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パーティーに魔法使いが足りない!――橙色の召喚術士を勧誘せよ

「伝説の時代に伝わる物語には、しばしば『黒目の山賊(ブラックアイド・バンディット)』、またの名を八本脚のアライグマが登場する。四本脚の近縁種とよく似た姿をしているが、体幅はやや広く、標準的な外側の脚のの内側にそれぞれ小さめの脚が生えていた。この脚は主に物を掴んだり体を安定させたりするのに使われ、木登りの能力を飛躍的に高めていたという。その丸みを帯びた体つきと不器用な歩き方から、歓喜と驚異の神セリバルドのお気に入りであった。大激変の時代、黒目の山賊は、その僅かな生息地が広範囲に及んで破壊されたことで絶滅した数多くの動物種の一つとなった。その結果、セリバルドはこの世界に背を向けたと伝えられており、事実、数百年後の紛争の時代に至るまで、彼が信仰され続けていたという証拠は存在しない。最後の施しとして、彼は自分の領域で黒目の山賊を絶滅寸前まで狩り尽くしたスタラワラの村に呪いをかけた。その呪いとは、彼らの開拓地に二度と太陽が昇らないというものであった。現代において『セリバルドの暗闇』として知られるその場所は、現在のケント公国の開けた野原の中に存在している。円の中に灯された火や燭台の光は内部を照らすものの、太陽の光だけは決して侵入することはない。この呪われた地に最も近い町は、ガイド付きのツアーやセリバルドにまつわる様々な土産物を喜んで提供している。その現象を言葉だけで表現するのは困難であり、一見の価値があるのは確かで、最初は実に感動的だが、いずれその新鮮さも薄れてしまう。土産物に関しては、もっとこだわりのない旅人のために残しておいてもよいだろう」 ――『タイコロスの年代記』より


家に戻ったアバナシーの気分は、挫折感と無力感が入り混じったものだった。ソロブリオンに話を聞いても、物議を醸すような投票も、テペシュに対する陰謀を引き起こすような最近または近い将来の法案も、心当たりは皆無だった。追放されるまでの貴重で僅かな時間を、無駄にしてしまったのだ。


ルシンダと共に家に入ると、ダイニングテーブルにヘルギ・ピュアブラッドが座り、レザやゴルトゥクと熱心に話し込んでいるのが目に入り、アバナシーはすっかり驚いてしまった。


「成果はあったかい?」とレザが尋ねた。


「全くなかったわ」と、少し間を置いてルシンダが答えた。アバナシーは返事をせず、頭を整理しようとヘルギをじっと見つめていた。


彼女は彼に厳しい視線を向けた。「休暇を取るくせに、私を誘おうともしなかったのね」そう言うと、彼女は薄く微笑んだ。


「いや……全てがあまりにも急に動き出してね」気圧されたように彼は答えた。「考える時間がほとんどなかったんだ。どうして知ったんだい?」


「私には私の情報網があるの」と彼女は言った。「大事なのは、あなたに同行する時間が取れたということよ。それとも、残っていさせたほうがよかった?」


「いや、まさか。ただ……どこへ向かうのかも、どれくらい離れるのかも、自分でもよく分かっていないんだ。今のところ、全てが非常に曖昧でね」


「必要な手配は済ませてあるわ。私の一族の間でも、個人的な事情で集団を離れる者は珍しくないの」


「そうか……ありがとう、ヘルギ」他に何と言っていいのか分からず、彼は言葉に詰まっている様子だった。


「キュリオンはどこだ?」とルシンダが尋ねた。


「戻った時に家に帰らせたよ。さっきは冗談を言っていたが、彼の時間は本当に金になる。明日また彼の手が必要になるかもしれないから、しっかり休ませておきたかったんだ」とレザが言った。


「三人で話していたんだが、問題があると思うんだ」ゴルトゥクが痺れを切らしたように言った。


「どこへ行くのか、誰を追うのかすら分かっていないこと以外に、かい?」とアバナシーは言った。


「ああ」ゴルトゥクは重々しくうなずいた。「傭兵の仕事では、チームに必ず呪文使いの類を入れようとする。戦闘で優位に立てるし、他人には探れない情報も調べられる。それに、何らかの魔法と対峙することになった時、対等の条件で戦うには奴らの力が必要になるからな」


「僕たちの誰にも、そうした経歴はないな」アバナシーが言った。「ルシンダが錬金術の知識を少し持っているくらいだ」


「適任者を見つけるのが賢明でしょうね」レザが言った。


「明日にでも全ての予定を投げ打って、期間も決まらない旅に一緒に出発してくれるような心当たりのある魔法使いなんて、僕には思い当たらないが」アバナシーは眉をひそめた。


「雇うという手もある」とゴルトゥクは言った。「だが、そこに問題がある。力の弱い術者は仲間からの保護に強く依存するから、実績のあるグループとしか組まないのが普通だ。もっと強い術者なら自衛できるから実績なんて気にしないが、要求する報酬が跳ね上がる。お前の生い立ちを気にせず明日出発できるそれなりの術者を見つけることはできるが、相当な金がかかるぞ」


「今の僕は無職だからね」アバナシーは言った。「もちろん多少の蓄えはあるが……何週間も、あるいは何ヶ月も旅をして、結局何も得られないかもしれないんだ。そんな不確かなものに、そこまでの大金を注ぎ込むわけにはいかない」


「運が良ければ、道中で誰か見つかるかもしれないわ」ルシンダは楽観的な口調で言った。


「運任せにするようなことではないさ。だが、僕には頼れるようなツケもない。予算がないなら、自分たちで何とかするしかないな」とレザが言った。


アバナシーは咳払いをした。「念のために言っておくが、明日僕についてくる義務も、そう期待される筋合いも誰にもないからね。もちろん、助けを申し出てくれたことには深く感謝しているし、恐縮しているよ。今夜一晩考えて、気持ちが変わったとしても、誰も責めたりはしない」


他の者たちは黙っていた。


「さて、僕には明日の午後までに事務所を整理し、家に鍵をかけ、私物を安全に保管して……ええと……追放生活への準備を整える時間がある。皆にもそれぞれの準備があるだろう。追い出すつもりはないが、そろ荷造りを始めなければならないんだ」


ヘルギは手を振ってそれを制した。「詰めておくべき点はまだ幾つかあるけれど、あなたがいなくても何とかなるわ。やるべきことをしなさい。出発の時には知らせるから」


夜が明ける少し前、最後に家を出たのはルシンダだった。彼女はアバナシーの手伝える限りのことを手伝い、残りの数少ない片付けは彼一人で行うことになった。彼は彼女に改めて感謝を伝え、馬車に安全に乗ったのを見届けてから家に戻り、残りの作業を終えた。ようやくベッドに入った時には心身ともに完全に疲弊し切っており、すぐに深い眠りに落ちた。


ほんの十分ほどしか経っていないように思えた頃、玄関のドアを激しく連打する音が聞こえた。しかし外には陽が射していた――少なくとも大部分は出ていたので、すでに朝になっているはずだった。彼は重い足取りでドアへ向かい、同じくあまり休めていなさそうな顔をしたルシンダを迎えた。


「大事な日よ、ボス。やるべきことが山積みだわ。起きる時間よ」


「ありがとう。来てくれて助かるよ。君の手配は全て整ったのかい?」彼女がキッチンに向かって入ってくるのに合わせて、彼は尋ねた。


「大して準備するものもなかったけど、ええ、万全よ。あなたのティーケトルはどこ?」


「オーブンの隣の、一番下の戸棚だ。大した茶葉を置いてないのが主な理由だけどね」


彼女は、強烈な……目が覚めるような香りのする小さな袋を振った。「だから持ってきたのよ。これなら一瞬で目が覚めるわ」


「君がどれほど素晴らしいか伝えたいところだが、気の利いたことを言えるほどまだ目が覚めていないんだ」彼は料理用の小さな火を熾し始めた。


「お茶の後にでも、ご遠慮なくその話に戻ってくれていいわよ」と、彼女は疲れたような笑みを浮かべて言った。


「昨夜、ある考えが浮かんだんだ。いや、夢だったかもしれない、分からないが。寝ている間に閃いたんだ。僕の知り合いに――つまり、辛うじて知っている程度だが――魔法の技術を持っていて……いや、持っていると思うんだが……すべてを投げ打って僕らについてきてくれるような、そんな気性の持ち主がいるかもしれない。まあ、違うかもしれないが」


「それは随分と有望な手がかりね」と、彼女は皮肉たっぷりの声で言った。


「これが一番有望な手がかりだなんて、悲しい話だと思わないか? とにかく、もう少ししたら彼に会いに行くつもりだ」


「なぜ待つ必要があるの?」と彼女は尋ねた。「こんなことをしてくれるくらいあなたのことを気に入っているなら、朝早く起こされたって気にしないでしょう」


「彼がどこに住んでいるのか知らないんだ。職場しかね」


「なるほど、大親友ってわけね」彼女は苦笑混じりに言った。


彼は憂鬱そうに頷いた。「さらに言えば、旅の二日目の夜までに、ヘルギが寝込みを襲って彼を切り裂く可能性もゼロじゃない」


「ねえ、私はいつだって、あなたがどれほど理路整然としていて几帳面か、評価し、尊敬してきたわ。だから、あなたが専門外の事態に直面して、こんなクソみたいな大嵐のド真ん中で右往左往するのを見られるなんて、最高のご褒美になるわね」ルシンダは満面の笑みを浮かべた。


「それなら、どうして笑っているんだ? 君もこの騒動に僕についてくるんだぞ」


「ええ、でもあんまりイカれた事態になったら、いつでも辞めて家に帰れるもの」彼女はまだニヤニヤしながらそう言うと、尻尾で彼の耳の先を軽く撫でた。アバナシーは迷惑そうなふりをしてケトルに水を満たし、火にかけた。それから間もなく、ドアをノックする音が聞こえた。


「いつもの手順ね。姿を隠して」とルシンダは言った。アバナシーが部屋を出ると、彼女はドアを開け、眩しい日差しに目を細めた。外には、白いローブを着た恰幅の良い黒人の男が立っていた。


「オロドン?」と彼女は尋ねた。


「ええ、昨晩お会いしましたね。ルシンダさん、でしたか?」


「その通りよ。ご用件は?」


「あの、大したことではないかもしれませんが、アバナシー先生のお役に立ちそうなことがありまして。いらっしゃいますか?」


「ええ、どうぞ入って」彼女はドアの脇に寄って言った。「アバナシー、オロドンよ!」


アバナシーが寝室から姿を現した。「おはよう」彼は精一杯の作り笑いを浮かべて言った。「残念ながら、僕にはあまり残された時間がなくてね」


「私も本当は屋敷を空けるべきではないのですが」とオロドンは言った。「少し思い当たることがありまして。私は、警備記録に記された異常事態も含め、家政に関する詳細な日誌をつけております。数ヶ月前の深夜、当直の警備員が正門を鎖で施錠し、少しの間その場を離れました……」彼はルシンダをちらりと見た。「……個人的な生理的欲求を満たすためです。本来あってはならないことですが、一度に警備に当たるのは一人だけですので、時折避けられないこともあります。本人は五分と離れていなかったと主張していますが、彼が戻ってくると、門の中央のスパイクのてっぺんに、切断された豚の頭が突き刺さっていたのです。当時は、それが政治的なメッセージなのか、単なる悪戯なのか、あるいは何のために行われたのか分からず、数日間警備を倍に増やして、それきりになっていました。あなたがお帰りになった後、ふとそのことを思い出したのです――ご存知の通り、人間の心というのは時にそのように働くものですから――そして私は日誌を読み直しました。その時期の周辺で重要だと思える出来事は、事件の二日後に、大量の輸入イチジクの詰め合わせが届けられたことくらいでした。私は、それに添えられていた手紙を屋敷の書簡保管庫から探し出しました」


彼は高価そうな羊皮紙をアバナシーに手渡し、アバナシーはそれを声に出して読んだ。


「『尊敬なるテペシュ・ゴールダン殿。オークの教育計画を促進させることで、亡き同僚たちの記憶を称えてくださったことへのささやかな感謝の印として、これをお受け取りください。他者が我々を分断しようと目論む時、それは我々をより強固にするだけです。敬具、ハノーファーのダリウス』」


アバナシーは手紙を返した。「つまり、豚の頭が門に突き刺さっていたのは、オークの学校に関する投票の直後だったということかい?」


オロドンは首を横に振った。「私は彼の立法に関する記録を管理しているわけではありません。投票の当日だったかもしれませんし、数日後、あるいは数週間後だった可能性もあります。私に確信を持って言えるのは、感謝状が豚の頭の二日後に届いたということだけです」


「しかし、支援に対する感謝というのは、通常、非常に迅速に行われるものだと推測するが」とアバナシーは言った。


「ほとんどの場合、投票から数日以内です。時には数時間以内のこともあります。申し訳ありませんが、そろそろ本当に戻らなくてはなりません。ご武運を、アバナシー先生」


二人の男は手短に握手を交わし、ルシンダがオロドンを見送った。


「今この話をしたい? それとも他の皆を待つ?」と彼女は尋ねた。


「まずは自分自身で少し考えてみる必要がある。だが、これが一番動機に近いものだ。これ以上話すのは、お茶が効いてくるまで待ってくれないか」


ケトルが沸騰する前に、ヘルギが名乗り、それからドアをノックした。アバナシーは彼女を中に招き入れた。突然、彼は彼女を引き寄せ、腕を回して抱きしめた。彼女は頭を傾け、彼の頭に寄りかかった。


「大変な仕事になるけれど、あなたは一人じゃないわ」彼女は優しく言った。


「それに感謝しているよ」と彼は答えた。彼女が彼にキスをしたちょうどその時、ケトルがピーッと鳴り始めた。三人は揃って吹き出した。


「まあ、ムードはぶち壊しになっちゃったけど」ルシンダはなんとか言葉を絞り出した。「少なくともお茶はできたわね」


彼らはテーブルに座り、温かい飲み物を楽しんだ。それは香りが示唆していた通り、非常に刺激的で、アバナシーはカップの底を見る頃にはすっかり目が覚め、神経質なほどの活力がみなぎってくるのを感じた。


「もうすぐ用事を済ませに行かないといけない」彼はヘルギに言った。「ここから数時間がどう転ぶか正確には分からないから、機会がある今のうちに食べておいた方がいいだろうね」


「私はまだ何も食べてないから、それに賛成」ルシンダはそう言って、何かないかとアバナシーの戸棚の中を探し始めた。


彼らは、世間話や土壇場の計画、そして苦味から自己憐憫、そして決意に至るまで、アバナシーが口にする様々な感情の入り混じった解説を交えながら食事をとった。彼が皿を片付けていると、玄関のドアを激しく叩く音が始まった。


「市警備隊だ!」と太い声が轟いた。三人はパニックになって顔を見合わせた。「いや、ゴルトゥクと鳥男(レザ)かもしれないわね」


ルシンダは玄関へ駆け寄り、ドアを勢いよく開けた。そこには薄笑いを浮かべたミノタウロスが立ち、その背後にレザがいた。「ただでさえみんなピリピリしているんだから。事態を悪化させるような真似はやめて」彼女は素っ気なく言った。


「こういうプロジェクトにはユーモアのセンスが必要なんだよ」二人が中に入ってくると、ゴルトゥクが言った。「考えてもみろ。医師が率いる遠征隊が、患者かもしれない奴らに手伝われながら、神のみぞ知る人物を追ってどこへともなく向かうんだぞ」


「まあ、追っている人物については手がかりが得られたかもしれない」アバナシーはそう言って、オロドンの話を語って聞かせた。


「動機の本命が見つかったようだな」とレザが言った。「市議会の誰もが殺人事件を非難したが、最も具体的な行動を起こしたのはテペシュだった。ブラック・マスクスはオークの学校設立を止めようとしていたが、彼はそれを迅速に推進することで奴らの顔に唾を吐きかけたんだ。奴らはそれを個人的な侮辱と受け取ったか、彼を見せしめにしようとしたのかもしれない。あるいはその両方か」


「相当怒っていたに違いない」ゴルトゥクも同意した。「テペシュをこのように破滅させるのは、奴らにとって格好の復讐だろう」


「それに加えて」とルシンダが言った。「これまでの経緯を考えれば、市議会の誰もオークの開発事業に反対しないでしょうけれど、テペシュはその事業の積極的な後援者であり保護者だったわ。彼がいなくなれば、いつだって他の何らかの脅威に対して無防備になりかねないわね」


「これが僕たちの持つ最も有力な手がかりだから、まずはそこから始めよう。それと、一緒についてきてくれるかもしれない魔法使いについて、ちょっと突拍子もない考えがあるんだ。ルシンダと僕はこれから彼に会いに行って、説得してみるつもりだ。そこから事務所に向かって、いくつかの品を引き取り、建物を封印してくれる魔法使いと落ち合う。昼までにはここに戻るよ。ヘルギ、ゴルトゥク、一行の食料や備品の調達を頼めるかい?」


「勿論よ」とヘルギが言った。「新しい仲間の候補には、何か特別な装備が必要かしら?」


「僕の知る限りでは必要ないよ」アバナシーは言った。「レザ、ブラック・マスクスについて少し探りを入れて、彼らがどこに潜んでいるか突き止められるかい?」


「金をばら撒いて、いくつか尋ね回ってみるよ」彼はドアに向かいながら言った。


「よし。それじゃあ、僕とルシンダは出発しよう」アバナシーは立ち上がった。「数時間で戻るよ」彼はヘルギに家の鍵を渡した。「君たちの方が先に戻るだろうからね」と言って。


~---~


馬車が動き出すと、ルシンダはアバナシーに旅の連れについてのアイデアを尋ねた。「もっと具体的に言うと、私はどう手伝える?」


アバナシーは溜息をついた。「まあ、本当に望みは薄いんだがね。彼はすでに仕事を持っているから、僕たちとしばらく一緒に行けるよう上司を説得しなければならない。本人が乗り気であると仮定しての話だがね。彼が自分の仕事に退屈しているのは知っている。僕たちに加わる動機になるとしたら、本当にそれくらいしか思いつかない。ただ本音を言えば、綺麗な女性の顔があれば彼を後押ししてくれるんじゃないかと期待しているんだ」


ルシンダは微笑んだ。「家を出る前に言ってくれればよかったのに。もう少し綺麗に装ったわ」


「いや、彼をその気にさせすぎてはいけないよ。ただ……患者に対する時のように接してくれればいい。温かく、歓迎する姿勢でね。君と一緒に――つまり、僕たちと一緒に旅をするのが心地よいと感じさせてほしいんだ。それと勿論、僕たち二人とも、ひどく刺激的な探求の旅に出るかのようにワクワクしている様子を見せる必要がある」


「危険、刺激、そして時に倒れ込む乙女(ヒロイン)。了解したわ」彼女は呆れたように言った。


「彼の上司に関しては、許可を出すべき説得力のある理由が何一つない。だから徒労に終わるかもしれないが、他の者たちは魔法に通じた者が一人必要だと確信しているようだからね。僕が冒険者をしていた短い期間も、僕がいたパーティは呪文使い抜きでチームを送り出すことなんて滅多になかった。だから試してみるしかないんだ」


馬車が到着して外に降り立つと、ルシンダはできる限り尻尾で鼻を覆った。「この場所の臭いを忘れていたわ」と彼女は言った。


「それなら、早く中に入った方がいいな」アバナシーは彼女を大きな、冴えない建物の中へと案内し、廊下を進んで受付デスクで二人とも記帳した。彼らが会いに来た人物を呼び出すため、係員が派遣された。それほど時間を置かず、派手なオレンジ色のローブを衣擦れさせながら、クリヴィントン・ベイツが満面の笑みを浮かべてやってきた。


「アバナシー先生! またお会いできて本当に嬉しいですよ」


「僕もだよ。僕の助手であり、信頼する腹心のルシンダを紹介させてくれ」


クリヴィントンの顔がさらに華やいだ。「勿論ですとも。お目にかかれて光栄ですよ、ルシンダさん」彼は軽く一礼した。


「お上手ですね。お会いできて嬉しいわ」彼女は満面の笑みを浮かべ、無意識を装って尻尾の先で髪を弄くる仕草をした。


「クリヴィントン、不躾で申し訳ないのだが、非常に重要な件で来ていてね。時間があまりないんだ。少し話をする時間を割いてもらえるかい?」


「勿論ですとも」彼は幾つかの椅子を指さした。「座って、詳しく話を聞かせてください」


「私たち、冒険に出るのよ」彼らが座る直前、ルシンダは彼の耳元で大げさな囁き声をかけた。ベイツは片方の眉をひそめた。


「先生、あなたにそんな一面があったとは知りませんでしたよ」彼はからかうように言った。


「まあ、必要に迫られての冒険なんだがね」とアバナシーは言った。「手短に話そう」彼が話し終えると、ベイツは大きな息を吐き出し、その音を口笛のような音へと変えた。


「それは……それは酷い話ですね、アバナシー先生。あなたにとっても、ご友人にとっても、本当に気の毒です」


「ありがとう。正直、この件を考えすぎると集中力が切れてしまいそうなんだ。追放が始まるまで、あと数時間しかないからね。だから話した通り、一緒に来てくれる仲間は何人かいるんだが」(ルシンダがベイツに向かって愛想よく手を振った)「魔法に通じた者が欠けていてね。その技術がどうしても必要なんだが、こんな急な呼びだしに応じられる心当たりがないんだ――まあ、僕の予算に収まる範囲ではね。君がここで退屈していると言っていたことや、召喚術学院(アカデミー・オブ・カンジュラーズ)に数年通っていたこと、そして勿論、錬金術の知識もあることを思い出して、それで――」


「――アバナシーはね、この冒険に一緒についてきたいか聞こうとしているのよ。楽しくなるわよ。でも、あなたが入ってくれたらもっと楽しくなるわ」とルシンダが割り込んだ。


ベイツは口を開かけ、そして閉じた。「そうですね」彼は言った。「それは……魅力的な提案でないとは言えませんね。ですが、腹を割って話しましょう。私が自分を『召喚術士』と名乗れば、あなた方を誤解させることになります。確かにいくらかの呪文は知っていますし、キャンプファイアの席で人を感心させるくらいのことはできます。ですが、戦闘用魔導士としての資格となると、そのような仕事には不向きです。適切な試薬が手に入れば、役に立つ薬を調合することはできますがね。厳密に言えば、私はここではまだ駆け出し扱いですが、それ以上の実力はある自負があります。それでも、あなた方が探しているような人材ではないでしょう」


「他に探している時間はないんだ」とアバナシーは言った。


「勘違いしないでください、胸が躍るような話ではあります。どのみち、しばらく休暇を取ろうかと考えていたところでしたからね。『グリーン・コースト』へ旅をして、ジャイアント・セクウッドの木を見てみたいと思っていたんです。ですが、どんな冒険も同じくらい素晴らしいものでしょう。ただ、自分がどれほど貢献できるかが分からないのですよ」とベイツは言った。


ルシンダは身を乗り出した。「あなたがいてくれた方が、いないよりずっと心強いわ」彼女は優しく言った。


ベイツは咳払いをした。「バリン親方に話してみましょう。私のここでは階級が低いですから、到底欠かせない存在というわけではありませんし、ぶっちゃけ親方も、しばらく私から解放されるなら喜ぶでしょう。ですが、もし彼を説得できたとしても、どこへ向かうのか、何を探しているのか――勿論、例の女性以外にですが――当てはあるのですか?」


「最も有力な手がかりは、これがノロヴィアの殺人事件に関連しているかもしれないということだ。現在、ある者に少し探りを入れさせていて、ブラック・マスクスの本拠地がどこにあるかの手がかりを得ようとしている。彼は非常に利発だが、残された僅かな時間で何か突き止められるかとなると、正直そこまで期待はしていない」とアバナシーは言った。


「そして、この欠員を埋める他の候補者はいないのですね? 本物の魔法使いが現れる見込みもなしと?」


「あなたか、誰もいないかの二択よ」ルシンダが答えた。


ベイツは立ち上がった。「分かりました。出発の場所と時間を教えてください。私は現れるか、現れないかのどちらかです。私がバリン親方とやり合っている間、あなたがここで時間を無駄にする必要はありません。ですが、もし彼と話をつけられたなら、あなた方のその行き当たりばったりで、まともな目的も準備もない冒険に、喜んで参加させていただきますよ」彼は満面の笑みを浮かべて言った。


アバナシーは彼の手を握った。「君にどれほど感謝しているか、言葉では言い表せないよ」


「まあ、努力してみてください。道中、会話をする時間はたっぷりありますし、私は下品な冗談と同じくらい褒め言葉が好きですからね。ですが、まずは上司の許可を得なければなりませんから、まだ大騒ぎするのはやめましょう」


「馬はお持ちかしら?」とルシンダが尋ねた。


ベイツは頷いた。「暇な時に乗るのが好きでしてね」と彼は言った。「ちょっとしたスリルを味わえますから。ですので、その点についてはご心配なく」


アバナシーは羊皮紙の切れ端に自分の住所を素早く書き留めた。「正午から一刻後に(一時頃に)出発しなければならない。君が来られることを願っているよ」


「私だってそう願っていますよ」ベイツは立ち上がりながら言った。「さあ、さっさと行って準備を終わらせてください。私はバリン親方が喜んで私の背中を見送れるよう、できる限り生意気な態度をとってきますからね」彼は背を向け、オレンジ色の衣擦れを翻して去っていった。





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