第22話 配信!【(閲覧注意)ジャイアントローチの油膜で、キャンドルを作ろう!】
「えー、次のターゲットなのですが、ちょっと閲覧注意です。虫とか苦手な方は特に、気をつけてください。画面いっぱいにでっかい虫型のモンスターが写る可能性があります。と、言うか写ります。」
:舐めんな
:こちとらバッタで慣れとるわ
:フッ、何を今更
:ばっちこい
「おお、皆さんさすがですね…。僕の配信を見ているということは、皆さんもモンスターが好きなのでしょう…! よし、到着しました。この雑居廃ビルですね。では、ここでとある物を取り出すと、とあるモンスターが大量に出てくるんです。その、とある物とは…。こちら! タマネギですっ!」
ガサガサガサッ
ピコピコピコッ
「ほら、もうこんなに出てきた! 彼らが今回のターゲット、ピコピコ君こと、ジャイアントローチです!」
:ヒッ
:ごめんなさい
:許して
:なんでもしますから
:鳥肌やばい
:食欲失せた
:おかあさーーーーん!!!
「も~、だから言ったじゃ無いですか。閲覧注意だって! コメント欄が阿鼻叫喚ですが、僕は止まりませんよ! まず、彼らの観察をしていきましょう。まず、彼らの見た目ですが、みなさんの身近に存在しているチャバネゴキブリやクロゴキブリに近しいですね。触覚がぴこぴこしているので、僕はピコピコ君たちと呼んでいます。」
:名前では誤魔化しきれないグロさ
:ヒィイイ
:普通のゴキですら、こんなマジマジと観察したことない
:マジ無理
「ここ、お尻のところに突起が二つあるの、わかりますか? 彼らはここで風の流れなんかを感じたりして、敵の動きを読んだりするんです。また、僕がタマネギを出した瞬間、ものすごい速度で集まってきましたよね? ジャイアントローチは一歩目から最高速度で走り出すことが出来る、すごい生き物なんです! あ、身近なゴキちゃんも同じ力を持ってます。それと、これが卵鞘ですね。このがま口財布みたいな塊に、ぎっしりと卵が詰まっているんですねぇ。」
:だからあんなに素早いのか
:たまに未来予知するみたいに避けられるもんな
:それはそれ、これはこれ
:きしょいことに変わりは無いんだよなぁ
:卵破壊しろ
「はい、こちらのピコピコ君をご覧ください。見た目が異なっていて、小さいですよね? この子はまだ子供なんですね。ピコピコ君達は脱皮を繰り返して、成長していきます。これが事前に見つけていた脱皮殻です。子ピコピコはどちらかというと、ダンゴムシに近い見た目で、けっこう可愛くないですか?」
:かわいい…かわいい…?
:そもそもダンゴムシが無理
:それ
:デカピコピコよりはマシ、かなぁ
「むぅ、無念。あ、ピコピコ君たちの体表、よく見てください。てらてらと光を反射してますよね? 実はこれ、油膜なんです。体全体を油膜で覆うことで、体を清潔に保ったり、保湿しているんです。そう、これ油なんですよ。この油でアロマキャンドルが作れたら、素敵だと思いませんか?」
:思いません
:思わないが
:何を言ってんの?
:頭おかC
:初見なんやが、開幕激キショ発言で声出た
「では、ピコピコ君たちがタマネギに夢中になている間に、ちょっとずつ油膜を採取させてもらいましょう。ふふふ、これで素晴らしいキャンドルが完成したら、商品化も待ったなしですね…。」
:待ったあり
:大ありです
:異議あり!
:ふふふ、じゃないんよ
:誰がクソデカGから作ったキャンドルなんて欲しがんねん
「一匹から採取しすぎるとかわいそうですからね、大勢からちょっとずつもらいます。このスプーンで羽の溝に沿って、スゥ~~~~~~~ッ!」
:ギコギコは、しません!
:ピコピコは、します!
「はい、一匹のピコピコからこれしか取れません。希少部位ですね。この調子でちょっとずつ貰っていきます。この容器がいっぱいになるまで、採取していこうと思います!」
:マグロみたいに言うな
:牛肉みたいに言うな
:希少部位
:臭そう
「これくらいで十分かな? こちらが、容器いっぱいに集めたピコ油です。うーん、若干黄ばんでいる、油の塊って感じですね。ちょっと蜜蝋に近いでしょうか? では、早速一度溶かして、固めてみましょう!」
ボッ
「こんな感じで、指先から出した火魔法でじっくり溶かしていきますよ~。いやぁ~、火魔法って便利ですね。それに“魔法使ってる感”が強くて、本当にテンションあがります!」
:えぇ…
:お前いつの間に火魔法なんて取得したんや
:火魔法ってかなり当たりのスキルだよな?
:再生、脚力強化(?)、火魔法の三つだけでだいぶ戦えるだろ
:バランス良くてうらやましい、ワイなんて料理、魔力増加、ヌンチャクやぞ
:草
:ヌンチャクニキ草
「良い感じに溶けたので、ここに芯を入れてっと。完成です! どうですか? 見た目は普通のキャンドルと遜色ないでしょ!」
:まぁ、確かに
:見た目はね?
:アロマキャンドルなんだから、肝心なのは匂い
「早速火を灯して、チルな時間を楽しもうと思います。おぉ、ちゃんと火がつきました! 匂い? 匂いは、えーっと、うーん。よく言えば、エビが焼ける匂い。悪く言えば、漁港の隅っこ、ですかね…。」
:くっさ♡
:くっせ♡
:はい解散
:商品化諦めて、どうぞ
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作者のおしり炒飯と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
本作、カクヨム様にて、先行公開しております。
続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。
https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614




