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【第二章完結】モンスター系ダンジョン配信者〜ニンゲン嫌いの僕は、モンスターを布教しながら最強となる〜  作者: おしり炒飯


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第58話 新居と本部

 どうも、モンゴローこと守野ゴロウです。ついに今日から、ダンジョン都市の新居に入居です。


 しれっと車も買っちゃいました。もふげを連れて公共交通機関は使えないからね。もうね、人生で一番散財したね。300万円くらい使ったかもしれない。


 配信でも紹介したけど、新居は1LDKでペット可の物件。マンションタイプで、部屋は三階にある。家具はすでに備え付けられているため、最低限の荷物だけで引っ越しを済ませることが出来た。


 「うわ~、知らないにおいがするなぁ。」


 『わふわふ。』


 アイテムボックスから、両親の遺影を取り出して、カウンターキッチンの端に置いた。


 「父さん、母さん。僕、初めて引っ越しした。明日からはいよいよ富士ダンジョンだ。」


 そう。明日からいよいよ、僕は富士ダンジョンに行く。今からワクワクが止まらない。一体、どんな世界が待っているんだろう…!


 今日は、あまり眠れないかもしれないな。



 ○



 はい、やっぱり寝れませんでした。遠足とか修学旅行の前日も寝れないタイプです。


 教練棟とは別のエリア、富士山のすぐ麓にあるギルド本部が視界に入る。黒々とした建物群。その後方、富士山の中腹からは、天を突く巨大な塔がそびえ立っていた。頂をうかがい知ることは出来ず、中腹からは不自然に、分厚い雲で覆われている。


 「改めて見ると、とんでもなくデカいな…。」


 ギルド総本部は、さながら漆黒の機械要塞、といった様相であった。それもそのはず。かつてこの場所は、悲惨なスタンピードの中心地であったのだから。


 物々しい雰囲気とは裏腹に、ギルド周辺は大勢の人間で賑わっている。見たところ、観光客も多そうだ。


 ダンジョンゲートと見まがうような扉を抜けると、そこは機能美を追求した空間だった。新宿ギルドに近いが、規模はこちらの方が圧倒的に大きい。


 「すみません、今日初めて富士ダンジョンに入るのですが…。」


 「承知しました。念のため、探索者カードを確認させていただいてもよろしいでしょうか?」


 カードを渡して、施設の簡単な案内を受ける。ほとんどの施設は、このカードがあれば通行可能なようだ。ダンジョンゲートに通ずる特殊エレベーターについては、かなり厳格に立入がチェックされており、「ゲートに向かうためのエレベーターに向かうためのゲート」でカードのチェックを受けてから、進入するらしい。


 「他に何かご質問は?」


 「施設内の飲食店で、おすすめとかあったりしますか?」


 「犬のおしり亭一択ですね。」


 こ、ここにもあるのか、犬のおしり亭!!



 ○



 ゴウン、ゴウン


 エレベーターの駆動音が、静かに響く。このエレベーターは富士ダンジョン入り口ゲートまで直通となっている。


 すでに着替えは済ませており、いつでもダンジョンに挑める状態だ。落影の軽鎧、初の実戦着用だけど、着心地はめちゃくちゃ良いし、とても軽くて動きやすい。これなら大丈夫そうだ。


 チンッ


 重厚な作りのエレベーターに似つかわしくない、軽快な音が響いた。

 扉が開く。途端に、冷たい空気が肌を撫で、白い霧のようなものが垂れ込めてきた。


 「雲、か。」


 鎧が汗をかく。一歩踏み出すと、雲の先にうっすらと“壁”が見える。いや、それは壁ではない。富士ダンジョンそのものであった。


 不意に光が差し込んだ。雲の切れ間、まぶしさに一瞬目を細める。


 「う、うわぁ…!」


 どこまでも、どこまでも青い空に、突き刺さるようにしてそびえ立つ真っ白な富士ダンジョン。背後を振り返れば、発展を遂げ続けるダンジョン都市が一望できた。


 攻略勢と呼ばれる、ほんの一握りの探索者しか見ることの出来ない、光景。

 かつては両親も見ていた、この絶景。


 僕の胸に、確かに、こみあがってくるものがあった。


 「ここからだ。ここからが本当の、探索の始まり。」



 パシンッ! と。僕は気合いを入れるように両頬を叩いた。


 「よぉーし、行くぞッ!」



 僕は、富士ダンジョンへと踏み出した。



 ○



 「は、恥ずかしい…。」


 ダンジョン入り口の警備員さんに、全部見られていたようです。めちゃくちゃ生暖かい目で対応されました…。


 ダンジョンゲート、というか富士ダンジョンの入り口は黒い球状のドームに覆われており、その内部に塔の入り口、さらにその中に巨大なゲートがあるらしい。


 某忍者なら、「巨大なち○こみたいでござる!w」とか言いそう。風情もあったもんじゃない。


 塔の内部に入ると薄暗く、上を見上げれば不自然に真っ暗だ。まるで一切の光源が無い深海のようだ。暗闇の中で、巨大なダンジョンゲートが青白い光を放っている。


 「ゲートと言うか、滝? みたいにも見える。」


 ゲートの上部は見えない。デカすぎて、暗闇の中にあるのだ。何百mとあっても不思議ではない。その上部から光る青い粒子のようなものがゆっくりと流れ落ちており、反対側は見えなくなっている。


 塔には今、誰もいない。外界の音も聞こえない。


 僕の心臓の鼓動だけが、やけにうるさく聞こえる。

 もう、言葉はいらない。


 ゲートをまっすぐに見つめて。


 

 富士ダンジョンへ。



作者のおしり炒飯と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。


面白ければぜひ、リアクションと評価いただけると嬉しいです。


また、本作カクヨム様にて、先行公開しております。

続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614

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― 新着の感想 ―
いよいよ!どんなモンスターと生態が出てくるのか、楽しみです。
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