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【第二章完結】モンスター系ダンジョン配信者〜ニンゲン嫌いの僕は、モンスターを布教しながら最強となる〜  作者: おしり炒飯


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第75話 おいもちゃん

 『…んで、どするんだそのイモムシ。食ってみるか?』


 「うーん、どうしようかねぇ…。」


 『く、食う!? そこの毛玉、今食うと申したか!?』


 配信終了後。意図せず発見してしまった新種のモンスターについて、僕とクーガーは悩んでいた。うーん、マジでなんだろう? 見たことない姿形だし、気になるのは明確に意思疎通が出来ることなんだよなぁ。


 「ねぇ君。君は何者なの?」


 『ふん、よくぞ聞いた人間よ。妾こそっ! かつてかの世界を支配し、生きとし生ける者すべての―』


 「厨二病のいもむしかぁ。ますます意味が分からないなぁ。」


 『おいっ! 最後まで聞かぬか!!!』


 いもむしってことは、たぶんだけど成長するんだよな? うわぁ、どんな成虫になるんだろう。気になるな…。そういえばこの子、クーガーの言ってることもわかるっぽいな。マジでなんなんだ?


 「この子、僕が家で育ててみるよ。魔力濃度は影饅頭と影召喚でどうにかできそうだし、カルモルアントを食べていたってことは肉食なんだろうから。」


 『え、えぇ…。お前、これを飼うのか…? まぁ、モンゴローが捕まえた獲物だからな。好きにしたらいいのではないか?』


 「よぉーし、今日から君の名前は“おいもちゃん”だ! 黄色っぽくて芋みたいだし、いもむしだからおいもちゃん! よろしくね!」


 『キィイイイ! なんじゃそのふざけた名前は! もっと雅でファビュラスでマーベラスな名前が良い!』


 「えー、もう決めちゃったから無理! よし、そろそろ日も暮れてくるから、集落に戻ろう!」


 『よし、分かった。帰るとするか!』


 『し、集落!? なんじゃなんじゃ、妾にも情報を共有しろ~~~~~!』



 ○



 「パステル☆ナイツのパステル☆ラジオ、本日のトークテーマは配信界隈について、です☆」


 モンゴローたちが集落に帰着した頃。パステル☆ナイツはラジオ番組の収録を行っていた。視聴者の多くはファンたちだが、このラジオはDチューブにも切り抜きとして投稿される。


 「ヒナタ~、そういえばさっきまでモンゴローが配信してたよね~?」


 「そうそう☆ 実は収録直前まで、“推し”であるモンゴローさんの配信を見ていました☆」


 「今回の配信はどうだったのですか?」


 彼らにとって、これは茶番であった。


 「今回も面白かったんだけど、実は少し思うところがあってね☆」


 「思うところ~?」


 三人の口元が、ニヤリと歪んだ。そう、これはすべて茶番。推しと公言したあの日から始まっていた、モンゴローを陥れるための芝居。


 「ちょっと危機意識が足りないんじゃないかな~って☆ ほら、今までのモンスターは知能も低くて、危険ではあるけど対処が簡単な種類ばかりだった。でも、富士ダンジョンのモンスターはそうじゃない。この前僕たちが倒したグロムスロトだって超危険だし、ピューマンなんてもってのほかだよ☆」


 「確かに、ピューマンの中には黒い疾風と呼ばれる、ネームドの危険個体もいると聞きます。」


 「確かすでに、何人もの探索者がやられちゃってたよね~?」


 「そんな存在たちと協力するなんて、配信者として。いや――」


 ヒナタがアイドルとは思えない、醜悪な笑みを浮かべた。



 「“人として”、どうなのかなーって思っちゃうな☆」



 ○



 『おいっ! もっとゆっくり走らんか! 揺れがひどすぎて吐きそう、ヴォエッ!』


 くそくそくそっ! なんで妾がこんな目に…!


 かつて妾は、強大な存在であった。その威光はあまねく世すべてを照らし出し、我が種族は大いに栄えた。しかし突如、“世界が割れた”のだ。


 得たいのしれぬ、妾より強力な存在によってすべては灰燼と帰した。まぁ、雑魚がいくら死んだところで、妾さえ無事ならいいのだが!


 気がつけば、この平原で気絶していた。奇妙な感覚、まるで、“別の世界にでも来た”ような感覚じゃった。そして妾のファビュラスでマーベラスな美しき姿も、かつての弱き日と同じになっていた。


 力を蓄えるために小型のモンスターの巣穴へと身を滑り込ませ、栄養価の高い幼虫をとにかく食い漁った。どうにか最低限、両腕の鎌だけ獲得できたのは不幸中の幸いか。


 ここから徐々に力をつけて、再び美しく、強大なあの姿へと成長しようと思っていたのに。


 「あ、ごめんおいもちゃん。もうちょっと揺れないようにするね~!」


 『うわ、吐いてるのか? そいつ。えぇ、本当に飼うのか…?』


 キィイイイイイイイイイ!!! なんでこんなことに!!!!


 “モンスター大好きな人間が、カルモルアントと仲良くなるために影魔法で巣の中まさぐってきて捕まる”、なんて誰が予想できるかぁーーーーーーーーーッッ!!!


 冷静に考えて意味分からなすぎじゃろ…。はぁ、揺れで気持ち悪いし、マジで病んできた…。


 でも、妾はめげぬぞ。幸いなことに、こやつはモンスターが大好きで、妾を飼うとか抜かしておる。せいぜい妾のためにエサを献上するがよい!


 そして、いつの日か。



 また、いつの日か。妾は再び、世界を支配してみせる。



 「あ、ごめん急ブレーキ!!!」


 『ぎいいやあああああああああああ!!!!!!!!』



作者のおしり炒飯と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。


面白ければぜひ、リアクションと評価いただけると嬉しいです。


また、本作カクヨム様にて、先行公開しております。

続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614

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― 新着の感想 ―
異世界(?)から来たみたいだしダンジョンボス?と思ったけど、新種ってことは違うんですよね。正体は何だろう? 家に持って帰るなら、もふげとの絡みも楽しみですね。
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