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ミノタウロスの狂乱と毒刃の舞:トウモロコシ畑の死闘


「世界の葬礼の中でどれが最も贅沢かを決めるには、まず各自の価値観を定義しなければならない。旅路の長さに関わらず全ての友人や家族が参列することか? 装飾の華やかさと珍しさか? それとも単にかかった費用か? どのように定義しようとも、ゼドリア国の『蒼穹葬』に対抗するのは困難である。世界でも数少ない石炭資源に恵まれた国家の一つとして、同国は高い生活水準を誇り、その上流階級の頂点は底知れぬ財力を有している。約50年前、ケル=キントックという名の若い竜がそこに巣を作ることを決め、直ちに地元の家畜を襲い始めた際、マルドシウス皇帝は指輪ひとつで雇えたはずの熟練冒険者パーティを差し向ける代わりに、使者を送って交渉させた。竜が領土を示すために毎週決まった回数の飛行を行う代わりに、人々や動物を襲わないことで合意したのだ。見返りとして、必要なすべての食料と、竜が最も切望するもの――ルビーが与えられた。ケル=キントックの目撃情報に対する懸念の報告が入ると、皇帝の執務室は、強大な竜でさえマルドシウスに従っているのだから心配いらないという返答を出した。それは強い権力の誇示であった。12年後、皇帝の寵愛する叔父が亡くなった。上流階級の家族は故人を石炭の薪炭に載せることが多かったが、マルドシウスは特別なものを望み、ケル=キントックに極上のルビーを贈った。葬儀の日、集まった群衆の前に竜が降り立ち、全員を大きな衝撃と驚愕に包んだ。竜は慎重に遺体を爪で掴むと、空へと飛び立った。下の参列者たちは息を呑み、声を上げ、数人は実際に気を失った。人間の体が地上からかろうじて見える距離に達した時、竜は遺体を空中に放り投げた。遺体が頂点に達して下降し始めると、竜は顎を開き、力強い咆哮とともに炎を吐き出し、遺体が自分の上に落ちてくる前に灰へと変えた。三度の力強い羽ばたきにより、灰は散らばり、何千もの灰色の蝶のように宙を舞い、風に乗って国のあらゆる場所に漂っていった。後年、皇帝の寵愛を受け(かつ十分なルビーを手に入れられる財力を持つ)者たちも、愛する者のために蒼穹葬を交涉できるようになった。今なお非常に珍しく、それこそが世界で最も贅沢な葬送とされる所以かもしれない」――『タイコロスの年代記』より


街道に出る頃には、天候は悪化していた。足を止めるほどの激しい雨ではなかったため、一行は冷え込みがないことだけを幸いに、絶え間なく降る小雨の中を馬を進めた。整備された幹線道路だったため、馬の足取りが鈍ることはなかった。そのまま数時間を過ごすうち、一行はすっかり濡れ鼠になっていた。やがて、見渡す限りの平らな農地の中央に、なぜか不自然に佇む木々の立ち枯れに遭遇し、アバナシーは少しでも雨をしのぐために一時停止を呼びかけた。


冷たい昼食を摂り、アバナシーが回した酒の瓶から少量の強い酒を飲んだ。「身体を温めるために、ほんの数口だけだ」と彼は言った。名残惜しそうに木々のささやかな保護を離れ、彼らは再び騎乗した。一時間ほど経った頃、レザが馬のペースを少し上げ、前方に進んだ。ようやく雨をあとにしたのだった。彼は減速し、しばらく足を止めた。突然彼が拳を突き上げると、他の面々も立ち止まった。彼はあたりを見回し、トウモロコシや小麦の畑をじっと見つめてから、一行のもとへ引き返してきた。


「この先の街道に女もののブラウスが落ちている。破れていて、血が少しついている。何週間も放置されていたものかもしれないし、故意に捨てられたものかもしれない。だが、最近の不穏な事件の痕跡という可能性もある。全員、気を引き締めて進もう。道はこの先二、三分でカーブしている。向こう側に何があろうと対応できるようにしておくんだ」


一行はそれぞれ警戒を怠らず、いつでも武器に手を伸ばせるよう身構えながら進んだ。道の曲がり角に達すると、足取りを緩めた。少し先で、荷車が横転していた。それを引いていたであろう動物たちの姿はなかった。グラーブはモールを抜き、他の者たちも武器を構えた。荷車に近づくと、難破した残骸から女性の靴をはいた足が突き出ているのが見えた。レイピアを手に、アバナシーは突然馬に鞭をあて、荷車の脇へと駆け寄った。


「女性がいる!」と彼は叫んだ。彼女は肩ほどの長さのソバ色の金髪をしており、雨でべっとりと固まっていた。上半身は裸で、深く濡れた濃い茶色の質素な農民のスカートだけを身につけていた。彼女の目は閉じられていたが、アバナシーの声を聞いてうっすらと開いた。


彼は馬から飛び降り、旅用コートを脱いだ。彼が近づくと、彼女はビクッと体を強張らせ、恐怖の表情を浮かべたが、彼は自分の上着で彼女を覆った。


他の者たちも一列になって荷車の回りにやってきた。荷車が道を塞ぎすぎていて、二頭並んで進むことができなかったのだ。ヘルギはすぐに馬から下り、女性に水を与えた。


「ミランダ?」ヘルギが水筒を唇に当てると、女性はそう尋ねた。


「違います。私たちは旅の者ですが、あなたを助けます。もう危険はありません」


女性は水を少し飲むと、弱々しく尋ねた。「ミランダはどこ?」


「ここにはあなたしかいません」とヘルギが言うと、女性は悲痛な声をあげて泣き崩れた。


「娘のミランダが……豆を届けて帰る途中だったんだが、奴らが……あんなことが起きるなんて。奴らは馬を欲しがってたんだが、娘を見た途端……頼み込んだのに、全く効かなんだ。杖を持って戦おうとしたが、おんらも見ての通りさ。娘はあのトウモロコシ畑に逃げ込んで、奴らが追いかけていった。起き上がろうとしたが痛みがひどくて、荷車まで辿り着いて気を失っちまった」


レザがあたりを見回した。道路の片側で、幅七、八フィートほどのトウモロコシの茎の列が荒らされており、多くがなぎ倒されたり完全に折れたりしていた。


「奴らは何人だ?」と彼は尋ねた。


「たった三人さ」と女性は言った。「だが私らには多すぎた。もうとうに居なくなっちまったよ。事件が起きた時は雨すら降ってなかったんだ。でもミランダは……連れて行かれずに済んだかもしれん」


「折れた茎の跡はそれほど奥まで続いていない」とアバナシーが言った。「中に彼女がいるか見てみよう」


「神々よ、どうか娘を生かしてください」と女性は言い、すすり泣き始めた。レザは馬に乗ったままだったが、残りの者たちは馬から下りた。


「中にいたとしても、私には助ける技術も運ぶ力もありません」とクラリッサはヘルギに言った。「私はここに残って、この方を見守ります」ヘルギは頷き、トウモロコシ畑へと入っていく他の者たちに加わった。


レザは彼らが入っていくのをじっと見つめていた。「奴らは道路の真ん中で馬を奪ったのか?」と彼は尋ねた。


「図々しくもな。それで私が抵抗しようとした後、荷車をひっくり返したんだ」


「馬がパニックを起こして逃げ出そうとはしなかったか?」


「いや……そうじゃなかったと思うが」と彼女は一瞬困惑した表情を浮かべた。


「お前の馬が道を外れず、荷車も道を外れなかったとしたら、一体何が八フィートもの幅でトウモロコシの茎をなぎ倒したのか考えていたんだ。うちの仲間が入っていってもその八フィートの端には届いていないし、その中にはオーガもいる。荷車が入っていったように見えるな。あるいは、そこから出てきたか」


「気が狂って倒れた後のことは分からんよ」と女性は眉をひそめた。


「クラリッサ、こっちに来て馬から下りるのを貸してくれないか?」


「えっ?」と彼女は困惑して尋ねた。探りを入れるように首を振り、「もちろんです、何でも言ってください」と言った。


突然、女の手がクラリッサの左腕を掴んで引き寄せ、もう片方の身を横たえていた手から短剣を取り出した。


「待ち伏せだ!」レザが叫んだ。


「この小娘を殺してやるよ」女は唸るように言った。「今すぐその馬から下りて、手が見えるようにしな」


「お前は彼女の片腕しか掴んでいない。もう片方の腕で初撃を防がれる可能性が高いし、その後に俺がお前を殺す」レザは言った。「今すぐ彼女を放すことが、お前がここで死なずに済む唯一の希望だ」


女は鼻で笑った。「外しはしないよ。それに、お前がその馬から下りてここまで助けに来るより速く刺してやるさ」クラリッサは一瞬抵抗したが、女の握力が驚くほど強いことに気づき、強く引っ張りすぎると故意に、あるいは事故で刺されるかもしれないと恐れた。


「無駄話は終わりだ。今すぐ彼女を放せ。さもなければ虫の餌にしてやる」


「今すぐ馬から下りろ。さもなければこの娘を針刺しにしてやる」女が言った。


レザの手が素早く動いた。女はクラリッサに飛びかかったが、攻撃に備えていたクラリッサは女のナイフを持つ腕を掴みつつ、レザが射線を確保できるように距離を取ろうとした。彼女は一瞬その腕を掴んだものの、その過程で前腕を切りつけられた。そして女は再び武器を持つ手を振り払った。


レザの投げナイフの一本が、女の頭からわずか数インチのところで荷車に突き刺さった。二本目が腹部を貫き、女は苦痛の悲鳴を上げた。三本目が肩に刺さり、クラリッサを掴んでいた手が緩んで彼女は横に転がり出た。


「七つの地獄に落ちろ!」女は悲鳴を上げた。


レザはニヤリと笑った。「地獄だと? 奴らはすでに俺を送り返してきたのさ!」射線を遮るものがなくなると、彼は小さな刃を投擲し、それは女の喉に直撃した。血が噴き出し始め、彼女が本能的に刃を抜くと鮮血の噴水となり、数秒で動かなくなった。


「まだ来るぞ」レザは短い三日月刀を抜きながら言った。クラリッサは立ち上がり、両手を震わせながら小剣を抜いた。


「ありがとうございます」彼女は荒い息の下から言った。


「感謝は生き残ってからだ」彼は言った。彼はヌールに命令を下し、鳥は空高く舞い上がった。


アバナシーたちがトウモロコシ畑に入ってそれほど遠くへ進んでいない頃、レザの「待ち伏せだ!」という叫び声が聞こえた。


「道路へ戻れ!」アバナシーが叫び、彼らは引き返そうとしたが、トウモロコシを押し分けて進む他の者たちの音が響き始めた。


「数はこちらが多い。武器を捨てろ!」太い声が叫んだ。ヘルギは足に衝撃を感じ、誰かにタックルされたのだと気づいた。二人はもつれ合って地面に倒れた。アバナシーは彼女の方へ駆け寄ろうとしたが、一人の男がトウモロコシを破って現れ、彼の道を塞いだ。ベイツは運良く、茎の間から自分に向かって振り下ろされる剣を見つけ、両方のトンファーを掲げてその一撃を防いだ。逃げ出したルシンダは、誰かに腕を掴まれ、後ろへ引き戻されるのを感じた。右側に動きを感じたグラーブは向きを変え、巨大なモールを手に頭を下げてトウモロコシの中へ突進した。激しい衝撃が彼の頭蓋骨を揺らし、己の角が何かに突き刺さったのを感じた。


女を片付けると、レザは他の者たちが戦闘なしではトウモロコシ畑から脱出できないと悟った。彼は馬を拍車で進め、畑の中へと突撃した。クラリッサは側面や後方から攻撃できる相手を探しながら、彼の後ろを走った。


襲撃者たちは全員、同じ紋章のついたタバードを着ていた。ヘルメットのデザインは同一で、急所を補強する金属プレートがついた頑丈な革の防具にも統一感があった。騎乗した位置から、レザは九人を数えた。全員が人間で、七人が浅黒い肌、二人がより濃い褐色の肌をしていた。体格と装備から、少なくとも地元の警備隊、あるいはプロの兵士か傭兵だと彼は推測した。彼は、トウモロコシに隠れるほど背の低い他の者がいるのではないかと一瞬疑問に思った。


倒れての上に誰かが乗っている状態のヘルギは、素早くブーツの中の短剣に手を伸ばしたが、相手の方が速く、彼女の両腕を押しつけられた。彼女は相手が素手でどうやって自分を制圧するつもりなのか疑問に思った。彼女は右に身を移してから左に転がり、彼の上に立った。彼女は素早いジャブを放ち、相手の鼻に命中して直後に血が溢れ出た。相手が呆然と横たわる中、彼女は短剣を掴んだが、彼がなぜ自分を押さえつけることだけを気にしていたのかを理解した。剣を手にした二人の男が彼女に迫っていたのだ。彼女は倒れた男を素早く刺そうとしたが、彼はその一撃をかわし、彼女は飛び退いて小剣を抜かざるを得なかった。


アバナシーはそれらに気づかないよう最善を尽くし、目の前の男に集中しようとした。ヘルギを助けるために、素早く彼を排除する必要があった。息を呑み、彼は「光(ライト)!」と唱えた。レイピアの柄にある宝石から赤い光の細い束線が放たれ、男の両目を直撃した。男は悲鳴を上げ、顔をかきむしりながら、安全なトウモロコシの中へと後退しようとした。アバナシーにはその盲目がどれくらい続くか分からず、ヘルギの安全がかかっている以上、リスクを冒す気はなかった。彼は突き進んで男を刺し通し、さらにもう一度刺して、胸と喉に穴を開けた。男は血を噴き出しながら後ろへ崩れ落ちた。


体制を崩したルシンダは、振り向いて襲撃者と向き合った。それは歯が何本か抜けた不快な笑みを浮かべた背の低い男だった。彼は彼女に剣を振ったが、彼女はその軌道の下にかがんでスティレットを抜いた。男はそれに応えて笑った。


「そんな針みたいなもので、俺に傷を負わせられると思ってんのか?」と彼は尋ねた。


「女にそれを言われるたびに硬貨がもらえていたら、あなたは今頃大金持ちね」と彼女は答えた。男の顔は赤くなり、剣を振り回しながら向かってきた。彼の攻撃は洗練されておらず、技巧も反撃の考慮もない力任せのものばかりだった。彼女は攻撃をかわし、相手が隙を見せた時に肩と脇の下を二度刺した。男が後退しようとすると、彼女はその時間を利用して小さな盾を構えた。


ベイツと彼の襲撃者は、お互いの武器の制制御を巡って組み合っていた。剣は木製のトンファーに部分的に挟まっており、剣士が武器を引き抜こうと必死になる一方で、クリヴィントンは引きちぎられまいと戦っていた。その時、ベイツはもう一人の男が剣を抜いて近づいてくるのに気づいた。武器をしっかりと握りしめたまま、彼は集中力を高めて新参者の足元を凝視し、秘術の呪文をいくつか唱えた。男が進み出ると、彼のブーツの前に出来た無色の液体の小さな水たまりですべった。男は仰向けに転倒し、それがベイツに新しいアプローチを思いつかせた。彼は相手の引き寄せる勢いに自分の突進の力を加え、剣士に向かって体を投げ出した。二人が地面に倒れる際、ベイツは剣の先が自分に刺さらないよう必死に誘導した。


「ゴルタックの突進は相手を吹き飛ばし、トウモロコシ畑の奥へと倒れ込ませた。革の防具を貫いた確信はあったが、どれほどのダメージを与えたかは分からなかった。トウモロコシの間から新たに二人、左から男、右から女が向かってきた。背が高く浅黒い肌の男は、他の者よりも良い防具を身につけ、剣ではなくフレイルを手にしていた。ゴルタックは彼が隊長だと踏んだ。挟み撃ちにされるのを避けるため、彼はモールを大きな円を描くように振り回し、両方の敵を後方へ跳躍させた。わずかに体勢を整える余裕ができると、彼は隊長に向かって突進した。男はその巨体からは想像もつかないほど軽快に動き、巧みに横へかわすと、ゴルタックの背中の中央にフレイルの一撃を叩き込んだ。


レザはすでに戦乱の渦中にいた。「ヘルギ、退け!」と彼は叫び、彼女と対峙していた二人の男に向かって馬を走らせた。彼の馬は一人目に衝突して踏みにじり、レザは二人目の男に斬りかかって左肩に大きな傷を負わせた。ヘルギはかろうじて馬の軌道から飛び退いた。前進の勢いそのままにレザはアバナシーへと向かったが、アバナシーにはかわす時間があった。ヘルギは踏みにじられた男にとどめを刺そうと敵の方へ戻ったが、もう一人の男は片腕から血を流しながらも剣を構えて立ちふさがった。


クラリッサは、ベイツが一人の敵と地面でもつれ合っており、もう一人の敵が埃を払いながらその戦いに加わろうとしているのを見た。その男からは彼女の姿がよく見えておらず、そのため彼女の一撃は不意を突く形となった。刃は彼の防具の左側を切り裂き、肋骨を傷つけたが、革防具が衝撃の大部分を和らげた上、クラリッサ自身それほど力がないことも災いした。彼女が剣を引くと、男は脇へ足を踏み出して急に息を呑んだ。肋骨が打撲したか、ひょっとするとひびが入ったのかもしれなかった。


「このクソインキン虫が! 夕食にお前の肝臓を喰らってやる!」彼はクラリッサに向かって進み出た。


ルシンダは、スティレットに塗った毒が遠からず戦況を自分に有利に変えてくれると知っていた。それまで攻撃を食らわないようにすればいいだけだった。


「降伏する機会はあるかしら?」と彼女は別の攻撃をかわしながら尋ねた。


「降伏だ? 俺たちに捕虜なんて言葉はない」と男は言い、フェイントをかけてから剣の先で突いてきた。


「ただ私を逃がしてくれればいいのよ。あなたは友達のところに戻って、この戦いを終わらせるのを手伝えばいい」ルシンダは再び突きを放ち、男はかろうじてそれをかわした。


「そうやって街道を逃げて、仲間を見殺しにし、戻ってきて俺たちの不意をつこうって寸法か? 俺をバカだと思っているのか?」彼はより激しい攻撃で押し込んできた。男がルシンダの動きを見極めるにつれ、彼女の回避の効力は薄れ、盾で防ぐ頻度を増やさざるを得なくなった。


「この人たちのことなんて知りもしないわ。ただ街道を一緒に行って、人数で安全を確保していただけよ」彼女が言うと、男は一歩後退し、膝がわずかに砕けた。彼の目が大きく見開かれ、首を振った。


「毒だと? このドブネズミの糞溜めが」と男は忌々しそうに言った。ルシンダは素早く踏み込み、フェイントをかけ、かがんで間合いに入った。男の反応は鈍く、足元がおぼつかなくなっていた。彼女は刃を男の腹に沈め、素早く喉を切り裂いた。男は数秒間ゴロゴロと音を立て、地面に倒れた。


ゴルタックは突進から向きを変え、自分が貫いた男が傷つきながらも再び立ち上がったのを見た。相手の動きは重く、通常なら容易な標的だったが、ミノタウロスは三人もの敵を相手にしており、そのうち一人はリーダーを務めるに足る熟練者だった。彼は雄叫びを上げ、再び隊長に向かって突進した。突進をそのまま終える代わりに、彼は相手がかわすのを待ち、モールを槍のように前方へ突き出した。武器には鋭利な刃がなく、突く動きには振る勢いが欠けていたが、ゴルタックの体の重み全てが乗った突進の威力が加わっており、隊長を吹き飛ばして息を吐き出させるには十分だった。ゴルタックは前進の勢いのまま叩きつけられた隊長に近付き、跳躍した。両の蹄で倒れた男の上に着地すると、肋骨が砕ける不快な音が響き渡った。隊長は苦悶の悲鳴を上げた。


ベイツはトンファーを剣から引き抜こうと必死だった。近接戦の地面の上では、短い武器の方が有利だった。突然、相手は剣から手を放し、ベイツの顔面を殴り始めた。クリヴィントンがトンファーを捨てて防御に回るまでに最初の三撃がクリーンヒットし、耳鳴りと鼻血をもたらした。彼は続く二撃を防ぎ、武器を取り戻すべきか、目の前の殴り合いに集中すべきかを判断しようとした。ベイツが躊躇し、少したじろいだ隙に、相手はその機会を利用して彼の下から這い出た。二人は立ち上がった。


アバナシーはヘルギの相手の反対側から回り込み、敵を決定的な窮地に追い込んだ。踏みにじられた仲間を守ろうとするなら、ヘルギとアバナシーという二つの異なる方向に向き合わなければならなかった。彼が決断を下す前に、何かがあり得ない速度で空から舞い降り、倒れた仲間の頭に直撃した。怒りに満ちたヌールだった。その爪は倒れた男の目を引き裂いた。衝突の衝撃ですでに男は気絶していた。鳥はくちばしで彼の喉を掘り進め始めた。


もう一人の男はこみ上げる嘔吐感を飲み込み、一歩後退した。「これで終わりだと思うなよ」と彼は地に唾を吐き、二人から逃げるようにトウモロコシ畑へと駆け去った。


ヘルギは素早くあたりを見回した。「クラリッサを助けて」と彼女はアバナシーに言った。それからゴルタックの雄叫びが聞こえた方向へと走った。


レザは、ベイツが百戦錬磨の戦士の相手ではないと知っていた。少なくとも、近接戦闘においては。彼は仲間の誰をも踏みつけないよう注意しながら、最後にベイツを見かけた場所へと馬を歩かせた。クリヴィントンが立ち上がり、襲撃者の一人と対峙して素手での戦闘に備えているのを見つけると、彼は素早く馬から下りた。


「ベイツ、クラリッサを助けに行け。あっちにはお前が必要だ」ベイツはゆっくりと後退し、クラリッサの加勢へと急いだ。レザは残された男に向かってニヤリと笑った。


「ちょうどお前のところの坊やの目をくり抜こうとしていたところだ」と男は言った。彼はブーツから波刃の短剣を取り出しており、ナイフ格闘に慣れた者の構えをとっていた。


「カラスがお前の舌とトウモロコシのどちらを先に食うか見ものだな」レザは鋭いナイフを手に返した。それに応えて、男は前方へ突進して突きを繰り出してきた。レザは横へかわし、空いた手で男の腹を殴りつけた。地形はレザの戦闘スタイルに適していなかった。トウモロコシの茎のせいで、彼の敏捷性と速度は削がれていた。折れたり曲がったりした茎であっても、わずかに彼を減速させ、致命的な踏み外しを引き起こす可能性があった。


「お前の戦い方は、おれのババアのヘタクソなヤり口と同じだな」と男は言った。


「ああ、ばあさんからは多くを学ばせてもらったよ」とレザは答えた。彼は男との距離を詰め、幾度かフェイントをかけた。彼は相手より速かったが、茎につまずいて祭りの豚の丸焼きみたいに切り刻まれる前に、急速に決着をつける必要があった。


ルシンダが戦闘の音に向かってトウモロコシ畑を進んでいると、ガサガサという音が聞こえ、誰かが近づいてくるのが分かった。彼女は姿勢を低くし、スティレットと盾を構えた。ヘルギとの戦いを放棄した男が、武器を抜いて姿を現した。彼女は不意を突こうとしたが、男も彼女の動く音を聞き取っており、攻撃に備えていた。男は横へかわして後退し、自分の武器の間合いの長さを活かした。ルシンダは何度かフェイントをかけたが、男は常に身構えて突いてきて、彼女を遠ざけ続けた。ルシンダは背の低い男と短い腕相手には運が良かったが、今は距離を詰めることができず、重大な不利に立たされていることを悟っていた。彼女は恐怖に震えていたが、仲間を失望させないという強い決意に満ちていた。


クラリッサに襲いかかった男は距離を詰め、幾度か剣を振り下ろしたが、彼女はかろうじてそれをかわし続けた。彼女は受け流すのを恐れていた。武器を間違った位置で捉えられれば、隙だらけになってしまうのを知っていたからだ。できる限りの速さで走れば、トウモロコシ畑を通り抜けて追ってくるこの男から逃げ切れるだろうかと彼女は考えた。男が再び剣を振りかざし、もはや避ける余裕はなかった。今度は刃を掲げ、相手の一撃を横へ弾き飛ばさなければならなかった。彼女は手首にその衝撃の重みを感じた。


二人の耳に、トウモロコシを押し分けて誰かが近づいてくる音が届いた。クラリッサは目を相手の刃から逸らさなかった。どっちみち、新たな敵が現れれば自分に死が訪れるだけだからだ。音がすぐ近くまで迫った瞬間、男はわずかに構えを変え、ほんの一瞬だけ視線を逸らした。クラリッサは突進した。彼女の刃は男の防具を突き破り、左太ももの上部に深々と突き刺さった。


「シェルダールの歯にかけて、じわじわと殺してやる!」男は叫び、彼女の方に向き直った。クラリッサは今や、自分が彼から逃げ切れると確信した。男はすでに負傷した太ももを庇っていたからだ。しかし、トウモロコシの中から現れたのはアバナシーだった。彼は男が回避する間もない速さで突きを繰り出した。レイピアが男の腹を貫き、アバナシーが武器を引き抜くと、傷口から血が溢れ出た。男はアバナシーに向かって剣を振るったが、その一撃は弱々しく体制も崩れていた。彼はまもなく膝から崩れ落ちた。トウモロコシの間からさらに音が響き、現れたベイツは、アバナシーがレイピアの先を男の喉の片側から反対側へと素早く滑らせ、息の根を止める瞬間に間一髪間に合った。


ゴルタックは、すでに角で突いた男を殺してから女に意識を向けるのが最善の策だと判断した。隊長はすでに戦闘不能だった。しかし、二人とも戦う気満々の様子で、賢くも彼を挟み撃ちにするように動いた。ミノタウロスにとって戦闘中に複数の敵に挟まれるのは日常茶飯事であり、珍しいことではなかったが、彼は警戒と慎重さを崩さなかった。


女が前方へ躍り出ると、ゴルタックはモールを持ち上げたが、彼女は再び素早く後ろへ下がった。彼の速度を試しているのだ。ゴルタックの武器は動きが遅いが、その威力は絶大だった。また、その長さも利点であり、相手を牽制したり、反撃の間合いの外から攻撃を叩き込むことを可能にしていた。


ゴルタックは負傷した男に向かって素早く移動した。女が背後から迫ると、彼は自分の周囲に大きな円を描くようにモールを振り回した。負傷した男が後ろに跳躍したのに対し、女は一撃を避けるために地面に身を投げ、そのまま低く身をかがめて突き進み、ゴルタックの足を狙ってきた。彼には再び振り抜く時間はなかったが、代わりにモールの頭部をそのまま真下に向かって突き下ろした。女はゴルタックから身をかわし、攻撃を諦めざるを得なかった。


ヘルギがトウモロコシを破って出現し、ゴルタックを一瞥すると、すぐさま女に向き直った。それを見たミノタウロスはモールを高く掲げ、負傷した男へと進み出た。男は剣を手に一瞬身構えたが、生き残る見込みが薄いことを悟った。彼は逃げ出そうと振り向いたが、すでに遅かった。振り下ろされたモールが彼の腰の低い位置を打ち砕き、骨盤と尾骨を粉々に粉砕した。男は悲鳴を上げて地面に叩きつけられ、続く情けの一撃が紙切れのように彼の頭蓋骨を平らに押し潰した。


女はヘルギを見て鼻を鳴らした。「てめえのマンコを喉元までぶち破って、フェ〇チオだけで孕ませてやるよ」


「この愚連隊どもが毎晩お前に種をぶちまけてるってのに、あたしが孕む心配をしてるのかい?」ヘルギは言った。彼女は女に向かって攻撃を繰り出し、女は後ろに跳んだ。続いて素早い突きを放ったが、それは受け流された。相手の動きにはかなりの切れがあった。ヘルギはフェイントをかけ、相手の反応を確かめた。直後、女から素早い攻撃の連打が襲いかかった。ヘルギは防ぎ、かわしたが、トウモロコシの茎につまずいて倒れてしまった。


女はその隙を突いて突進してきたが、ヘルギはタイミングを見計らって相手の足首に蹴りを叩き込み、彼女もまた地面に倒れ込ませた。ヘルギは相手の上に躍り乗り、女の鼻に直接肘打ちを叩き落とした。嫌な破壊音が響いた。二発目の肘打ちが彼女の右目を直撃し、眼窩の骨を粉砕した。女は剣を落とし、両手を上げようとしたが、さらに肘打ちが打ち込まれ、視界が激しく回転した。両方の眼球に親指が直接押し込まれ、筆舌に尽くしがたい激痛と、耐えがたい色鮮やかな光の爆発が視界に走った。幸いにも、ヘルギが立ち上がって彼女の喉に刃を突き立てる前に、女の意識は途絶えた。


レザの相手はしぶとく死を拒んでいた。互いに突き、切りつけ、フェイントをかけたが、どちらも決定打を与えることはできなかった。


「この戦いは引き分けすぎるな」レザは言った。ゆっくりと後退しながら。「もっと殺しやすい奴を探すとするよ。お前は俺を追ってきて勝つか負けるか賭けてもいいし、俺と同じように技量の劣る相手を探してもいい。だが、ミノタウロスだけは避けた方がいいぞ」


男が一瞬考え込んだが、その一瞬は長すぎた。レザは反撃の間合いに入られることなく刃を投げられる距離まで後退しており、まさにその通りにした。一発目の刃はトウモロコシの茎にかすって標的を外れたが、二発目の刃は相手の額に刺さった。それは小さな刃で、頭蓋骨を貫くほどの長さも威影もなかったが、男の肉を切り裂き、右目へと血を溢れさせた。男は賢くも片手を血を拭うために使う欲求に耐え、ただ目を細めて閉じ、再び間合いに入ってきたレザに集中し続けた。しかし、遠近感を失った彼には、レザのフェイントと本物の突きを区別することが不可能だった。レザは彼の右腕を刺して武器を落とさせ、続いて耳を通して頭の側面を刺し貫いた。男は地面に倒れ、レザはとどめを刺した。


ルシンダは突然スティレットで前方へ突き出し、男の受け流しを予期して盾で彼の剣を弾き飛ばした。しかし、彼女は十分に距離を詰めておらず、男は突きから単に後ろへ跳んでかわした。その後、彼女は引き下がり、彼に攻撃を加えるほど近づく方法を失って立ち尽くした。戦闘の全体的な喧噪はかなり収まっており、何人かが倒れたのだと想像できた。彼女は自分の仲間がその中に含まれていないことを強く祈った。彼女は滑って転ばないよう祈りながら後退し続けた。相手は慎重に進み出で、時折突きを放って彼女の防御を試した。彼は本格的な攻撃を仕掛けるまで、もう長くは待たないだろう。


突然、彼女は自分たちが歩いて入ってきた、折れ曲がったトウモロコシの茎の「道」のような場所に出た。一方向にはアバナシーの姿が、反対方向にはクリヴィントンとクラリッサの姿がはっきりと見えた。彼らは素早く動き、周囲を見回していた。


「ここよ、助けて!」ルシンダは叫んだ。彼女を仕留める時間がほとんどないことを知ると、男は全力を込めて襲いかかってきた。彼女はかわし、かがみ、身をかわし、盾で防ぎ、時には自分の耳のすぐ脇を刃が空を切り裂く音を聞いた。彼の攻撃は紙一重のところまで迫っており、じきに彼女のタイミングを見切るだろう。二人の人間が反対方向から自分たちに向かって駆け寄ってくる音が聞こえた。


アバナシーが最初に到達し、レイピアを構えた。クリヴィントンは立ち止まり、片手を自分のこめかみに押し当て、もう片方の手を直接男に向けていた。彼の口が短く動いた。突然、巨大なスズメバチが男の顔のすぐ前に現れた。男はそれを払い落とすことができなかった。払い落とせば確実に刺し貫かれるからだ。彼は敵に集中し直しながら頭を横に動かしたが、スズメバチは突っ込み、彼の左目のすぐ下を刺した。男は痛みに悲鳴を上げ、ほとんど瞬時に腫れが始まった。ルシンダとアバナシーは武器を構えたまま、待ち構えた。


今や男は助けを求めて叫んだ。「誰か助けてくれ、この野郎ども!」トウモロコシ畑を押し分けて進む音が聞こえた。彼の目は腫れて塞がり、そこへクラリッサが到着して三対一となった。男はそこに留まればいずれ死ぬと知り、味方の補給であることを願いながら、動く音の方向へ向かって走った。


「レイノルズだ、刺さないでくれ! 助けてくれ!」と彼は叫んだ。トウモロコシの茎の上にゴルタックのモールの頭が見え、それが振り下ろされると、重く湿った砕ける音と鈍い衝撃音が続いた。


「道に戻れ!」アバナシーが叫び、仲間たちが姿を現し始めた。何人かは戦闘のスリルに満ち溢れ、他の者はトラウマを負ったような顔をしていた。血は流れていたが、そのほとんどは死者のもののようだった。ゴルタックのモールと防具は、内臓と鮮血でまみれていた。


「死体から貴重品を剥ぎ取って息を整えるのに十分間だ」レザは言った。「奴らは制服を着ていた。近くに手勢がいるかもしれない。長居は無用だ」


「じゃあ、おれたちは 死体剥ぎをやろうってのかい?」ベイツが尋ねた。


「四インチずれてりゃ、今頃お前の袋を漁ってるのは奴らの方だったんだぞ」レザは激しく言い返した。彼は死体を探すために向きを変えて去った。


「トロールの巣穴に入ってそいつを倒したら、見つけた宝はなんだって奪うだろう?」アバナシーが尋ねた。「なぜ人間をトロール以上に尊重して扱う必要があるんだ? 俺たちは奴らを殺そうとしてここへ来たわけじゃない。不意打ちを仕掛けてきたのは奴らだ。奴らの所持品は、もう奴ら自身には何の役にも立たない。他の人間から、特に死者から物を奪うのは社会的に許されないことのように思えるかもしれないが、あの悪党どもは怪物と同類だった」


「俺が金貨を集めて均等に分ける」ゴルタックは言った。「だが、俺の取り分はアバナシーにやる。彼が俺たちの諸費用をすべて払ってくれているからな」


「あたしもそうするわ」クラリッサが言った。他の者たちも同意し、アバナシーは彼らに感謝した。彼とヘルギはレザとゴルタックに加わり、死体の捜索を開始した。ルシンダはクラリッサの傷ついた腕をできる限り手当てし、血を拭った。幸いにも切創は深くも長くもなかったが、まだ出血しており、感染症のリスクがあった。ベイツが貼り薬を与え、彼らはできる限りしっかりとそれを固定した。


全員が再び集まると、レザはアバナシーを見た。「荷車の中の女はどうする?」


「そうだな、真相を知らない者から見れば無辜の被害者のように見えて、俺たちが彼女を殺したと思われかねないな」アバナシーは彼女の血で汚れた上着を回収しながら言った。「彼女の遺体はトウモロコシ畑へ移動させ、仲間の死体と一緒に残しておくのがいいだろう」


「俺がやる」ゴルタックはそう言い、女を易々と持ち上げて肩に担いだ。彼はすぐにトウモロコシ畑から戻り、一行は馬に跨がって先へ進んだ。


一時間ほど経つと、レザとゴルタックは戦闘についての互いの武勇伝を比べ始めた。やがてヘルギも加わった。尋ねられると、アバナシーとルシンダも自分たちの経験を語った。クラリッサとベイツはその件についてほとんど口を開かず、後者は道中、彼らしくもなく終始静まり返っていた。











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