囚人と錬金術師の駆け引き――下剤毒とウイスキーで吐かせろ
「定義上、いかなる兵器も恐怖兵器(テロ兵器)であると主張することは可能だが、軍事学者らは無差別に対象を攻撃するものを指してこの言葉を用いる。最もよく知られている例が『ドワーフの火』であり、これは被害者に付着したまま燃え続ける粘着性の物質で、投石機を用いて樽ごと投げつけられる。ジャイアント・ホグウィードの樹液は、手動ポンプとホースを用いて地域一帯の人々に噴射する装置に使われており、一般的には当局が『暴動鎮圧』と称するものに用いられる。病気を広めるために城や都市へ遺体を投げ込むのは古くからある手法だが、ネクロマンシーに長けたゴブリンは、討ち取ったばかりの敵を城壁越しに投げ込むことで知られている。地面に激突した後、彼らは立ち上がり、味方の肉を求めて飢え、かなりの狼狽を引き起こすのだ。妖精族は、現実と区別がつかないほどの恐ろしい幻覚を引き起こす粉末を投入し、人々に突如として殺意に満ちた狂気で互いを襲わせることで知られている。不当に殺害された者の家族に支払われるべき血の代償金の概念を認める社会では、そのような恐怖兵器によって犠牲になった無辜の被害者に対し、二倍の補償を義務付けるところも多い。名将ハクスリー・ゴールデンアームはかつてこう語ったと伝えられている。『恐怖兵器は恐れを抱く者が使うものだ。だが、敵がそれを持っているならば、恐ろしいことに私もそれを持たざるを得ない』」 ――『タイコロスの年代記』より
ベイツはバリン親方の直属の部下ではなかったが、仲介人を挟んでいる時間はないと分かっていたし、親方の考え方なら理解しているつもりだった。年老いた錬金術師は彼の潜在能力を高く買っており、彼が成長することを望み、いつの日か何かがきっかけとなって彼が覚醒することを期待していたのだ。ベイツは自分がまだ少し迷走していることを思い出させ、この休暇が自分を導く助けになるかもしれないという可能性をぶら下げるだけでよかった。テペシュの件は政治的な問題であり、市の職員がそのような騒動に巻き込まれるのを親方が不快に思うかもしれないと考え、旅の詳細には触れないのが最善だと判断した。
それは彼が期待していた以上に簡単だった。会話は十五分もかからず、格別に下品な駄ジャレを一言放った直後、バリン親方は最大三ヶ月の休暇を許可してくれた。「ただし、それ以上長引くようなら」と親方は釘を刺すように言った。「戻ってきた時に君の席はないと思いたまえ」
クリヴィントンは本物の誠意をかき集め、ついでに余分な演出も加えて親方に深く感謝した。頭をフル回転させながら、彼は手短な作業をするために研究室へ戻った。彼は市の様々な魔法部門の若手職員に住居を提供する近くの寮に住んでいたため(最大の特典は、『スタック地区』の汚れた空気の侵入を防ぐ永久エンチャントだった)、準備することはほんのわずかだった。本格的なポーションを一から調合する時間はなかったが、簡単なものを幾つかと、一時間以内に不可欠なものとなる(と彼が願っている)やや複雑なものを一つ作る時間ならあった。
偶然ではなく、『スタック地区』には市刑務所も存在していた。市の法律は囚人への拷問を禁じていたが、『スタック地区』の空気に晒すことはギリギリ拷問には当たらないとされていた。ベイツが急ぎ足で二十分かけてそこへ歩く間、彼の頭はここ一時間で起こり得るあらゆる失敗を予想しようと、さらに激しく回転していた。彼は深く息を吸い、大きな笑顔を浮かべ、少し考え直してから笑みを控えめに修正し、サファイア・シティ刑務所の正面の階段を上った。彼は当直の巡査長に近づいたが、相手は警戒するような視線を向けてきた。
「どのようなご用件で?」巡査長は目を通していた書類を脇に置きながら尋ねた。
「クリヴィントン・ベイツです。バリン親方からの公務で参りました」彼は身分証を差し出しながら嘘をついた。巡査長はそれに素早く目を通すと返却した。
「どのようなご用件で?」彼は少しだけ敬意を込めたが、変わらず退屈そうなトーンで繰り返した。
「囚人の一人と話をしたいのです」
「書類が必要ですな。十分を超える面会には中尉の書面による許可が必要です。書類をお持ちでないなら、上を呼びますが」
「その必要はありませんよ。五分もかかりませんから。娼館の船乗りよりも素早く出入りしてみせます」ベイツはニカッと笑って言った。
巡査長は彼をじっと見つめた。「私が海軍にいた頃は、娼館では払った金に見合うだけの時間を楽しんだものですがね」
ベイツは咳払いをした。「海軍、とおっしゃいましたか? では、この土地の出身ではないのですね。この街には海軍はありませんから……」彼はそう言いながら語尾を濁し、巡査長を期待を込めて見つめ、自分の笑顔が親しみやすい微笑みに変わっているか確認しようとした。少しの間があった。やがて、巡査長は溜息をついた。
「バリン親方の命令であれ何であれ、十分が経過したら警備員がお送り出します。看守の命令に従わない場合は処罰の対象となりますので。では、良い一日を」彼はデスクの上の小さなベルを鳴らすと、重装備の看守が迅速に姿を現した。
「この方は公務だ。時間は十分、一秒の超過も許さん。地下の面会室へ案内しろ」巡査長は書類に目を戻した。
「ハッ!」看守は威勢よく叫び、ベイツの方を向いた。「私の前を歩け。五歩以上離れるな。私が止まれと言ったら止まれ。喋り穴には格子が嵌めてあるが、唾を吐く奴もいて少し漏れてくるからな。まずはあのドアを通れ」彼は指をさして言った。
ベイツはドアを開けて通り抜け、看守のためにドアを押さえた。
「まっすぐ進め」と看守が言った。
「なあ、友よ」薄暗く狭い廊下を進みながらベイツが話しかけた。「ウイスキーについてはどう思う?」
「引っ掛け質問か? ウイスキーは大好物だ。給料の大半がそれに消えている。いや、消え足りないくらいだ」看守は鼻を鳴らした。
「そうか。では、君をひどく悲しませ、同時にひどく喜ばせるような話をしよう」
「悪気はないが、どちらも怪しいな。私は感情を表に出さないタチでね。このドアを抜けて、ゆっくり階段を下りろ」
ベイツはドアを開けた。「実はね、バリン親方が個人の蔵出し品から三十年もののドワーフ製ウイスキーを持ち出して、ここへ持って行くよう私に命じたんだ」
「意図が分からんな」看守は彼に続いてドアをくぐり抜けた。「我々は勤務中の飲酒を禁じられているし、囚人が贈り物を受け取ることも許されていない」
「勿論だ」ベイツはゆっくりと階段を下りながら言った。「だがバリン親方は、この囚人に情報を提供させたいと考えておられる。言った通り贈り物は禁止だが、ボトルを開けてグラス一杯飲ませるよう言われているんだ。囚人に極上のウイスキーを無駄にするなんて、悲しい話だろ?」
「悲しいし、絶対に不可能だ。公務だろうが何だろうが、面会者が外部の食べ物や飲み物を持ち込むことは許されていない。囚人の中にはひどく憎まれていて、毒殺のターゲットになる奴もいるからな。あるいは、絞首台を逃れるために自ら毒を飲む奴もいる」
「勿論、バリン親方が毒など持たせるわけがない。そんなことをしたら親方も私も長期間、君たちの『ゲスト』になってしまうからね」ベイツはクスクスと笑った。「そして勿論、私は自分で一杯飲んでみせることで、毒ではないと証明する準備もできている。これも私の仕事の辛いところさ」彼は振り向いて、看守にウインクしてみせた。
「どうやら私の給料以上の話になってきたようだな。巡査長のもとへ戻る時間だ」
「仰せのままに」ベイツは向き直りながら言った。「ですが、それは先ほど申し上げた良い知らせを台無しにしてしまいますね。実は、市職員でもあるバリン親方は、ここ刑務所であなた方が行っている報われない職務に対し、感謝の意を表したいとおっしゃっていたのです。あの方は高潔な御人ですから『瓶を開けて囚人に一杯与え、残りは感謝を込めて刑務所の警備員たちに置いていくといい』と私に言われました。ですから、残りの瓶はあなたにお渡しすることになっていたのですがね」彼はゆっくりと階段を登り、看守のほうへ引き返し始めた。
「まあ……戻る前に、巡査長に一から説明できるよう、その瓶を確認させてくれ」看守の舌が唇の端をペロリと舐めた。
「勿論です」ベイツは荷物の中から、高価そうで、しっかり熟成された瓶を取り出した。古い蝋で封印され、ガラスの表面にはドワーフの文字が繊細に刻まれていた。
「大瓶のウイスキーだな」看守は目を丸くしてベイツからそれを受け取った。
「ドワーフとウイスキーの関係はご存知でしょう。彼らにとっては母乳のようなものです。彼らなら一晩で飲み干してしまうでしょうね。三十年ものとなると、私の給料の二ヶ月分は下りませんよ」ベイツは残念そうに首を横に振った。「正直なところ、私も安全性を証明するという名目で、自分でも味わう機会を心から楽しみにしていたのです。ですが、巡査長にお渡しして、規則通りに処理してもらうのが筋でしょうね」
看守は唇を舐めた。「これを上層部に通すとなると、時間がかかるかもしれないな」
「そして当然、バリン親方は遅れに激怒し、私に八つ当たりをするわけです。ツイてないですね」
「なあ、いいか……互いに助け合えるかもしれん」看守は声を潜め、ベイツにもう一歩近づくよう手招きした。「お前のために手加減してやる。だが囚人が飲むこと、瓶のこと、その一切は二人だけの秘密だ」
「私にそこまでしてくれるのですか?」ベイツはパンを丸ごと一個与えられた浮浪児のような表情を全開にして尋ねた。看守は頷き、額に汗の粒を浮かべた。「ああ、ありがとうございます。感謝しますよ。では、階段を戻ってもよろしいですか?」
「まずこれを荷物に戻せ」看守は瓶を彼に返した。階段の最下層に着くと、ベイツは異なる方向へと続く二つの格子門を目にした。それぞれの先には短い廊下とドアがあった。脇には木製のドアがあり、その上には『受付』と書かれた看板が掲げられていた。小さなデスクが置かれ、その背後で壁に背を預けていたのは、ひどい傷痕があり耳の一部が欠けた年配の看守だった。
「新入りか?」彼はしわがれた声で尋ねた。
「いえ、公式の面会です。市の公務ですよ」看守が答えた。
「誰に会い来たんだ?」年配の男はデスクの上の台帳をめくりながら尋ねた。
「ダミオンの子トルガシュだ」ベイツは淡々と告げた。看守は息を呑み、慌てて咳払いでそれを誤魔化そうとした。年配の男は二ページほどめくると、あるページに指を立てた。「当然『ダーク・ブロック(暗黒区画)』だな。十一号室だ」彼は看守に言った。
「感謝する、ウィリアム」看守は言い、格子門の一つを指さした。「こちらから行くぞ」彼はベイツに言った。「先に鍵を開けてもらわないとな」年配の男はデスクの後ろから踏み出し、足元を失うかのようにゆっくりと歩いた。彼はポケットから大きな鍵を取り出し、門の鍵を開けた。
看守は少し力んだ唸り声を上げて門を開け、ベイツを通るよう合図し、続いて入ると門を押し閉めた。重々しい錠前がカチャリと閉まる音が響き、年配の男はデスクへと戻っていった。
看守は咳払いをした。「入る前に規則を確認しておきたい」と大きめの声で言った。彼はベイツをドアのほうへ手招きし、上で言ったことをゆっくりと繰り返しながら、年配の男がデスクに落ち着くのを見守った。それからベイツを睨みつけ、顔を近寄せた。「クソ野郎の殺人鬼に会いに来たなんて聞いてないぞ!」彼は低く唸った。
「聞かれなかったですからね。何か違いがあるのですか?」ベイツは囁き返した。
「大ありだ。殺人犯は『ダーク・ブロック』行きだ。『ライト・ブロック』と違って、『ダーク・ブロック』には追加の看守が一人配置されている。目的を果たす間、そいつの気を引かなきゃならん。ドアの前面にスライドパネルがあるのに気づくだろう。それを滑らせ、カップを中に通し、またスライドさせて閉じろ。向こう側のパネルは、こちらのパネルが完全に閉まるまで開けられない仕組みだ。ところで――木製のカップは持ってきたんだろうな?」
「バリン親方はその点について明確でしたよ」彼は腰のポーチから木製のカップを取り出して見せた。「囚人に金属やガラスを与えるわけにはいきませんからね。どんな悪事に使われるか分かったものじゃない」
看守は溜息をついた。「分かった。手早くやれよ。もう一人の看守を退かしたら――できればの話だが――瓶を開け、俺が見ている前で自分で一杯あおり、そいつのために一杯注ぎ、パネルを通し、会話をしている間に瓶を荷物に戻すんだ。そしてオリムの雷にかけて、慎重に栓をし直せ!」
「この豚に一杯無駄にするだけでも悲しいのです。これ以上のウイスキーを荷物の中で零させはしませんよ」とベイツが言った。
「しくじるなよ」看守は鋭い声で言った。彼はドアを正確に二回叩き、少し待ってから開けた。
ベイツにはそこがなぜ『ダーク・ブロック』と呼ばれるのかがすぐに分かった。
自然光は一切差し込んでいなかった。それどころか、各牢獄のドアの外には彼がこれまで見た中で最も小さな松明が二本ずつ掲げられているだけで、他に照明らしきものはほとんどなかった。それぞれのドアには番号が塗られており(一号室と二号室はベイツの両側にあった)、看守が説明したスライドパネルの上には、数層の格子で覆われた小さな開口部があり、どんなに薄い物であっても隙間から通すことは不可能な構造になっていた。
「目を慣らせ」二人が足を踏み入れると、看守は背後のドアを閉めながら言った。
突然、ひどく音外れた歌声が響き渡った。
「わたくしはとても寂しいの
けれど見た目は悪くないわ
誰かわたくしと懇意にしてくれないかしら?」
ベイツは囚人が歌っているのだと思ったが、角を曲がると、背が低くモッサリとした黒ヒゲを生やした別の看守が、ドアのない壁の一部にもたれかかっているのが見えた。彼は二人に手を振った。
「お兄さんたち、わたくしに言及しに来てくれたの? 最近はめっきり少なくなってねえ」クマに食われている最中の婦人のような声で、彼は尋ねた。
「この部屋の配置は一交代につき六時間以上は禁止されている。厳格なルールだ。薄暗い照明と孤立は人間を――まあ、見ての通りさ」ベイツの付き添いの看守は、髭面の看守の肩を親しそうに叩いた。
「ここで退屈を凌がなきゃならんのでね」髭面の看守は、相変わらずひどい女声で言った。「言い寄りに来たんじゃないなら、何の用だね?」
「バリン親方からの公務だ。十一号室で十分間だ」
「愛の邪魔をする権利が誰にあるかね?」髭面の看守は十一号室を指さしながら言った。「十一号、面会人だぞ!」
「二号室の様子も見てくるようにと言われていたはずだが」
「ん? ああ、まあ何かしらやることがあるのはいいことだ」髭面の看守は角を曲がっていった。ベイツは素早く十一号室へと歩み寄った。格子の隙間からかすかに顔が見えた。
「見ていろ、トルガシュ」彼は囚人に囁いた。素早く瓶を取り出し、栓を抜く音を消すために二回咳払いをした。看守を見つめて頷くと、口を大きく開けた自分の数インチ上に瓶を掲げ、液体を流し込んだ。ベイツは酒を口の中でゆすぎ、飲み込むと、再び口を開けて見せた。看守は待ちきれない様子で瓶をひったくり、素早く一あおりするとベイツに返し、さっさと進めと手を振った。ベイツは木製のカップを取り出してウイスキーを満たし、十一号室のスライドパネルを開けた。
「バリン親方からの贈り物だと?」中から不機嫌そうな声がした。ベイツはパネルの向こう側にカップを置き、スライドさせて閉めた。瓶の栓をしっかりと押し戻し、荷物の中にしまった。最初の看守が二号室の囚人と話している声が聞こえた。
「パネルの向こうに、三十年もののドワーフ・ウイスキーがなみなみと入ったカップがある」ベイツは格子に顔を近づけて囁いた。「あの歌うたいが戻ってくる前に受け取れ。俺の質問に答えれば、そいつはお前のものだ」
スライドパネルが開き、カップが持ち上げられる音が聞こえた。
「今手に持ってるんだから、もう俺のんだ」不機嫌な声が言った。「味わうのを随分楽しんだみたいだな」
「極上だったよ」ベイツは言った。髭面の看守が話す声はまだ聞こえていた。共犯者の看守はすぐ近くに立ち、もう一人の看守が消えた角を見つめていた。牢内の男はカップを唇に当て、大きく一あおりした。満足そうな声を漏らした。
「三十年ものかどうかは知らんが、いいウイスキーだ。このカップ一杯を飲み干せば、二、三日は苦悩を忘れられるかもしれないな」
「そうだろうと思ってね。買収の品としてお前に差し出せるものは、他にあまりなくてね」ベイツは言った。突然、髭面の看守の声が聞こえなくなった。「引き延ばしてこい」彼はもう一人の看守に囁いた。男はベイツを睨みつけると、角に向かって歩き出した。
「質問ってのは何だ?」囚人はもうひと飲みしながら尋ねた。
「お前たちの組織、『ブラック・マスクス』のことだ。もし誰かを誘拐するとしたら、身代金目的でどこに監禁する? 人目が少なく、明らかに無理やり連れ込まれた見知らぬ女に誰も気づかないような、孤立した場所だ」
「俺たちは誘拐なんてやったことがない。だが『女』と言ったな。誰かが誘拐され、その罪を俺たちになすりつける気だろ。俺がお前を助ける確率なんて、お前が自分のケツの穴にこのカップを丸ごと一押しで突っ込める確率と同じくらいだ」彼はさらにもう一口飲んだ。「だがウイスキーはありがとよ、クソ野郎」
「時間がない、よく聞け」ベイツは囁いた。「毒がそろそろ効き始める。もう一人の看守が戻ってきたら、解毒剤を渡せなくなってお前は死ぬぞ」
囚人は鼻で笑った。「お前が俺に何を与えたにせよ、飲んだ後にあの看守にも渡したはずだ。疑われずに解毒剤を飲むことはできても、お前だって刑務官に毒を盛るほど馬鹿じゃないはずだ。仮に解毒剤を渡したとしても、俺の隣の牢に入れられるのが落ちだ」
「ウイスキーは無害だ。カップの内側に錬金術の試薬が塗ってあったのさ。今頃、腸が緩んできているはずだ。体の中にあるあらゆるものが、極めて迅速に、かつ苦痛を伴って外に出ようとし始める。次は膀胱だ。空になっても筋肉が痙攣し続ける。小便の空絞りは殺人的に痛いらしいぞ。その後間もなく、手足が制御不能になって激しく痙攣し、お前は自分で撒き散らした汚物の水たまりの上に転がることになる。心臓が異常な痙攣を起こして死ぬまでの二〇分間、苦しみ抜くんだ。すべての激痛で、まるで二〇日間に感じられるだろうがな」
「おいおい、大したお話だな。まあ、お前が俺を殺した罪で吊るされるのを見届けられるなら、いっそここで死んでやってもいいぜ」
「死ねないさ。だが仮に死んだとしても、奴らはバリン親方に血液の毒物検査を頼むだろう。俺をここに送ったのはあの方だ。『ただの癲癇の発作です』と確認して終わりさ」
「ハッタリこいてんじゃねえよ、このウソツキ野郎」囚人はそう言った直後、息を呑み、間違いようのない不快な長音が響き渡った。
「ほら……ハッタリじゃなくなったろう」ベイツは言った。
「この種無し野郎が!」
「声を落とせ。看守が戻ってきたら、発作を起こしていると伝えてやる。そうすればお前はその牢屋で惨めにのたれ死にだ」
再びあの音が響き、液体が牢の床に飛び散る音が聞こえた。
「『七つの地獄』にかけて……死にたくない、死にたくない!」腹をねじらせながら囚人が喘いだ。
「人質はどこに匿う?」
「一番怪しいのは……ウィスパーデールの外れ、赤ひげのコラムの羊牧場の近くだ……あああ、頼む!」
「カップの底が二重になっている。ひっくり返して、親指でフチを慎重に押せ」ベイツは囚人が手探りでカップを探す音を聞いた。「上げ底の中にある液体を全部飲めば、一〇分で元通りだ。このことを誰かに言ってみろ、次はパンに毒を混ぜてやる。解毒剤なしでな」
看守たちが角を曲がって戻ってきた。特定の剣闘士の業績について熱心に議論していた。髭面の看守が足を止め、ベイツを見た。
「格子のそんな近くに立たない方がいいぞ。時々、唾を吐いたり……『体液』を投げてきたりするからな。格子じゃ全部は防げん」
「素晴らしいタイミングのアドバイスですね」ベイツは一歩下がった。「匂いからするに、どうやらこちらの体液好きのご友人も、私にそんなご馳走を用意していたところだったようです」
「じゃあ、婚約は破談ってわけか?」
「ええ、あまり協力的ではありませんでした。ボスにこの報告を持ち帰らなければ」ベイツは言った。
「お前の家族全員、クマに犯されちまえ!」囚人が叫んだ。
「まあ、縁がなかったってことだな」髭面の看守は肩をすくめた。彼は振られた恋人の歌を歌い始めた。ベイツともう一人の看守は彼に別れを告げ、『ダーク・ブロック』を後にした。ウィリアムが足を引きずりながら歩み寄って門を開け、二人は上の階へと戻った。看守はベイツに瓶を要求すると、素早く倉庫の中に滑り込ませた。
「今日中に回収する。楽しみだな」戻ってきた彼は言った。
「お体に気をつけて楽しんでください。ご協力感謝します」
「気にすんな。それより、口外するなよ」歩きながら看守が言った。
「あ、もう一つだけ」表の部屋へ続くドアの手前でベイツは足を止めた。ポケットに手を突っ込み、ハーブの小さな束を二つ取り出した。一つを自分の口に放り込み、もう一つを看守に手渡した。
「ミントの枝です。ウイスキー臭消しに」彼は力強く噛み砕きながら言った。「お互いのボスに気づかれたら厄介ですからね」看守は頷き、ミントを受け取った。数分後、ベイツは馬車に乗り込み、自分の馬を引き取りに馬小屋へと向かっていた。




