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完璧令嬢の辺境開拓記〜私を捨てた王太子が国を傾けている間、私は辺境を世界一豊かな地にし、私は運命の人と世界一幸せになります〜  作者: 虹の箸
完璧令嬢の辺境開拓記〜私を捨てた王太子が国を傾けている間、私は辺境を世界一豊かな地に育て上げます〜

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王都の解放と、滑稽なる王太子の勘違い

王国と帝国の凄惨な泥沼の消耗戦は、十日間に及んでいた。

王都の防壁は崩れ、投石と矢の雨によって帝国軍本隊もまた甚大な被害を出しつつ、兵糧の欠乏と疲労により限界に達してはいたが、ようやく落とし、制圧することに成功した。

王国側の食糧は完全に底を突いた上、王国兵達は逃げ出し、市民たちは帝国軍の蹂躙と極度の飢えで発狂寸前の状態にあった。

一方、王都を落としたとはいえ王都には備蓄の食料も全くなく、奪う財も持ち去られていた、帝国軍も疲弊しており、王都がまさに地獄絵図そのものと化していた。


その時


地響きと共に、帝国軍の背後から白銀の甲冑と軍馬の波が押し寄せてきた。

「な、なんだ!? 敵の援軍か!?」

「辺境伯軍の旗です! 馬鹿な、陽動部隊はどうしたんだ!?」

帝国兵たちが混乱する中、先頭を駆ける漆黒の馬が、防陣を紙切れのように粉砕した。

大剣を振るうたびに巻き起こる凄まじい風圧と鮮血。黄金と蒼の双眸を冷酷に光らせる『鮮血の辺境伯』レオンハルトの姿は、疲労困憊の帝国軍にとってまさに死神そのものであった。

「陽動部隊なら、とうに森の養分となった。貴様らも後に続け」

低く響くレオンハルトの声と共に、無傷の辺境精鋭軍が怒涛の勢いで帝国軍に雪崩れ込む。

完全に不意を突かれ、戦う気力すら残っていなかった帝国本隊は、満足な抵抗もできずに次々と蹂躙され、わずかな残兵が四散して敗走していった。

辺境軍は自らの血をほとんど流すことなく、最高に美味しい『漁夫の利』をかっさらったのである。


帝国軍の王都包囲網はここに崩壊。


帝国軍が退いたことを確認した後、入城してきたのは、整然と隊列を組んだ辺境軍と、大量の食糧や物資を積んだ馬車の列。そして中央の豪奢な馬車には、凛とした美しさを放つセレスティアの姿があった。

「お、おお……っ! 帝国軍が逃げていくぞ!」

「見てみろ、あれは辺境伯様だ! セレスティア様もいらっしゃる!」

「食い物だ! 馬車に小麦や干し肉が積んであるぞぉぉっ!」

飢餓と絶望の底にいた市民たちは、入城してきた辺境軍を見て泣き崩れた。

セレスティアの指示で、広場では直ちに炊き出しが始まり、温かいスープとパンが市民たちに振る舞われる。

「辺境伯様、万歳!」

「女神セレスティア様、我らをお救いくださりありがとうございますっ!!」

誰の目にも明らかだった。

国を捨てて逃げ出した王太子ではなく、命の危機から救い出し、腹を満たしてくれた彼らこそが、この国の真の主であり、救世主であると。王都は、辺境の夫婦を讃える熱狂的な大歓声に包まれた。


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