第72話 配信!【現地ガイドを雇いました!】
『つまり、お主がする配信とやらのために協力して、この地域の様々なモンスターの生息地へと案内して欲しい、と?』
「そういうことです!」
そう、僕が提案したのは現地ガイド。クーガー達であればこの地域について非常に詳しく、様々なモンスターの縄張りや習性についても知っているはずだ。
そんな彼らがガイドとして配信についてきてくれたら、心強いことこの上ない。
『ふむ、よく分からんが、様々なモンスターの居場所に案内すればよいのだな? クーガー。この案内役とやら、お前がやってくれるか。』
『喜んで。と、いうことだ。よく分からないが、我に出来ることであればなんでも協力しよう。』
「ありがとう、クーガー!」
僕とクーガーは握手を交わした。ざらざら、ぷにぷにとした肉球の感触。
「早速今日頼んでも良い? 必要な道具なんかは常に持ち歩いてるんだ。」
『む、もちろんだ!』
やったー! 突発的ではあるが、今日からがっつり配信活動ができそうだ。どんな配信になるだろう。ワクワクするなぁ!
『そうだモンゴロー。今晩はお主を称える宴を予定していてな。日暮れ頃までには帰ってきてくれ。』
え、宴なんてしてくれるの!?
「やったー! ありがとうございます、ガズルさん! オババ!」
わぁ、今日は忙しくなりそうだ! 楽しみ!!
○
「これがドローン、ここにカメラっていうのがついていて~」
『な、なるほど…?』
村の外、配信の準備をしながらクーガーに色々教えている。彼らの文明レベルでは説明しにくいものもあるが、おおむね理解してくれている。
「オババの持ってる水晶玉みたいな感じ! これを通して、いろんな人が同じ景色を見れるんだよ。」
『ああ、なるほど。アレと同じか。』
こんな感じでね。
「よし、それじゃあ準備できたから配信スタートするね。見てる人にクーガーの紹介とかしたあとで、最初のターゲットのところに向かおう。」
『わかった。』
【配信開始】
「こんごろー! モンスター解説系配信者の、モンゴローです! 今回は前回同様、富士ダンジョン平原エリアに来ておりまーす!」
:こんごろー
:こんごろ
:後ろなんや
:おい後ろのテントみたいなやつなんや
:後ろに村みたいなの写ってるんだが
「お気付きになられましたか。後ろに写っているのはピューマンの集落なんです。ひょんなことからピューマンの方々とお近づきになれまして、今後はここを拠点として配信活動を行っていきまーす!」
:まて
:ちょっとまて
:そんな「ひょんなこと」あってたまるか
:前の配信では、まだ仲良くなれてないとか言ってなかったか?
:マジで何を四天王?
:仲良くなるだけなら百歩譲ってまぁわかる。だが拠点とは??
:ピューマンの集落を活動拠点にするってなに??
:何がどうなってんねん
「ふっふっふ、まだまだ発表はありますよ~? じゃあクーガー、自己紹介お願いします!」
『ガルルッ、グルゥッ!(クーガーだ。よろしく頼む!)』
:???????
:??????
:?
:ん????
:グルゥッ!(気さくな挨拶)
「はい、ピューマンのクーガーです。今回からしばらく、クーガーと一緒に行動していきます! と、いうのもクーガーは現地ガイドとして同行してくれることになってるんです。」
:なってるんです、じゃなくて
:どういうことやねんマジで
:初のパーティメンバーがピューマンて
:しかもなんか強そうだぞ
:こいつ、黒い疾風ちゃうやろうな…?
:ピューマンってそもそもめっちゃ強くなかったか?
「クーガーは黒い疾風じゃないですよ! その息子です! 今回からしばらくは、視聴者のみなさんと一緒にモンスターを探して、その場で解説する、といったスタンスになります! 平原は広大過ぎて事前にポイントを見つけるのが大変なんですよ…。いやぁ、ガイドが見つかって本当によかったです。」
:息子かぁ。息子!?
:ちょ待て、黒い疾風の息子!!?
:実質黒い疾風二代目やんけ!
:ちょっと見ない間に一体何を四天王!!??
:もうマジで意味が分からん。
:二つ名持ちの危険モンスターの息子とダンジョン探索←???
:ほんまに理解が追いつかない
:頭おかC
『ガルガル(モンゴローお前、ずいぶん人気なんだな)。』
「え~? まぁね!」
:クーガー氏、たぶんちがうぞ
:なんて言ってるか分からないけど、俺たちはドン引きしてるんやで
:和気藹々としてるけど、こいつ超危険モンスターだからな?
:そもそもピューマンって、攻略勢でもあんまり戦ってるとこ見たこと無いかも
:噂によると、種族単位で危険かつ、人間とほぼ同じ知能があるから手出すなってギルドから言われてるらしい
:はえー、そうなんか
:そうなんか? モンゴロー
「おお、詳しい視聴者ニキがいらっしゃいますね。おおむねその通りですが、ピューマンと戦闘することが推奨されないもう一つの理由があります。それは、彼らはこの平原のバランサーなんです。彼らが定期的な狩りを行うことで、生態系のバランスが保たれているんですね。これが崩れてしまうと、スタンピードの遠因にもなりかねないことから、彼らとの戦闘は推奨されていないんです。」
:はえーなるほど
:富士は一回スタンピード起きてるしな
:敏感にもなるか
:あれはもう二度と経験したくない
:あれはひどかった
:ピューマン的には、人間のことどう思ってるんやろ
:クーガー氏に聞いて見てくれや
「ねぇ、クーガー。ピューマンとして、人間に対してはどう思ってるの?」
『ガル? ガウグルルゥ、ガウ(ん? まぁ、あんまり関わりたくない存在、という感じか? 個体によって性格なんかも違うだろうから、戦闘になるのは仕方ないと思うがな)。』
「なるほどね。お互い様、って感じか。人間もピューマンも同じような思いを抱いてるかも。」
:なるほどなぁ
:お互い、望んで戦いたくは無いけどやるときはやる、みたいな感じか
:戦闘狂の人間もいれば、同じようなピューマンもいるだろうしな
:マジで人間レベルの知能あるんやな
:なんかもう、わからんくなってきたな
:ピューマンと戦闘してるやつ、大体戦闘狂の配信者だったり見敵必殺みたいなやつだったりするもんな
「ピューマンたちには、戦いの中で死ぬことこそが誉れ、という価値観があるみたいで、人間との戦いで死んだ仲間の仇を討つ、みたいな思いは薄いみたいです。」
:戦闘民族
:こわい
:これが種族としての価値観の違いか
:はえー
:こういうの、ちょっと興味ある
:知れば知るほど面白いよな
「はい、ってことで脱線しちゃいましたが、今日から新体制での配信になります! 早速このあとすぐに、何種類かモンスターを紹介していきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたしまーす!」
『ガルゥッ!(よろしく頼む!)』
視聴者数:4,738人
作者のおしり炒飯と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
面白ければぜひ、リアクションと評価いただけると嬉しいです。
また、本作カクヨム様にて、先行公開しております。
続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。
https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614




