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モンスター系ダンジョン配信者  作者: おしり炒飯


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第3話 探索者ギルド立川支部

僕は18歳になり、あの忌まわしい高校を卒業した。

 卒業式には出席しなかった。時間の無駄だし、そんなくだらないことより、僕にはやらなければならないことがあったからだ。

 

 「ここが、探索者ギルド立川支部…!」


 そう、探索者ギルド。探索者登録するには、18歳以上でなければならなかった。

 今日、僕は探索者となって、「モンスター解説系配信者」となる第一歩を踏み出すのだ。


 「あ、登録申請はこれでできるんだ。」


 事前に探索者ギルドのHPから予約をしていたため、タッチパネルからスムーズに登録申請をすることができた。待合ゾーンで五分ほど待っていると受付に呼ばれ、簡単な説明を受ける。


 探索者に、階級のようなものは存在しない。多くの場合、ダンジョンでどれだけ“適応”したかが基準とされているが、基本的に探索はすべて自己責任。登録をした段階で、命を落とす危険性についても理解している、と見なされる。


 そのため、身の丈に合わない難易度のダンジョンに挑み、命を落としても、「自分が悪いんでしょ。」で終了。一応、遺族にはギルドからいくらかの金銭が払われるらしいけど。


 僕の両親はすでにいないため、そのあたりも関係ない。


 素材の買取や、更衣室の使い方など基本的な説明と、ギルドの法規的な説明について受けた後、探索者証発行まで待機することになった。


 「なんだか、違う世界みたいだ。」


 探索者ギルド立川支部は、区役所や市役所のような雰囲気であるにもかかわらず、巨大な剣を持ったおじさんや、ローブを羽織り、杖を持ったお姉さんなどが闊歩していて、なんだかミスマッチ感がすごかった。


 「俺、ついに5レベになったわ~!」


 「うーわマジかよ、追いつかれたぁ~!」


 若い探索者たちが楽しそうに話している。

 適応、ゲームになぞらえて、レベルアップと呼ぶ人も多い。この現象はダンジョン内で一定の経験を積むと現れる現象のことだ。


 経験、というのは戦闘経験はもちろん、素材の採集や加工、果ては料理なんかでも獲得できるものらしく、経験に応じたスキルをレベルアップ時に獲得できるらしい。また、身体能力も大幅に上昇する。


「登録申請でお待ちの、守野ゴロウさ~ん!」


「あ、はーい!」


 ついに、探索者証を手に入れた!

 見た目は運転免許証や、マイナンバーカードに似ている。マイナ探索者証と言って、マイナンバーカードと一体化したりもできるらしいが、別の手続きが必要とのことで、今回はスルー。


 探索者証にはGPS追跡できるマイクロチップが搭載されており、負傷して動けなくなった際や、行方不明時はカード裏側のスイッチを押すと、これを頼りに捜索してくれるらしい。緊急時はアイテムボックスに入れていても機能するとのこと。どういう仕組みなんだろう…。


「説明は以上になります。本日早速“立川ダンジョン”に向かわれますか?」


「はい、そのつもりです!」


「では、こちらをお渡ししておきます。今の時期は“噛みつきイナゴ”の繁殖期になっておりますので、十分お気をつけください。」


 渡された紙を見てみると、

『黒い噛みつきイナゴに要注意!』

 と書かれていた。


 噛みつきイナゴというモンスターは30cm程のバッタ型のモンスターだ。繁殖期になると体色が黒くなり、凶暴になる。


「うわぁ~、早く実物が見てみたいなぁ。」


 そんなことを思いながら、僕は更衣室へと向かった。



 ○



 立川ダンジョン。小規模のダンジョンで、全5階層。

 それぞれの階層の広さは、約7平方km。大体、狛江市と同じくらいだ。


 小規模ダンジョンということもあり、モンスターも比較的弱い種類しか出現しない。駆け出しの探索者や、運動がてら探索する40~50代の探索者に人気のダンジョンだ。まぁ、比較的弱いと言っても、油断していれば余裕で死ねるんだけどね…。


 ダンジョンが世界に出現してから、人々の価値観なんかも大幅に変わっていた。適応が進んだ探索者は、まさしく超人的存在。そんな超人たちが犯罪に手を染め、世界中で大きな問題となった。


 結局、自分の身は自分で守らなければならなかった。そのため、世界中の多くの人々は、ジムに行って鍛える感覚で、ダンジョンに挑むようになっていた。


 ギルドから直結しているダンジョン入り口の前に、僕は立っていた。


「装備も、問題無いよね。」


 上下、迷彩柄のジャージに、母さんの形見のローブマントを羽織っている。

 荷物はない。すべてアイテムボックスの中に収納している。その中には、父さんの形見の長剣も入っている。あくまで動きやすさ重視の格好だ。


 モンスターに従来の重火器が効かないことは、ダンジョン出現初期に発見された事実だ。ダンジョン由来の素材で作られた武器防具でなければ、効果は薄い。故にみな、ファンタジー世界のような出で立ちをしている。


「いざ、出発!」



 大きな石造りのゲートを超え、僕はついに、立川ダンジョンへと足を踏み入れた。


作者のおしり炒飯と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

本作、カクヨム様にて、先行公開しております。

続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614

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