スキャンダル
バライティー収録から4日後。俺達は事務所に呼び出されていた。部屋には真剣な顔をしたマネージャーが座っていた。
空気が重い。
「皆___」
何があった。喉が詰まりそうになりながら、息をのむ。
「大手飲料メーカーのCM内定したぞ!!!」
や、
「やったーーー!!!」
「アルバムの発売日に発表だってよ!」
「盛り上がるね。」
資料を手に取り、皆で喜び合う。
クールな朔仁も嬉しそう。
そんな和やかな空気の中、普段は物腰が柔らかい社長が険しい表情で部屋に入ってきた。
「社長?どうしたんですか、そんな険しい顔で。」
いつもニコニコの優しい、おじさんなのに。
社長は椅子に寄りかかるように座り込み、俯いて息を深くをはいた。
「社長!ピュアカラのCMが決まりましたよ。そんな悩まないで___」
マネージャーの語りかけを遮るように社長の一言が発せられる。
「白紙だ。それどころか活動休止かもしれん。」
「は?」
「ちょっと、白紙ってどういうことですか!?」
ガタンッ___
机に無造作に置かれたタブレット。
「こ、これは・・・!」
〈反社と繋がっていた!?Mystery Pure colorsのクールキャラ兼モデルの朔仁___アルバム発売の裏に隠された黒い人脈!〉
「皆が助けにやって来てくれた時の写真!?」
あの時、朔仁はドア周辺にいた!後ろから朔仁と血まみれのヤクザを撮れば、まるで朔仁が殺したように見えるッ!
「ざっけんな!こんなん認められるかよっ!」
「でもヤクザを倒してきたのは事実。疑われてしょうがないっ。」
皆が思い思いの考えを吐いている中、朔仁は黙ってタブレットを見つめていた。
「さっじ・・・朔仁。」
「やめる。脱退する。」
「おまっ___!」
俺が朔仁の胸ぐらを掴んだと同時に朔仁は倒れていた。顔には拳の跡がくっきりと残っていた。
「東狐!?いくらなんでも、殴るのは____」
「脱退するとか馬鹿なこと言うな!脱退するべきは俺なんだ。写真だって俺の責任だ。」
今度は東狐が朔仁の前にズカズカと歩き、胸ぐらを掴み、立たせた。
「お前が脱退するのは認めない!俺が辞める!」
「おい、それは違うだろ。」
「いいや、違わない!俺の責任だ!」
「二人共、そこらへんで・・・。」
「写真に映り込んだ俺の失態だろうが!」
「その元凶は俺つってんだろ!」
これは止めに入った羅潔が危ないので、襟首を引っ張って距離を取る。二人は今にも殴り合いに発展しそうな勢いで胸ぐらを掴む。
誰が悪いとかないだろ。っそもそも俺が捕まらなければ皆は集合しなくて済んだわけで、もし俺が違う行動をしていれば朔仁は・・・。でもそうしたら東狐はどうなっていた?あの行動は正しかったのか?何が正解だったのか分からない。俺の責任でもある。
「お、俺の___」
「・・・やめろ。」
社長・・・?
「やめなさいっ!」




