第10話 配信!【ゴブリンの村ツアー!】
「視聴者の皆さん、先に言っておきますが、これから案内するのはゴブリンの村です。非常に危険なので、初心者の方は絶対にまねをしないでください。そして中級者の皆さんは、ゴブリン討伐の参考としてください。あくまで僕は、モンスターの生態を解説するために、特別な許可をもらって村を訪れています。」
:お前も初心者やろ
:初心者設定どこいってん
:急にめちゃくちゃ参考になりそうなことし出して草。集中して見るわ
:特別な許可って、ギルドから許可もらったってこと?
「いえ、村長のゴブリンソルジャーさんから許可をもらってます。あ、ゴブリンソルジャーが出現したってことはすでにギルドに報告済みで、数日後には立川ダンジョンで注意喚起が出ると思います~。」
:草
:ゴブリンソルジャー!?
:特殊個体か?
:立川ダンジョンメインの探索者には荷が重いな
:モンゴローが倒せばいいのでは
「僕はあくまで、モンスターの生態を解説するだけです。戦闘はてんで出来ませんし。逃げ足には自信ありますけどね!」
:まぁ情報提供はしてるしな
:いうて勉強にはなる
:再生あっても、戦えるスキル無かったらソルジャーはきついやろ
:戦闘は攻略組の動画見れば良いしな
:ゴブソルなんて攻略組が何百匹も倒してるやろ
:モンゴローの脚力でキックしたら、大抵のモンスターは消し飛びそうな希ガス
:たしかにむし
「あ、着きました。ソルジャーさんいますね。おーい! こんにちは! 今日はよろしくお願いします~!」
『グギャギャ、グギャ』
「はい、村全体見せてもらう感じで。写しちゃいけないところは写さないようにするので!」
『ガギャギャ』
「はーい、よろしくお願いします! ってことで早速、村の中見て回りましょう!」
:ちょっと待てぃ!
:なんでナチュラルに会話してんの?
:ゴブリンって、言葉が通じる相手でしたっけ?
:ちょっと頭が追いついてない
:ゴブリンって、俺の理解が正しければ、人間を見た瞬間喜んで襲いかかってくる危険モンスターだよな?
:その理解で合ってるぞ
:ギルドHPより以下コピペ↓
ゴブリンは年間数百人の死者を出す危険なモンスターである。集団で行動し、積極的に人間を襲う。一匹あたりの強さはそこまでではないが、2体、3体となれば危険性は倍々で増加する。様々な作品において最弱の存在として描かれることが多いが、現実においてはその限りでは無い。決して油断してはいけない、危険なモンスターである。
「はい、ということで見てまわるんですが、まずは一般的なゴブリンの家から見せてもらいましょう! お邪魔しまーす!」
『ゲギャ!』
「あ、こんにちは~。中は人が一人、入れるかな~って感じの広さですね。ダンジョン内に生育している丈の長い草を、藁束のように乾燥させて作った家みたいです。ゴブリンは人間でいうところの3~5歳程度の知能があるので、このような簡単な秘密基地、くらいの家を作ることが出来ます。これがベッドですかね、同じような草木を集めて、寝床にしているみたいです。」
:ゴブリンのルームツアー
:攻略組が焼き払うとこしか見たことない
:臭そう
:モンゴロー、匂いはどうや
「匂いは、そうですねぇ。家畜小屋と公衆トイレを足して割ったような感じです。まぁ、お風呂もありませんしねぇ…。」
:くっさ
:くっさ♡
:ゴブリンくっさ♡
:水浴びくらいしなさいよ♡
:メスガキホイホイ
「さて、お次は倉庫みたいなところですかね。うーん、棍棒が何本かと、あ、お金! 小銭がちょっとありますね。誰かの落とし物を拾ったのかな?」
『ゲギャガギャ』
「え、もらっていいんですか? やった~! 帰りはラーメンでも食べて帰ろうかな! あ、この棍棒って、予備みたいなものですか?」
『グギィ、ガギョギョ』
「なるほど、受け継がれてきた棍棒、ですか。先祖代々、受け継いでいるみたいです。まぁ探索者からしたら、棍棒なんてお金にならないですし、ゴブリンの魔石だけ回収して捨てられていくんでしょうね。それを回収して使っていると。」
:伝家の棍棒で草
:ゴブリンもそういうことするんやなぁ
:ゴブカス、初心者のうちは小遣い稼ぎになるが、本気で探索者として食っていくとなると、実入りが少ない微妙モンスに成り下がるんだよなぁ。
:初心者のうちに経験値稼ぐために狩ったけど、それ以来は魔石すら回収してないわ
:もったいね
:視聴者に経験者ニキが増えてきたな
「ソルジャーさんのお宅は写すな、ということだったので、スルーさせていただきます。他の家も、先ほど紹介した家と同じような感じですね~。食料については主に噛みつきイナゴを丸かじりしているみたいです。まれにエッジラビットなんかを捕まえられるみたいなんですが、そういう場合はゴブソルさんに献上して、残りを分け合うスタイルらしいです!」
:ゴブソル、良いご身分だな
:バッタが主食かぁ
:栄養はありそう
「火は使えないっぽくて、基本的にはバッタを干して保存食にしているみたいです。」
『グギャ』
「あ、ありがとうございます。ちょうど一匹持ってきてくれました。これが干しバッタ君ですね~。あ、顎や後ろ足なんかの、硬くて食べられない部分は取り除かれていますね。では、ちょっと食べてみたいと思いま~す!」
:は?
:食うな
:病気になりそう
:食うなよ
:嬉しそうなのやめてね
パリッミチミチッ
「あ~、エビみたいな風味の後に、うっすらと苦みを感じますね。あ、でも確かに肉々しさを感じます! 唐揚げとかにしたら良いおつまみになりそうな感じです。」
:急な食レポで草
:えぇ…
:まぁ普通のイナゴ食ってる地域もあるしな
:ゴブリン手製の干しバッタを食う探索者=?
「はい、お腹も満たせたところで、今日はこのあたりで配信終了したいと思います! 立川ダンジョンに生息するモンスターは、ボスを除いてすべて紹介しましたので、次回からは別のダンジョンで配信する予定です!」
:ボス倒せ
:ボス配信みたい
:ボスはさすがに戦闘なるから、モンゴローは厳しいやろ
:無理はすんな
「いろんなご意見、ありがとうございます! ボスはちょっとどうなるか分からないので、配信は無しの方向で考えています…。初心者なので、安全第一でやっていくつもりです!」
:初心者…?
:安全第一…?
:どの口が言っとるんや
:※彼は今ゴブリンの村にいます。
:※彼は数分前、ゴブリン手製の干しモンスターを食べました。
「では、配信終了しようと思います! ご視聴ありがとうございました、モンゴローでした~! ばいば~い!」
:乙
:ばいばーい
:乙~
視聴者:117人
【配信終了】
○
「ふぅ、今日の配信もうまく行ってよかったぁ!」
『ニンゲン、オワッタカ』
「あ、ゴブソルさん。ありがとう! 終わったよ~。」
『デハ、ノコリブンモ、モラウゾ』
「うん、いいよ。」
僕はアイテムボックスから、“それ”を出した。
それを見たゴブリンソルジャーは、よだれを垂らして笑みを浮かべた。また、周囲のゴブリンたちも、ギラついた目でそれを見つめる。
『スキル獲得:ゴブリン』
『スキル獲得:ゴブリンソルジャー』
よしっ! 無事にスキルを獲得できた!
それにしても、よかったぁ、無事に『人肉』が手に入って!
―――――
スキル:ゴブリン
①暗視
②病毒耐性
スキル:ゴブリンソルジャー
①近接戦闘補正
②病毒耐性
③悪食
作者のおしり炒飯と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
本作、カクヨム様にて、先行公開しております。
続きが気になりましたら、ぜひ下記よりご覧ください。
https://kakuyomu.jp/works/822139844400383614




