閑話 護衛騎士たちのあれやそれ
―――聖公国アヴァロニストの、聖女様に仕える護衛騎士たち。
様々な聖女様たちがいるとはいえ、各々の守るべき聖女は誰もが大事なのは変わりはない。
聖女に与えられる聖光で武具を強化し、魔物から守るのも騎士としての誉れがあるだろう。
そもそもの話として、騎士であるからこそ彼らなりのプライドもあると言えばあるのだが…
「…これより、夜の見張りも兼ねた報告会を行いたいと思う」
「賛成だ。昼間の魔物の襲撃に関してもわかったこともあるが…その前に、一つ良いだろうか?」
「どうした?」
「‥‥アルバニア王国の従魔騎兵団学科、その林間合宿へ向かう道中の半ばまで、ともに行くことになったのは良いのだが…いかんせん、過剰戦力な気がするのだが」
「否定はしない。というか、この場にいる誰もが思っていることだ」
「「「本当に、マジでそう思っているんだよなぁ…」」」
深夜、夜の護衛の場にて、告げられた言葉。
その内容に、騎士たちはうなずきながら、物凄く重い溜息を吐く。
従魔の強さは否定できず、魔物への対抗手段としてはありと言えばありだろう。
だがしかし、その中でもより一層強いのが目立つというか…
「アラクネ、オーガ、スキュラだったか。この三体が明らかに別格だろうな」
「ああ、あの蟻の大群を他の従魔たちも薙ぎ払っていたが、強さだけは規格外だ」
人と言葉を交わすことが可能であり、なおかつその強さも桁違い。
ありえない従魔と言って良いのだが、存在しているのだから仕方がない。
「あと美しいのが…くぅっ、人じゃないのが、残念ではある」
「騎士鎧を着てもらって、伝説のくっころのセリフを聞いてみたくはあるが」
「やってくれ…るわけがないだろうな。むしろ、脅す側だろ」
想像すると見たいわけではないが、立場としては彼女たちが脅かされることは無さそう。
それどころか、むしろ言わせる側に立つ可能性も…
「ありだな」
「え」
「お前マジか」
「護衛騎士やめろ」
「フルボッコダドンッツ!?」
騎士と言う立場上、発散しにくい部分もあるだろうが、一人の社会的な部分が壊れるのはまだどうでも良い。
とにもかくにも、目立つ従魔…ハクロ達に関して、護衛騎士たちからすれば、目を離せない存在ではある。
「従魔とは言え、それでも魔に連なるもの…油断はしたくはないな」
「敵対しないのは良いが…これがもしも、敵対することになったら、それはそれで最悪だな」
「我らが聖女様の聖光は、魔に連なる者への効果はあり…従魔にもまた、いけるはずだが」
「接近戦になるからこそ、距離を取られたりするのも厄介だな…」
魔法に糸、遠距離からの投擲…他、様々な手段があるのは目に見えている。
特に、人型の部分があるというのはかなりの厄介さを持つだろう。
「人と変わらぬような部分…あの手が一番危ないな」
「というと?」
「人と変わらぬように、武器を扱えるのが厄介だ。臨機応変に対応しやすすぎるからな」
魔物の攻撃手段は、基本的に自前のモノが多い。
だがしかし、人と変わらぬ部位があるものとなると、場合によっては人の武器を奪って扱い、人以上の力で振るいまくる可能性が大きいのだ。
「何にせよ、聖女様に害が及ばぬように警戒しながら、彼女たちと敵対するようなことも避けたいな。我らが聖公国は従魔を扱わぬ国だが…今回の件で、より強力なものが出てきた以上は、少し考えてもらう必要があるかもしれぬ」
「魔に連なるものに敵対するべきとか過激な部分もあるが…うん、過激派がやらかす可能性も否定できない」
「ていうか確実にやるだろ、あの肉欲に溺れの不正大司教あたりが…何故、まだ追放できぬ」
「やらかしたが最後あれやそれと連なる大掃除が激しくなってとかがあるからな…」
…とにもかくにも、この縁に乗じてある程度の交流は持っておいたほうが良い。
騎士たちはそう結論付け、敵対しないように気を遣うのであった…
「あと聖女様も厄介と言うか…あの従魔の主に、ホの字になってないか?」
「アラクネの彼女の、見せない強烈な嫉妬の目がこえぇ…美女だけに、より一層恐ろしくもある」
「あの目で見つめられたら、それはそれで良いな…」
「「「だからお前、ちょっとさっきから危ない扉開きかけてないか?」」」
「そ、そんなことは、無いぞぉ!?」
騎士たちも苦労している模様
分かっているからこその、大変さと言うか…次回に続く!!
…トラブルは続くよどこまでも




