↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/42

旅人の歓待と巨大な地下水脈――『麦の王国』の豊穣と歓迎

「『新しい一年の始まりを祝う儀式は、素朴な民間儀礼から壮大なスペクタクルまで多岐にわたる。後者のうちのいくつかは本書の他の箇所で触れられているが、前者に属するもののうち、ヴェスプッチアのディン・グッソ州は最も興味深い伝統の組み合わせを持っている。彼らの祝祭には四つの元素すべてが関与している。午後になると、砂やその他の柔らかい素材の穴の前にブランコが設置され、人々は不安を脱ぎ捨てるように空へと見事な跳躍を決めるまで、行ったり来たりとブランコを漕ぐ。地面に着地するまでに最も遠くまで飛んだ者は、村の中の任意の未婚者から一度だけキスを受ける権利を得る。ブランコに乗った後、人々は『埋葬』される。これは土や砂で完全に覆われるか、泥に浸かることによって行われる。窒息を防ぐため、頭部だけは出されたままにされる。誰もが将来いつかはそうなるように土に埋もれながら、過去一年間に与え、受け取った痛みに思いを馳せ、それを反省した後に地中から這い出し、痛みを置き去りにしていく。夕暮れが訪れる前に男たちはバケツに水を汲み、滑稽なものから狡猾なものまで様々な手を使って隠れようとする村の女たちを探し始める。誰もが泥だらけになっているため、屋内に隠れることは禁止されており、必然的に女たちは見つけ出されて水を浴びせられ、一年間の過ちを洗い流される。綺麗になると、女たちは集団で結託し始め、自分たちのバケツに水を満たし、足が速すぎて捕まえられない男たちを囲い込む。男たちがすっかり濡れると、全員が顔と手――その部分だけ――を拭き、木材を集めて大きな火を焚き始める。日が沈むのと同時に火がつけられ、人々はその上を飛び越え始める。老人は角の小さな火をまたぎ、若く愚かな者はより大きな炎の広がりを飛び越える。濡れていることで熱からある程度の保護が得られるが、必ずと言っていいほど、飛び過ぎたり大きな火を飛び越えすぎたりする者が現れる。炎を飛び越える跳躍は、自らの欠点も含め、大胆さと果敢な決意をもって新しい一年の挑戦に立ち向かう意志を示すのである』 ――『タイコロスの年代記』より


沈黙を破ったのは、一、二分ほど何かを見つめていたクラリッサだった。「あれは誰かの人形(かかし)ですか?」と彼女は突然、近くの畑を指さして尋ねた。


「ううん、あれはただのカカシよ」とルシンダが言った。「見たことなかった?」クラリッサは首を振った。「農家が鳥を作物から遠ざけるために作るの。個人的には、大半の鳥は賢すぎて引っかからないと思うけど、まあ、私は農業のことはよく分からないから」


「鳥全般の知性は大幅に低く見積もられている」とレザが言った。「カラス科の鳥の中には道具を使うものさえいるんだ」


「えっ、道具って……ちっちゃなハンマーやノミみたいなもの?」ルシンダは満面の笑みを浮かべて尋ねた。


「いや、本当だ。彼らはクチバシで小さな小枝を拾い上げ、それを使って穴から芋虫や他の昆虫を掘り出すことができるんだ」


「それは凄いですね」とベイツが言った。「正直に言うと、あまりにも愛らしいので、小さなハンマーやノミであってほしいと思っていましたが、それでもかなり感心しましたよ」


「私が育った地域にはカラスがたくさんいたわ」とヘルギが言った。「少女の頃、カラスをペットとして懐かせるのがずっと私の夢だったけれど、一度もうまくいかなかったの」


「ハヤブサは手なずけやすいことで知られている。ヌールは普通のハヤブサ以上に僕によく懐いたよ。餌をやったり、羽を撫でたりしたければ、次に立ち止まった時に仲良くなるといい」


「喜んでその申し出を受けるわ。ところで、彼らにはお葬式もあるのかしら?」


「え?」とレザが尋ねた。


「ハヤブサよ。カラスのように、葬儀の儀式を行ったりするの?」


「君は……標準語にそういう表現があるんだ。『カラスの群れ』を意味する言葉だが、その話をしているのか?」


「いいえ」彼女は鋭い視線と呆れたトーンで言った。「私が言っているのは、カラスが死んだ時、他のカラスが葬儀の儀式を行うように、ハヤブサが死んだ時も仲間が葬儀を行うのか、ということよ」


レザはニヤリと笑った。「君が全く冗談を言わないとは言わないが、君のユーモアのセンスが発揮されるのは実に楽しいね」


「信じて、私のユーモアのセンスは今日でもう品切れよ。じゃあ、あなたたちはカラスの葬式を見たことがないの?」


「そんな話、聞いたこともないな」とアバナシーが口を挟んだ。


「その大法螺は飲み屋にとっておいた方がいいんじゃないか?」とレザが尋ねた。


ヘルギは鼻を鳴らした。「私は自分の目で何度も見たわ。カラスが死んで、人目につく開けた場所の地面に落ちて、そいつを殺した生き物や目ざといスカベンジャーに食べられなかった場合……最初にそいつを見つけたカラスが鳴き声を上げるの。すぐに他のカラスたちも現場へ飛んできて、同じように声を上げる。あるものは観察できる止まり木を見つけ、あるものは死体の上を旋回する。私は一つの葬式に三十羽ものカラスが集まっているのを見たことがあるわ。邪魔が入らなければ、集まりは一時間ほどで散会するの。けれど」彼女は身を乗り出して言った。「時には、哀れな生き物がその儀式を妨害することがあるのよ」


「そうなると、どうなるんだ?」とアバナシーが尋ねた。


「以前、そういう葬式の最中にカラスの死体に近づいた男を見たことがあるわ。私の部族がよく服や調理道具を洗いにいく小川の近くだった。彼は他のカラスを無視して、死んだカラスを拾い上げたの。探していた羽でもむしり取るつもりだったんでしょうね。他のカラスたちは激怒して、猛烈な勢いで彼に襲いかかったから、彼は頭皮や手から血を流しながら逃げ出さざるを得なかった。私にとって興味深かったのは、その三日後、カラスの死体がとうに貪り尽くされたずっと後に、同じ男が調理鍋を洗いに戻ってきた時、何羽ものカラスが木々から舞い降りて彼に襲いかかったことよ。それから何ヶ月もの間、彼はその小川に戻ってこなかったわ」


「そんな話は聞いたことがないな。ハヤブサがそんなことをしないのは確かだ。だが冗談はさておき、君が作り話をするような人間じゃないことは分かっている。君が自分の目で見たと言うなら、鳥について新しいことを一つ学んだということだな」レザは首を振りながら言った。「知恵をありがとう」


ヘルギは丁寧に頷いた。レザは彼女の近くへ馬を寄せた。「いいか」と彼はごく低い声で言った。「僕たちはアバナシーを目的地に届けることに集中しなければならない。君の情熱には感心するが、無用な喧嘩を始める余裕はないんだ。『麦の王国』では、動物は普通、食べ物か労働力だ。さっき見たのは惨い例で、君が怒るのも無理はないが、これからも心を乱されるようなものを目にするかもしれない」


「アバナシーを心配してくれて感謝するわ。もちろん、私もその思いは同じよ」ヘルギはそう言うと、一行の六メートルほど前に出て、そのままの位置を保った。レザは肩をすくめた。


彼らは本道を外れ、四十分ほど遠回りして走った。小さな村の宿屋である『絞り尽くし亭』が、その夜の彼らの宿となる予定だった。村に近づくにつれて、作物の種類はますます多様になり、密度も増していった。アバナシーはトマトの株、トウモロコシ、小麦、インゲン豆、そしてビートに似た見慣れない野菜に気づいた。


村は確かに小さかったが、宿屋のある場所はすぐには分からなかった。サファイア・シティから離れれば離れるほど、ゴルトゥクが凝視される頻度は高くなり、その驚きも大きくなっていった。アバナシーは十代の少年に道を尋ねるために馬を止めたが、その少年が声を取り戻すまでに十回ほどの鼓動を要した。


「おんら、宿を探しとるのかね?」と、少年はようやく言葉を絞り出した。


「ああ。『絞り尽くし亭』という名だと思うのだが」


「すまんな、旦那。『絞り尽くし』なら二年近く前に全焼しちまったよ。店主は家族と暮らすために実家へ帰ったって話だ。建て直されちゃいねえよ」レザが静かに毒づいた。


「この近くに、他に宿はあるかね?」


「俺の知る限りじゃねえな。この道を通る旅人なんて滅多にいねえから」彼はゴルトゥクを見ながら言った。彼がルシンダの存在に気づいたのはその時で、再び口をあんぐりと開けた。彼は頭を掻いた。「あんた……あんたら――」


「君も良い夜を!」アバナシーは彼の言葉を遮るように言った。「親切に教えてくれて本当にありがとう」彼は馬を急旋回させ、一行に自分が来た道を戻るよう身振りで示した。村を離れた後、彼は馬を止めた。


「レザ、ゴルトゥク――地図に何か役立つ情報は載っているか?」


「見るまでもねえよ」とレザは言った。「一リーグ以内にあったのはあの宿だけだ」


「よし、それなら今夜は野営だな。準備は十分に整っている。問題は、村の近くで野営するか、街道まで戻って野営するかだ」


「村との間に一、二マイルの距離を置きたいところだが、街道から離れて野営する方が安全だと思う」とゴルトゥクが言った。


「どこかの農家の畑に間違えて野営しないよう、気をつけなきゃね」とヘルギが言った。「休耕地であっても、誰かの所有地であることに変わりはないんだから」


「一理あるな。よし、小道を一マイルほど戻った場所で探そう。火は小さくだぞ」とアバナシーが言った。彼らは来た道を戻り、黄昏時の消え残る余韻を頼りに、雑草が生い茂る一角を見つけ出した。小道から五十フィートほど入ったが、雑草以外には何も見当たらなかったため、彼らは素早く野営の準備を整えた。クラリッサは自分の役に立つことを証明しようと必死で、素早く動き回り、求められる場所ならどこへでも手を貸した。


テントを張り、小さな火を焚くための空き地を作ると、彼らは火の周りに座り、蓄えていた食料を食べながら昔話を交わした。レザはヘルギの隣にヌールを降ろし、彼女がその羽を撫でられるようにしてやった。それにより、彼女の顔には珍しく露骨な歓喜の色が浮かんだ。クラリッサは『淫らな鍛冶屋』という、少し上品さに欠けるものの概ね良識的な歌を歌った。彼女の声はなかなか心地よいものだった。ベイツは直ちに『修道院長の壁の穴』という歌で続いた。直接的な描写ではなく語呂合わせに過度に乗っかっていることで辛うじて耐えうる、ほぼ卑猥と言っていい猥歌であり、彼の歌唱力には改善の余地があった。


「あなたは昔からそうなの?」とヘルギが彼に訊ねた。


「歌が好きかってこと? 一人の時は鼻歌を歌うけれど、長歌を披露するのは友達と一緒にいる時か、理不尽なほど酔っ払っている時、あるいはその両方の時だけだよ」


「いいえ、私が言いたかったのは――やっぱり、なんでもないわ」彼女は再びヌールに意識を戻した。


「そう言えば、今夜は泥酔するかい?」と彼は訊ねた。「僕はどちらでも構わないけれど」


「見張りは二人交代の五回シフトだ」とレザが言った。「お前が最初のシフトを引き受けて、その後で馬鹿みたいに飲めばいい。明日、馬の上で揺揺らされる時に後悔するかもしれないがな」


「誰も飲まないなら僕も飲まないよ。僕は大酒飲みじゃない」とベイツは弁明するように言った。「ただ知りたかった、それだけさ」


「長い一日だったが、取り立てて過酷というわけでもなかった」とアバナシーは言った。「本気の酒は、それが必要になった時のために取っておこう。そうは言っても、僕の水袋のワインを君の杯に注いでほしいなら、喜んで分け合うよ。僕も一杯いただくとするさ」


ベイツは首を振った。「ありがとう、でもそれはまた次の機会にするよ」彼は会話が向かった方向に気まずさを感じているようだった。


食事を終えると、クラリッサは水を節約しながら、できる限り丁寧に彼らの鉢やカトラリーを洗った。「流水や井戸の近くに行ったら、もっとちゃんと洗いますね」と彼女は約束した。「私の見張りシフトは何時ですか?」


「見張りはこちらで手配済みだ」とレザが言った。「最初がルシンダ、最後がゴルトゥク。ベイツ、ヘルギ、俺の三人はくじ引きで中間のシフトを決める」


「分かりました。誰かの気が変わったら起こしてくださいね」と彼女は明るく言った。


アバナシーは静かにため息をつき、火を見つめた。サファイア・シティでレザから説明されたのだが、彼はグループの主要な意思決定者であり交渉人でもあるため、十分に休息を取っているのが最善だと一行は考えていたのだ。彼は抗議したが、ゴルトゥクは強く同意した。彼らが本心では、自分が長らくこの仕事から離れ、都市生活に慣れすぎて注意力が散漫になっていると感じているのだろうと彼は疑っていた。ルシンダは冒険者ではなかったが鋭い感覚を持っていたため、襲撃の可能性が低く、全員がまだ起きている最初のシフトに配置されていた。今さら全員の前でその点について蒸し返す気にはなれなかった。


一人、また一人と寝床につき、夜は何事もなく過ぎていった。アバナシーが目を覚まし、テントから這い出すと、仲間たちの何人かが火の残り火で飲み物を温めていた。ヘルギはまだ眠っていた。クラリッサはレザがテントを片付けるのを手伝っていた。彼はゴルトゥクの隣に腰を下ろした。


「街道から離れて久しいせいかもしれないな」とアバナシーは打ち明けた。「背中が板みたいに固くなっている」


「すぐに慣れるさ。船酔いしない足(シー・レッグス)を得るようなものだ――一度船の上での歩き方を覚えれば、何年経ってから戻っても、感覚を取り戻すのに数時間しかかからん」


「私だって大して気分良くないわよ」とルシンダが言った。「あなたたちがどうやってこんなことを来る日も来る日も続けていたのか分からないわ。ところで、ヘルギはどこ?」


「まだ自分のテントの中だろう」とアバナシーが答えると、クリヴィントンから怪訝な視線を向けられた。「街から逃げ出す時、二人用のテントを買う優先順位は高くなかったんだ」と彼は説明した。


突然の素早い動きがあったが、アバナシーの頭はまだ完全に覚醒しておらず、何が起きたのか理解する前に恐慌を来すことはなかった。それは、大きな鳥を口に咥えたヌールがレザの隣に着地した音だった。レザはテントをたたむ手を一時止め、獲物を鞄に仕舞うとハヤブサを褒め称え、ポーチからご馳走を与えてから再び空へと放ち上げた。


ゴルトゥクはクラリッサの方をあごで示した。「あの子が一番最初に起きたんだ。お前たちがまだ寝ている間に、馬たちの給餌と水やりを全部終わらせていたぞ」


「なんだって!」とアバナシーは声を上げた。


「ヘルギの馬以外はな」とミノタウロスはニヤリと笑って言った。


「神々に感謝だな。あの子はとても賢いか、観察眼が鋭いか、あるいはその両方だ。ヘルギなら激怒していたところだぞ」


「ヘルギならきっと大目に見てくれたはずだがな」とゴルトゥクは言い、少し間を置いてから含み笑いを漏らし、アバナシーの背中をポンと叩いた。


「ヘルギは馬の手入れにそこまでうるさいのかい?」とクリヴィントンが尋ねた。


「王女が結婚式の日に衣装にこだわるのと同じくらいにな」とゴルトゥクが言った。「彼女の民は、大半の人間には理解できないレベルで馬と心が通じ合っているんだ」


「だから昨日、あの老人にあそこまで激怒していたのか?」


「そうだ」


「それで、あの老人は彼女のことを……」ゴルトゥクが大声で咳き込みながら手で指を差し、アバナシーが激しく首を振って人差し指で自分の喉を横切るしぐさをしたため、彼は言葉を途切れさせた。クリヴィントンは一瞬狐につままれたような顔をしたが、すぐに身を硬くし、その顔は恐怖と静かな諦観の仮面へと変わった。


「彼女、僕の後ろに立っているんだね?」


「まだよ」とヘルギがテントから足を踏み出しながら声をかけた。「でも、すぐそうするわ。それより、どうしてあなたが私の居場所にそこまで関心を持っているのか、すごく気になるところね」


「僕はただ……その、つまり、あなたに喜びをもたらすようなサプライズをしたかったんだ。そしてあなたがここにいる以上、それができる」


「続けなさい」とヘルギは言い、彼の後ろへと歩み寄った。


「ええと、クラリッサは僕たち全員のためにとてもよく働いてくれていて、今朝もみんなより早く起きて、あなたの馬以外のすべての馬の手入れをしてくれたんだ。彼女は、あなたが自分自身で馬の面倒を見ることがどれほど重要かを知っていて、それを尊重しているからね」


しばしの沈黙が流れた。クリヴィントンの表情に、わずかな希望の光が差し込んだ。


「それは確かに、喜ぶべきことね。彼女は本当に約束通りにやってくれているわ。考えてみれば、約束以上のことをしてくれているわね。私の伝統を尊重してくれているというのも良い兆候だわ。彼女が長く私たちと一緒にいたがらないのが惜しいくらいよ」


ベイツはゆっくりと緊張を緩めた。「喜んでくれると思っていたよ」と彼は言った。ヘルギが腰を下ろすと、アバナシーは自分用に温めていたお茶を彼女に手渡した。クラリッサとレザも彼らの輪に加わった。


「アバナシー、ヘルギ、お二人が良ければ、テントをたたむお手伝いをさせてください。何度か手伝えば、一人でできるようになりますから」


「座ってお茶でもお飲み。今朝はもう十分に働いてくれたわ」とヘルギが言った。


「実はね、お嬢さん、僕は本当に手伝ってもらいたいんだ。腰が猛烈に痛くてね」彼はクラリッサを見上げた。「でも今は、そうだな、座って温かい飲み物を身体に入れておくれ」


彼らはすぐに小道に戻り、まだ早いうちに大通りへと復帰した。街道沿いには中規模の町があり、サファイア・シティとエルフ保護領の両方の国境に近いことから、多くの旅人で行き交っていた。きちんとした宿屋や質の高い料理が提供されているはずだった。


正午までに少なくとも五組の商人たちとすれ違ったが、彼らは皆、様々な大きさの幌馬車を引かせ、その馬たちは(アバナシーが安堵したことに)十分に食べさせられ、手入れされているように見えた。商人たちはすれ違いざまに手を振るか、挨拶の声をかけてきた。中には背後の荷車に手を伸ばし、「受け取れ!」と叫んで、新鮮なニンジンが入った小さな束をルシンダへ放り投げて寄こす者さえいた。彼女は歓喜の感謝を叫び返し、すぐに一本かじりついた。うっとりとした表情が彼女の顔をよぎり、彼女はもう一端を折り取ると、残りの束を仲間たちに回した。大半の者は新鮮なニンジンを食べたことがあったが、『麦の王国』の農作物はその名声に違わぬものだった。


夕暮れの一時間ほど前、彼らは町の外縁部に到達した。それまで多様な作物を目にしてきたが、フレッシュレイクの周辺で育っているのは三つの作物――アーモンド、ピスタチオ、そして米だけだった。クラリッサがそのことを一行に指摘した。


「一般的に『麦の王国』は水が豊富だが」とレザが言った。「この町で水が枯渇することはない。その工夫のない名前から推測できるように、ここには巨大な淡水湖がある。だから、普通の地下水面なら乾上がってしまうような水を食う作物を育てられるんだ。全世界のアーモンドのおよそ三分の一がフレッシュレイク産らしいぞ、彼らの主張によればな」


「相当大きな湖なんですね」とクラリッサが言った。


「彼らも確実なところは知らないが、そうに違いないと思っているのさ」クラリッサが首をかしげると、レザは微笑みながら少しの間沈黙を守り、それから言葉を続けた。「実は、その湖は地下にあるんだ。町はその上に建てられていて、井戸を掘って水を汲み上げている。洞窟の入口から湖の最初の部分を見ることができるが、そこから先は洞窟の壁の下へと潜り込んでいるのさ。どれほど遠く、どれほど深いのかは誰も知らない。その最初の部分なら実際に泳ぐこともできるが、水は少々冷たいらしい」


「あそこでは時折、宗教的な儀式も行われているよ」とアバナシーが言った。「ここにはごく小さな宗派があって……まあ、話し始めておいてなんだが、僕も詳しいことまでは確信がないんだ。彼らは湖に住む神を祀っているのか、あるいは湖そのものが神の肉体的な現れなのか、どちらか思い出せない。彼らは湖が人々の想像よりもはるかに深くまで続いており、その中に隠された神秘が存在すると信じているんだ」


「人々が湖から水を汲み上げることに、彼らは反対しないのかしら?」とルシンダが尋ねた。


「いや、彼らは水ができるだけ多くのものに入っていくのを見るのを喜んでいるよ。人間、動物、作物、何であれね。このあたりで水が入っていないものなんてほとんど存在しないから、彼らは自分たちの神が至るところに存在していると感じているのさ」


「そうね、スケジュールが許すなら、冷たくても泳いでみたいわ。少しは綺麗になった気分になれそうだし」とルシンダが言った。


「本物のお風呂がある良い宿が見つかる確率はかなり高いと思うよ。この町には多くの交易が飛び交っているからね」とレザが言った。


確かに、彼らの周囲には建物が増え始めていた。郊外の農家や家々から、いくつかの酒場、鍛冶屋、そして厩舎へと変わっていく。人々は自分の仕事に勤しんでおり、彼らに素早く手を振ったり微笑みかけたりする者もいた。やがて、彼らは町広場らしき場所へと出た。料理の火の匂いと魚料理の香りが空気に満ちていた。広場の向かい合う二つの側では、異なる二つの酒場が屋外にテーブルを並べ、給仕たちが飲み物や食べ物を運んでいた。残りの二つの側には、様々な大きさの黒板が異なる高さでいくつも掲げられていた。彼らが見ていると、近くの建物から若い男が出てきて、布切れで黒板の一つをきれいに拭き取り、チョークで新しい内容を書き込み始めた。


レザは馬から飛び降り、酒場の給仕の少女の一人に近づいた。彼は彼女の手の上に銅貨を一枚押し付け、立派な宿屋への道を尋ねた。温かい微笑みを浮かべて彼女に感謝を述べると、彼はグループへと戻ってきた。


「目と鼻の先だ」と彼は言い、先頭に立った。すぐに彼らは、一画全体を占める手入れの行き届いた二階建ての建物であるフレッシュレイク館に到着した。裏手には専用の厩舎を備えていた。外観は高価なスクーナー船の美学を彷彿とさせるデザインになっていた。下手に行えば安っぽくなってしまうところだが、極めて精巧に作られていた。水兵の制服を着た十代の少女が建物の前に立っていた。


「おんら、今夜はうちに泊まっていくのかね?」と彼女は心地よい声で尋ねた。


「部屋が空いているなら、ぜひ」とアバナシーが言った。


「もちろん空いとるよ」と少女は言った。「手配をしておられる間に、私が馬たちの面倒を見よう」


「私も一緒に行くわ」とヘルギが言った。「私の馬は、私自身の手入れが必要なの」


「もちろんだよ」と少女は微笑んで言った。「残りの『おんら』は正面のドアから中へお進み。お馬さんたちは私らが落ち着かせておくで。ゴルトゥクが馬から降りると、彼女は彼へと近づいた。「心配いらんよ、旦那。うちには自分とこの馬が出産しそうな時用の、特別に広い馬房があるんだ。今は誰も出産予定がないから、あんたの馬はデラックス・スイートを使えるよ」ゴルトゥクは彼女に感謝し、硬貨を渡した。


彼らは中に入り、アバナシーが宿泊の手配を行った。幸運なことに、補強された特大のベッドを備えた『婚礼のスイート』が空いていたため、ゴルトゥクが快適に寝られる場所が確保できた。浴槽も複数あり、入浴エリアは二十四時間利用可能だった。食事は階下のダイニングエリアで取ることも、直接部屋に届けてもらうこともできた。アバナシーが予定していた以上の出費となったが、全員に快適な夜の休息を提供するためには十分な価値があった。


「あの広場に戻って、町の雰囲気を感じてみたいわ」とルシンダが言った。「真ん中で外に座って、出来立ての食事をいただくのも素敵じゃない。それからここに戻って、長風呂に入って髪から魚料理の匂いを落とすの」


「私も同じことを考えていたわ」とクラリッサが言った。アバナシーは皆で一緒に広場へ行こうと提案したため、彼らは荷物を部屋に置くために一度別れた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。