った。「私も昔々、冒険者パーティに所属していたことがある。人間、亜人、怪物、野獣、いろんな者を殺した。それが仕事の一部だった。その後、私は他者を助けることに身を捧げた。サファイア・シティを立ったとき、私には自分がまだ人を殺せるかどうか分からなかった。当時の感覚として、それが驚くほど容易だったことに正直驚いている。そしてそのことが今、事後の余韻の中で私を複雑な気分にさせているんだ」


「私に言えるのは確実に、トウモロコシ畑の中に横たわっている死体が私たちではなく、奴らで良かったということだけです」彼女は言った。


「同感だ。奴らは交渉の機会すら与えてくれなかった。殺すか殺されるかだったし、私は君たちの誰一人として殺させるつもりはない。私自身も含めてね」


大きな犬を散歩させている女性が角を曲がり、反対方向から彼らの脇を通り過ぎた。アバナシーは、その女性と犬が立ち去るまでクラリッサと天気の話しをし始めた。


「差し支えなければお聞きしたいのですが」彼女は言った。「どうしてベイツを選んだのですか? 彼はあまり経験がなさそうですし、こういう事態に向いているようには見えません」


「急な頼みにもかかわらず、快く来てくれたんだ。本当に出発直前の依頼だった。彼は私たちが確保できた中で最も術者に近い存在なんだよ。それに私が観察した限り、今日の彼はよくやった。ファイアボールやライトニング・ボルトこそお目にかかれなかったが、あのスズメバチはルシンダの命を繋ぐためにその役割を果たしてくれた。彼はこれまで暴力にあまり晒されてこなかったのだろう。後で彼の様子も見ておくつもりだ」


「そうしてあげてください。彼は優しい人のようですから。彼にもワインのボトルと毛布が必要かもしれませんね」


「そうだな、ただレザからはそのどちらも手に入らないだろうがね」アバナシーは苦笑しながら言った。「ところで、腕の調子はどうだ? ルシンダが手当てしているのを見たが」


「今のところは大丈夫ですが、最初の機会にちゃんと診てもらいたいです。虚栄心に聞こえるかもしれませんが、本当に痕を残したくなくて。宿で聞いてみたのですが、この町にはそういったことを扱える人が誰もいないみたいで」


「分かった、もちろんだ。治療できる者が見つかり次第、時間を作ろう。ということは、もう少し私たちと一緒に旅を続けてくれるのかな?」


「もちろんです」彼女は言った。「私を置いていかないでいてくれるなら」


「喜んで。それで、もう少し話すかい? それとも部屋まで送ろうか?」


「戻りましょう」クラリッサは言った。「気にかけてくれて本当にありがとうございます。ルシンダと私はたぶん少しお喋りをしますし、ワインも持ってきていますから。飲みすぎないようにはしますけれど」二人は歩いて戻り、クラリッサを部屋まで送り届けた後、彼はクリヴィントンの部屋のドアを叩いた。レザが出た。


「やあレザ。大丈夫かい?」


「問題ない。トウモロコシ畑の中にいるのは好みじゃないな、俺の調子が狂う。だがもっと酷い状況で戦ったこともある。素人がこれだけ揃っていたことを考えれば、俺たちの側の負傷者がこれだけで済んだのは嬉しい驚きだ。うちのグループは大したものだったよ」


「まったく、その通りだな」アバナシーは言った。「君が元気そうで良かった。ベイツの様子も見ようと思ってね」


「あいつならもう寝ている。部屋に落ち着くや否や、床に寝袋を広げて小さな小瓶から数口あおっていた。五分後には完全にノックアウトだ」


「それが最善の選択だったかは分からないが、おそらく最悪の選択でもなかったろうな」アバナシーは言った。


「怪我の功名で、俺がベッドを使えるってわけだ」レザは言った。


「どうやらそのようだな。では、邪魔しないでおくよ。ただ一つ頼みがあるんだが、彼が目を覚ましたら気をつけて見ていてやってほしい。彼が間近で激しい暴力を目にしたことがあるかは分からないから、今日の出来事は彼にとって少々応えたかもしれない」


「もちろんだ、友よ。この旅で彼がこれ以上そんなものを見ずに済むといいんだが」


「そうなれば素晴らししいな」アバナシーは答えた。手を振ると、彼は向きを変えて自分の部屋へと向かった。そこでは、二人用には作られていないベッドに自分とヘルギの両方を収めようとする、それほど不快でもない難題が待っていた。


宿では質素な朝食が提供され、彼らは目が覚めてダイニングエリアへ移動するにつれて、一人、また二人とバラバラに食事をとった。ゴルトゥクはいつも最後に到着した。彼が食事をしないことが目立たないようにするためだ。


「おはよう」彼はそう言うと、二つのスツールを引き寄せ、その両方の上に不器用に腰を下ろした。


「分かるよ」巨大な男は言った。「ヴェスプッチアにはこんな言葉があってね。『一目置かれる男になりたければ、一目置かれた男を倒さなきゃならない』。俺たちと戦うことで自分の人生が何か変わると思っている奴が多いんだろうな。勝てば急に自分が魅力的に、ハンサムでカリスマ的になり、友達も金も手に入り、吐く息は良い匂いになって足の爪まで綺麗になるとでも思っているみたいに」


「相手がなぜ頑なに戦いを挑んでくるのか、正直さっぱり分からないときがあるよ」ゴルトゥクは言った。「ごくたまにまともな挑戦者もいるが、大半は五秒ともたない口先だけの奴らだ。仇討ちの因縁を残さないよう、殺さずに叩きのめすのに時間をかけなきゃならんのが面倒なところでね。もちろん」彼はひと呑み煽ってから言葉を続けた。「どうにもならないときもあるが」


巨漢は頷いた。「俺が一番嫌なのは、母親と子供だ。妻ならまだいい。名声を売るためだけに初対面の相手を襲うような男なら、いなくなっても妻の心の中に未練なんて残りやしない。まあ、これからの生活費はどうしてくれるんだと一目散に詰め寄ってきて、金でも恵んでもらおうとするポーズくらいは見せるがね。父親なら理解してくれる。もっとも、こちらが殴り返してこないと高をくくったジジイなんかは、大声で呪詛の言葉を吐きかけてくるが。だが母親って奴は、戦いを仕掛けたのが自分の愛しい息子だとは絶対に認めたがらない。自分の赤ん坊を殺した大柄の化け物であるこちらが悪者にされるんだ。それから子供……子供には何も言えたもんじゃない。『悪いなボウズ、お前の父親はクズだったんだ』なんて。さすがの俺でも、そこまで無神経じゃない」彼はため息をつき、もう一口大きく酒をあおった。


「名前を聞いてもいいか?」ゴルトゥクが尋ねた。


「友達はフルディンと呼ぶ。俺の部族の言語は他国人には発音しにくく、名前も少し長いから、フルディンでいい」


「俺はゴルトゥクだ」ミノタウロスは手を差し出しながら言った。握力の密かな比べ合いになるのだろうと覚悟したが、嬉しいことに、フルディンは力を誇示することなく、緩やかだがしっかりと手を握り返してきた。


「会えて嬉しいよ、ゴルトゥク。お前を見た瞬間、話の通じる奴だと分かった。『お前の悩みを分かってくれる奴がここにいる』って自分に言い聞かせたよ。俺たちの体内にある炉の火を燃やし続けるために、常に食い続けなきゃならないこととかな。そういえば、俺の分のアヒルは残っているか? それとも俺が来る前に平らげてしまったか?」彼は満面の笑みを浮かべて尋ねた。


「俺は食べ物に好みがあってね。あんたが食う分は十分に残っているはずだ」フルディンは給仕の女に手招きした。


「チキンを二羽頼む」


「チキンを二人前ですか? それとも、まさか……」


「丸ごと二羽だ。当然、火を通した奴な。二人前で何個分になるか計算して、俺のツケにしておいてくれ。首を切り落とす必要はないぞ。それも食うからな」彼は言った。彼女は頷き、厨房へと慌ただしく引っ込んだ。


「訊いてみたいのだが」ゴルトゥクは言った。「俺たちのような生き方をしていて、化け物一歩手前の扱いを受け、見知らぬ奴らから絶えず絡まれ攻撃されながら、どうしてそこまで気さくな性分を保っていられるんだ?」


「選択の問題さ」フルディンは言った。「他人が投げつけてくるものを受け止めて短剣のように胸に突き刺し、自分をひねくれた、人間不信の、怒りと諦めに満ちた奴に変えてしまうこともできる。あるいは、他人の拳のように弾き飛ばして、不快ではあっても自分を変えるほどの力はないものとして扱うこともできる。誰かに化け物と呼ばれたとき、そいつらが間違っていると証明するか、正しかったと証明するかを決めるのは自分自身だ。あんな惨めな奴らに自分を変える力を与えちゃいけない。俺たちの地方には格言があってね……標準語でどう言うか考えさせてくれ。そうだな……一粒一粒の雨粒が山を削ることはできても、山を倒すことは絶対にできない、みたいな感じだ。翻訳すると少し味が落ちるな」


「いや、言いたいことは分かると思う」ミノタウロスは言った。「昔は俺も腹を立てていた。人間に酷い憎しみを抱いていたから、人間がほとんどいないような場所で数年過ごしたこともある。それから傭兵の仕事を始めて人間と働かざるを得なくなったが、大半の奴らは俺をま当に扱ってくれた。そうじゃない奴らのことなど気にするのをやめたよ。今ではたまに顔を出してイラつかせる、歯痛のような日常の一コマに過ぎん」彼は深酒を口にした。「今、俺を怒らせるのは、それが仲間を危険に晒すことだ。ミノタウロスと戦いたがる奴のせいで、仲間が危険な状況に巻き込まれる」


フルディンは頷き、真剣な表情を浮かべた。「正直、俺もまったく同じ問題を抱えている。若くて実家にいた頃は大した問題じゃなかった。友達みんなが……ああ、何て言えばいい? そうだな……若さに満ち溢れていて、どっちみちいつでも戦いたがっていたからな。だから誰かが挑発しに来ても、俺が答える間もなく友達の一人が勝ち鬨を上げてそいつに突っ込んでいったものさ。俺はまるで珍しい綺麗な馬を持っている子供みたいなものだった。その馬目当てで女の子が集まってくるから、みんなが友達になりたがる。ただ俺の場合は、女の子じゃなくて喧嘩を引き寄せたんだがね。もちろん、今は違う。大人になって外の世界に出れば一線を超えれば生か死かだ。周りの人間にそんな重荷を背負わせるわけにはいかない」


「それで、どう対処しているんだ?」ゴルトゥクが尋ねた。


「基本的には一人で過ごすようにしている。頻繁に移動し、一箇所に長居せず、誰とも親しくなりすぎない。どうしても誰かと旅をしなきゃならないときは、宿で同じテーブルにつかないし、酒場にも一緒に行かない」彼は言葉を切り、アバナシーたちのテーブルの方向へ顎をしゃくった。「お前は仲間と一緒に座っていないようだが、向こうは向こうで盗み見しながらうまく警戒しているな」


「椅子に肘掛けがついていて納まらないんだ。スツールに座る方が楽だっただけでね。普段は座れるなら一緒に座る。あんたのやり方は随分と寂しそうだ」


「いや、新しい出会いがたくさんある。今日のお前のように、素晴らしく骨のある奴にも会える。次にいつ道が交わるかは分からないが、お前に会えて良かった。だから今日は良い日だ」


給仕の女が、注文通り首がついたままの丸焼きのチキンを運んできた。「二羽目はあと十分ほどかかります」彼女は申し訳なさそうに言った。


フルディンはチキンを指差した。「ゴルトゥク、食いたければ食えよ」


ミノタウロスは首を振った。「俺たちは自分で狩ったものしか食わないんだ。だが、お気持ちはありがたく受け取るよ」巨漢は肩をすくめるとチキンに手を伸ばし、その大きな手で軽々と全体の半分近くを引きちぎった。分厚い皮を一枚のシートのように剥ぎ取って先に平らげると、それから肉に取りかかった。


「それで、どうやって生計を立てているんだ?」ゴルトゥクが尋ねた。フルディンは噛み砕き、飲み込み、質の悪い悪酒で流し込んだ。


「いろいろだな。護衛として商隊に雇われることが多い。用心棒の仕事もやる。雇い主が自分の金の力を見せつけたがることがあるから、そういう仕事は面白いぞ。誰かが雇い主や俺にトラブルを仕掛けてきたら、手早く残虐に終わらせろと命じられる。闘技場が盛んな街にいるときは、数週間ほど戦うこともある。武器も悪くないが、素手での殴り合いの方が好みだ。時には、他の奴らじゃ重すぎて動かせないものを引っ張ったり、押したり、持ち上げたりする仕事で雇われることもある」彼の歯が再び大きな肉の塊を噛みちぎった。


「ということは、戦うのが好きなんだな?」


フルディンは手でジェスチャーを作ったが、ゴルトゥクがそれを知らないと見ると、話せるように口を早く動かして噛み砕いた。そしてついに言った。「俺が戦いを終えることに満足感を覚えるのは、自分から戦いを始めることが滅多にないからだ。だから誰かの両腕を叩き折ったとしても、それは俺がデカさと腕力を使って無辜の民を脅かしているからじゃない。誰かが商隊を襲ったか、俺の雇い主を殺そうとしたか、俺と戦うと言って聞かなかったからだ。人生が完璧なら、戦う必要なんてない。だがまあ、それが俺の皿にチキンを乗せてくれているわけだし……どうだろうな」彼はニヤリと笑うと、再び食事に没頭した。


「俺は傭兵として働いているし、時には一人で冒険に出ることもあるから、戦う機会は多い。得意ではあるが、暴力に対して喜びも覚えないし、気にも病まない。どうせ起きるものだからな。ただ、俺は最後に生き残って歩み去る側でありたいだけだ」


「その通りだ」フルディンは口から小さなチキンの欠片をこぼしながら言った。「もし俺がどこかの金持ちの嫌な奴を護衛しているとするだろ。奴がその過程で数人の間に遺恨を残さずに金持ちになれたわけがない。そいつが護衛を雇う必要性を感じているなら、誰かが命を狙いに来るはずだし、俺が護衛だろうと他の奴が護衛だろうと、その戦いは起きるんだ」


ゴルトゥクは頷いた。彼は少し身を乗り出した。「俺の価値観はそうだとしても」ミノタウロスは静かに言った。「戦闘となると、時々勝負欲のようなものを感じてしまうのは認めざるを得んな」


「当たり前だ!」フルディンはカウンターを手のひらで叩きながら声を上げた。「それがこの商売全体を陰惨にしすぎない救いになるんだ。それで、お前のライバルは……」彼は再びアバナシーたちのテーブルに視線を送った。「まあ、あの背の高い女性も手強そうだが、お前が自分と比較しているのはあの鳥の男だな」


「俺ならそういう言葉選びはしないかもしれんが、まあ、彼が普段俺と一緒に前線に立つ人間だな」


フルディンは頷いた。「小柄で、引き締まっていて、怠りがない。俺たちを一番観察しているのはあいつだ。俺がそいつを刺激するような真似をすれば、あいつは残像のような動きを見せるだろう。小さな刃物、無数の突き、急所への切りつけ、もしかしたら毒も使うかもしれない。そんなところだろ?」


「その通りだ。彼は優秀だよ。味方にいてくれて嬉しい存在さ」


「デカい男をやっているときは、素早い奴と組めるならいつだってありがたいものさ。それで、あの鳥はどうだ? あいつも同じように戦うのか?」


「ああ」ゴルトゥクは言った。「屋外なら、信じられないほどの速度で急降下できる」


フルディンは笑った。「そいつは予期できないだろうな。そんなのに不意を突かれるところを想像してみろよ!」


二人はフルディンの二羽目のチキンが届くまで会話を続け、届いたチキンにも彼は一羽目と同じくらいの熱量でかぶりついた。その頃には、二人は戦いの思い出話を語り合っていた。


「俺はただ親指で押し続け、手で絞め続けたんだ」フルディンは最後のドラムスティックを手に持ちながら言った。「すると突然、ピキッと音がした。あるいはポンッだったかもしれん。とにかく奴の髑髏が持ちこたえられなくなって破砕し、それで終わりさ」


「俺はそれはやったことがないな」ゴルトゥクは言った。「もちろん、大槌で奴らを肉こねにしてやったことはある。素手で骨を折ったこともある。だが、頭蓋骨を押し潰したことはないな」


「今日はまだ終わっていないぞ」フルディンはニヤリと笑い、ドラムスティックを大きく一口かじった。アバナシーが彼らの方へ歩み寄ってきた。


「フルディン、こちらは俺の良い友人である澄徹のアバナシーだ。アバナシー、こちらがフルディンだ」二人は握手を交わした。


「このイカれたミノタウロスを大切にしてやってくれ。グループに彼がいてくれて幸運だな」巨漢は言った。


「その通りだ」アバナシーは言った。「話し相手になってくれて感謝する。座席の都合で、彼が私たちから切り離されてしまうことが時々あってね」


「同情するよ、まったく」フルディンは言った。「大きな人間のための椅子をいくつか置いていないすべての宿屋に、湯気の立つドブネズミの小便バケツ一杯のお見舞いをだ!」


「ゴルトゥク、そろそろ出発しなければ」アバナシーが言った。ミノタウロスは頷き、慎重にスツールから立ち上がった。


「自分の悩みを理解してくれる誰かと話せる機会は滅多にないからな」ゴルトゥクは言った。それからアバナシーの方を見て、慌てて付け加えた。「つまり、俺の悩みを身をもって経験している誰か、という意味だ。会話を楽しめたよ」彼はフルディンに向かって言った。


巨漢は立ち上がり、ゴルトゥクの肩に手をぽんと置いた。「言ったろ、お前に出会えたことで今日は良い日になったとさ。たとえ後で誰かの頭蓋骨を潰すことになろうともな。幸運を祈るよ、ゴルトゥク」


「あんたにもな、フルディン。また道が交わらんことを」


外に出ると、ゴルトゥクは塩漬けの魚を取り出し、馬に跨がりながら素早く平らげた。


「楽しそうにしていたから、邪魔しないでおこうと思ったんだ」ベイツが言った。


「ああ、楽しかったよ」ゴルトゥクは言った。「だが次回は遠慮なく混ざってくれ」


一行が動き出す前に、彼は二匹目の魚を平らげた。日が暮れる前に、彼らにはまだ走破すべき道のりがあった。






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