第二十二話 地雷
朔仁が家に来てから3日目になる。朔仁はその間、寛蓮と遊んだりモフィーと散歩に行ったりしていた。
「今日は久々に行くよ。」
「分かった。花は何が良い?」
「そうね。花は___」
「瑛華・・・どこに行くの?」
「墓参り。俺のお姉ちゃんのね。」
円山から近くにある墓場。そこにお姉ちゃんはいる。
「お姉ちゃん。会いに来たよ。」
「モフィーはおむつしようね。」
今日はモフィーと寛蓮も一緒だ。朔仁はやることがないからついてきた。
「お線香たくよ。」
晴れていて良かった。家族で手を合わせている中、俺は手を組む。キリスト教の教えだ。
お姉ちゃん会いに来たよ。あの時は俺のせいでごめん。でも___
「ねぇ。それって意味なくない?」
は?
つぶやいたのは朔仁だった。家族全員が朔仁に注目し、固まっていたが寛蓮が話しかけようとした。
「朔仁く___」
「朔仁っ!お前それもう一回言ってみろっ!!!」
俺は気づいたら朔仁の胸ぐらを掴んでいた。
「いやっ、それって意味ないよね?って聞いただけなんだけど。そんなに怒ってどうしたの?」
朔仁は澄んだ瞳で俺をまっすぐ見つめ、聞いてきた。
無言のまま俺は墓にお花をそえて家族よりも早く帰った。
「ねぇ寛蓮。瑛華どうしたの?・・・寛蓮?」
皆、話してくれない。無言のまま帰ってしまった。
「なんだ?」
「いただきます・・・。」
あれから誰も話さない。話してくれない。俺・・・なんかしたかな?
原因、原因。きっかけは墓参りの時の俺の質問。あれが地雷だったのか?
あれは謝るべき行動だったのだろうか。
「ちょっ、寛蓮!」
俺は一日経ってやっと声をかけることができた。本当は瑛華に声をかけたかったが、寛蓮が限界だった。
「・・・何?」
「ちょっと、部屋で話したいことがあって。」
「・・・。モフィーおいで。」
チャカチャカ___モフィーの足音だけが聞こえる。
「それで朔仁くん。話って?」
部屋に移動した寛蓮はモフィーを撫でながら聞いてくる。
「・・・。俺、母子家庭___父親がいなくてさ母と二人暮らしをしてたんだよ。でも、母親だけじゃ家計を支えるのが難しかったんだ。だから母はほぼ家にいなくて、たまに金をくれるだけだった。母さんは俺のことどう思ってたんだろ。」
「さあ?」
少し驚いたような顔をした後、モフィーを撫でながら首をかしげる寛蓮。
「・・・家庭環境があんま良くなかったからか人付き合いが苦手で、人の気持ちとかあんま分かんないんだ。」
そう。なんで怒っているのかも分からない。どうしたら良いのかも。
「ふーん。よくわからないけど、人は話さないとわかりあえないよ。」
「・・・っ。」
確かに、今までやってこなかった。意味がなかったから。
自分の前で拳を握り、見つめてからまぶたを閉じる。
「寛蓮。ありがとう。一度本音で話してみる。」
「ふぃー。良かったね朔仁くん。仲直りできて。」
気が抜けたように寛蓮が言った。
「まだ話し合ってないけど?」
「ぼくが言ったことは内緒にしてほしいんだけど、実は皆朔仁くんが悪意がなかったってこと分かってるよ。ただ、朔仁くんから気づいてほしくて黙ってるんだよ。おかげでぼくが苦労するよ。」
寛蓮はそう言い、ほっぺを膨らませた。
「そう、だったんだ。・・・寛蓮、リビングに皆を呼んでくれる?」
「ふんっ。ジュース一本でうけたげる!」
リビングに皆が集まりおえる。
「集めたよー!」
「ありがとう、寛蓮。」
一度深呼吸をしてから、俺は話しだした。
「俺は・・・俺は要保護児童だった。」
祝!ピュアカラの結成記念日です!




