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続けて。魔王は私が倒すから  作者: 遠海 流


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 封印を解くことにかけるファリナの情熱は凄まじかった。それほどまでに復活させる価値がヘルガにはある、という事なのだろうが、それにしてもだ。

 

 「げ、なんだその格好」


 ファリナが着ているのは、踊り子の衣装だが、それは普通のものよりも格段に露出が多かった。体の一部を隠しているのは、布というより紐に近い。


 「こういうのが好きなんでしょう?リュカちゃんから聞いたわ。前に一度キャバレーに連れて行ってもらった時、露出の多い踊り子を穴が開くほど見つめていたって」


 「あいつ、そんなことバラすなよ」


 「それで、どう?妙齢の踊り子姿は」


 ファリナの実年齢を正確には知らないが、ミアの倍はありそうだ。その割には肌艶もよく、見た目だけは上品で楚々とした雰囲気があるので、若く見えることは確かである。


 だがそれを加味しても、踊り子衣装に身を包んだファリナを直視するのは辛かった。そもそもそんな露出の多い衣装、どこで見つけてきたんだろう。


 「やめろよ、はしたない!」

 

 「こっちだってやりたくてやってるわけじゃないっての。ステラちゃんがとっとと惚れないのが悪いんでしょ」


 「淫乱女に惚れるやつだと思われてるのか?心外だな」


 愛を深めるどころか、二人の言い合いは激しさを増していった。どんどん仲が悪くなっている気さえする。


 「ほら、こんなに胸出してるのよ。ドキッとしなさい」


 「ときめきを強要するな。私はそんなちょろい女じゃ…」


 「ああもう、じれったい!」


 ファリナがいきなり顔を掴んできた。近くで見ても皺ひとつなく、若さを保っている肌が目前に迫る。何をされるのか理解した時には、もう遅かった。

  

 「んぅっ…!」


 キスで口をふさがれたステラは、必死にファリナを押し返そうとした。しかしこの僧侶、身長が高ければ力も強い。もしかしたら魔法で身体能力を強化している可能性がある。そうでないと、鍛え抜かれたステラの腕力でびくともしない事に説明がつかない。


 「あ、出たわ。エテルノクスよ!」


 「嘘だろ…」


 無理やりキスされただけなのに、愛の魔法が発動した。一度目よりも大きな火の玉が浮かび上がっている。


 「この魔法作ったやつ、愛をなんだと思ってるんだ。体が触れあえばそれが愛だとでも?」

 

 「エテルノクスが生み出されたのは太古の昔だからね。今と当時じゃ価値観が違うんじゃない?」


 「魔法って結構適当だよな」


 「魔法なんてそんなもんよ。明確な定義もないし、使ってる側からしてもよく分からないわ」


 無理やりキスされたことへの腹いせに、ステラはファリナの目の前でゴシゴシと口を拭った。


 「ちょっと傷つくんだけど」


 「二度とするなよ。分かったか」


 「ええ?せっかく手っ取り早い方法を見つけたっていうのに」


 封印を解くためにずっとキスをされていては堪らない。他の方法を探さないと。


 「あのさあ、私たちが疑似恋愛をしなくてもいいんじゃないか?」


 「どういうことよ」

 

 「本物の恋人同士がいるじゃないか。私たちのすぐそばに」

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