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【第二章完結】モンスター系ダンジョン配信者〜ニンゲン嫌いの僕は、モンスターを布教しながら最強となる〜  作者: おしり炒飯


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第70話 それぞれの思惑

 あっっっぶねぇええ~~~~~~~~!!!


 なんかもう、テンション上がってそのままの勢いで殺っちゃうところだった!! いやぁ~、マジで危なかった。強者との戦いは楽しいけど、我を忘れてしまうという危険性があるね。


 クーガーが止めてくれなかったら、本当に危なかった。というか、クーガーしれっと僕の一撃止めてたけど、多分ハチャメチャに強いな??


 戦いの後、変身解除した僕はクーガーとガズルさんにスライディング土下座で謝罪した。ガズルさんはなぜか優しい目をしていて、


 『モンゴロー、だったな。お主の勝ちだ。好きにしろ。』


 とのことで、この村での自由行動を許可された。気絶したガズルさんはピューマン達に搬送されていった。


 強者こそ正義、みたいな価値観があるっぽいな。


 『モンゴロー殿! こんな感じで塗ればよいじゃろうか!?』


 「あ、うんっ! うわ、塗るのうまいですよ、オババ!」


 『ひゃひゃひゃ! 簡単な薬くらいなら、オババでも作れるでの!』


 オババとはめっちゃ意気投合した。と、いうのも。


 「オババさん。薬の調合とかってお願いできる? それと人間の呪術とか興味あったりする? 協力してくれるならお礼として、写真付きの資料集とかでよかったら、持ってくるけど。」


 『え、マジ?』


 といったやりとりがあったのだ。日常的にモンスターや生き物の骨とか使った呪術を使うため、生きものに詳しく、薬草なんかを集めるのが好きだったようで盛り上がったのだ。


 一方で謝罪もされた。ガズルの暴走を止められず、すまなかった、と。


 硫黄軟膏の作り方を伝授したところ、硫黄の採集場所まで把握しており、完璧にマスターしてくれた。現地の薬草については、オババの方が詳しかったくらいだ。


 『薬の投与、全員終わりました!』


 『塗り薬も8割方終わったわよ!』


 「おっけー! 僕も塗るの手伝うよ!」


 10分後、ついに全員への治療が完了した。これから二日間様子を見ることになるが、おそらく大丈夫だろう。


 二日後にまた来ることを伝えて、感謝されつつ僕は帰宅の途についた。





 『ブモォーーーッ!!!』


 土煙と共に、ワイルドホーンの巨体が迫る。魔力を纏ったその角の威力はとてつもない。正面からぶつかれば自動車ですら、ぺしゃんこになるだろう。


 だが。


 「ヘッ! 食らいやがれッ!」


 振り抜かれた、巨大な“斧”。炎を噴き出しながら円を描き、ワイルドホーンと真正面から激突する。


 轟音。いや、それはもはや爆発音であった。


 ズシィー、ン。


 土煙が晴れる。

 地面に倒れ伏していたのは、ワイルドホーンであった。


 「これで“群れのリーダー”か。こんなんじゃ、話にならねえぜ。」


 「お兄様、こっちも終わりましたの。」


 ふわり、と。白い鎧姿の青年の横に、美しい少女が着地した。ゴスロリ服が風でパタパタと揺れている。その手には、巨大な“鎌”が握られていた。


 ぽたり、ぽたりと。鎌から血が滴っている。


 :つっよ

 :ルナちゃんマジ天使すぎる

 :さすが高松兄妹

 :ワイルドホーンのリーダーと正面から打ち合って勝つとか、化け者すぎる

 :二人だけで群れを殲滅しやがった…

 :化け物兄妹


 「おいおい、俺を化け物扱いするのはいいが、ルナを化け物呼ばわりは許せねえな?」


 「ルナは気にしませんの。お兄様が化け物なら、私も同じ化け物がいいの。」


 「おいおい。照れるじゃねえか、ルナ。」


 「お兄様…。」


 :まーた始まったよ

 :高松兄妹イチャイチャカウンター、94

 :もうすぐ100いくやん

 :尊い

 :ちゅーしろちゅー!


 「おっと、これ以上は見せられねえよってな。ワイルドホーンの群れは殲滅した。この程度じゃ俺たちは止められねえ。」


 「お兄様と私は最強なの。やっぱり、“奴ら”くらいじゃないと話にならないの。」


 :奴ら?

 :おいまさか

 :いや待て

 :おいおいマジで狙うの?


 「“黒い疾風”、そして“黒山羊”。」


 「絶対に見つけ出してその首、刈り取ってやるの。」


 周囲には、おびただしいほどの、ワイルドホーンの死体。


 タイヨウの持つ戦斧が、その輝きを増した。

 ルナの持つ鎌が、その輝きを妖しく反射していた。





 「さぁ、みんな☆ 僕たちに力を貸してっ☆」


 「お願い~、みんなの力が必要なんだ~!」


 「君たちの願いが、私たちの力になる。今ですッ!」


 :スパチャ:\10,000 受け取って~!

 :スパチャ:\20,000 ヒナタ君、絶対勝ってねっ!

 :スパチャ:\5,000 ミナト様―!!!

 :スパチャ:\30,000 ソウきゅん負けないで!!!


 『キシャァアーーーーーッ!!!』


 巨大なヘビ型のモンスターが威嚇音を立てる。尻尾の先端をバチン、バチンと地面に叩きつけ、鎌首をもたげている。


 「みんなありがとう☆ さぁ、ライブの始まりだっ☆」


 巨大ヘビが踊りかかった。妖しげな黄色い液体を滴らせた牙が、パステル☆ナイツに襲いかかる。しかし、マイクを片手に歌いながら、華麗なステップでひらひらと躱していく。


 汗が煌めき、ラメ入りのチークがドローンから照射される光を反射する。


 「バキューンッ☆」


 ヒナタの指先から光が迸り、巨大なヘビを貫いた。


 「ばんば~んっ!」


 ソウの指先から風の弾丸が解き放たれ、巨大なヘビの鱗を斬り裂いた。


 「ズバンッ。」


 ミナトの指先から、超高圧の水球が発射され、巨大なヘビの肉をえぐり取った。


 『シャシャーーーーーッ!』


 のたうち回る巨大ヘビ。鞭のように尾が振るわれるが、パステル☆ナイツには当たらない。


 「さぁ、フィナーレだっ☆」


 :来た来たっ

 :待ってた!

 :早く撃ち抜いてーっ!

 :スパチャ:\30,000 ヘビ気持ち悪い! 早く殺しちゃって!

 :スパチャ:\4,000 撃て撃てっ!


 パステル☆ナイツが集結し、三人で指を合わせる。光、風、水が渦を巻いて融合し、唸りを上げる。


 「みんな、いくよーっ☆ せーのっ☆」


 「「「―――<パステル☆ナイツ☆ショット>――ッ!」」」


 :パステル☆ナイツ☆ショットーーッ

 :スパチャ:\5,000 パステル☆ナイツ☆ショットーーー!

 :スパチャ:\25,000 ショットーーーーー

 :スパチャ:\45,000 いけーーーーー!!!

 :きゃーーーーーーーーー


 その光線はヘビの頭を吹き飛ばした。高空を舞うドローンからはキラキラとメタリックな紙吹雪が舞い、ド派手な演出となっていた。


 (ふっ、この程度の敵は倒せて当然。俺を際立たせるための雑魚二人も、まぁまぁ使えるようになった。)


 光の中、ヒナタの口角がつり上がる。もちろん、カメラには写っていない。


 (見とけよ? モンゴロー。俺は必ず、“黒い疾風”も“黒山羊”もぶっ殺して――)


 光が、ほどけるようにして消えていく。


 (必ずや、配信者のトップになってやるッ!)


 光魔法に似合わぬ、黒い笑みだった。



 ○



 「ち~んちちっち~おっぱぁ~い、ぼよんぼよ~ん♡」


 変態だ。真っ赤なパンツのみを身に纏った老人が、ふらふらと踊りながら“平原”を歩いていた。


 月明かりが照らし出すその裸体は、ローションのようなものでぬめついて、妖しい光を放っていた。


 「およ? およよよ?」


 髭をシコシコとしごきながら、老人は指わっかで遠方をじーっと見つめた。


 「あれは、ピューマンの集落か! ほうほう、流行っていた病気も治っていると見える。」


 ニッチャア。汚い笑み、ガミースマイル。


 「次のターゲット、決定じゃあ~~~!!!」



 赤いパンツ越しに、ナニカが、脈動していた。



作者のおしり炒飯と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。


面白ければぜひ、リアクションと評価いただけると嬉しいです。


また、本作カクヨム様にて、先行公開しております。

続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614

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― 新着の感想 ―
おぉう…ニンゲン共が寄ってきた……。
キショい兄弟にイタいアイドル、純然たる変態爺か…モンゴローも人間としては変態だから…もうまともな人間は存在しないね
こんばんは。 ヤバい兄妹だけでうざいのに、更にヤバそうなのが一名増えましたか…。
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