第26話 配信!【魔力の炊き出し(?)で、彷徨う影何人集まるか検証!】
「はい、と言うことでやって参りました、新宿ダンジョン第四層の都市部エリア! いや~ついつい吸血蝙蝠たちと盛り上がってしまって、時間が押しているので割と本気で移動してきました。」
:暗くてよくわからんかったけど、たぶんえぐい速度だったよな?
:ビュオオ、じゃなくてファーンッて感じだったぞ
:新幹線かな?
:シンゴロー
:吸血蝙蝠と盛り上がって、のところで誰か突っ込めよ
「新宿ダンジョンって崩壊した都市?って感じで、道が最低限舗装されていて走りやすくていいですよね! この前モンスター探しながらランニングしたんですが、普通にめちゃくちゃ気持ちよかったです!」
:初めて聞いたわそんな感想
:性自認車かな?
:トラン○フォーマー
:トランスジェンダーみたいに言うな
:どっちかと言ったらテ○フォーマーやろ
:ゴキの抜け殻被って喜んでるしな
:草
:草
「ちょ、ちょっと僕の扱いひどすぎません?? ジャイアントローチの抜け殻、視聴者プレゼントとして送りつけますよ? 僕の足の速さ、知ってますよね? 絶対に見つけ出して、地の果てまで追いかけますからね。」
:いらなすぎる
:いらん
:すみませんでした
:こわい
:脅迫すな
「プレゼント企画は後日実施するとして、本日最後のターゲットは彷徨う影、というモンスターです。人型の影のようなモンスターで、新宿ダンジョンの深夜帯に出現するモンスターですね。」
:げ、やっぱり彷徨う影か
:彷徨う影って、かなり怖いモンスターって聞くけど
:怖い?
:どういうモンスターなんや
「そう、彷徨う影は恐ろしいモンスターとして知られています。見た目が、とかいうことではありません。その能力故に、です。彷徨う影に触れられると、魔力や生命力を吸い取られます。その際、精神的な恐怖を植え付けられるというか、そう、SAN値チェックが発生するというか…。人生で経験した中で、一番恐怖を感じた体験を追体験させられる感じがする、らしいです。」
:恐ろしすぎない?
:精神攻撃タイプか
:どうせモンゴローには効かないんやろ?
「はい、僕には効かないですね~。魔力は吸われるんですけど、それ以外は普通って感じです。この前事前調査したときに、街頭演説風の行動をしている影と握手したりしたんですけど、そのとき魔力を多めに渡してあげたら喜んでたんです。ってことで、今回は廃墟の都市部で魔力の炊き出しを行って、どれだけ彷徨う影が集まるか検証しようと思います!」
:は?
:ついて行けてない
:ツッコミが渋滞しとる
:街頭演説とは
:話聞く限りかなりフランクなモンスターでは
:魔力の炊き出しってなんやねん
「はい、ってことでこのあたりで屋台の準備していきたいと思います。アイテムボックスに一式入れてあるので、まずは簡易的なテントを建てていきます。次に長机と、のぼりをセットして、と。完成です!」
:なにこれ
:どうして
:訳分からん
:「魔力、あります」ってなんやねん
:こののぼり、わざわざ作ったんか…
:通報されるだろこれ
「はい、では早速魔力を垂れ流しにして、彷徨う影の皆さんを誘因していきましょう。一応、音もあったほうがいいかと思って、“呼び込みさん”も買っておきました!」
~♫ イラッシャイマセ、イラッシャイマセ、ただいま魔力を無料でお渡ししております!
:もうめちゃくちゃ
:深夜のダンジョンで何してんねん
:普通に不審者どころの騒ぎでは無い
:呼び込みさんって普通に売ってるんやなぁ
:しれっと魔力を垂れ流しにしてるのやばすぎるからな
:垂れ流すほどの魔力があるの、どういうこと
『ア、ア。』
「お、さっそくお客さんがいらっしゃいましたよ! おばあちゃん姿の彷徨う影、みたいです。あ、この前お話したおばあちゃんかな? こんばんは! 握手する形で、無料で魔力をお渡ししてます! はーい、握手! え、これくれるんですか? ありがとうございます! みなさん、こちらの影さんから影饅頭なるものをいただきました!」
:何を見せられてんの
:これ、危険なモンスターなんだよな?
:くっそ危険やぞ、さっきモンゴローも言ってたが、強制的に心理的ショックを与えられる感じや。魔力も持って行かれるし、魔術師にはガチの天敵。精神病院送りになるやつも結構いる
:やばくて草
:そんなやばいモンスターとなんでこんな和気藹々としてんねん
:影饅頭てなんやねん
:で、味は?
「見た目は手のひらサイズの影の塊ですね。では、いただきまーす! あ、口の中で一瞬で溶けちゃいました。うーん、味はないのですが、心地よい冷たいのどごしと、元気が湧いてくる感じがします! もしかしたら、これまでに吸収した他探索者のエネルギーを分けてくれたのかもしれません!」
:ひえっ
:普通に食うな
:どんな食レポ?
:化け物かこいつは
:若返ったりするならすごいけどな
:モンゴロー以外に誰が手に入れられんねん
『『『ア、アァー、イノチ、イノチ…』』』
「うわ、すごい集まってきてます! これが、呼び込みさんの力、か…!」
:お前や
:お前の魔力や
:まだ垂れ流しにしとるんかい
:呼び込みさんいらんやろ
「はーい、こちらに一列にお並びください! はーい、ありがとうございます! あ、この前の街頭演説の! はーい、ありがとうございます! あ、割り込まないでくださいねー! では、握手していきながら彼らの生態について解説していこうと思います!」
:マルチタスク
:どんどん集まってきててやばい
:普通にこわい
:暗闇から続々と集まってくるの恐怖すぎる
「彷徨う影はアンデッド系のモンスターに分類されていて、主に午前2時前後から活動を開始します。昼間はどこにいるのか分かっておらず、この時間帯になると、突然姿を現します。精神攻撃と精神力や魔力の吸収を得意としており、影個人によって特定の行動やルートの徘徊を繰り返します。近くを生きた存在が通ったときに襲いかかる、って感じですね。集団で襲われると普通の人は廃人になってしまうので、要注意です! あ、聖属性魔法やお祓いができる僧侶系のスキル、道具だと聖水なんかが有効です!」
:ザ・幽霊
:幽霊やん
:こっわ
:聖属性なんて滅多に使えるやついないぞ
:聖属性が付与された武器ならあるけどな、ナイフくらいならギリ買える値段や
「これは僕の推測なんですが、彼らはもともとこの世界の住人で、何らかの理由で死んでしまった結果、影として彷徨い続けている。でも、同じ行動を繰り返し続けていることから、そこに魂は無く、あくまで影。模倣品、別の存在なんだと思います。」
:だとしたらこの世界で何が起こったんだよ
:ダンジョン、なんだよな?
:そもそもダンジョンがなんなのか、分かってないしな
:ただのそれっぽいステージに出てくる、それっぽいモンスターってだけやろ
「どうなんですかねぇ、信じるか信じないかは、あなた次第ですっ!」
:やかましいわ
:都市伝説系配信者
:やりすぎモンスター伝説
:髪型横分けヘアーにしろ
「はい、って感じでこんなにも多くの影の皆さんが集まってくれました~! ざっと1000人くらいはいるんじゃないでしょうか? ってことで今回の配信は、この影の皆さんをバックに、終了したいと思います! 昼と夜、二部構成でお届けしました! 長時間にわたってご視聴いただき、ありがとうございました! ばいばーい!」
:どんなオチやねん
:恐怖映像
:影に病まされたやつが見たらPTSD発症するやろ
:乙
:ばいばーい
視聴者:438人
作者のおしり炒飯と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
本作、カクヨム様にて、先行公開しております。
続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。
https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614




