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私のこと  作者: 魚住 汀
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においについて

 私自身は香水が結構好きな質で、女性でも男性でも付けている方は好きです。最近ではお仕事でご一緒した壮年の男性の匂いが特に記憶に残っています。背が高く骨太で日焼け肌という私の癖フルコンボでした。スーツからさりげなく気品ある香りがして、この人これまでの人生でどれほどの女性を虜にしてきたのかしら、と思いながら真面目に仕事の話をしました。


 ただ家で猫を3匹飼っているため自分では香水は付けません。集めていたのも全部捨てました。香水って付ける人によって、同じものでも少し雰囲気が違いますよね。その辺が味わい深く好きです。


 においと言えば、私はナボコフのロリータに出てくる一文がとても好きでした。ハンバーグ先生がドロレス母子の不在中に、ドロレスのクローゼットを開けてにおいを嗅ぐシーンです。こいつの癖わかるなーと、私も好きな日焼け肌男のクローゼットで深く息を吸い込みたいなぁと憧れたものです。


 しかし今現在、ニンフェットと呼ばれる年頃の娘が家にいるのですが、彼女の服が詰まったクローゼットに顔を突っ込んでにおいを楽しめと言われたら、まあ、苦行ですね。ちゃんときれいにしてるはずなのに、まあなんか、くさいですよ。靴とか地獄のにおいがします。


 ハンバーグ先生はこのにおいが好きなのか?それとも、生物学的に遺伝子の近い娘のにおいは母である私には楽しむ余地がないのでしょうか?ちなみに、旦那様のにおいは大好きですが、この人昔は日焼け肌だったのに、最近外に出ないせいですっかり色白です。詐欺ですよ。

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