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"なろう"小説ネタ帳  作者: ネタ帳
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異世界を近代化するには(第1回)

異世界に現代の科学技術を持ち込み、それを用いて無双するというのは「なろう小説」にとってある種お決まりのパターンとなっている。

そういった小説の全てを否定するつもりは毛頭なく、主人公に限り現代文明の利器を活用しようというのはなんら問題ないだろう。

しかしながら、それを使って領地経営をしようと言うのであれば話は別だ。「中間技術」による途上国への技術供与が一時期流行ったが、異世界をさらに技術革新の遅れた世界だと定義するのであれば所謂適正技術を利用しなければならないだろう。


このシリーズではどの様な科学技術がその地にとって適正であるのか、見直すきっかけになれば幸いだ。

第1回では食料生産技術について述べる。

中世ヨーロッパをモデルとするのであれば、最初に手を付けるべきところが食料なのは明確だろう。


イギリス産業革命が興ったのはなぜかと聞かれて、「ワットが蒸気機関を改良し、製品の大量生産が可能になったから」と答える人は少なくないだろう。

けれども、これでは質問に的確に答えているとは言い難い。プロダクトアウト的に製品を垂れ流したところで、中世世界では買い手が存在しない。

いくら技術発展したとはいえ、製造ラインを管理する人手すら足りないだろう。

しかし、産業革命期のイギリスにはその担い手がいた。農業革命があったからだ。


農業革命とは一般に産業革命直前のヨーロッパで起こった農業における構造変化のことを指すが、大きく「輪栽式農業」と「エンクロージャー(囲い込み)」という2つの要素がある。

農業革命によって第一次産業の生産効率が大きく向上し、ヨーロッパにおける人口増加につながった。

何事よりも先ず腹を満たして人が増えなければ発展はあり得ないのだ。


輪栽式農業というのは三圃制農業の進化版のようなもので、牧草をジャガイモやカブに置き換えたものである。

冬に枯れてしまう牧草に対し、ジャガイモやカブを植えることで家畜の飼料を年中確保できるようになり、三圃制の効率は劇的に向上した。

主食となる小麦や大麦の生産量増加はもちろん、すべからく肉類も増産に成功したことにより栄養バランスは改善、人口増加という流れになる。


エンクロージャーとは技術的なものというよりもシステム面での改善だった。

それまでの農業は田舎特有の、村社会のようなものであり、お互いの農地を共有して作物を作っていたが、あるときを境に農業の効率化を目的とした土地所有の厳格化が行われた。

なぜこのような施策が効率化につながるのかというと、厳格に管理が行われることで隣人の顔を伺わずとも新しい農法を試すことができるようになるからだ。

更に、こういったことを試す上では得られる利得の大きさからして元から広い土地を所有していた者のほうが圧倒的に有利である。

小さな土地しか持たない農民はやがて農地を放棄し、小作農となることで富めるものが富む構造が生まれた。

実際に働くものとそれを管理するものとに分かれることで農業の効率化が推し進められ、ヨーロッパにおける人口は増加した。


こうした農業革命における人口増加が産業革命を下支えしたのであり、それなしに産業革命は起こりえない。

まず手を付けるならば農業、これは鉄板だろう。

農業革命期以前のヨーロッパでは開墾運動が盛んであった。

実はヨーロッパの土地というのは堅い地盤の土地も多く、あまり農業に向かないものであったが、それを変えたのが犂の改良だった。

牛馬を使い、改良された犂を引かせるという新しい開墾方法が編み出されたことにより作付け面積が広がったことが農業革命の一助となったことは言うまでもないだろう。


土地柄の設定によってはこうしたことを取り込むのも良いかもしれない。

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