閑話 羞恥心授業
「え~と言うわけで、男子一同から全力で頼み込まれましたので」
「第一回、ハクロさんに羞恥心を植え付け教育合宿となりま~す」
「「「いえ~~い…ってなるかと思うか、馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」
【わぁ、心からの魂の叫びですね。…いえ、まずどうしてこんなことに】
…学園内寮室…女子専用の合同部屋にてあがる声に、思わずつぶやくハクロ。
どうしてこうなったのか困惑する彼女に対して、女子生徒一同ははぁぁっと重い溜息を吐いた。
「そ・れ・は・ねぇ!!貴女が男に対しての羞恥心を持ってないからよぉ!!」
「こっちだって入学当初から憧れていたり狙っていたりする男がいるのに!!」
「そんな彼らをどきまぎさせるような天然ぶりは、駄目だってことなのよぉおおおおお!!」
「「「この天然ドスケベナイスボディ白蜘蛛娘ぇぇぇ!!」」」
【長いですし私怨混ざってませんか!?】
思わずツッコミを入れるハクロだったが、女子一同の意見もごもっともではある。
従魔の姿は基本的に獣だったり無機物だったり様々なものがあるが、ハクロの姿は美女。
蜘蛛部分がマイナスになりそうな気がしなくもないが、それでも毛並みも良く、出るところも出ており、しっかりとしつつのほほんとした雰囲気もまた好かれるような要素がある。
それが、他の男子たちに影響を…性癖だとかそのあたりに及ぼしそうなことに対して、容姿の美しさへの嫉妬も相まって色々と思うところがあるのだ。
そのため、今回ハクロへ羞恥心をしっかりと学ばせることに関して引き受けつつも…可能ならば、その美貌の秘密も知りたいところ。
従魔なのになぜ、そのような容姿をしているのか。場合によっては同じような美しさを手に入れられるかもしれない。
下心が溢れているとはいえ、そうでもしなければやっていられないだろう。
「と言うかそもそも、なんで羞恥心が常識はずれな状態なのよ?」
【えっと、そもそも私従魔…人じゃないですし、衣服を着ているのは急所隠しもありますけれども、お姉ちゃんたちは全裸でしたし…】
「全裸ぁ!?え、どういう一家だったのそれ!?」
【山のように大きな蜘蛛の大群ですね。私だけ異端だったのかもしれないですが】
そう、根本的な部分から…彼女は人の中で過ごしているわけではないことが、この世界においての人との営みにおける常識のずれが起きているのだろう。
人の恥ずかしさが、蜘蛛の恥ずかしさにつながるわけではない…そこが問題なのかもしれない。
「なら、人の視線を感じ取って、どういうものか覚えてもらうのが良いんじゃないかしら?」
朱に交われば赤くなる、オークに交わればブタになる…かつての賢者が残した言葉にあるように、彼女には環境を変えることが、教育として良いのではないかと女子たちは判断する。
「と言うわけで、貴女にはこれからばっちりと羞恥心を身に着けてもらうわ。そうね、まずはお手軽な変え方として服装かしら」
「常識的な感覚を身につければ、まともになるだろうし…ええ、ついでにちょっと体の秘密もね」
「それにしても、本当になんというか良い体…ちょっと個性的なものに着替えても良いんじゃないかしら」
【え、え、え…ちょっと皆さん、怖いんですが…ひぇっ】
じりじりと、異質な雰囲気に恐怖を覚えて、後退するハクロ。
しかし、後ろはもう壁しかなく、逃げられる場所は無い。
「ーーー羞恥心のお勉強の前に、まずはどういう服がどのような効果を発揮するのか、叩き込んであげるわぁぁぁ!!」
「そうねぇ、恥ずかしさを感じるならバニーガールにマイクロビキニに、いっそ紐も‥」
「「「取り敢えず、まずは形から一斉に叩き込んであげるわぁぁあぁぁぁぁ!!」」」
【なんかもう皆さん、欲望の獣と化していませ、きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーー!!】
…その日、哀れな蜘蛛の悲鳴が、寮内に響き渡るのであった。
【えっぐ、えっぐ…主様ぁ、皆さん怖かったですよぉ…】
「大丈夫、ハクロ…その、なんか属性メガ盛りのすごい恰好になっているけど…」
【全然大丈夫じゃないです!!私の糸で色々衣服作れますから、この際主様も道連れでーーーーーす!!】
「ぎゃあああああああああああああああああああ!?」
さらっととばっちりに遭う哀れなルドラ
真に恐ろしいのは魔物よりも、人の心の魔物の方ではなかろうか
そう思わず考えてしまうのであった…
次回に続く!!
…とりあえず、コレで少々常識はたたきこめて…いるのか、コレ?




