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【第一章完結】モンスター系ダンジョン配信者  作者: おしり炒飯


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第6話 配信!【噛みつきイナゴに噛まれてみよう!】

 「さーて、到着しました! ここが立川ダンジョン第二層です! ご覧の通り、どこまでも続く青空と、草原が広がっていますね~! 空気がおいしい!」


 :ダンジョンで空気がおいしいとか言ってるやつ初めて見た

 :魔力をおいしいと感じてそう

 :魔力をマイナスイオンか何かだと思ってそう


 「立川ダンジョンは第二層から第四層まで、同じような環境が広がっています。第五層はボスの領域で、若干雰囲気が異なるみたいです。」


 :ボス攻略はよ

 :そもそも戦えるのか? 初心者やろ


 「ボス攻略配信についてはまだ何も考えてないですね。あくまでこの配信は、モンスターの生態を生で解説するという配信なので…。それに僕自身、まだ一度も戦いを経験していない初心者なので。」


 :初心者(スライムに指を突っ込む)

 :初心者(再生持ち)

 :こんな初心者いてたまるか


 「それにしても、ここはいつ来ても爽やかな気分になりますね~。風が心地良い! 初めてここに来たときは、テンションが上がって、思わず走り出してしまいましたね。そしたら足下から噛みつきイナゴが飛び出してきたんです。と、いうことで次のターゲットは、噛みつきイナゴ君です!」


 :クソガキ

 :何が、「と、いうことで」なのか

 :普通に危険で草


 「たぶんこの辺の草むらを足でガサガサやれば、出てきてくれると思うんですよね~。」


 :噛みつきイナゴって、そんな感じで探していいもんだっけ?

 :※噛みつきイナゴは立派なモンスターです

 :噛まれたら普通に肉ちぎれるぞ、指とかも余裕で切断される

 :若い探索者にけっこういるよな、それで探索者やめるやつ

 :なお、コイツは再生持ち

 :あっ(察し)


 ギチギチギチギチッ!


 「おっ! いましたいました! この子はどうやら、繁殖モードじゃないみたいですね。噛みつきイナゴは繁殖期になると、この子みたいな黄緑色から、黒っぽい色へと変化します。さらに、羽も長くなって、長距離飛行が可能になるんです!」


 :思ったよりでかい

 :うわーきもい

 :でかくね?


 「繁殖モードになると気性が荒くなって、積極的に人や、他のモンスターを襲うようになるので注意が必要です。この子みたいな通常モードだと、基本的に草食傾向が強いんですが、黒くなると肉食傾向が強くなります。」


 :ほへー

 :解説はまともなんだよな

 :解説「は」


 「では、もう少し近づいてみましょう。ここ、見えますか? 足の付け根部分なのですが、羽と脚に波打つような模様がありますよね? ここをこすりあわせて、ギチギチという音を出しているんですね~。」


 :近い近い

 :近づきすぎ

 :噛まれるぞ

 :危ないって


 「では、ちょっと鳴いてみてもらっていいですか?」


 ギチギチギチギチッ!


 「ほら! 見えましたか? すごい早さで足と羽をこすり合わせていました! この鳴き声で威嚇したり、仲間を呼んだりすることができるんですね~。」


 :は?

 :は?

 :なんでやねん

 :鳴いてみてもらっていいですか? じゃないのよ

 :なんでバッタと意思疎通してるんや


 「通常の噛みつきイナゴ君はこんな感じで、比較的おとなしいです。こちらから刺激しない限り、攻撃してきたりすることは少ないでしょう。では、次はいよいよ繁殖モードの噛みつきイナゴ君を解説します! ここから離れたところに、噛みつきイナゴ君たちの産卵スポットがあるので、そこまで走って行こうと思います!」


 :そんな場所見つけるなって

 :どうやって見つけてるんや

 :もしかして、危険地帯に飛び込もうとしてる?

 :繁殖モードはやばいって自分で言ってなかったか?


 「いや~、探索者になってからすごい成長を感じるんですよね~! 足もめちゃくちゃ速くなりましたし。」

 

 ビュォオオオオオオオ


 :足はっや

 :速すぎない?

 :時速60キロくらい出てそう

 :モンゴロー今レベルいくつなんや


「レベルですか? なんかあんまよく分からないんですよね~。数えてもないですし。」


 :草

 :強者の風格で草

 :コイツほんまに初心者か?

 :※初心者は時速60キロで走ったりしません

 :ワイが知ってる初心者と違いすぎる



 △



「見えてきましたね、あそこの砂地、見えますか? 黒いモヤみたいなのがかかってるところです。実は、あの黒いモヤはすべて噛みつきイナゴなんです!」


 :は?

 :思ってた以上にやばい

 :あれ全部デカバッタってマ?


「マ、です。あんまり刺激するのもかわいそうなので、砂場には足を踏み入れない程度に近づこうと思います!」


 :かわいそうとは

 :砂場手前の草原地帯までモヤに覆われているように見えるのですが

 :まさか、飛び交う噛みつきイナゴに突っ込んだりしないよな?

 :普通に死ぬからやめとけ

 :そろそろギルドに通報いきそう


「あ、みなさん、僕が“助けて”のハンドサインをしない限りは、通報はしないようお願いします! ハンドサインは、親指をゆっくり握りこむ動作とします。次回以降、配信概要欄に記載しておかないと。」


 :【アナウンス】配信主が「親指を握りこむ動作」をしない限り、通報厳禁

 :アナウンスしておいたで

 :ナイス

 :判断が早い!


「わー! アナウンス、ありがとうございます! これで安心して、あの群れに突っ込めます!」


 :俺が悪かった

 :早まるな

 :生き急ぐな若者よ


 ビュォオオオオオオオオオオ


 :加速してて草

 :止まるんじゃねぇぞ…

 :ドローン君がいちばんかわいそう


 ギチギチギチギチギチギチギチギチッ!

 ギチギチギチギチッ!


 「みなさぁーーーん! 音声届いてますかぁー!! 想像以上に歓迎してくれてるみたいで、すごい鳴き声です!!」


 :うるせぇ

 :ギリ聞こえる

 :変な方向にポジティブで草


 「砂場を見てください! 砂地にお尻を突き刺している個体がいますよね!? あれが噛みつきイナゴのメスです! 土中に産卵しているんですねー!!」


 :すごい映像

 :これ全部モンスターやろ?

 :ってか、なんでモンゴローは襲われてないんや

 :7レベの探索者だけど、黒い噛みつきイナゴってクッソ気性荒くて、めちゃくちゃ襲ってくるのが普通だぞ。全身噛みちぎられて出血死するやつも毎年出てたはず

 :は?

 :マ?

 :マ。立川支部でも注意喚起されてたぞ

 :こいつ注意喚起見て「楽しみだなぁ!」とか思ってそう


 「すみません、ちょっと羽音と鳴き声がうるさすぎたので、いったん離れてきました。いやぁ~、すごい迫力でしたね! 大興奮です。下見の時も同じような状況に陥ったんですけど、今回はこの体験を皆さんにも共有出来て、よかったです!」


 :頭おかしいんか

 :一人でも同じようなことしてたんかよ

 :肩に一匹乗ってて草、相棒かな?

 :モンゴローはなんで噛みつきイナゴに襲われないんや?


 「襲われない理由ですか? なんでですかねぇ、なんか襲われないんですよね。 一匹肩についてきちゃいましたね。あ、そうだ、最後はこの子に協力してもらいましょうか!」


 :なんでそんなアバウトなんや

 :なんか襲われない→やばいバッタの群れに突っ込む、どういう思考回路?

 :嫌な予感しかしない

 :これ以上変なことすんなよ


 「そろそろ今回の配信も終わろうかと思いますので、最後に繁殖モードの噛みつきイナゴ君に噛まれてみようと思います! あ、ほら羽がさっきの子より長いですよね? それに、見てくださいこの顎! めちゃくちゃ鋭くて、力強いですよ!」


 :もうええて

 :だから、なんでそんな嬉しそうなんや

 :マゾなの?


 「では、行きますよ~? せーのっ! ああああああっいってぇええっ!! いった!! あ、これダメなやつ! ダメなやつです! 見せられない状態になっちゃいました、うわぁ再生再生! みなさん、絶対に噛みつきイナゴの群れには突っ込んだりしないでくださいね!!」


 :これはひどい

 :AI判定で速攻モザイク処理されて草

 :野太い叫び声出てて草

 :お前以外に誰が喜んで殺人バッタの群れに突っ込んで行くんや


 「再生も終わったところで、初回配信はこのあたりで終了したいと思います! ご視聴いただきまして、誠にありがとうございました! 配信チャンネルの方、登録していただけると嬉しいです! モンゴローがお送りさせていただきました! ばいばーい!」


 :初回配信かよ

 :初回でこれは草

 :乙

 :乙やで



 視聴者:48人


作者のおしり炒飯と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

本作、カクヨム様にて、先行公開しております。

続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614

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