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最強の魔王が転生したら勇者だったので現代の魔王を討伐することにしました  作者: Mini


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10話 元魔王は冒険者ギルドに行くようです

 リアベル国を出て、数時間が経過した。

 しばらくはレイの事をよく知っている人達がいたので派手な行動が出来なかったが、周りに誰もいないのを確認する。


「よし、誰もいないな」


 レイはそう言うと、魔術で体を浮かせて空を飛んだ。


「『風魔術……旋風』」


 体に軽く風魔術を纏わせることで空を飛ぶ技術。魔王時代の時もよくやっていた術だ。

 周りから見れば人が空に飛んでいるとみられるだけなので何の問題もない。

 十歳の子供が出来ていい芸当ではないのは確かだが……レイはそんなこと考える様子なく冒険者ギルドがある国に向かう。


「これなら楽ちんだな。ここからアクタビア王国までの距離は……っと」


 ざっと云十キロ。徒歩で行っていたら数日かかる距離だ。

 が、しかし……今は空を飛んでいるので関係ない。スピードを上げて数分で到着する。


「この体になって初めての自由だ……少し飛ばすか!」


 ものすごい解放感を感じながらレイは魔力の出力を上げ、とんでもない速さを出す。

 そしてすぐ目的地に到着した。


「もう着いちゃった。まぁ早い方がいいか。それじゃ冒険者ギルドに向かおうかな」


 そう言ってアクタビア王国の門をくぐろうとするのだが、門にいる兵に止められてしまう。


「そこにいる君、止まりなさい」

「?」

「ここの国に入るには、入国許可証が必要だ」

「入国許可証?……あ、あぁ、あれか、持ってますよ!」


 出発する前に持たされた紙を兵士に見せる。ロドフからもらったのだが、ロドフ曰くそれを見せるだけでどの国にも入れるのだとか……とても便利なものだ。

 兵はそれを確認するや否や慌てた様子でレイを門に通した。


「これは失礼しました。どうぞ」

「ありがとうございます」


(めっちゃ便利じゃん。ちゃんと読んでなかったし後で確認しとこ)


 そうして、レイ・ノーヴァは初めて他の国に入国した。

 アクタビア王国はとてもキラキラとしており、全員が上級国民なんじゃないかって錯覚してしまう程だった。


「すっご……確かにこれぐらいの国なら冒険者ギルドがあるのも納得だ」


 もしかしたら例年冒険者になる人数が少ないのもこれが原因なのかもしれない。

 本当に才能を持った人間、限られた人材しか冒険者になることが出来ない。そんな感じだ。

 門をくぐり、街を色々と見て回っているうちに視界にわかりやすく冒険者ギルドのマークが見える。


「絶対ここじゃん」


 ものすごく立派な建物だ。

 階段を上がり、建物の中へと入っていく。

 中にはとんでもない人の数がいて、先程までの思考が一気に飛んだ。

 ガラの悪い人、ピカピカの鎧を装備している人、剣士、魔術師、盾を持っている人間……おそらくタンク役だろうか、とにかく色々な人達がいた。


(うん、多分冒険者ギルドってこんな感じだろ)


 先程までのキラキラした街並みとのギャップで現実に戻された気分だ。

 そんなことを考えながら受付に足を運ぶ。

 子供だからなのか視線をかなり感じる。

 軽蔑、蔑むような目……嘲笑。レイはそんなことは一切気にせず話しかけた。


「あの、冒険者申請したいのですが」

「わかりました。ではこちらに名前と系統を書いて、書けたらこちらのモニターに手をかざしてください」


 受付の人の指示に従い、名前を書く。


「系統って複数ある場合はチェックつければいいですか?」

「え、ええ……それで大丈夫です」


 受付の人はレイのいう事に困惑しながら返す。

 こんな十歳の子供が複数の系統を扱えるわけがない。

 そう思っていたのだろう。

 おっと、説明が遅れてすまない。系統にはどのようなものが書かれているかまだ言っていなかったね。


 系統に書かれていたのはこうだ。


 聖職者……簡単に言えば回復専門職。

 盾役……タンク。

 剣士

 魔術師

 

 ざっとこんな感じだ。あとはその系統をどこまで使えるのか……というのが書かれていた。

 レイはその欄を適当に書き、液晶に手を翳す。

 周りの冒険者たちは嘲笑しながらその様子を見ていた。


「あのおチビちゃんがどのランク帯か当てようぜ、俺はCな」

「おい先に行ったもん勝ちじゃねーか。んじゃあ俺はあえてBで!」

「そんなガキみてぇなことしてっからいつまで経ってもAランクで止まってんだよ」

「んだと?今時冷笑界隈ですか?そっちの方がさみぃぜ」


(俺からしたらお前ら何てガキ過ぎるけどな)


 その会話を横目に聞いていたせいで、セーブしていた魔力がもれてしまった。

 結果、受付のお姉さんがものすごく目を見開き驚いた様子でこちらを見ていた。


「……どうかされました?」

「あの……液晶が壊れているかもしれないので新しいのを持ってきますね」

「……?わかりました」


 慌てた様子でいう受付の人を不思議そうに見るレイ。

 新しい液晶が届き、再度手を翳す。

 されど……結果は変わらなかった。

 嘲笑していた冒険者たちがぞろぞろと受付に集まり、その結果に驚いていた。


「Sランク……冒険者だと!?」

「何かの間違いでは?」

「こんなまだ毛も生えてなさそうなガキがSランクな訳がねぇ!」

「なぁ坊主……一体どんな手品を使ってこんな結果を出したんだ?」


 一気に詰め寄る冒険者たち。

 レイはその様子を見て小首を傾げながら言った。


「Sランクって、すごいのですか?」


 レイの発言に、全員が声を上げる。


「「「すごいなんてもんじゃねぇ!!!」」」


 そう言われても、わからないものは分からない。

 魔王時代は冒険者ではなく魔王だったわけで、冒険者の何たるかは何も知らない。

 レイは受付の人に視線を向け聞いた。


「冒険者にはランクというものがあるのですか?」

「は、はい……C、B、A、Sという順にランクがあります」

「何か意味とかってあったりするのですか?」

「そうですね。受けれるクエストやダンジョンが変わります」

「なるほど」


 確かにそれは大事だ。

 魔王を討伐しに行くんだ。そのダンジョンは当然ある。となるとSランクというのはかなりありがたい。


(俺の事を倒した勇者もSランクだったんだな。ベル兄さんと同い年かもう少し上の年齢に見えたけど)


 と、そう思考した直後……複数の冒険者がレイを囲った。


「おい、なんで人の話を無視してんだよ?どうやってSランクにする魔術を使った!?」


 声を荒げる冒険者を見ながら、レイは再度小首を傾げながら口を開いた。


「魔術?俺はただ手を翳しただけですけど……」

「おう、そうかそうか……だったらその力を俺に見せてくれよ!」


 冒険者は拳を振りかざしながらレイに向かって走りだす。

 レイはその様子を見て、にやりと笑みを浮かべていた。

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